JPH0349758A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

Info

Publication number
JPH0349758A
JPH0349758A JP1184944A JP18494489A JPH0349758A JP H0349758 A JPH0349758 A JP H0349758A JP 1184944 A JP1184944 A JP 1184944A JP 18494489 A JP18494489 A JP 18494489A JP H0349758 A JPH0349758 A JP H0349758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fibers
fiber
strength
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1184944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2851642B2 (ja
Inventor
Daisuke Shiba
大介 柴
Keiji Abe
啓二 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP1184944A priority Critical patent/JP2851642B2/ja
Publication of JPH0349758A publication Critical patent/JPH0349758A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2851642B2 publication Critical patent/JP2851642B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、使い捨て可能な吸収性物品、特に生理用ナプ
キン、産褥用ナプキン、紙おむつ、化粧綿等の吸収性物
品に関するものである。更に詳しくは、体液、特に、高
粘性の経血液、下痢便等の高粘性体液、あるいは化粧用
洗顔クリーム等の高粘性液体の吸収性に優れ、かっ、皮
膚に対する感触に優れた不織布を用いた使い捨て可能な
吸収性物品に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来の
吸収性物品、例えば生理用ナプキン、紙おむつあるいは
化粧綿は、一般に綿状パルプ、吸収紙等からなる吸収層
、必要であればその下面及び側面に配される防漏層、そ
して表面に載置される不織布からなる。
このような吸収性物品の表面層を形成する不織布には、
種々の性能が要求されるが、特に、通常の血液、尿のよ
うな低粘性液体から、月経時に排出される経血あるいは
下痢便、化粧用洗顔クリームのように固形分が分散して
いる高粘性液体に至るまで幅広い性状をもつ液体に対し
て、表面における液の流動(液流れと称する)を抑える
こと、肌への感触が良いこと、吸収層に対する被覆性(
適度な強度、毛羽立たない、遮蔽性)が良いことが最も
望まれる性能である。
近年、合成繊維系の乾式不繊布の急速な普及と技術の向
上によって、通常の血液や尿あるいは化粧水のような低
粘性の液体に対しては、これらの要求性能をかなり満足
していると考えられる。
ところで、実際の月経においては子宮内粘膜、悪露等を
含む粘性の高い経血が排出される場合が多く、また、排
泄においても下痢側等の高粘性の液体が排出される場合
がある。さらに、化粧においても洗顔クリームのように
高粘性の分散系を処理することをしばしば必要とする。
このような高粘性液体に対する吸収機能を設計した不織
布はまだ十分に研究されていない。
これまでになされた報告では、不織布の繊維間距離を大
きくしたり(特開昭62−181041号公報)、巨視
的な孔を表面材に設置する(特開昭62−125001
号公報、特開昭62−125061号公報)という考え
方が代表的であった。しかしながら、これらの表面材は
あまりに吸収機能に重点を置きすぎた設計になっている
ために、表面材としてのより基本的な要件である。肌に
接触したときの感触、吸収層に対する被覆性(適度な強
度、毛羽立たない、遮蔽性)の点では改善しなければな
らない点が多いため、まだまだ、実用的な水準に達して
いるとはいえない。
すなわち従来の不織布製造技術では、高粘性液体に対す
る吸収性能と実用上適性な強力・風合いとを同時に満足
させることは非常に困難であった。
従って、本発明は従来技術の欠点を有さす、以下の■及
び■に示す条件を満足させる不織布を得ることを目的と
したものである。
■ 少なくとも繊維ウェブの状態で繊維同志の絡み合い
が緩く、高粘性液体を通過させるに足る十分な繊維間距
離を持つこと。
■ 繊維ウェブの形態(絡み合いが緩く、繊維間距離が
大きい)をできる限り維持しつつ、適正な強力・風合い
を与える繊維同志の固定を実現すること。
さらに従来の不織布の上記条件に対する問題点を明確に
するために不織布を構造上3つに分類し、技術的背景と
ともに以下に詳述する。
八、 繊維ステープル同志の絡合(絡み合い)による不
織布(絡合不織布): カードにより形成された繊維ウェブを高速流体(水、空
気等)または針によりニードリングして得ることができ
る。ニードリング方式に対応して、「ウォータジェット
不織布」。
「ニードルパンチ不織布」等と呼ばれる。
B、繊維同志が組成樹脂の熱溶融により接着している不
織布(熱接着不織布): これはさらに次のように分類される。
B−1,l!縮をほとんど有さない繊維フィラメントが
熱接着していて、接着領域が巨視的に不連続に分布して
いる型。繊維を紡糸しながら積層してウェブを形成し、
ビンポイントヒートエンボス繊維同志を融着固定するこ
とにより得ることができる。
−mに、[スパンボンド不織布」と呼ばれる。
B−2,繊維ステーブル同志の接着溶融程度が太き(、
接着点が緊密かつ不規則に分布している型。繊維の融点
より高い温度のヒートローラーでカードにより形成され
た繊維ウェブを圧縮し、繊維同志を接着させることで得
ることができる。一般に「ヒートロール接着不織布Jと
呼ばれる。
B−3,繊維ステープル同志の接触点だけが溶融接着し
