JPH0349833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はレーザ加工機に係り、更に詳細に
は、集塵管を備えたレーザ加工機に関する。

（従来の技術） レーザ光はそのすぐれた性質により、非金属、
超硬合金、ステンレス鋼などの金属の穴あけや、
各種金属、セラミツク等の切断加工に広く採用さ
れている。前記の金属類の切断の場合には、レー
ザビームの照射個所に、例えば、酸素等の圧力ガ
スを吹きつけ、溶融状態の金属を吹きとばし、加
工効率をあげるガス切断法が多用されている。

レーザ加工機における穴あけや、切断加工は、
レーザビームによる被加工物の溶融、蒸発に基づ
く材料除去機能を利用するもので、ガス及び粉塵
の発生を伴う。このガス及び粉塵は、光移動形レ
ーザ加工機においては一般に加工テーブルの下方
に設けられて負圧に保持された集塵室に集めら
れ、フイルタ等を経て排風機から大気へ排出され
ている。この排風機は、加工テーブルの下方に設
けられた集塵室の開口部が広いので、ガスや粉塵
を有効に吸引するために、大容量のものが設置さ
れている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記のように、従来の光移動形などのレーザ加
工機の下方に設けた集塵室の開口部を、カツテイ
ングヘツドの移動範囲に合せて設けてあるので、
作業時に不必要な部分からの吸込量が大きく、従
つて大容量の排風機の設置が必要であつた。

（考案の目的） この考案の目的は、上記事情に鑑み問題点を改
善するために提案されたもので、加工テーブルに
設けられた被加工物の支持部材の下方に集塵管を
設け、加工を行なつていない不必要な部分からの
吸込量を減少させることにより、小容量の排風機
で集塵効果の大きい集塵管を備えたレーザ加工機
を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、被加工
物を支持する複数の支持部材を備えた加工テーブ
ルにＸ軸方向の案内部を設け、この案内部に案内
されてＸ軸方向へ移動自在なＸ軸キヤリツジに、
前記支持部材の上方においてＹ軸方向に延伸した
案内面を設け、この案内面に案内されてＹ軸方向
へ往復自在に設けられたＹ軸キヤリツジに、前記
被加工物をレーザ加工するカツテイングヘツドを
設け、このカツテイングヘツドによる被加工物の
加工時に発生するガスまたは粉塵を吸引するため
の集塵装置を、前記支持部材の下方においてＹ軸
方向に延伸して設け、この集塵装置を前記Ｘ軸キ
ヤリツジと一体的にＸ軸方向へ移動自在に設けて
なるレーザ加工機にして、 前記集塵装置に備えた集塵ヘツドを前記カツテ
イングヘツドに対向して設けると共にＹ軸方向へ
移動自在に設け、上記カツテイングヘツドをＹ軸
方向へ移動するためのボールねじと集塵ヘツドを
Ｙ軸方向へ移動するためのボールねじとを連動連
結してなるものである。

（作用） 上記構成により、被加工物は、加工テーブル上
をＸ，Ｙ軸方向に移動するカツテイングヘツドか
ら照射されるレーザビームにより、溶融、蒸発
し、そのガス、粉塵は加工テーブルの下方に設け
られた集塵ヘツドに吸引される。集塵ヘツドの開
口部は従来のような加工テーブルの開口部より!?
かに小さいので、従来より著しく小さな排風機で
集塵することができる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
を説明する。

第１図を参照するに、この光移動形レーザー加
工機１の加工テーブル３はＵ字形断面をしてお
り、側壁５，７および溝（加工部）９からなつて
いる。側壁５にはＸ軸方向（第１図においては左
右方向）へ延伸して第１案内面１１が設けてあ
り、この第１案内面１１に沿つてＸ軸方向へ移動
自在な例えば門型形状のＸ軸キヤリツジ１３が設
けてある。Ｘ軸キヤリツジ１３の上面には、Ｘ軸
方向と直交するＹ軸方向へ延伸した第２案内面１
５が設けてある。この第２案内面１５に沿つてＹ
軸方向へ移動自在なＹ軸キヤリツジ１７が設けて
ある。

