JPH03500048A - 癌、自己免疫疾患または感染症の診断、モニター、治療および/または予防のための抗イディオタイプ抗体を選択するための方法および手段ならびにその用途 - Google Patents

癌、自己免疫疾患または感染症の診断、モニター、治療および/または予防のための抗イディオタイプ抗体を選択するための方法および手段ならびにその用途

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JPH03500048A
JPH03500048A JP50059489A JP50059489A JPH03500048A JP H03500048 A JPH03500048 A JP H03500048A JP 50059489 A JP50059489 A JP 50059489A JP 50059489 A JP50059489 A JP 50059489A JP H03500048 A JPH03500048 A JP H03500048A
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コーラー,ハインツ
レイショデューリ,シマール
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アイデック・ファーマシュウティカルズ・コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 癌、自己免疫疾患または感染症の診断、モニター、治療および/または予防のた めの抗イデイオタイプ抗体を選択するための方法および手段ならびにその用途 発明の分野 本発明は、能動および受動免疫療法の分野に関する。より詳細には、本発明は、 癌、自己免疫疾患、または感染症、アレルギーまたは移植拒絶の診断、モニター 、治療、および/または予防に有用なイディオタイプまたは抗イデイオタイプを 選択する技術分野に関する。
抗原は、免疫応答を誘発し得る物質である。代表的な免疫応答は抗体産生である 。抗体はB−細胞リンパ球から産生される。他の代表的な免疫応答はT−細胞の 刺激である(T−細胞は、胸腺で選別を受けた別のタイプのリンパ球である)。
T−細胞は、ある特定のタイプのウィルスまたはその他の病原体に感染された細 胞を破壊することができる。T−細胞はまた、B−細胞による抗体産生に関与し ている。従って、抗原は、抗体、またはその抗原が刺激するT−細胞上のレセプ ターのいずれかと反応することができる。抗体およびT−細胞レセプターは、誘 導性抗原に特異的である。
抗体およびT−細胞レセプター分子は、特異的な抗原認識に関与している可変領 域を有している。抗体またはT細胞と実際に結合する抗原中の領域は、抗原決定 基または「エピトープ」と呼ばれている。抗体およびT−細胞レセプターの可変 領域は、決定基、即ちこれも免疫原性を有し、抗−イディオタイプ(抗−1d) 免疫応答を開始させる「イディオトープ」を含有している。
より詳細には、イディオトーブは、抗体およびT−細胞レセプターの可変領域と 関連していると考えられる。これらの可変領域が、抗原に対する特異性を抗体お よびT−細胞レセプターに与えている。
イディオトーブは抗体、B細胞免疫グロブリンレセプター、およびT細胞レセプ ターにおける免疫システム標識(マーカー)である。
イディオタイプは、イディオトープ決定基またはある種のイディオタイプ内のイ ディオトーブを認識する1つよりも多い抗−イディオトーブ抗体との反応性によ って免疫学的に規定される。即ち、イディオタイプは、イディオトーブ群が集合 して形成される。イディオトーブは、モノクローナル抗−イディオタイプ抗体と の結合性によって規定するのが、最良である。
イディオトープは、1つより多い異なるグループの抗体またはT細胞レセプター に見いだすことができる。即ち、イディオトーブは、種々の個体由来の異なる抗 体またはT細胞レセプターで共有されていることもある。この特徴は、[共通( publ 1c)jイディオトーブと呼ばれている。抗体はまた、単一の個体か ら特異的に発現される1固有(private)Jイディオトーブをも有してい ることもある。従って、個体には、共通および固有のイディオトープの両者が現 れるものである。従って、共通イディオトーブを検出する抗−id治療は、種々 の患者の治療に応用することができ、他方、固有イディオトープに対する抗−i dは患者の特定の治療に応用できる。ここで、イディオトーブは、アイソタイプ (免疫グロブリンクラス特異的)決定基、異種型(xenotypic) (種 特異的)決定基、およびアロタイプ(ある特定の種のサブグループ特異的)決定 基とは異なっていることに留意すべきである。
抗体およびT細胞レセプターはそれぞれ、抗原決定基、いわゆる「エピトープ」 に対する結合部位である、少なくとも1つのパラトープを有している。パラトー プは、イディオトーブの役目をすることができる。即ち、パラトープは、元の抗 原と同様に、抗−イディオタイプ抗体がパラトープに結合するという抗−イディ オタイプ応答を刺激することができる。抗−パラトープ抗−イディオトーブ抗体 が構造的に抗原と似ている場合、それは抗原の「インターナルイメージ(int ernal image)Jと呼ばれる。元の抗原の立体配置を示すこれら抗パ ラトープ抗−idのほか、他の抗−id抗体は、免疫応答の調節に関与している 抗体およびT細胞レセプターイディオ) −プが特徴である。これらのイディオ タイプは、調節イディオタイプ(regulatory 1diotypes) と命名され、本質的に、元の抗原の「インターナルイメージ」ではない。これら の背景の原理についての一般的考察は、バープツト(Burdette、 S、  )およびシ二バルッ(Schwartz、 R。
)らのNew Eng、 J、 of Med、 317:219(1987) に記載されている。
イディオタイプネットワーク ある特定の種または個体ではいずれも、異った抗体およびT細胞レセプターの数 が、非常に多い(>10’)。抗体およびT細胞レセプターは各々、調節ネット ワークを介して相補的抗−イディオトープと連結される幾つかのイディオトープ を発現する。ジェーン(Jerne、 N、 、 Ann、 Immunol、  1256:373(1974))は、免疫システムは、イディオタイプおよび 抗−イディオタイプからなるネットワークによって調節されていると提唱してい る。イディオタイプネットワークの機能が免疫システムのホメオスタシスを維持 し、さらに免疫応答を調節していることを示す実験に基づく膨大な証拠が存在す る。イディオタイプはB−細胞およびT−細胞から発現されるので、イディオタ イプネットワークは、体液性(抗体)および細胞性(T−細胞媒介)免疫応答の 両者を包含する。特異的な免疫応答は、1対lを基礎とした特異的な抗−イディ オタイプ抗体、または共有されたイディオトーブを介したグループ内の特異的な 抗−イディオタイプ抗体のいずれかによって調節される。これらの抗−イディオ タイプ抗体は、「調節抗−イディオタイプ」と呼ばれ、本質的に標的抗原のイン ターナルイメージではない。ゴールドバーブ(Goldberg、 B、 )ら のJ、 Eep。
Med、 158:515(1983)を参照。
抗−イディオタイプ療法 最近、「インターナルイメージ」抗−イディオタイプの治療的用途が示唆されて おり、幾つかの実験系で証明されている[EPO出願番号第84810516. 9号、出願臼1984年10月25日、公開番号第0141783号;ニソノフ (Nisonof f、 A)およびラモイ(Laa+oyi、 E、 )のC l1n、 Immunol、 Immunopathol、 21°397(1 981) ;ケネディー(Kennedy、 R,C,)らのBiotechn uqies 3:4040(1985):j 。これらのインターナルイメージ 抗−イディオタイプは、ウィルス、細菌および病原体感染、ならびに癌に対する 特異的な免疫応答を得る上での、抗原の代用物として使用されている[ヘールリ ン(Herlyn、 D、 )らの5cience 232:100(1986 ) ; Oイカードフリ(Raychaudhuri、 S、 )らのJ、Im munol、 137:1743(191116)]。
