JPH03501059A - 歯科補綴物等の物体の色の決定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 歯科補綴物等の物体の色の決定方法 本発明は、物体、特に歯科補綴物等の物体に付与されるべき色を、患者口腔内の 隣りの歯のような他の物体の色を決定することに基づいて決定する方法に関する 。

歯科補綴物（歯冠、継続歯、橋義歯等）の色はあらゆる種類の照明の下で可能な 限り隣りの歯の色と一致することが望ましい。

現在のところ、歯科補綴物の色は通常目視観察によって決定され、−ｉには、歯 科医が一つないしそれ以上のカラー・チャートに示された種々の色と患者の歯の 色とを比較することによって行なわれている。この方法により得られる結果は当 然のことながら、極めてよく似た色の違いをどこまで判別できるかという歯科医 の個人的な能力にかかつており、そのため、常に満足のゆく結果になるとは限ら ない。

また、こうしてチャートから選び出された色は、特定の種類の光源による照明の 下では隣りの歯の色と充分に一致しても、別の種類の光源による照明の下では隣 りの歯の色と一致しないことがある（メタメリズム（ｍｅｔａａ＋ｅｒｉｓｍ） 現象）。

歯等の物体の色を決定する装置としては、既に、例えば歯の拡散分光反射率（ｄ ｉｆｆｕｓｅ　５ｐｅｃｔｒａｌ　ｒｅｆｒｅｃｔａｎｃｅ）を測定する分光計 を備えるものが提案されている。

この装置では、測定された拡散分光反射率から歯の色の三刺激値Ｘ、Ｙ、Ｚ力く 導かれ１、これらの値からさらに元の物体の色が三原色によって再構成される。

しかしながら、ある種類の照明の下で決定された三刺激値が、別の種類の照明の 下でも当てはまる値であるとは限らない。従って、この装置を用いて満足のゆく 結果を得ようとすれば、複数の異なる種類の照明の下で歯の色を測定する必要が あり、そのために誤差を生じる可能性が高まって、大きな問題点となっていた。

本発明は特に、こうした従来技術の問題点を克服するものである。

本発明の目的は、隣りの歯の色を一回測定することにより歯科補綴物に付与され るべき色を決定する方法であって、その補綴物の色が照明の種類に関係なくその 隣接の歯の色と同等か又はほとんど同等とする方法を提供することである。

本発明の他の目的は、上記方法において、様々な種類の照明の下での歯科補綴物 のみかけの色とそれに隣度する各歯のみかけの色とを、適当な照明の下で行なわ れる測定に基づいて決定し、それらみかけの色を実際に表示する方法を提供する ことである。

本発明のさらに他の目的は、上記方法において、樹脂若しくは他の色素基材に添 加されるべき色素剤若しくは各色素剤、その種類及び濃度を、補綴物の色がその 隣りの歯の色と一致するように決定する方法を提供することである。

本発明方法は、歯科補綴物等のような物体の色を、患者口腔内の隣りの歯等の他 の物体の色に基づいて決定する方法であって、その隣りの歯等の他の物体の拡散 分光反射率をそれから反射されかつ分光計へ伝播する光によって測定し、所定照 明の下での前記歯等の他の物体の色の三刺激値を決定し、こうして測定された色 を既知の特性チャートに示される各色と比較することにより、前記隣りの歯等の 他の物体の色に最も近い色を前記補ｍ物の色として選択する方法において、前記 歯等の他の物体の色と前記チャートの各色との間の、系（１，＊、ａ＊、ｂ＊） のような一様色空間における全色距離δＥを決定する工程と、前記歯等の他の物 体の拡散分光反射率と前記チャートの各色の拡散分光反射率との間の平均二乗差 δＱを決定する工程と、その組の値（δＥ、δＱ）が最小となる前記チャートの 色を選択する工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。