カツテイングヘツド１９は、このＹ軸キヤリツ
ジ１７に装着してあり、加工テーブル３上のＸ軸
およびＹ軸の任意の位置に移動することができ
る。

加工テーブル３の溝９には、被加工物Ｗを支持
する針山状の支持部材２１が両側壁５，７の間
に、溝９の底から離して設けてあり、その上に被
加工物が載置され、カツテイングヘツド１９によ
り加工されることになる。

Ｘ軸キヤリツジ１３の下部には、被加工物Ｗの
支持部材２１の下方をＸ軸方向へ移動する集塵装
置２３の集塵管２３Ａが第２案内面１５と平行に
一体的に設けてある。集塵装置２３の集塵管２３
Ａは加工テーブル３の両側壁５，７に形成してあ
る開口部２５を貫通して、Ｘ軸キヤリツジ１３の
下部に結合し一体化されている。

集塵管２３Ａの前端下部は曲り管２７を介して
伸縮自在なダクト２９に接続されており、ダクト
２９の左端にはフイルタ等を備えた排風機３１が
設けてある。

集塵管２３Ａは第２図のＡに示されているよう
に矩形状の断面をしており、かつ上面部には、閉
口部が形成してある。面して針山状の支持部材２
１に支持された被加工物Ｗは、カツテイングヘツ
ド１９から照射されるレーザビームにより加工さ
れ、そのガス又は粉塵はカツテイングヘツド１９
の直下に設けられ、かつ上方に閉口部を形成した
集塵管２３Ａに吸引され、前記ダクト２９から排
風機３１によつて排出されることになる。この排
風機３１は従来のものに比べて!?かに小形にな
る。

集塵管２３Ａは第２図のＡに示されているよう
に、底蓋３３とばね３５により、比較的大きな加
工屑が堆積した場合、自重で自動的に底蓋３３が
点線で示した如く下方へ開いて、加工屑を落下さ
せるようにすれば、空気抵抗の増大が防止され、
集塵効果を大きくすることができる。

集塵装置２３の集塵管２３Ａは第２図のＢに示
した如く、円形状の断面をしていると共に、開口
部を例えば左側方に形成したものでも、第２図Ａ
に示したものと同様にガスや粉塵を集塵管２３Ａ
に吸引させることができる。また、加工屑の処理
については、第２図のＡと同様に底蓋３３を下方
へ開かせることによつて行なわれる。

本実施例における他の光移動形レーザ加工機１
が第３図および第４図に示されている。第３図お
よひ第４図において、光移動形レーザ加工機１の
加工テーブル３は第１図に示されたものと同様に
Ｕ字形断面をしており、側壁５，７および溝（加
工部）９からなつている。側壁５にはＸ軸方向へ
延伸した第１案内面１１が設けてあり、この第１
案内面１１に沿つてＸ軸方向へ移動自在な例えば
門型形状のＸ軸キヤリツジ１３が設けてある。Ｘ
軸キャリッジ１３の上面にはＹ軸方向へ延伸して
第２案内面１５が設けてある。

この第２案内面１５に沿つてＹ軸方向へ移動自
在なＹ軸キヤリツジ１７が設けてある。Ｘ軸キヤ
リツジ１３の後側には、駆動モータ３７が設けて
ある。駆動モータ３７にはＹ軸方向へ延伸したボ
ールねじ３９が連動連結してある。Ｙ軸キヤリツ
ジ１７の下部中央にはナツト部材４１が第３図お
よび第４図に示す如く一体的に取付けてあつて、
ナツト部材４１は前記ボールねじ３９に螺合して
ある。

ボールねじ３９の両端側には、それぞれプーリ
４３、４５が取付けてあり、そのプーリ４３、４
５の内側には、ボールねじ３９を支持する支持ブ
ロック４７，４９がＸ軸キヤリツジ１３の上面に
取付けてある。

一方、Ｘ軸キヤリツジ１３の下部には、前記第
２案内面１５に平行に延伸した集塵装置２３の集
塵管２３Ａの外枠５１が一体的に設けてある。外
枠５１の左側の前端部にはそれぞれボールねじ５
３を支持する支持ブロツク５５，５７が一体的に
取付けてある。ボールねじ５３の前後端にはプー
ル５９，６１が回転自在に支承してある。

