JPH0349973B2 - - Google Patents
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- JPH0349973B2 JPH0349973B2 JP59108680A JP10868084A JPH0349973B2 JP H0349973 B2 JPH0349973 B2 JP H0349973B2 JP 59108680 A JP59108680 A JP 59108680A JP 10868084 A JP10868084 A JP 10868084A JP H0349973 B2 JPH0349973 B2 JP H0349973B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing
- C21D8/0405—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing of ferrous alloys
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、クロム系ステンレス鋼板の熱間圧延
後の熱延板焼鈍を省略して製造工程を短縮し、表
面性状および成形性に優れたクロム系ステンレス
鋼板を安価に製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 クロム系ステンレス鋼はCr:10〜20%(重量
%を単に%と記す。以下同じ)、C:0.1%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下を含有し、その製
造においては、連続鋳造スラブ、またはインゴツ
トを分塊圧延したスラブを熱間圧延し、その際鋼
板を通常800℃以下の温度でコイルに巻き取り放
冷後、熱延板の軟質化、均質化を目的とするバツ
チ式焼鈍、あるいは連続焼鈍を行い、引続き冷間
圧延、仕上焼鈍を行うことにより製品とされてい
る。 このような従来の製造工程における熱延後の焼
鈍工程では、バツチ式焼鈍の場合、その処理に数
十時間を要する。 バツチ式焼鈍の処理時間の短縮等を目的とした
連続焼鈍も行われているが、短時間での焼鈍効果
を得るために、特定元素、例えば、Ti、Nbある
いはAl等を多量に添加する必要があるので、却
つてコストアツプする問題がある。 さらに熱間圧延において850℃〜950℃の高温で
ストリツプをコイルに巻き取つて放冷することに
より、熱延板焼鈍を行わずに直接酸洗冷間圧延す
る方法(特開昭52−95527)が報告されている。
しかしストリツプを高温で巻き取つてコイルを放
冷するだけでは、鋼板の軟質化、均質化が十分で
ないために、次の酸洗工程で粒界侵食を生じやす
く、冷延板のリジング性が改善されない上、十分
な成形性が得られないという問題がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、このような問題を解決するもので、
基本的にはバツチ処理方式により、特定金属を多
量に添加することなく、また巻取りコイルを放冷
するのではなく、熱履歴を適正に調整することに
より、クロム系ステンレス鋼板の製造工程におい
て長時間を要する熱延後の焼鈍工程を省略して工
程を短縮すると共に、表面性状および成形性に優
れたクロム系ステンレス鋼板を安価に製造する方
法を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、本発明は、クロム系
ステンレス鋼板の熱間圧延工程において、コイル
を750〜1000℃の温度範囲で巻き取り、50℃/h
以下の冷却速度で、少なくとも700℃以下の温度
まで徐冷し、引続き熱延板焼鈍を行うことなく、
冷間圧延、仕上焼鈍を行うことを特徴とする。 本発明によれば、熱間圧延工程における巻取後
の徐冷過程において、熱延鋼板が十分に軟質化、
均質化されるので熱延板焼鈍を行う必要がなく、
引続き冷間圧延、仕上焼鈍することによつて得ら
れる製品の表面性状および成形性は、従来の方法
である熱延板焼鈍を行つた場合と比較して、同等
かあるいはそれ以上の優れた特性が得られる。 本発明方法はCr:10〜20%、Al:0.08%未満
を含有するクロム系ステンレススラブに適用され
る。 Crの下限を10%、上限を20%としたのは、10
%未満ではクロム系ステンレス鋼板としての耐食
性に劣り、またマルテンサイト相の析出により機
械的性質も劣化するからである。一方20%を超え
ると、鋼板が硬質化し機械的性質が劣るからであ
る。また、本発明においては、従来の規格鋼に対
して特定の元素を添加しない通常のクロム系ステ
ンレス鋼を用いて、熱延板焼鈍を省略した工程に
より表面性状、成形性に優れた鋼板を製造するこ
とができるが、Alの含有を限定した理由を以下
に説明する。 クロム系ステンレス鋼にAlを添加すると、A1
変態温度が上昇し、より高温においての単相組織
が得られ易く、さらに再結晶挙動を活性化する効
果が認められる。それにより、熱延工程におい
て、鋼板を巻き取り後徐冷させた場合、鋼板の軟
質化、均質化がより短時間に進行し、コイルの冷
却速度を高めることができる。しかし過剰のAl
添加は、熱延工程のスラブ加熱時等において結晶
粒が粗大化し、熱延板の表面性状を著しく害する
のみならず、熱間加工性の低下による表面疵発生