現在では、インターナルイメージポリクローナルおよびモノクローナル抗−イデ ィオタイプが、動物およびヒトの能動免疫療法に使用されている。このようなイ ンターナルイメージ抗−イディオタイプを生成させる方法を以下に示す:1)腫 瘍抗原または感染原に対する抗体を調製する。この抗体をV′Ab1」と命名す る。2)この最初の抗体に対する抗−イディオタイプ抗体群(Ab2g)を調製 する。これらの抗−i ds (Ab2s)を、最初の抗原(例えば、腫瘍また は感染原から発現されるようなもの)の立体配置を示すイディオトープの発現性 に関してスクリーニングする。このスクリーコン・グ法は、元の抗原がAbl− Ab2結合を阻害することに基づくものであり、生体内において抗−イディオタ イプ(Ab2)を代用抗原として生物学的に試験することである。この試験は動 物で行うが、従来、これにより、インターナルイメージ抗−イディオタイプが腫 瘍抗原および感染原を示していることが証明されている[ケネディ−(Kenn edy、 R,C,)らのBicteehniques 3:4040(198 5)、ヘールリン(Herlyn、 D、 )らの5cience 232:1 00(1986)、ロイカードフリ(Raychaudhuri+ S、 )ら のJ、Immunol、137:1743(1986):l。
インターナルイメージ抗−idが天然抗原よりも非常に都合の良い点は、インタ ーナルイメージ抗−イディオタイブハイブリドーマ抗体のほうが元の抗原よりも 経済的に、かつ容易に調製できることが多いことである。さらに、感染症に関し ては、抗−idは感染原が排除されているので、感染性粒子を含有している可能 性のある他のワクチンよりも患者にとってより安全である。インターナルイメー ジ法の他の利点が提示されており[例えば、EPO出願番号第84810516 .9号、1984年10月25日出願、公開番号第0141783号]、それは 、その相当する抗原(腫瘍関連抗原、または感染原関連抗原)が異なる分子およ び生物学的情況を呈することに存する。このことは、癌の場合、腫瘍抗原に対す る免疫寛容性の自然状態が存在することが多いので、より当てはまるかもしれな い。
従来技術の限界 しかしながら、インターナルイメージ抗−イデイオタイプを使用した現在の方法 には幾つかの欠点がある。本発明者らは、同一の抗原エピトープを示す異なるイ ンターナルイメージ抗−idによる免疫化が、保護免疫を誘発し得ることもあり 、誘発し得ないこともあることを明らかにした。従来技術では、患者の非−イン ターナルイメージ調節イディオトープの状態および応答が適切には考慮されてい ないか、または制御されていない。これらの応答は、効果的な抗−腫瘍または抗 −感染原免疫応答を媒介し、かつ有害な応答、例えば自己免疫またはアレルギー 反応または移植拒絶を制御する、患者における調節イディオタイプネットワーク と連絡することができる。
これらの調節イディオタイプ/抗−イデイオタイプ相互作用の結果は、疾患経過 にとって有益、あるいは有害となり得る。従って、現在当業界で使用されている この方法では、免疫療法のための抗−イディオタイブを選択する上で、これらの 調節イディオタイプ相互作用が適切に考慮されていない。
従って、本発明者らは、インターナルイメージの特性のみに基づいて抗−イディ オタイプを選択することは、治療目的としては適切でなく、効果的なイディオタ イプ免疫療法を目的としてはイディオトープレベルと疾患の進行度または回復度 との相関関係に基づいて抗−idを選択することが重要であると考える。本発明 の目的は、治療上有用な抗−イディオタイプ抗体の開発から、思わぬ発見因子を 取り出すことにある。
例えば、当業界で現在既知のものを使用して、インターナルイメージまたは非− インターナルイメージ抗体(Abl抗体との反応性によってのみ選択した抗体) を投与すれば、サプレッサーT細胞を活性化する患者の調節循環が刺激されるの で、抗−腫瘍免疫が弱められる。他の疾患の自己免疫では、サプレッサーT細胞 の活性化はそめ免疫システムによって正常組織の破壊を阻害するので、患者にと って好都合である。このことは、調節イディオトーブが抗−イディオタイプ免疫 療法の結果を決定する上で重要な役割を担っているという上記の考えから、明白 である。従来技術では、疾患の進行度または回復度と相関し、かつ疾患経過およ び治療の介入によって誘発されるイディオトープの生物学的効果を、患者の利便 のために、同定、制御することが現在でも教示されていない。本発明の他の目的 は、現在の方法の欠点に対処し、抗−イディオタイプ免疫療法において所望の有 益な免疫応答をより確実に誘発する方法を提供するこ本発明は、癌、感染症およ び自己免疫疾患、アレルギーまたは移植拒絶の選択的抗−イディオタイプ治療ま たは予防に関する。抗−イディオタイプ物質の選択は、このような物質を、疾患 の進行または回復に関連した患者イディオトープ(本明細書では、「予後徴候イ デイオトーブ(prognostic 1diotopes)jと命名する)に 対して経時的にスクリーニングすることに基づく。同様に、イディオトーブまた は抗−イディオトープを調節ネットワークの一部として認識するTヘルパー細胞 は、疾患の進行または回復期にその頻度(frequency)および活性に変 化を受ける。特定の疾患に対する免疫応答に関連した抗体のイディオトーブ、ま たはB−もしくはT−細胞レセプターを検出することは、既述のように、免疫療 法にとって合理的かつ有効な方法の有用な補助手段である。この選択により、疾 患に対する宿主免疫応答に関連したイディオトープを、その疾患に対する宿主の 免疫を援助するような特別な態様で処理できるようになる。
本発明は、癌、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、または移植拒絶の患者の血 清、血液または組織中のある種のイディオトープの発現性とこれらの障害に打ち 勝つ宿主の能力との相関関係を認識することに関する。このようなイディオトー プの発現は、一群のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体によってモニターさ れる。本発明はまた、このような抗−イディオタイプを診断、モニターおよび免 疫療法に使用することに関する。本発明者らは、疾患変調に有用なイディオトー ブが有効な抗−イディオタイプ抗体(本明細書では、これらの抗体を「変調(m odulatory)抗−イディオタイプ抗体」と命名する)の治療適用によっ て産生されることを見いだした。本発明者らは、このような変調抗−イディオタ イプ抗体、ならびにそれらの調製法およびそれらの疾患診断、モニター、予防お よび治療への使用法を開示し、特許請求するものである。
変調抗−イディオタイプ抗体は、次のようにして能動および受動免疫療法に使用 することができる。まず、イディオタイプを担う抗体(Abl)を生成させるか 、または獲得する。次に、癌、感染原もしくは自己免疫疾患標的抗原、アレルゲ ン、もしくは移植片抗原と反応する、少なくとも1つのイディオタイプを担うA blまたはT−細胞を以後のスクリーニングのために選択する。次いで、Abl またはT細胞レセプターに対する少な(とも1つの抗−1d(Ab2)をm製す る。この時点で、調製された抗−id群(Ab2S)をスクリーニングする。こ れら抗−id群(Ab2s)を各々、統計学的に有意なパネル患者の血清、血液 または組織中に存在するB−またはT−細胞イディオトーブ、あるいは単一の患 者または動物の血清、血液または組織中に発現するイディオトープのいずれかに 関してスクリーニングすればよい。いずれの場合でも、このスクリーニングの目 的は、イディオトープレベルと、i)疾患の存在もしくは進行度、またはii) 疾患の不存在もしくは回復度のいずれかとの相関関係を確認することである。最 後に、1)通常は疾患の回復に伴って低下するイディオトーブの抑制、2)通常 は疾患の回復に伴って上昇するイディオトーブの刺激、3)通常は疾患の進行に 伴って低下するイディオトーブの刺激、または4)通常は疾患の進行に伴って上 昇するイディオトーブの抑制のいずれかを誘発する抗−1d(Ab2)またはそ の組合わせ物(Ab2s)を投与する。これら本発明に係る方法および変調抗− イディオタイプは、他の抗−1d1および非−抗−id免疫療法または他の治療 と併用することができる。
さらに、本発明は、疾患を診断、モニター、および/または予防するために行う ことができる。例えば、本発明を利用して、臨床的に適切な、または予後徴候イ ディオトープに対する抗−イディオタイプのパネルを生成させることができる。
なかんずく、本発明の方法により、生成される患者イディオタイプのプロフィル に応じてAb2を投与し、癌または自己免疫または感染症またはアレルギーまた は移植拒絶を予防あるいは阻害することができる。