カラー・チャートに示される色と隣りの歯等の他の物体の色との間の系（Ｌｍ　 、ａ＊　、ｂ＊　）における金色差（ｔｏｔａｌ　ｃｏｌｏｒ　ｄｉｆｆｅｒｅ ｎｃｅ）が小さいものを選択することにより、何れの場合にもその隣りの歯等の 他の物体の色に近い色合いが決定され、また、その隣りの歯等の他の物体の拡散 分光反射率と補綴物の拡散分光反射率との間の平均二乗値の差を小さな値とする ことにより、これら２つの色があらゆる種類の照明の下でほぼ同じ色に見えるよ うにすることができる。

補綴物の装着位置に隣接する歯について一回測定を行なうだけで、照明の種類に 関係なくみかけ上張も近い色をその補綴物に付与されるべき色として決定するこ とができる。

上記測定は当然、補綴物を受け入れるべき位置に隣接するすべての歯について行 われてもよい。この場合に、複数の隣接の歯の色が互いに異なっているときは、 それらの色の平均を用いて補綴物の色を決定することができる。

本発明方法の他の態様においては、本方法は、前記歯の拡散分光反射率と前記補 綴物のために選択された色の拡散分光反射率との差を用いて、その選択された色 に添加されるべき色素剤もしくは各色素剤の種類および濃度を決定し、それによ り、前記補綴物の最終的な色と前記歯の色とが完全に又はほとんど完全に一致す るようにする。このように、歯科補綴物に使用される樹脂の組成を、信転性が高 くかつ完全に自動化された態様で決定することができる。

また、本発明は実質的に等しいエネルギの光源を用いて色測定を行なうものであ る。

こうして、全可視スペクトルにわたる有用な情報が得られる。

また、本発明方法においては、前記歯の測定の前に、基準サンプルの拡散分光反 射率を測定するキャリブレーション操作を行ない、その基準サンプルの基準拡散 分光反射率値と前記歯の拡散分光反射率の測定値との間の関係を考慮して前記歯 の拡散分光反射率を決定する工程が含まれてもよい。

また本発明は、前記基準サンプルによるキャリブレーション操作の際の光源の光 束レベルと、前記歯の測定の際の光源の光束レベルとを測定し、測定された両光 束レベルの間の関係を考慮して前記歯の拡散分光反射率を決定する工程を含むこ とができる。

こうすることにより、光源の特性の変動によって歯の拡散分光反射率の決定が影 響されることを防止することができる。

実際には、本方法においては、カラー・チャートに示される各色の拡散分光反射 率とそれらの色の所定の色空間における色度座標を、キャリプレート用基準サン プルの基準拡散分光反射率値とともに、メモリに記憶する工程が含まれる。

本発明が歯以外の物の色を決定するために適用され得ることはいうまでもない。

以下の記載によって、本発明はより明瞭に理解され、その特徴、詳細、利点が明 らかになるであろう。以下の記載の中で参照される図面は以下の通りである。

第１図は、本発明の方法を実施するための装置のブロック図である。

第２図は、本発明の方法の主要ステップのフロー・チャートである。

第３図は、歯とカラー・チャートのある色の２つの拡散分光反射率曲線を示すグ ラフである。

第４図は、歯の色とカラー・チャートの幾つかの色の、色空間（Ｌｌｌ　、ａｍ 　、ｂ＊　）における各々の位置を示す図である。

第５図は、歯の分光吸光度とカラー・チャートのある色の分光吸光度との差を用 いて、チャート中のその色にどの色素剤を添加すべきかを決定する概念を示す図 である。

第１図において、１０は補綴物の装着位置に隣接する歯であり、この歯１０の色 が決定される。歯１０の色を決定するために使用される装置は、光源１２および それに関連した光学系１４を備え、光線ビーム１６によって歯１０が照射される 。

ビーム１６の光線は、歯１０を垂直に照らし、かつ、その表面の広い範囲を均一 に照らすように、実質的に平行光であることが好ましい。

光線ビーム１６に対して４５°の角度に設けられた光学系１８は、歯１０の被照 面の小さな範囲から反射され、拡散される光を集める。

上記測定では、歯１０の表層部分から反射・拡散される光ばかりでなく、深層部 分から反射・拡散される光をも考慮している（というのは、歯というものは、部 分的に光を通す物質から成り立っているからである）。