の原因となるため、Al添加量を0.08%未満とし
た。 また本発明において、熱延工程におけるコイル
の巻き取り条件を限定した理由は、次の通りであ
る。巻取温度範囲の下限を750℃とした理由は、
この温度以下で鋼板をコイルに巻き取り徐冷を行
つても、鋼板の軟質化、均質化に十分な効果が認
められないからである。一方上限を1000℃とした
理由は、これ以上の高温で巻き取るような操業を
行うと、熱間圧延中の鋼板が面折れしたり、座屈
する等の問題があるからである。以上の理由で巻
き取り温度範囲を750℃〜1000℃とした。 またコイルの冷却速度を50℃/h以下とした理
由は、50℃/hを越える冷却速度では、コイルの
各部位の温度差が大きくなり、コイルの全長に亘
つて均一な特性が得られにくいからである。 〔作用〕 750℃〜1000℃の温度範囲で巻き取られたコイ
ルは、冷却過程において鋼板を軟質化、均質化さ
せるために、通常の放冷による冷却速度よりも小
さな速度で冷却し、しかも低い温度で巻き取つた
場合ほど小さな速度で冷却させることにより、上
記巻き取り温度範囲内のいかなる温度で巻き取つ
た場合でも、十分に軟質化、均質化した鋼板を得
ることができる。 一方冷却過程においてコイル温度が、700℃以
下になると鋼板の軟質化、均質化の挙動が減衰
し、コイルの徐冷による特性向上の効果が認めら
れなくなる。 従つて巻き取つたコイルを少なくとも700℃ま
で徐冷すれば十分であり、引続き放冷あるいは、
ただちにコイルを転開しても、十分軟質化、均質
化した熱延鋼板を得ることができる。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を説明する。 供試材の成分は、第1表に示したように、規格
鋼A1およびB1とそれに対してAlを添加したA2お
よびB2である。いずれも連続鋳造スラブを用い、
板厚3.5mmに熱間圧延した。本発明法に対する巻
き取り条件および比較例を第2表−A、B、Cに
示す。 本発明法および700℃で巻き取り徐冷した場合
(第2表−A)、巻き取り後放冷した場合(第2表
−B)、巻き取り後放冷してさらにバツチ式焼鈍
を加えた場合(第2表−C)について実施した。
それらを引続き酸洗、冷延仕上焼鈍し、製品とし
た。仕上板厚は、A1、A2鋼を0.8mm、B1、B2鋼を
1.8mmとした。 以上のような製造条件による試験材についての
表面性状、成形性試験の結果を第1図a,bおよ
び第2図に示す。第1図aは、巻取温度−値、
(塑性歪比の平均値)bは巻取温度−リジング高
さの関係を示し、共にA1鋼、A2に関するもので
ある。第2図は、巻取温度−伸びの関係を示し、
B1鋼、B2鋼に関するものである。 第1図aから明らかなように、巻き取り後コイ
ルを放冷した比較例では、巻き取り温度の上昇に
より、値は向上するが、製品として十分な特性
は得られない。しかし、冷却速度を調整した本発
明法においては、従来のバツチ式焼鈍を行つた場
合と比べても、非常に優れた特性が得られ、しか
も750〜1000℃の範囲では巻き取り温度がどの程
度であつてもこれに依存することなく、ほぼ一定
の特性を得ることができ、このように巻き取り後
のコイルの冷却速度を制御することにより、著し
く成形性に優れた鋼板が製造できるという結果が
得られた。 第1図bから明らかなように、本発明による方
法によれば、リジングが著しく改善される。この
場合も750℃〜1000℃の範囲の巻き取り温度に関
係なく、一様に優れた特性が得られており、リジ
ング高さは、10μm以下である。 第2図は、B1鋼、B2鋼の成形性を示したもの
であるが、伸びは従来の方法による場合(第2表
−C)よりも若干優れた特性を示している。 〔発明の効果〕 以上述べた如く、本発明に従えば、従来行われ
ていた長時間を要する熱延後の焼鈍を省略するこ
とにより、工程を短縮することができる。また、
連続焼鈍のように特殊成分を添加することを要し
ない。 また、熱間圧延後直接冷間圧延、仕上焼鈍する
ことができると共に、表面性状および成形性が著
しく優れた冷延鋼板を安価に得ることができる。
後の熱延板焼鈍を省略して製造工程を短縮し、表
面性状および成形性に優れたクロム系ステンレス
鋼板を安価に製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 クロム系ステンレス鋼はCr:10〜20%(重量
%を単に%と記す。以下同じ)、C:0.1%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下を含有し、その製
造においては、連続鋳造スラブ、またはインゴツ
トを分塊圧延したスラブを熱間圧延し、その際鋼
板を通常800℃以下の温度でコイルに巻き取り放
冷後、熱延板の軟質化、均質化を目的とするバツ
チ式焼鈍、あるいは連続焼鈍を行い、引続き冷間
圧延、仕上焼鈍を行うことにより製品とされてい
る。 このような従来の製造工程における熱延後の焼
鈍工程では、バツチ式焼鈍の場合、その処理に数
十時間を要する。 バツチ式焼鈍の処理時間の短縮等を目的とした
連続焼鈍も行われているが、短時間での焼鈍効果
を得るために、特定元素、例えば、Ti、Nbある
いはAl等を多量に添加する必要があるので、却
つてコストアツプする問題がある。 さらに熱間圧延において850℃〜950℃の高温で
ストリツプをコイルに巻き取つて放冷することに