図面の簡単な説明 第1図は、予後徴候イディオトープDllの発現性の対時間グラフである。
第2図は、予後徴候イディオトーブの反応性パターンが仮説患者(実施例1にお ける患者スミス)においていかに呼瘍発現と相関しているかを示すグラフである 。第2図は、腫瘍マーカーである癌−胎児性抗原(CEA)の血清レベルによっ て分かるイディオトーブと腫瘍の負荷を時間に対してプロットしたものである。
ディオド−プレベル、および動物生存性とのそのポジティブ相関を示すグラフで ある。垂直方向の実線はマウスの死亡時間を示す。
第4図は、2F10予後徴候イデイオトープレベルと、サイクロフォスフアミド (本明細書ではrcyJと呼ぶこともある)で処置した腫瘍保持マウスの生存性 との相関を示すグラフである。
第5図は、抗−idとサイクロフォスフアミドとの併用治療を施した動物におい て腫瘍の増殖性を減少させるために投与する抗−1d抗体の投与量を増加させた 場合の有益な効果を示すグラフである。
DBA/2マウスのグループ群には、10,000個の生L1210/G Z  Llll瘍細胞を皮肉注射し、3日目にサイクロフォスフアミ)’ (80mg /kg)を投与し、7日月に食塩水を、または予後徴候イディオトープ2F10 と反応してそれを刺激するような抗−イディオタイプ抗体である抗−2F10を 種々の投与量で静脈内投与した。
触診によって腫瘍の様相をモニターした。
好ましい態様の雪細な説明 Δ−恵鳳 本明細書および請求の範囲で使用する用語を以下のように定義する: 受動免疫療法:抗体を投与すること。患者または動物への抗体の受動移入。
能動免疫療法:患者または動物における抗体および/またはT細胞反応の誘導。
抑制:免疫応答の阻害またはイディオタイプ応答の発現の阻害。
刺激:免疫応答の誘導またはイディオタイプ応答の発現の誘導。
腫瘍退縮:腫瘍の30%以上の全体にわたる減縮。
予後徴候イディオトープ:疾患の進行度に応じて経時的に増加または減少するか 、または疾患の回復度に応じて経時的に増加または減少する抗原結合性、または 抗体もしくはB−もしくはT−細胞レセプターの調節イディオトーブ。
変調抗−イディオタイプ抗体:生体内において予後徴候イディオトープレベルを 刺激または抑制するのに使用できる抗−イディオタイプ抗体。
本明細書で引用している文献はすべて本発明に包含される。
B、序論 最近、腫瘍保持マウスの血清中のイディオトーブの発現性は腫瘍に対するその宿 主の寛容性と相関していことが、動物腫瘍系において観察された。特定のイディ オトーブは進行性増殖腫瘍を有する動物では高い血清レベルを示し、1瘍を拒絶 している動物では、低いか、または存在していないレベルであった。同様の相関 関係が、膿瘍寛容性を誘導するか、または誘導しない抗−イディオタイプ抗体で 接種した動物に観察された。第1図では、2つのグループのマウスを、抗−腫瘍 Ablと反応するモノクローナル抗−イデイオタイプ抗体(抗−3A4または抗 −2F10)で免疫した。2週間後、これら両グループに生腫瘍細胞を投与した 。抗−3A4で免疫した動物では、加速された1瘍増殖、および予後徴候イディ オトーブD11の高い血清レベルが示された。他方、抗−2F10で免疫した動 物では、遅延した腫瘍増殖、および予後徴候イディオトーブD11の低い血清レ ベルが示された。Dll予後徴候イディオトープレベルは、抗−腫瘍Abl上の イディオトーブを認識するモノクローナル抗−イディ・オタイプ抗体である抗− Dllを使用して測定した。
予後徴候イディオトープDllの量はμg/πC血清の単位で表している。
本明細書において、本発明者らは、(i)疾患の進行に伴って経時的に増加する ことが示され得る、および/または疾患の回復に伴って経時的に減少することが 示され得るイディオトープを抑制すること、および/または(ii)疾患の回復 に伴って経時的に増加することが示され得る、および/または疾患の進行に伴っ て経時的に減少することが示され得るイディオトープを刺激することが有益であ ることを開示するものである。
C1方法 最初の工程は、腫瘍または疾患に対する患者(または動物)の応答に関連したイ ディオタイプ成分の同定である。これは、幾つかの当業界既知の方法によって実 施されるであろう。例えば、ランプ(Rapp)らのCancer Res、  、 43:2592(1983)、およびウィソトナ−(Wittner、 M 、 K、 ) ;のJ、 Immunol、 、 128:595(19g2) を参照(これらも本明細書に包含される)。例えば、抗体(Abl)またはT細 胞を、業者から入手した相当する腫瘍または疾患抗原と特異性を示す患者または 実験動物から、あるいは当業界で通常行われている方法によって入手する。本発 明の目的では、Ablは、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれで もよい。ポリクローナル抗体は、リアル(Real、 F、’X、 )らのJ、 Exp、Med、 160:1219(1984)および実験免疫学の手引書[ ワイアー(Weir、 D、 M、 )らi、 198B] (以下、本明細書 では「手引書」と称する)に記載されているように、患者または動物の血清から 単離することができ、また固定疾患関連抗原を使用してアフィニティー精製する ことができる。モノクローナル抗体は、患者の末梢B細胞、または相当する疾患 関連抗原に対して感作することのできる他のあらゆるB細胞、例えばリンパ節、 肺臓もしくは骨髄由来のB細胞を利用し、(インビトロ刺激法を使用すると否か とに拘わらず)、当業界の常法[上述の手引書、キャロル(Carrol、 L  L、 )のJ、 Inmunol、 Meth、 、 89:61(1986 )参照]によって、標準的な体細胞ハイブリダイゼーシヨンリスキニ−融合(リ スキー−融合(rescue fusion))により生成することができる。
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体はさらに、腫瘍、腫瘍エキスまたは疾 患関連抗原または感染症ワクチンを接種したヒト被験者または実験動物から、既 述の方法によって生成することができる。相当する疾患関連抗原に特異的なT細 胞は、スロピン(Slovin。
S、 F、 )らのJ、 Immunol、 、 137:3042(1911 6)に詳細に記載されているように、末梢血、リンパ節、肺臓または他の組織か ら入手可能な利用し易いりンバ球からクローンすることができる。腫瘍または疾 患関連抗原と反応するこれらのAbl抗体またはT細胞は、モノクローナル抗− イディオタイプのパネルを調製するための免疫原として使用することができる。
抗体に関する適切な方法については、RaychadhurL S、らのJ、  Immunol、 、 137:1743(1986)を、T細胞に関する方法 については、ニードル(Ert l、 H,C,)らのJ、Exp、Med、  159:1776(1985)を参照。抗−1d(Ab2)は、Raychad huri、 S、らのJ、 1m11uno1. 、137:1743(198 6)に詳細に記載された当業界の常法によって、インターナルイメージおよび非 −インターナルイメージイディオトーブの発現性に関して特性化されるであろう 。
第2の工程は、患者の血清もしくは末梢血または組織を、抗−イディオタイプの パネルと反応するB−またはT−細胞イディオトーブの存在および不存在に関し てスクリーニングすることである。即ち、モノクローナル抗−1d(Ab2)各 々の反応性は、血清およびリンパ球イディオトープおよびそれらの反応性レベル を規定するものである。イディオトープ血清のスクリーニングは、ラジオイムノ アッセイ、酵素結合イムノアッセイ、またはRaychadhuri、 S、ら のJ、 Immunol、 、 137:1743(1986)に詳細に記載さ れたそれらと同等の検定法を利用して実施できるであろう。簡単に言えば、被検 血清中のイディオトープ(Abl i d)の温間を測定するため、ポリビニル クロリド平板を、異なる分子量のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体200 −400ngで、4°Cで一晩被覆する。この平板をリン酸緩衝化食塩゛水で2 回洗浄した後、1%ウシ血清アルブミンで1時間ブロックする。その後、得られ た平板を、異なる希釈度の被検血清、または既知のAbl抗体標準物、および2 0. OOOcpmの125−Iラベル化Ablと共に、4°Cで一晩インキユ ベートする。
得られた平板を洗浄し、ガンマ−カウンターでカウントする。