光学系１８は、分光計２０の入口に、歯１０の被照面のある範囲の像を形成する 。分光計２０の出力は検出手段２２（例えば、１個またはそれ以上のシリコン光 ダイオードのストリップ）と共働する。

光源１２は、光学系２３を介して、検出手段２２もしくはそれと同様の手段に光 学的に結合され、こうして色測定の際に光源１２から放射される光束のレベルが 測定される。

検出手段２２から発生する信号は電子回路によって処理される。この電子回路は 、前置増幅手段２４．サンプリング手段２６およびアナログ／デジタル変換手段 ２８が、適当なインターフェイス３０を介して、マイクロプロセッサ３０および それに関連したメモリ３４、表示スクリーン３６．プリンタ３８および制御キー ボード４０に連結されてなる。

以下、本方法の主要ステップを第２図を参照しつつ説明する。

ここで、カラー・チャートに示される各色の特性（つまり、各色の拡散分光反射 率およびそれらの系（Ｌ”、ａ”、ｂ”）における色度座標）は、マイクロプロ セッサ３２のメモリ３４に既に記録されている。

本方法においては、始めに、上記装置をキャリプレートするために、基準サンプ ルの拡散分光反射率Ｒ０を測定する。これは、基準拡散分光反射率値を有するセ ラミック片等の基準サンプルを、光学系１４．１８と対向する所定位置に配置し 、光源１２で照らして行う、基準サンプルから反射され拡散された光は、光学系 工８で集められ、さらに分光計２０で分光させられて、検出手段２２に伝えられ る。それと同時に、光源１２の放つ光束のレベルφｅが検出され測定される。

つぎに、光学系１４．１８を、補綴物の装着位置に隣接する患者の歯１０に向け る。光源１２により光学系１４を介して歯ｌＯが照らされ、その反射光が光学系 １８で集められて分光系２０に伝えられ、さらに検出手段２２で検知される。検 出手段２２の光検出器から発生する信号は、電子回路２４，２６．２８によって 処理され、マイクロプロセッサ３２が歯１ｏの拡散分光反射率り、を決定する。

また、それと同時に、光源１２から発生する光束のレベルφｄが測定される。

歯１・０・の拡散分光、反射率り、は測定で得られた値から、以下の式を用いて められる。

本発明の方法では、例えばｌＯに満たない限られた数の光検出器を使用するだけ でよい、というのは、実用上、１０に満たない数の異なる波長領域での拡散分光 反射率の値で充分だからである。

歯１０の拡散分光反射率が与えられると、歯１０の色の三刺激値ｘ、ｙ、ｚを以 下の式によってめるこ歯１００色の三刺激値が与えられると、その色の空間（Ｌ ”、ａ’″、ｂｌ）における色度座標が以下の式を用いてめられる。

Ｌ”＝１１６（Ｙ／Ｙ１１　）重／２　１６ａ　”　＝５００　［（Ｘ／Ｘａ　 ）　””　（Ｙ／　ＹＲ）　）　’　′３］ｂ”＝２００　［（Ｙ／Ｙ、　）” ’−（Ｚ／Ｚ、、）”３］上式において、Ｘ、ｌ、Ｙ、、Ｚ、は白色刺激の三刺 激値であり、また Ｘ／Ｘ、＞０．０１ Ｙ／Ｙ、　＞０．０１ Ｚ／Ｚ、１＞０．０１　である。

本発明の方法においては、色空間（Ｌ”、ａ”、ｂ”）における歯１０の色とカ ラー・チャートの各色との間の金色距離δＥ、及び、歯１０の拡散分光反射率と カラー・チャートの各色の拡散分光反射率との間の平均二乗差δＱが、以下の式 を用いてめられる。

歯１０の色とカラー・チャートの各色とを比較することにより、異なる値を有す る複数の組（δＥｉ、δＯ１）が得られる。これらの組（δＥｉ、δＱｔ）の中 で最も小さな値の組に対応するチャートの色が、使用される照明と無関係に、歯 １０の色に最も近い色として選択される。