より、熱延板焼鈍を行わずに直接酸洗冷間圧延す
る方法(特開昭52−95527)が報告されている。
しかしストリツプを高温で巻き取つてコイルを放
冷するだけでは、鋼板の軟質化、均質化が十分で
ないために、次の酸洗工程で粒界侵食を生じやす
く、冷延板のリジング性が改善されない上、十分
な成形性が得られないという問題がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、このような問題を解決するもので、
基本的にはバツチ処理方式により、特定金属を多
量に添加することなく、また巻取りコイルを放冷
するのではなく、熱履歴を適正に調整することに
より、クロム系ステンレス鋼板の製造工程におい
て長時間を要する熱延後の焼鈍工程を省略して工
程を短縮すると共に、表面性状および成形性に優
れたクロム系ステンレス鋼板を安価に製造する方
法を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、本発明は、クロム系
ステンレス鋼板の熱間圧延工程において、コイル
を750〜1000℃の温度範囲で巻き取り、50℃/h
以下の冷却速度で、少なくとも700℃以下の温度
まで徐冷し、引続き熱延板焼鈍を行うことなく、
冷間圧延、仕上焼鈍を行うことを特徴とする。 本発明によれば、熱間圧延工程における巻取後
の徐冷過程において、熱延鋼板が十分に軟質化、
均質化されるので熱延板焼鈍を行う必要がなく、
引続き冷間圧延、仕上焼鈍することによつて得ら
れる製品の表面性状および成形性は、従来の方法
である熱延板焼鈍を行つた場合と比較して、同等
かあるいはそれ以上の優れた特性が得られる。 本発明方法はCr:10〜20%、Al:0.08%未満
を含有するクロム系ステンレススラブに適用され
る。 Crの下限を10%、上限を20%としたのは、10
%未満ではクロム系ステンレス鋼板としての耐食
性に劣り、またマルテンサイト相の析出により機
械的性質も劣化するからである。一方20%を超え
ると、鋼板が硬質化し機械的性質が劣るからであ
る。また、本発明においては、従来の規格鋼に対
して特定の元素を添加しない通常のクロム系ステ
ンレス鋼を用いて、熱延板焼鈍を省略した工程に
より表面性状、成形性に優れた鋼板を製造するこ
とができるが、Alの含有を限定した理由を以下
に説明する。 クロム系ステンレス鋼にAlを添加すると、A1
変態温度が上昇し、より高温においての単相組織
が得られ易く、さらに再結晶挙動を活性化する効
果が認められる。それにより、熱延工程におい
て、鋼板を巻き取り後徐冷させた場合、鋼板の軟
質化、均質化がより短時間に進行し、コイルの冷
却速度を高めることができる。しかし過剰のAl
添加は、熱延工程のスラブ加熱時等において結晶
粒が粗大化し、熱延板の表面性状を著しく害する
のみならず、熱間加工性の低下による表面疵発生
の原因となるため、Al添加量を0.08%未満とし
た。 また本発明において、熱延工程におけるコイル
の巻き取り条件を限定した理由は、次の通りであ
る。巻取温度範囲の下限を750℃とした理由は、
この温度以下で鋼板をコイルに巻き取り徐冷を行
つても、鋼板の軟質化、均質化に十分な効果が認
められないからである。一方上限を1000℃とした
理由は、これ以上の高温で巻き取るような操業を
行うと、熱間圧延中の鋼板が面折れしたり、座屈
する等の問題があるからである。以上の理由で巻
き取り温度範囲を750℃〜1000℃とした。 またコイルの冷却速度を50℃/h以下とした理
由は、50℃/hを越える冷却速度では、コイルの
各部位の温度差が大きくなり、コイルの全長に亘
つて均一な特性が得られにくいからである。 〔作用〕 750℃〜1000℃の温度範囲で巻き取られたコイ
ルは、冷却過程において鋼板を軟質化、均質化さ
せるために、通常の放冷による冷却速度よりも小
さな速度で冷却し、しかも低い温度で巻き取つた
場合ほど小さな速度で冷却させることにより、上
記巻き取り温度範囲内のいかなる温度で巻き取つ
た場合でも、十分に軟質化、均質化した鋼板を得
ることができる。 一方冷却過程においてコイル温度が、700℃以
下になると鋼板の軟質化、均質化の挙動が減衰
し、コイルの徐冷による特性向上の効果が認めら
れなくなる。 従つて巻き取つたコイルを少なくとも700℃ま
で徐冷すれば十分であり、引続き放冷あるいは、
ただちにコイルを転開しても、十分軟質化、均質
化した熱延鋼板を得ることができる。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を説明する。 供試材の成分は、第1表に示したように、規格
鋼A1およびB1とそれに対してAlを添加したA2お
よびB2である。いずれも連続鋳造スラブを用い、
板厚3.5mmに熱間圧延した。本発明法に対する巻
き取り条件および比較例を第2表−A、B、Cに
示す。 本発明法および700℃で巻き取り徐冷した場合
(第2表−A)、巻き取り後放冷した場合(第2表
−B)、巻き取り後放冷してさらにバツチ式焼鈍
を加えた場合(第2表−C)について実施した。
それらを引続き酸洗、冷延仕上焼鈍し、製品とし
た。仕上板厚は、A1、A2鋼を0.8mm、B1、B2鋼を
1.8mmとした。 以上のような製造条件による試験材についての
表面性状、成形性試験の結果を第1図a,bおよ
び第2図に示す。第1図aは、巻取温度−値、