末梢血または組織リンパ球イディオトーブの発現性は、コーラ−(Kohler 、 H,)らのサイエンス186:643(1974)に記載された通常の免疫 蛍光法、または上述の手引書に記載された通常の免疫組織化学的方法によって検 定することができる。簡単に言えば、免疫蛍光法では、単核細胞フラクションを Ficoll−(Rファルマシア・ファイン1ケミカル)Hypaque(R% 1nthrop Laboratories)密度勾配遠心によって精製する。
次いで、得られた細胞を、種々のモノクローナル抗−1d(Ab2)および対照 抗体と共にインキュベートする。
この細胞を洗浄した後、適当な蛍光色素でラベルした第2抗体と共にインキュベ ートする。次いで、TIfl胞のバーセンテイジを、サイトフルオログラフまた は蛍光顕微鏡のいずれかによって検定する。
患者は、疾患初期の診断時に、抗−イディオタイプパネルを使用してモニターす る。各抗−イディオタイプ抗体に関しては、血清および/またはりンバ球イディ オトーブとの反応性レベルを時間に対してプロットし、疾患の進行または回復と の相関関係を算定する(以下参照)。
第3工程は、血清またはリンパ球イディオトープの発現性と疾患状態との相関関 係を確立することである。イディオトーブ発現性と疾患状態との相関関係は、既 述のように、(i)診断時に得られた標本、(ii)完全な、または部分的な疾 患の予防または回復を招来する予防的または好成績の治療(外科療法、化学療法 、放射線治療、免疫療法、接種療法など)の前、間および後に得られた標本、( iii )疾患進行期に得られた標本、(iv”)疾患の無い正常個体、由来の 血清およびリンパ球を分析することによって算定する。疾患の存在または進行と 相関するか、または疾患の不存在、回復または予防と相関する血清およびリンパ 球イディオトーブ(即ち、予後徴候イディオトーブ〉を同定する。
第4の工程は、抗−イディオタイプを、能動または受動免疫療法のいずれかのた めに選択することである。本発明では、(1)疾患の不存在または回復または予 防に伴って増加するか、または(2)疾患の進行に伴って減少する患者の血清ま たはリンパ球予後徴候イディオトーブと結合する抗−1d(Ab2)を能動刺激 免疫に使用する。
さらに、本発明では、疾患の存在または進行に伴って増加するか、または(2) 疾患の回復に伴って減少する患者の血清またはリンパ球イディオトープと結合す る抗−i d (Ab2)を抑制免疫療法に使用する。ある種の抗−idを投与 すると、有益な治療効果を発揮することが認められる。また、治療効果を有さな いものもあり、それらは生体内では使用されないであろうが、しかし、それらの 血清イデイオトープとの反応性を測定することは、疾患の診断およびモニターに は有用である。
あるいは、疾患の進行に伴って増加するこれらのイディオトーブを担う抗体を能 動免疫に利用すれば、能動的抑制を誘導すること(即ち、抑制する抗−イディオ タイプを誘導すること)ができる。これらのイディオトープを担う抗体は、固定 化抗−イディオタイプ抗体を使用する当業界における常法である抗−イディオタ イプアフィニティークロマトグラフィ−(上述の手引書参照)、または進行性疾 患に罹患した患者由来および当業界で開示または入手可能な幾つかの適当な融合 パートナ−セルライン由来のB−リンパ球を使用するりスキニー融合によって血 清から単離される。上述の方法の原理は、有益な免疫応答を増強させるための能 動免疫化物質として使用され、また有害な免疫応答を抑制するのに使用されるイ ディオトーブを担う種々の抗体の中から1つを選択することである。この選択に とって必須の情報は、血清、血液および組織イディオトープレベルをモニターす るための上述の検定法を使用して患者の血清およびリンパ球をイディオタイプパ ネル分析することによって入手されるであろう。さらに、適切な抗−イディオタ イプ療法を選択する上でそれろを適用することに加え、留意すべきことは、ある 種の血清およびリンパ球イディオトープレベル検定によって、臨床経過が予測で き、また、それを診断およびモニター検定に利用することで、患者の予後を評価 し、さらに抗−イディオタイプの開始、強化もしくは中止、または他の治療の介 入を決定する指標とすることができる。
D、変法 リス牛ニー融合[Carrol、 W、 L、らのJ、Immunol、Met h、 89:61(1986)::によって入手可能な、またはアフィニティー 精製[Real、 F、 Xl、 J、 EXp、Med、 160:1219 (1984)コを利用して単離できる、疾患経過の種々の時点、例えば患者が緩 解状態にある時、または疾患進行期にある時などの時点におけるT細胞イディオ トープ:5lovin、 S、 F、らの」Immunol、137:3042 (1986)、Ertl、H,C,らのJ、 EXP、 Med、159:17 76(In2)、 Raychaudhuri、S、らのJ、Immunol、  139:2096(1987): 、またはAblを使用することが必要であ るかもしれない。あるいは、受動免疫療法においてAb2抗−イディオタイプモ ノクローナル抗体のパネルを調製するのに使用した、未だに存在するモノクロー ナルまたはポリクローナル抗体(Abl)を使用することもできるであろう。
さらに、Ab2抗−イディオタイプ抗体は、リスキー−融合、またはアフィニテ ィー精製(本バラグラフの引用文献参照)によって、存在するモノクローナルま たはポリクローナル抗体(Abl)で治療、または他の療法で治療された患者ま たは動物からも入手可能である。
疾患状態に関連したイディオトーブを同定するのに有用である他の方法は、それ らを罹患患者の血清から、免疫グロブリンフラクションを使用し、固定化抗−免 疫グロブリンの襟章的なアフィニティークロマトグラフィー法で精製することで ある(上述の手引書参照)。
Raychaudhuri、 S、らのJ、Immunol、 137:174 3(1986)に記載されたマウスにおけるヒト免疫グロブリンのアイソトープ 決定基に対する寛容性の創製(従来技術として記述した)調製のように、これら の免疫グロブリンは、抗−id (Ab2)を調製するのに使用できるであろう 。(上述の手引書参照)。この方法は、寛容化工程が無くても行うことができる 。抗−i d (Ab2)が得られたならば、それを、セクションC1方法、工 程3に記載したように、種々の疾患状態(進行性疾患、回復性疾患、正常の個体 )の個体由来の血清試料のパネルに対してスクリーニングする。
本発明では、異種(xenotypic)、アイソタイプ、またはアロタイプの 決定基と交差反応しない代表的抗体のパネルに対して試験することによって、す べての抗−1d(Ab2)が証明されるであろうと理解される。この目的のため の検定は、当業者であれば容易に実施することができ、この目的のための有用な 検定は、上述の手引書に記載されている。
抗−4dの治療的使用を説明するため、本発明者らは、マウスにおける予後徴候 イディオトープ2F10の血清レベルをモニターシた。まず第1に、5匹のマウ スの予後徴候イデイオトーブ2F10の安定状態のレベルを測定した。各マウス 毎に、100%の内部標準を確立した。08目に、マウスに1000個の生L  1210/GZL腫瘍細胞を注射した。その後、各マウス毎にイディオトープ2 FIOレベルをモニターした。番号付したマウス112、および3ては(第3図 に示している)、イディオトーブ2F10のレベルが最初は抑制された。数日後 には、2F10イデイオトープレベルは開始レベルの100%よりも少なくなっ た。番号4および5のマウスでは、イディオトープレベルは最初減少したが、そ の後、増加した。予後徴候イディオトープ2F10が低いレベルで維持していた 3匹のマウス(マウス1.2および3)は11−14日後に死亡した。予後徴候 イディオトープ2F10が内部標準100%以上の増加を示したマウス4および 5は、それぞれ19日問および29日間以上生存した。従って、個々のマウスの 予後徴候イディオトーブ2FIOレベルが増加することは、これらマウスの呻瘍 耐用能と相関しており、さらに2F10レベルを増加させる治療介入は腫瘍保持 動物の生存性を増大させるであろうと、結論付けるれる。