第３図は、歯１０の拡散分光反射率曲線Ｄ（λ）とカラー・チャートから選択さ れた色の拡散分光反射率曲線Ｃ（λ）との一般的な形を示す。

第４図は、色空間（Ｌ”、ａ”、ｂ”）において、歯１００色りの位置と、カラ ー・チャートの種々の色Ｃ＋　、Ｃｚ　、Ｃｘ　、Ｃ４、ＣｓおよびＣ，の位置 とをプロットしたものである。前記金色距離δＥは、歯ｌＯの色を示す点りとカ ラー・チャートの各色を示す点Ｃとの間の距離に対応し、前記平均二乗差δＱは 曲線Ｄ（λ）とＣ（λ）とで囲まれる面積に近似的に対応する。

最小の値の組（δＥ、δＱ）を選択する際に、必要ならば、補綴物およびそれに 隣接する単数若しくは複数の歯を表す画像を表示スクリーン３６に表示し、種々 の異なる照明の下でのみかけの色をそれぞれ示すようにしてもよい、さらに、プ リンタ３８を用いて歯１０の色の特性と補綴物用に選択された色の特性とを出力 することもできる。

カラー・チャートの各色の特性（拡散分光反射率および色空間（Ｌ”　、ａ”　 、ｂ”における色度座標）は予めマイクロプロセッサ３２のメモリ３４に記憶さ れる。記録の仕方としては、上記した歯１０の色の決定と同様の方法を実施して もよいし、その他、例えば制御キーボード４０からメモリ３４に直接、対応する 数値を入力してもよい。

隣接する歯１０の色の拡散分光反射率とカラー・チャートの各色の拡散分光反射 率とが一旦決定され記憶されれれば、第５図に示されるように、チャートから選 択された色に添加されるべき色素剤（単数若しくは複数）とその濃度（単数若し くは複数）が容易に決定され、その結果、照明条件と無関係に隣接の歯の色に一 致する色が得られる。

第５図は、歯１０の分光吸光度曲線ＡＤ（λ）の一部と、カラー・チャートから 選択された色の分光吸光度曲線の一部を示す。曲線ＡＰ（λ）は、これら２つの 曲線の間の差に対応し、チャートから選択された色を歯１０の色に一致させるた めにそれに添加されるべき色素剤の分光吸光度を表す。

分光吸光度と分光反射率の関係は以下の式で表わされる。

ＡＤ（λ）　＝　−１ｏｇ（Ｄ　（λ））このように添加着色剤の吸光度ＡＰ（ λ）が決定されれば、その濃度は以下に示すビアーランバートの式（Ｂｅｅｒ− Ｒａｍｂｅｒｔ　ｅｑｕａｔｉｏｎｓ）を用いて導かれる。

ＡＰ（λ）＝　１００ｃ′”°’ 以上のように、本発明の方法においては、補綴物の装着位置に隣接する歯の拡散 分光反射率の測定値およびその測定値とカラー・チャートの各色の拡散分光反射 率との差とに基づいて、その歯の色に正確に一致する色を得るためにはどのよう な着色剤をそのチャート中の色に添加すべきかを、さらにはその着色剤の適当な 濃度を、自動的に決定することができる。こうして本発明によれば、歯科補綴物 を作るために使用される樹脂の成分を計量する装置を完全に自動制御することが できる。

当然のことであるが、極めて多数の色についてその特性をマイクロプロセッサ３ ２のメモリ３４に記録する必要はない。というのは、歯１０の拡散分光反射率と 基準となる色の拡散分光反射率との間にかなり大きな差があったとしても、単数 もしくは複数の色素剤を添加することにより補うことができるからである。

さらによい結果を得るため、補綴物の装着位置に隣接する他の歯についても拡散 分光反射率の測定を行なってもよい。こうして測定された拡散分光反射率が互い に異なっていた場合には、それらの隣接の歯の色と最もよく適合するようにする ため、得られた測定値の平均を補綴物の色の決定のために使用すればよい。