(塑性歪比の平均値)bは巻取温度−リジング高
さの関係を示し、共にA1鋼、A2に関するもので
ある。第2図は、巻取温度−伸びの関係を示し、
B1鋼、B2鋼に関するものである。 第1図aから明らかなように、巻き取り後コイ
ルを放冷した比較例では、巻き取り温度の上昇に
より、値は向上するが、製品として十分な特性
は得られない。しかし、冷却速度を調整した本発
明法においては、従来のバツチ式焼鈍を行つた場
合と比べても、非常に優れた特性が得られ、しか
も750〜1000℃の範囲では巻き取り温度がどの程
度であつてもこれに依存することなく、ほぼ一定
の特性を得ることができ、このように巻き取り後
のコイルの冷却速度を制御することにより、著し
く成形性に優れた鋼板が製造できるという結果が
得られた。 第1図bから明らかなように、本発明による方
法によれば、リジングが著しく改善される。この
場合も750℃〜1000℃の範囲の巻き取り温度に関
係なく、一様に優れた特性が得られており、リジ
ング高さは、10μm以下である。 第2図は、B1鋼、B2鋼の成形性を示したもの
であるが、伸びは従来の方法による場合(第2表
−C)よりも若干優れた特性を示している。 〔発明の効果〕 以上述べた如く、本発明に従えば、従来行われ
ていた長時間を要する熱延後の焼鈍を省略するこ
とにより、工程を短縮することができる。また、
連続焼鈍のように特殊成分を添加することを要し
ない。 また、熱間圧延後直接冷間圧延、仕上焼鈍する
ことができると共に、表面性状および成形性が著
しく優れた冷延鋼板を安価に得ることができる。
【表】
【表】
【表】
第1図は実施例および比較例の巻取り温度とa
r値(塑性歪比の平均値)、bリジング高さとの
関係を示すグラフ、第2図は巻取り温度と伸びと
の関係を示すグラフである。
r値(塑性歪比の平均値)、bリジング高さとの
関係を示すグラフ、第2図は巻取り温度と伸びと
の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 Cr:10〜20重量%、Al:0.08重量%未満を
含有するクロム系ステンレス鋼スラブの熱間圧延
において、熱間圧延後の巻取を750〜1000℃の温
度範囲で行ない、引続き50℃/h以下の冷却速度
で、少なくとも700℃以下の温度まで徐冷するこ
とを特徴とする表面性状および成形性に優れたク
ロム系ステンレス鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10868084A JPS60255929A (ja) | 1984-05-30 | 1984-05-30 | 表面性状および成形性に優れたクロム系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10868084A JPS60255929A (ja) | 1984-05-30 | 1984-05-30 | 表面性状および成形性に優れたクロム系ステンレス鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60255929A JPS60255929A (ja) | 1985-12-17 |
JPH0349973B2 true JPH0349973B2 (ja) | 1991-07-31 |
Family
ID=14490945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10868084A Granted JPS60255929A (ja) | 1984-05-30 | 1984-05-30 | 表面性状および成形性に優れたクロム系ステンレス鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60255929A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109750224A (zh) * | 2019-01-29 | 2019-05-14 | 舞阳钢铁有限责任公司 | 一种压力容器用钢板及其生产方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60204836A (ja) * | 1984-03-29 | 1985-10-16 | Nippon Steel Corp | 表面疵のない加工性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼薄板の製造法 |
-
1984
- 1984-05-30 JP JP10868084A patent/JPS60255929A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60204836A (ja) * | 1984-03-29 | 1985-10-16 | Nippon Steel Corp | 表面疵のない加工性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼薄板の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60255929A (ja) | 1985-12-17 |
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