さらに、サイクロフォスフアミドで処置したマウスを用い、予後徴候イディオト ーブ2F100発現性をモニターした。0日時に、マウスに生L1210/GZ L腫瘍細胞1000個を注射し、その後2F10イデイオトープレベルをモニタ ーした。腫瘍細胞の移植後177日目、80mg/kg体重サイクロフォスフア ミドをマウスに注射し、その177日目、2F10イデイオトーブの各マウス内 レベルを任意に100%と設定した(第4図参照)。イディオトープ2F10レ ベルを全期間にわたってモニターした。第4図に示したケースでは、マウス1お よび30予後徴候イデイオトーブ2F10レベルはサイクロフォスフアミド処置 後に増加した。第4図におけるマウス2.4および5では、予後徴候イディオト ープレベルは、サイクロフォスフアミド処置後でも同じか、または減少した。サ イクロフォスフアミド処置後に予後徴候イディオトープ2F10レベルが増加し たマウスlおよび3は、腫瘍移植後45日間生存した。
サイクロフォスフアミド処置後に予後徴候イディオトーブ2F10レベルが同じ であったか、または減少したマウス2.4および5は、腫瘍移植後45日以内に 死亡した。この実験は、治療を施した患者または動物でモニターした特定のイデ ィオトーブの予後の値を示している。イディオトーブ2F10の予後の値の対照 値として、非関連イディオトーブの発現性をモニターした。この結果により、非 関連イディオトープ評F6−s」、ホスホリルコリン免疫応答に関連するイディ オトーブ]を同一の個々のマウスでモニターしても生存性との相関が認められな いことがわかった。
さらに、腫瘍保持マウスを使用し、変調抗−イディオタイプである抗−2F10 (予後徴候イディオトーブ2F10と結合する抗−イディオタイプ抗体)の治療 効果を評価した。5匹のマウスのグループ群に、0.1〜1000μg/kg体 重の種々の投与量で抗−2FIOを静脈内注射した。マウスの生存率は、抗−2 F10の投与j150μg/kg体重に最も高い生存率として認められた717 日間80%生存率、20日間60%、28日間40%、45日8O%]。
抗−2F10の投与量をもっと低く、またはもっと高くした場合の生存率は、前 記の各時点と比較してそれぞれ低率であった。例えば、処置投与量0.1μs/ kg体重、および1000μg/kg体重では、マウスは17日以上生存しなか った。
抗−idおよびサイクロフォスフアミドの併用療法がそれぞれ単独の療法よりも 優れていることを証明するため、さらに実験を行った。本実験では、予後徴候イ ディオトーブ2F10レベル、およびサイクロフォスフアミドと抗−2F10抗 体とで処置したマウスの生存性をモニターした。予備試験として腫瘍細胞を注射 した。177日目、各マウスでイディオトープ2F10レベルが安定した後、サ イクロフォスフアミド(80xg/kg)を投与した。2日後、マウスに抗−2 F10抗体10μgを静脈注射した。動物をサイクロフォスフアミドまたは抗− 2F10のいずれか単独で処理した上記の実験とは対照的に、サイクロフォスフ アミドおよび抗−idの両療法を施したマウスはすべて45日間以上生存した。
これらのマウスではすべて、2F10イデイオトープレベルが増加していた。あ るケースでは400%の増加が観察された。これらのデータは、抗−イディオタ イプとサイクロフォスフアミドとの、@瘍に対する併用処置が、これらいずれか の単独処置よりも優れていることを証明するものである。
他の実験では、サイクロフォスフアミド(80yg/kg)と抗−2F10との 併用療法が、養子肺癌移植後における腫瘍増殖の発生率を増大させた。DBA/ 2マウスのグループ群に生L1210/GZLIW瘍細胞10.000個を皮肉 投与した:33日目サイクロフォスフアミド(80mg/kg)を投与し、7日 目に食塩水または異なる投与量の抗−2F10もしくは食塩水を静脈内注射した 。触診によって腫瘍の様相をモニターした。
抗−2F10で処置したすべてのグループは、食塩水を注射した対照グループと 比較して、腫瘍移植後300日目は腫瘍増殖の発生率が低かった。腫瘍移植後1 5日では、より高い抗−2F10の投与量で処置した動物群のいずれにおいても 腫瘍は検出されなかった(第5図)。このように、抗−idの投与量を増加させ ることは、腫瘍増殖を減少させる上で有用であった。当業者であれば、理解でき るであろうが、イディオトーブの刺激は、(1)能動免疫、例えば免疫原を、担 体および/またはアジユバントの存在下または不存在下に、筋肉内、皮下、皮肉 または腹腔内投与するか、または(2)アジユバントまたは担体の不存在下に、 抗体を低用量で静脈内投与する、ことによって実施することができ、さらにイデ ィオトープの抑制は、アジュバントまたは担体の不存在下に、高用量の抗体を静 脈内または腹腔内投与する、受動免疫療法によって実施することができる。
このように、最良の治療法は、臨床的経過と相関することが知られているイディ オトープのレベルを適切に調節する方法であることを、上記の実験は示唆してい る。上記の特定の実験から分かるように、サイクロフォスフアミドと抗−idと の併用療法を施したマウスでは、抗−腫瘍効果および生存性と相関する予後徴候 2F10イデイオトープレベルの増加が認められた。他の場合、抗−id処置単 独、または他の処置モダリティ−を併用する抗−id処装によって、相当する予 後徴候イディオトープレベルとその後の臨床的成績とを変調する効果としては同 等、またはそれよりも優れた成績を収めることがてきる。これらすべての場合に おいて、一連の患者の血清、血液または組織の予後徴候イディオトープレベルを 経時的に測定すれば、疾患の進行または回復と相関する予後徴候イデイオトープ レベルを適切に変調させる治療法が特定される。上記のデータは、本発明の方法 を使用して特定した抗−イディオタイプ抗体である抗−2F10が腫瘍の治療に 有用であることを示すものである。抗−2F10とサイクロフォスフアミドで処 置した腫瘍保持マウスは、増大した生存性を示した。サイクロフォスフアミドを 単独で使用しても、5匹の動物のうち2匹しか45日以上の延命に成功しなかっ たが、抗−2F10抗体をサイクロフォスフアミドと併用して投与した場合、試 験した5匹の動物すべてが腫瘍移植後45日以上生き続けた。
予後徴候イディオトーブの血清レベルに関連した本明細書に記載の方法はさらに 、予後徴候イディオトープを担うT−細胞を使用しても実施することができる。
この方法では、末梢血T−細胞、造血組織T−細胞、または特異的イディオトー ブを担う他の組織T−細胞の頻度(frequency)(割合)を常法によっ て測定する[Raychaudhuri+ S、らのJ、Immunol、13 9+2096(19g?)、5lovin、 S、 F、らのJ、 la+mu nol。
137+3042(1986)、Ert 1. H,C,らのJ、Exp、Me d、159:1776(1985)3゜これらイディオトープ陽性T−細胞のレ ベルは、1)腫瘍抗原、または腫瘍抗原と反応する抗体、または2)自己免疫に 関連する組織抗原、またはこれらの自己抗原と反応する抗体、または3)感染性 病原体によって発現される抗原、またはこれらの感染原と反応する抗体、または 4〉アレルゲン、またはこれらのアレルゲンと反応する抗体、または5)移植抗 原、またはこれらの移植抗原と反応する抗体、または6)これら1)から5)ま でのいずれかに記載の抗原反応性抗体から誘導される抗−イディオタイプ抗体を 使用して、上記の引用文献に記載されているように測定することができる。次い で、これらイディオトープ特異的T−細胞の頻度を経時的に調査し、疾患の進行 および回復と相関するT−細胞イディオトープを同定する。次いで、以下の1) から4)のいずれかの能力に基づいて、治療介入を選択するか、または計画する :I)疾患の回復に伴って通常は減少する抑制イディオトーブ、2)疾患の回復 に伴って通常は増加する刺激イディオトーブ、3)疾患の進行に伴って通常は減 少する刺激イディオトープ、または4)疾患の進行に伴って通常は増加する抑制 イディオトーブ。
ヘルパーニー細胞を認識する特定のイディオトーブのレベルは、腫瘍増殖の進行 または回復と相関していることが証明された。例えば、抗−L1210/GZL 腫瘍抗体2B2との反応性によって規定されるイディオトープを発現するTヘル パー細胞の頻度(割合)は、2B2イデイオタイプ陽性ヘルパーT−細胞の低い 頻度の、保護抗−イディオタイプ抗体2F10で前免疫した(既述のように皮下 投与で)動物と比較して、非保護抗−イディオタイプ抗体3A4で皮下投与で免 疫した動物で増加した。得られた結果を以下の第1表に示す。