前記プーリ４３とプーリ５９、およびプーリ４
５とプーリ６１とには、それぞれ同期用ベルト６
３，６５を掛回して、両ボールねじ３９，５３を
連動連結してある。

上記構成により、駆動モータ３７を駆動させる
と、ボールねじ３９に回転が伝達される。ボール
ねじ３９にはナツト部材４１が螺合してあるから
ボールねじ３９の回転によりナツト部材４１がＹ
軸方向に移動する。ナツト部材４１はＹ軸キヤリ
ツジ１７に一体化されているので、Ｙ軸キヤリツ
ジ１７がＹ軸方向に移動されることになる。

さらに、ボールねじ３９に伝達された回転は、
プーリ４３，４５、同期ベルト６３，６５および
プーリ５９，６１を介してボールねじ５３に伝達
されることになる。

ボールねじ５３には第４図および第５図に示す
如くナツト部材６７が螺合してある。ナツト部材
６７には集塵装置２３の集塵ヘツド６９が一体的
に取付けてある。集塵ヘツド６９の軸心部には孔
６９Ｈが穿設してあり、この集塵ヘツド６９の孔
６９Ｈは、前記Ｙ軸キヤリツジ１７に装着された
カツテイングヘツド１９の直下に位置するように
設けられている。しかも、集塵ヘツド６９は前記
外枠５１の内側に第５図に示す如くＹ軸方向に延
伸して設けられたテレスコピツクレール７１Ａ，
７１Ｂに沿つて伸縮自在にＹ軸方向へ閉鎖する閉
鎖部材としてのテレスコピツク７３が取付けてあ
る。前記集塵ヘツド６９の孔６９Ｈに対応したテ
レスコピツク７３には孔７３Ｈが穿設してある。

而して、ボールねじ５３が回転されると、集塵
ヘツド６９はカツテイングヘツド１９と共に同期
しかつ伸縮自在なテレスコピツク７３と一緒にＹ
軸方向へ移動されることになる。

前記加工テーブル３の溝９には、被加工物Ｗの
針山状の支持部材２１が両側壁５，７の間に、溝
９の底から離して設けてあり、その上に被加工物
Ｗが載置されている。

また、集塵装置２３の外枠５１の前端下部は曲
がり管２７を介して伸縮自在なダクト２９に接続
されており、ダクト２９の左端にはフイルタ等を
備えた排風機３１が設けてある。

上記構成により、針山状の支持部材２１に支持
された被加工物Ｗは、カツテイングヘツド１９か
ら照射されるレーザビームにより加工され、その
ガス又は粉塵はカツテイングヘツド１９の直下に
設けられた集塵ヘツド６９の孔６９Ｈに吸引さ
れ、前記外枠５１内を介してダクト２９から排風
機３１によつて排出されることになる。

前記外枠５１の下部には、第５図に示されてい
るように、ばね７５を介して底蓋７７が取付けて
あり、比較的大きな加工屑が推積した場合、自重
で自動的に開いて、落下させるようにすれば空気
抵抗の増大が防止され、集塵効果を大きくするこ
とが出来る。

また、前記集塵ヘツド６９の孔６９Ｈに、第５
図に示す如く、金属製例えば銅製の網７９を嵌め
込めば、加工屑が底蓋７７に落下することなく網
７９上に落ちるのみであるから、網７９上から容
易に加工屑を除去することができる。

なお、この考案は前述した実施例に限定される
ものでなく、適宣の変更を行うことにより、その
他の態様で実施し得るものである。例えば、Ｙ軸
方向に移動自在でかつ伸縮自在なテレスコピツク
の代わりにメタルベルトコンベアを用いても対応
可能である。また、テレスコピツクの代りに、Ｙ
軸方向に延伸した２枚のゴム等の弾性部材を例え
ば一部を重ねる態様にＸ軸方向に配置せしめてそ
の間を集塵ヘツドをＹ軸方向に移動させて対応す
ることも可能である。さらに、複数本のパイプを
Ｙ軸方向に伸縮自在に連結し、この伸縮自在のパ
イプの一端部に集塵ヘツドを設けた態様とするこ
とも可能である。