拡散分光反射率の測定は、一本の歯の異なる部分について行ってもよく、このよ うにすれば誤差を小さくすることができる。

一般に、本発明の方法は以下のような利点を有する。

すなわち、 補綴物に付与されるべき色が、その補綴物の装着されるべき位置に隣接する歯に ついて一回測定を行なうことによって正確にかつ信頼性をもって決定され得るこ と、 補綴物の色はあらゆる種類の照明の下でその隣接の歯の色とよく適合すること、 及び 補綴物の装着位置に隣接する歯の色を正確に得るため、カラー・チャートの所定 の色に添加することが必要とされる色素剤の適当な種類とその濃度とを決定する ことができること、である。

本発明の方法は上記した応用例に特に限定されるものではない。例えば、芸術品 の修復、ネックレスの真珠等宝石類の色合わせ、服飾の色合わせ等、歯以外の物 の色を適合させるためにも使用し得ることは言うまでもない。

国際調査報告 １１ｗｗ７ＡｍｌｊＩＭｅ、　Ｐ　ＣＴ　／　Ｆ　Ｒ８９／　ＯＯ４５４国際調 査報告

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. １．歯科補綴物等の物体の色を、患者口腔の隣りの歯等の他の物体の色に基づい て決定する方法であって、その隣りの歯等の他の物体の拡散分光反射率をそれか ら反射されかつ分光計ヘ伝播する光によって測定し、所定照明の下での前記歯等 の他の物体の色の三刺激値を決定し、こうして測定された色を既知の特性のチャ ートに示された各色と比較することにより、前記隣りの歯等の他の物体の色に最 も近い色を前記補綴物の色として選択する方法において、 前記歯等の他の物体の色と前記チャートの各色との間の、系（Ｌ＊，ａ＊，ｂ＊ ）等のような一様色空間における全色距離δＥを決定する工程と、前記歯等の他 の物体の拡散分光反射率と前記チャートの各色の拡散分光反射率との間の平均二 乗差δＱを決定する工程と、 その組の値（δＥ，δＱ）が最小となる前記チャートの色を選択する工程と を含むことを特徴とする方法。
2. ２．前記歯の分光吸光度と前記補綴物のために選択された色の分光吸光度とを比 較することにより、その選択された色に添加されるべき単数もしくは複数の色素 剤の種類および濃度を決定し、それにより、前記補綴物の色と前記歯の色とを完 全に又はほとんど完全に一致させる請求項１の方法。
3. ３．前記歯を、実質的に等しいエネルギの光源によって照らす請求項１もしくは 請求項２の方法。
4. ４．前記歯の測定の前に、基準サンプルの拡散分光反射率を測定することにより キャリブレーション操作を行ない、その基準サンプルの基準拡散分光反射率値と 前記歯の拡散分光反射率の測定値との比を考慮して前記歯の拡散分光反射率を決 定する請求項１〜３の何れかの方法。
5. ５．前記基準サンプルによるキャリブレーション操作の際に光源から発生させら れる光束レベルと、前記歯の測定の際に光源から発生させられる光束レベルとを 測定し、測定された両光束レベルの比を考慮して前記歯の拡散分光反射率を決定 する請求項４の方法。
6. ６．前記歯の拡散分光反射率の測定が、例えば１０に満たない限定された数の互 いに異なる波長について、その拡散分光反射率のサンプリングを行なうものであ る請求項１〜５の何れかの方法。
7. ７．前記補綴物に隣接する複数の歯の拡散分光反射率を測定し、得られた値の平 均値を利用して前記補綴物の色を決定する請求項１〜６の何れかの方法。
8. ８．前記チャートの各色の拡散分光反射率と、それらの色の所定の色空間におけ る色度座標とを、メモリに記録、記憶しておく請求項１〜７の何れかの方法。
9. ９．さらに、前記基準サンプルの基準拡散分光反射率値をメモリに記録、記憶し ておく請求項８の方法。
10. １０．前記歯をそれの所定の領域に平行光をほぼ均一に当てて照射し、その照明 領域の中央部からその照明方向に対して４５°の角度に散乱され光を検出する請 求項１〜９の何れかの方法。
11. １１．グラフィクス端末上に、前記補綴物と前記歯とに対応する像を各々そのみ かけの色で表示する請求項１〜１０の何れかの方法。