第1表 腫瘍保持動物を次のもの 2B2イデイオトーブ陽で前もって免疫する 性Tヘ ルパー細胞の頻度腫瘍状態 リンパET−E胞(10’)半f、り抗−id 3 A4 進行 500 抗−id 2F10 回復 66 F、仮説患者の処置 以下に、4人の仮説患者の処置について説明する。最初の患者(実施例1の患者 スミス)は、予後徴候イディオトーブに対する抗−イディオタイプの初期出現期 に、採用すべき方法を代表するものである。第2の患者(実施例2の患者ジョー ンズ)は、臨床的に適切な予後徴候イディオトープに対する抗−イディオタイプ のパネルを生成させた後に処置する例を代表するものである。実施例2に記載し た治療法における投与量、投与経路、および製剤およびモニター法は、実施例1 の患者スミスの治療法に同様に適用することができる。
実施例1は、広いパネルからなる予後徴候イディオトーブをいかに同定するか、 またいかに第一に調製するか、を詳細に記載している。
重要なパネルのデータには、標的疾患に罹をした少なくとも数百の患者、および 健康な個体からなる対照群、および他の疾患の患者を分析することが必要であろ う。
実施例1゜患者スミス スミス氏を、結腸直腸癌について診断した。選択した処置は、その腫瘍の外科的 切除であった。手術前に、血清試料を入手して寒冷保存し、さらに末梢白血球細 胞を寒冷保存し、リンパ節バイオプシーまたは外科的に切除したリンパ節を入手 して寒冷保存する。細胞生存性を維持するための常法に従って、すべての寒冷保 存細胞を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中、液体窒素を用いて凍結させる 。これらの検体を使用すれば、結腸直腸癌腫関連抗原と反応する抗体(Abl抗 体)が得られるであろう。
次の工程として、Abl抗体を利用し、抗−IdAb2を生成させる。結腸直腸 癌腫と反応するAblを得るには、幾つかの方法を採用し得る。結腸直腸癌腫と 反応する患者血清由来の免疫グロブリンは、当業者に通常実施されている方法、 例えばReal、 F、 X、らのJ、Exp、Med、 160:1219( 1984)、および上述の手引書に記載されているように、固定化唾瘍エキスを 使用したアフィニティークロマトグラフィーによって入手できる。さらに、患者 の腫瘍排液性リンパ節は、体細胞ハイブリダイゼーションリスキ−融合に使用す ることができ、次いで上述の手引書に記載されているように、得られた抗体は、 腫瘍セルラインまたは組織に対する反応性に関してスクリーニングする。これら 体細胞ハイブリドーマAbl抗体の生成、および特異的スフ1ノーニング法は、 当業者では常法によって行うことができる。
上述の手引書参照。さらに、Ablポリクローナルおよびモノクローナル抗体は 、当業界で通常行われている方法によって、結腸直腸腫瘍関連抗原に対する特異 性を有した動物において生成させることができる。
これらの方法のいずれかによって産生されるAbl抗体は、Raychaudh uri、 S、らのJ、Immunol、 13γ:1743(1986)に記 載されている常法によって、Ba1b/cマウスに抗−イディオタイプモノクロ ーナル抗体を生成させるのに使用することができる。これらの抗−id抗体を、 対応するAblとの反応性、および異種型およびアロタイプおよびアイソタイプ 対照抗体との反応性の不存在に基づいて選択した[セクションC8方法に既に記 載し、さらにRaychaudhuri、 S、らのJ。
Immunol、 137:1743(1986)に記載されているRIAまた はELISA検定を使用した]。
患者スミスから診断用に12力月間にわたって採取した血清試料を、種々の抗− イディオタイプモノクローナル抗体(Ab2s)との結合性に関して検定した[ セクションC1方法に記載し、さらにRaychaudhuri、 S、らのJ 、Immunol、 137:1743(1986)に記載されているイディオ トープモニターリング検定を、当業者が通常実施するように使用した]。種々の 抗−1ds(Ab2s)を使用して血清試料をスクリーニングした。2つの抗− イディオタイプが、経時的に、相補性血清イディオトーブに対する異なった結合 性レベルを示した。これらの予後徴候イディオトープレベルが、腫瘍マーカー、 例えば癌胎児性抗原(CE A)の血清レベルによって、および/または肝にお ける腫瘍転移を検出する物理的検査もしくはX線検査によって測定される腫瘍重 圧と相関した(イディオトーブ1は逆比例でうり、イデイオトーブ3は正比例で あった)。手術後の最初の年の最後までに、予後徴候イディオトープlは高い血 清レベルに達したが、予後徴候イディオトーブ3は非常に低かった。手術後2年 目の中頃までには、X線計算機体軸断層撮影(CAT)スキャンおよびCEAレ ベルが腫瘍の再発を示した。この時点におけるイディオタイプパネル分析は、予 後徴候イディオトープlの低下、および予後徴候イディオトーブ3の上昇を示し た(第2図参照)。
疾患の進行と予後徴候イディオトーブ3の増加とは明らかに相関しており、また 疾患の回復と予後徴候イディオトーブ1の増加とは明らかに相関しているので、 予後徴候イディオトーブ3の受動抗−イディオタイプ抑制のために変調抗−16 3を選択し、予後徴候イディオトープ1の能動抗−イディオタイプ刺激には変調 抗−1dlを選択した。
患者ジョーンズに関して記載している受動免疫療法プロトコール(下記の実施例 2参照)に従って、1力月にわたり1週間隔て患者スミスに各々500F、gの 変調抗−)d3(Ab2)を4回静脈内注入した。1週間後、アジニバント製剤 [これも、患者ジョーンズにかかるプロトコールを参照]中、変調抗−T dl (Ab2)を投与量500μgから5zgで使用して(筋肉内投与(im))能 動免疫を開始した。10日後、同一の投与量および製剤を使用して患者をブース ター免疫した。
この受動免疫療法プロトコール期では、予後徴候イディオトープ3レベルは減少 し始め、能動免疫療法プロトフール後の予後徴候イディオトーブlは上昇し始め た。治療が完了した後、CEAレベルは減少し始めた。CATスキャンは改善を 示した。
この結腸直腸患者は、予後徴候イディオトーブおよび変調抗−イディオタイプ抗 体を使用した開示している免疫療法の原理を説明する実施例として、記載してい る。このことは、本方法を、結腸直腸癌または癌のみに対する使用に限定するこ とを意図するものではない。さらに、本実施例は、この開示した方法における初 期の進行段階を示している。これと同一の癌、または自己免疫疾患または感染症 またはアレルギーまたは移植拒絶に罹患した患者の多数の一群における予後徴候 イディオトープを代表し、かつ包含する変調抗−イディオタイプのパネルが調製 されるであろうと期待できる。より進行した状態における免疫療法期に採用され るべき方法の説明のために、以下に、癌、自己免疫疾患、および感染症に罹患し た他の仮説患者の実施例を記載する。
実施例2.患者ジ璽−ンズ ジ1−ンズ氏は、バイオプシーによって悪性黒色腫であることが判明した皮膚損 傷を有していることが見いだされている。選択した処置は、その腫瘍の広範な外 科的切除である。手術前に、末梢血検体を、疾患の活性および治療に対する応答 と相関することが知られている血清、およびB−およびT−リンパ球イディオト ープレベルについて分析する。これらの分析は、黒色腫患者からアフィニティー 精製して得られた抗−黒色腫抗体に対して生成される抗−イディオタイプモノク ローナル抗体を利用し、本明細書セクションC%DおよびEに記載のように実施 される。ジテーンズ氏は、他の患者では進行性疾患活性および悪い予後と相関す ることが示されている予後徴候イディオトーブ4が高い血清レベルであることが 判明している。さらに、ジョーンズ氏では、予後徴候イディオトープ5の血清レ ヘルカ低く、また予後徴候イディオトーブ60T−リンパ球レベルが低いことが 見いだされた。これまでの試験では、予後徴候イディオトープ5および予後徴候 イディオトーブ6の高いレベルは疾患の回復および良好な予後と相関しているこ とが示された。
腫瘍を外科的に除去した後、その患者を、疾患の進行に関連するイディオトーブ 応答を抑制するために変調抗−1d4による受動免疫療法によって処置する。さ らに、疾患の回復に関連したイディオトーブ応答を増強するために、患者を変調 抗−1d5および変調抗−Id(3で免疫する(能動免疫療法)。抑制受動免疫 療法のために、ジ璽−ンズ氏に、ネズミ変調抗−1d4 (500zg)の生理 緩衝化食塩水溶液をL週間に少なくとも4回静脈内注入し、さらに1週間処置し て予後徴候イディオトーブ4の血清レベルを正常被験者に認められるレベルにま で減少させた。L週間後、アジニバント製剤中のネズミ変調抗−Id5およびネ ズミ変調抗−1d6 (各々0゜5mg)を使用して能動免疫を開始した。