（考案の効果） 以上のごとき実施例ノ説明より理解されるよう
に、要するに本考案は、被加工物Ｗを支持する複
数の支持部材２１を備えた加工テーブル３にＸ軸
方向の案内部１１を設け、この案内部１１に案内
されてＸ軸方向へ移動自在なＸ軸キヤリツジ１３
に、前記支持部材２１の上方においてＹ軸方向に
延伸した案内面１５を設け、この案内面１５に案
内されてＹ軸方向へ往復動自在に設けられたＹ軸
キヤリツジ１７に、前記被加工物Ｗをレーザ加工
するカツテイングヘツド１９を設け、このカツテ
イングヘツド１９による被加工物Ｗの加工時に発
生するガスまたは粉塵を吸引するための集塵装置
２３を、前記支持部材２１の下方においてＹ軸方
向に延伸して設け、この集塵装置２３を前記Ｘ軸
キヤリツジ１３と一体的にＸ軸方向へ移動自在に
設けてなるレーザ加工機にして、 前記集塵装置２３に備えた集塵ヘツド６９を前
記カツテイングヘツド１９に対応して設けると共
にＹ軸方向へ移動自在に設け、上記カツテイング
ヘツド１９をＹ軸方向へ移動するためのボールね
じ３９と集塵ヘツド６９をＹ軸方向へ移動するた
めのボールねじ５３とを連動連結してなるもので
ある。

上記構成より明らかなように、本考案において
は、集塵装置２３はカツテイングヘツド１９を支
持したＸ軸キヤリツジ１３と一体的にＸ軸方向へ
移動自在であり、かつ集塵装置２３に備えられた
集塵ヘツド６９はカツテイングヘツド１９に対向
してＹ軸方向へ移動自在なものである。そして、
カツテイングヘツド１９をＹ軸方向へ移動するた
めのボールねじ３９と集塵ヘツド６９をＹ軸方向
へ移動するためのボールねじ５３とは連動連結し
てある。

したがつて本考案によれば、カツテイングヘツ
ド１９と集塵ヘツド６９とを同期して同方向へ移
動することを１つのモータでもつて行うことがで
きることとなり、加工時に発生するガスや粉塵等
の吸引を、より簡単な構成でもつて加工の全領域
において容易に行なうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した一実施例の光移動
形レーザ加工機の斜視図、第２図のＡは第１図に
おける−線に沿つた拡大断面図である。第２
図のＢは第２図のＡに代る他の拡大断面図であ
る。第３図はこの考案を実施した他実施例の光移
動形レーザ加工機の斜視図、第４図は第３図にお
ける矢視部の拡大斜視図、および第５図は第４
図におけるＶ−Ｖ線に沿つた拡大断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１…光
移動形レーザ加工機、３…加工テーブル、１１…
第１案内面、１３…Ｘ軸キヤリツジ、１５…第２
案内面、１７…Ｙ軸キヤリツジ、１９…カツテイ
ングヘツド、２３Ａ…集塵管、２９…ダクト、３
１…排風機、６９…集塵ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被加工物Ｗを支持する複数の支持部材２１を備
   えた加工テーブル３にＸ軸方向の案内部１１を設
   け、この案内部１１に案内されてＸ軸方向へ移動
   自在なＸ軸キヤリツジ１３に、前記支持部材２１
   の上方においてＹ軸方向に延伸した案内面１５を
   設け、この案内面１５に案内されてＹ軸方向へ往
   復動自在に設けられたＹ軸キヤリツジ１７に、前
   記被加工物Ｗをレーザ加工するカツテイングヘツ
   ド１９を設け、このカツテイングヘツド１９によ
   る被加工物Ｗの加工時に発生するガスまたは粉塵
   を吸引するための集塵装置２３を、前記支持部材
   ２１の下方においてＹ軸方向に延伸して設け、こ
   の集塵装置２３を前記Ｘ軸キヤリツジ１３と一体
   的にＸ軸方向へ移動自在に設けてなるレーザ加工
   機にして、 前記集塵装置２３に備えた集塵ヘツド６９を前
   記カツテイングヘツド１９に対向して設けると共
   にＹ軸方向へ移動自在に設け、上記カツテイング
   ヘツド１９をＹ軸方向へ移動するためのボールね
   じ３９と集塵ヘツド６９をＹ軸方向へ移動するた
   めのボールねじ５３とを連動連結してなることを
   特徴とするレーザ加工機。