その他のすべての週で少なく3サイクル、または予後徴候イディオトープδおよ び予後徴候イディオトーブ60レベルが増加を示す(既述のイディオトーブ検定 (セクションC,DおよびEを参照)を利用)まで、能動免疫物を皮下または筋 肉内投与した。シンテックス(Syntex)アジュバント製剤−1(SAF− 1) cアリリン(Al l 1son+ A、 C,)のBio/lechn ology 5:1041(1987)を参照コまたはミョウバンアジュバント のいずれかを利用した抗−1dアジユバント製剤を、以下に記載のように、Ra ychaudhuri、 S、らのJ、 Immunol、137 :1743 (1986)の方法による抗−16タンパク質のキーホールリンベットヘモシア ニン(KLH)へのカップリングに従って使用した。
0.4%v/vTween80 (RI CI アメリカ)を含有させたリン酸 緩衝食塩水に、5%v/vプルロニックL121 (RBASF)および10% v/vスクアランを加える。この混合物を激しく旋回させ、均一なエマルジョン を調製する。次いで、N−アセチルムラミル−L−)レオニル−D−イソグルタ ミンを加え、得られたアジュバント−ビヒクル混合物を完全に混合する。この混 合物1容量を、等容量のKLH−カップリング化抗−16の生理緩衝食塩水溶液 (2J!g/1I2)に加え、手短に旋回し、完全に混合させる。各成分の最終 温間は、0,17%Tween80.2.5%プルロニックL121、および5 %スクアランとするべきである。
ミョウバンアジュバントのためには、ミョウバンの沈澱化を以下のように行う。
抗−16−KLH(1,0Kg/iのおよびミョウバン(9%W/〜・)の各等 量を混合し、p H6,5に調節し、30分間沈澱せしめる。得られた沈澱物を 遠心(750X9.5分間)によって採取し、リン酸緩衝食塩水に再懸濁して0 .5xg/z(l抗−Id−KLHとする。
患者を、上記のアジュバント製剤(総l095から2.0Fff)のいずれかの 中、等重量のKLHにカップリングさせた抗−イディオタイプタンパク質0.5 ygから5xgで免疫し、2週間後、同量の抗原を用いてブースターする。5A F−1中の変調抗−16で免疫した患者に、最初のワクチン法としてN−アセチ ルムラミル−L−トレオニルーD−イソグルタミンを投与量1.0xg投与し、 その後のブースター免疫として1.0xgを投与する。
この処置プロトコールの後では、予後徴候イディオトーブ4レベルは正常限界内 であり、予後徴候イディオトープ5および予後徴候イディオトーブ6レベルは、 処置前の値よりも有意に増加した。その患者は1年間無症候を維持した。この間 に、イディオトープレベルを試験すると、予後徴候イディオトープ4レベルは増 加を、予後徴候イディオトープ5および予後徴候イディオトーブ6レベルは減少 を示した。標準的な血液化学検査により、肝酵素に異常が認められた。腹部のC ATスキャンにより、転移黒色腫と矛盾なく肝に損傷があることが判明した。肝 バイオプシーにより、転移黒色腫を確認した。変調抗−1d4による受動免疫療 法、ならびに変調抗−Id5および変調抗−166による能動免疫療法の初期要 領を繰り返した。2力月後に治療を中止すると、予後徴候イディオトープ4レベ ルは正常値に回復し、予後徴候イディオトープ5および6レベルは上昇したので 、肝のCATスキャンを再度行うと、腫瘍サイズの顕著な退縮が認められた。
実施例3.患者トー トー婦人を重症筋無力症について診断した。この疾患は、主要な症状が、筋肉の 収縮に関与するアセチルコリンレセプターの抗体破壊に従属する筋肉脆弱である 自己免疫疾患である。末梢血検体を、疾患活性および治療に対する応答に相関す ることで知られている血清およびB−およびT−リンパ球イディオトープレベル に関して分析する。これらの検定は、抗−アセチルコリンレセプター抗体に対応 して生成させた抗−イディオタイプモノクローナル抗体を利用してセクションC %DおよびEに記載のように実施した。この抗−アセチルコリン抗体は、感作リ ンパ球を利用し、当業界の常法によってアフィニティー精製または体細胞ハイブ リダイイーシコン法を利用してヒト患者または動物から入手した。ドー婦人では 、疾患活性と正比例することが他の患者で示された予後徴候イディオトーブ7の 血清レベルが高いことが判明している。さらに、ドー婦人では、予後徴候イディ オトーブ8の血清レベルが低く、予後徴候イデイオトープ9のT−リンパ球レベ ルが低いことが判明している。これまでの試験によって、高いレベルの予後徴候 イデイオトープ8および9は、疾患の回復と相関することがわかっている。患者 ジョーンズに関して記載しているのと同一の受動免疫療法および能動免疫療法抗 −1d7’ロトコールを用い、疾患活性に関連するイディオトープ応答を抑制す るため、ドー婦人に、変調抗−1d7を使用した受動免疫療法を施す。さらに、 その患者を、疾患回復に関連するイデイオトーブを増加するため、変調抗−1d 8および変調抗−1d9で免疫する(能動免疫療法)。1力月後、この治療を終 了させると、患者は増加した筋肉強度に気付く。治療6力月後、患者は治療の追 跡調査に戻り、軽い筋肉脆弱の兆候を説明する。血清およびリンパ球イディオト ープのレベルを再度試験すると、疾患活性に関連する増加した予後徴候イディオ トープ、および疾患の回復に関連する予後徴候イディオトーブ8および9の低レ ベルの同一パターンが認められる。この患者を再度、既述したのと同じ受動およ び能動免疫療法プロトコールで処置すると、筋肉の脆弱が減少する。
実施例4.患者ライト ライト氏は、B型肝炎ウィルス(HBV)感染によって誘導された急性肝炎から 回復していた。このウィルスによって感染された一部の患者は、慢性の活動性肝 炎または肝細胞性癌腫の発病へと移行する。末梢血検体を、B型肝炎ウィルスの 感染によって誘発される疾患活動の種々の段階と相関することで知られている血 清およびB−およびT−リンパ球イディオトープレベルに関して分析する。これ らの検定は、HB V感染によって誘発される種々の状態、即ち急性肝炎、慢性 キャリアー状態、慢性活動性肝炎、肝細胞性癌騨に関連するAbl抗体および/ またはT−細胞に対応して生成させた抗−イディオタイプモノクローナル抗体を 利用してセクションC%DおよびEに記載のように実施した。ライト氏は、HB V感染個体では慢性活動性肝炎の発病と他の患者では相関することが示されてい る予後徴候イディオトーブ10の血清レベルを高く示している。さらに、ライト 氏は予後徴候イディオトーブ11の血清レベルが低いことが見いだされた。これ までの試験により、このイディオトープの高いレベルは、HBV感染個体におい て慢性活動性肝炎の回復と相関することか判明した。
ライト氏は、慢性活動性肝炎の古典的兆候および症状の治療の追跡調査のために 診察を受けに来る。その際、その患者に、慢性活動性肝炎の発病または進行に関 連するイディオトーブ応答を抑制するため、変調抗−161Oで受動免疫療法を 施す。さらに、その患者を、慢性活動性肝炎の回復に関連するイディオトープ応 答を増加するため、変調抗−1dllで免疫する(能動免疫療法)。これら受動 および能動免疫療法は、患者2のジジーンズ氏で記載したものと同一である。
ライト氏の過去の治療経過をさらに評価すると、彼は、B型肝炎と接触する数年 前にB型肝炎ウィルス(HBV)に関して入手可能な標準的なワクチンで免疫さ れていたことが判明した。この患者の血清を分析すると、標準的なHBVワクチ ンで効果的に免疫した個体の血清中に存在することが見いだされる予後徴候イデ ィオトーブ15は存在していないことが判明した。HBVワクチンに応答して保 護免疫が固定されていない他の個体を分析することによっても、予後徴候イディ オトーブ15のレベルは低いことが証明された。ライト氏と同様の患者を、既述 のような能動免疫療法プロトコールを使用して変調抗−1d15で能動免疫する と、保護免疫を伴って、B型肝炎ワクチンに応答するこれら患者の能力が生じる 。従って、この変調抗−1d15は、B型肝炎ウィルスに対する予防ワクチンに 混合する価値がある。
これら4人の患者の仮説治療は本発明の説明のために記載したのであって、限定 を意図するものではない。医学、免疫学、分子生物学および関連分野の当業者で あれば、癌、自己免疫疾患、および感染症、アレルギーまたは移植拒絶を診断、 モニター、治療および/または予防するために、本発明を実施することは可能で あろう。
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脚棒4 国際調査報告 pc’r7usas。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者または動物における癌、自己免疫疾患または感染症、アレルギーまたは 移植拒絶の治療または予防のための抗−イディオタイプ抗体または抗体フラグメ ントを選択する方法であって、a)少なくとも1つのイディオトープを担うAb 1またはT−細胞であって、癌、感染原または自己免疫疾患標的抗原、アレルゲ ンまたは移植抗原と反応する少なくとも1つのレセプター手段を有する該Ab1 または該丁−細胞を選択し、 b)Ab1またはT−細胞のいずれかのレセプター手段のイディオトープに対す る、少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を調製し、 c)患者の血清または組織中のB−またはT−細胞イディオトープに対する抗− イディオタイプ抗体(群)各々をスクリーニングすることによって、疾患の進行 と経時的に相関する少なくとも工つの予後徴候イディオトープを同定し、 d)疾患の進行に伴って通常は減少する患者イディオトープの増加を誘導するか 、または疾患の進行に伴って通常は増加する患者イディオトープの減少を誘導す る、少なくとも1つの変調抗−イディオタイプ抗体またはその組合わせ物を投与 すること、を特徴とする方法。 2.患者または動物における癌、自己免疫疾患または感染症、アレルギーまたは 移植拒絶の治療または予防のための抗−イディオタイプ抗体または抗体フラグメ ントを選択する方法であって、a)少なくとも1つのイディオトープを担うAb 1またはT−細胞であって、癌、感染原または自己免疫疾患標的抗原、アレルゲ ンまたは移植抗原と反応する少なくとも1つのレセプター手段を有する該Ab1 または該T−細胞を選択し、 b)Ab1またはT−細胞のいずれかのレセプター手段のイディオトープに対す る、少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を調製し、 c)患者の血清または組織中のB−またはT−細胞イディオトープに対する抗− イディオタイプ抗体(群)各々をスクリーニングすることによって、疾患の回復 と経時的に相関する少なくとも1つの予後徴候イディオトープを同定し、 d)疾患の回復に伴って通常は減少する患者イディオトープの減少を誘導するか 、または疾患の回復に伴って通常は増加する患者イディオトープの増加を誘導す る、少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体またはその組合わせ物を投与する こと、を特徴とする方法。 3.疾患の進行に関連する1つよりも多いイディオトープと相関する、1つより も多い変調抗−イディオタイプ抗体を同定する、請求項1に記載の方法。 4.疾患の回復に関連する1つよりも多いイディオトープと相関する、1つより も多い変調抗−イディオタイプ抗体を同定する、請求項2に記載の方法。 5.患者または動物における癌、自己免疫疾患または感染症、アレルギーまたは 移植拒絶の治療または予防のための抗−イディオタイプ抗体または抗体フラグメ ントを選択する方法であって、a)少なくとも1つのイディオトープを担うAb 1またはT−細胞であって、癌、感染原または自己免疫疾患標的抗原、アレルゲ ンまたは移植抗原と反応する少なくとも1つのレセプター手段を有する該Ab1 または該丁−細胞を選択し、 b)Ab1またはT−細胞のいずれかのレセプター手段のイディオトープに対す る、少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を調製し、 c)統計的に有意なパネル患者の血清、組織、またはT−細胞に対する抗−イデ ィオタイプ抗体(群)各々をスクリーニングすることによって、疾患の進行と相 関する少なくとも1つのイディオトープを同定し、 d)疾患の進行に伴って通常は減少する患者イディオトープの増加を誘導するか 、または疾患の進行に伴って通常は増加する患者イディオトープの減少を誘導す る、少なくとも1つの変調抗−イディオタイプ抗体またはその組合わせ物を投与 すること、を特徴とする方法。 6.患者または動物における癌、自己免疫または感染症、アレルギーまたは移植 拒絶の治療または予防のための抗−イディオタイプ抗体または抗体フラグメント を選択する方法であって、a)少なくとも1つのイディオトープを担うAb1ま たはT−細胞であって、癌、感染原または自己免疫疾患標的抗原、アレルゲンま たは移植抗原と反応する少なくとも1つのレセプター手段を有する該Ab1また は該丁−細胞を選択し、 b)Ab1またはT−細胞のいずれかのレセプター手段のイディオトープに対す る、少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を調製し、 c)統計的に有意なパネル患者の血清、組織、またはT−細胞に対する抗−イデ ィオタイプ抗体(群)各々をスクリーニングすることによって、疾患の回復と相 関する少なくとも1つのイディオトープを同定し、 d)疾患の回復に伴って通常は減少する患者イディオトープの減少を誘導するか 、または疾患の回復に伴って通常は増加する患者イディオトープの増加を誘導す る、少なくとも1つの変調抗−イディオタイプ抗体またはその組合わせ物を投与 すること、を特徴とする方法。 7.抗−イディオタイプ抗体またはその組合わせ物を、免疫変調活性を有する物 質と共に投与する請求項1から6までのいずれかに記載の方法。 8.請求項1から6までのいずれかに記載の方法によって調製される変調抗−イ ディオタイプ抗体。 9.抗−イディオタイプ抗体を得るために使用されるAb1がモノクローナルで あった請求項8に記載の変調抗−イディオタイプ抗体。 10.抗−イディオタイプ抗体を得るために使用されるAb1がポリクローナル であった請求項8に記載の変調抗−イディオタイプ抗体。 11.抗−イディオタイプ抗体を得るために使用されるAb1の全部または一部 が、ヒト以外の哺乳類供給源から誘導されたものである請求項8に記載の変調抗 −イディオタイプ抗体。 12.抗−イディオタイプ抗体を得るために使用されるAblの全部または一部 が、ヒト供給源から誘導されたものである請求項8に記載の変調抗−イディオタ イプ抗体。 13.モノクローナルである請求項8に記載の変調抗−イディオタイプ抗体。 14.ポリクローナルである請求項8に記載の変調抗−イディオタイプ抗体。 15.ヒト以外の哺乳類供給源からその全部または一部が誘導されたものである 請求項8に記載の変調抗−イディオタイプ抗体。 16.ヒト供給源からその全部または一部が誘導されたものである請求項8に記 載の変調抗−イディオタイプ抗体。 17.疾患の診断と治療、またはモニターと治療または予防のための方法であっ て、 (1)少なくとも1つの免疫刺激物質を使用することによって、疾患回復期には 通常は増加し、または疾患進行期には通常は減少する、患者の予後徴候イディオ トープレベルを経時的に測定し、そして(2)この情報を使用して、投与量改変 の開始、継続、中断、または患者への該物質の投与を控えるなど、予後徴候イデ ィオトープレベルを増加させるための少なくとも1つの治療方針を決定する工程 からなることを特徴とする方法。 18.疾患の診断と治療、またはをモニターと治療のための方法であって、 (1)少なくとも1つの免疫抑制物質を使用することによって、疾患進行期には 通常は増加し、または疾患回復期には通常は減少する、患者の予後徴候イディオ トープレベルを経時的に測定し、そして(2)この情報を使用して、投与量改変 の開始、継続、中断、または患者への該物質の投与を控えるなど、予後徴候イデ ィオトープレベルを減少させるための少なくとも1つの治療方針を決定する工程 からなることを特徴とする方法。 19.疾患の進行または回復と相関することが知られている予後徴候イディオト ープの量を経時的に測定する工程を包含する、疾患の診断またはモニター方法。 20.請求項17に記載の方法によって調製される免疫刺激物質。 21.請求項18に記載の方法によって調製される免疫抑制物質。 22.イディオトープの抑制を誘導する方法であって、a)疾患の進行に伴って 増加する少なくとも1つのイディオトープを担う少なくとも1つの抗体またはT −細胞レセプターを同定し、b)該抗体(群)またはT−細胞レセプター(群) を、免疫ネットワーク成分を刺激して該イディオトープを抑制せしめるのに十分 な量および方法で投与する、ことを特徴とする方法。
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