ていて、接着点密度が小さくかつ不規則に分布している
型、繊維の融点より高い温度の熱風をカードで形成され
た繊維ウェブに貫通し、繊維同志を接着させることで得
られる。一般に、「サクションヒートボンド不織布」と
呼ばれる。
c、  mmステーブル同志がケミカルバインタニより
接着していて、接着点が緊密がっ不規則であるか、規則
的に不連続に分布している不織布: カードにより形成された繊維ウェブをバインダ溶液に浸
漬するか、ロールコータ−でバインダを塗工することに
より得ることができる。一般に、「バインダ型不織布」
と呼ばれる。
次に、以上の不織布についての問題点を検討する。
スパンボンド不織布は条件■に対して、本質的に非常に
小さな繊維間距離しか達成できない。
スパンボンド不織布では繊維の捲縮がほとんどなく、フ
ィラメントが積層しているために、繊維同志が立体的に
絡み合うことができず、繊維ウェブの嵩を出すことがで
きないからである。
さらに、繊維同志の接着点が巨視的に不連続に分布する
ため、毛羽が立ちやすく、毛羽が立たない程度に接着点
の密度を高くすると、不織布全体が硬くなる。この型の
不織布では繊維間距離は40μ程度が限界である。
絡合不織布、ヒートロール接着不織布及びバインダ型不
織布は条件■に対して非常に不利である。
絡合不織布では、繊維同志の絡合を緊密にしなければ不
織布に適正な強度を付与することができないため、初期
の繊維ステーブルウェブの緩い絡合を維持することが本
質的に困難である。
絡合が緊密でも繊維間距離を上げるには、繊維の太さ(
繊度)を大きくすることが有効だが、高繊度化すると絡
合不織布の場合、不織布強度が著しく低下する。また、
絡合不織布では、吸収性物品着用者の運動に伴う不繊布
表面の摩擦による毛羽抜けが上記5種類の中では最も大
きいことも実用化の困難な要因である。
ヒートロール接着不織布は圧熱下で繊維が溶融接着して
いるため、繊維間距離は繊維ウェブ状態に比べ著しく低
下している。また、熱がヒートローラーから繊維樹脂を
通して伝導するため、接着効率が悪く、不織布表面と内
部で接着の不均一の程度が大きいため、不織布強度と風
合いのバランスをとることが困難である。
バインダ型不繊布では、バインダが繊維同志の接触点ば
かりでなく、繊維間を埋めるようにして分布するため、
接着点が極めて緊密になり、結果として繊維間距離は小
さくなる。
以上、絡合不織布、ヒートロール接着不織布及びバイン
ダ型不織布も現状では繊維間距離を40μ以上にするこ
とは極めて難しく、条件■を満足することはできない。
これに対しサクションヒートボンド不織布は、条件■、
■を同時に満たすという点では大いに可能性がある。即
ち、サクションヒートボンド不織布は一般にカードによ
り形成される繊維ステーブルウェブを使用するので原理
的に繊維間距離を大きくすることができ、かつ、熱の伝
達が不織布を通過する空気流体によるため繊維固定の効
率が高く、強力と風合いのバランスがとりやすい。しか
し、実際は他の不織布に比べ接着点密度が低いので、実
用上適正な強力を得ようとすると、繊度を低くせざるを
得す、結果として繊維間距離を上げることは困難であっ
た。
以上述べたように、従来の不織布材料では高粘性液体を
透過するだけの十分な繊維間距離と実用上適正な強力と
風合いを同時に満たす不織布は存在せず、従って、本発
明の目的とする吸収性物品を得ることができなかった。
〔課題を解決するための手段] 本発明者らは、このような従来の吸収性物品の表面材と
して使用される不織布の欠点を改良すべく鋭意研究の結
果、通常の血液や尿など低粘性液体ばかりでなく、高粘
性の経血液、下痢側、化粧用洗顔クリーム等の高粘性液
体の透過性にも優れ、かつ、肌に接触したときの感触が
良く、吸収層に対する被覆性(適度な強度、毛羽面たな
い、遮蔽性)が良好な吸収性物品の表面材を見いだし、
本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、下記(1)及び(2)の条件を全て満
たす不織布を表面材として用いてなることを特徴とする
吸収性物品を提供するものである。
(1)平均繊維間距離が120μ以上である。
(2)下記式(1)で示される不織布強力と繊維数密度
との比f“が1.2g−ad以上である。
(式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力(gV:不織布
の体積(C這) N:不織布中の繊維本数 を示す、) 吸収性物品の高粘性液体透過性を向上させるのに、最も
重要なことは、高粘性液体の中に含まれる繊維質物質、
未消化物質あるいは微粒子等が不織布を構成する繊維間
に目詰まりすることなく速やかに吸収層に透過すること
であり、そのためには、繊維質物質、未消化物質あるい
は微粒子等に対しては十分に大きい多数の繊維間空隙を
もたねばならない。繊維間空隙の尺度として、平均繊維
間距離Δをとることができ、このΔが大きいほど、高粘
性液体透過性が向上する。具体的には、不織布の平均繊
維間距離Δ) が120μ以上あると、悪露のような高粘性のゲル状液
体ばかりでなく、下痢便のような水分中に固形分が分散
していて、流動しやすくかつ目詰まりしやすい排泄液の
透過も著しく改善されることがわかった。さらに、高月
齢の赤ちゃんの下痢便のように量の多い排泄液に対して
は、Δは150μ以上あることが好ましく、透過性をよ
り安定に維持するには、Δが200μ以上あることが最
も望ましい。なお、高粘性液体に対する透過性が阻害さ
れなければ、強度を補うことやデザインとしての模様付
与等を目的とした熱あるいは超音波等によるエンボス処
理などによりミクロ的に平均繊維間距離が120μ以下
となる部分が存在してもよい。
ここで、平均繊維間距離Δを定義する。不織布の構造の
第1近似として、繊維がすべて等距離平行に配列してい
るモデルを考え、その繊維間距離を「平均繊維間距離」
とする。
Σ n査1!=LS ム雷1 であり、 n + I + = (W/ 100)(αi/ a 
t d t ) である。
従って、 繊維i の繊度、 不織布の坪量をそれぞれ、 デニール、 g/イとすると、 w−W/S/ 10000 D! ”= 900000a t d tこれらを式(
1)に代入して、 式変形を行うと、 となる。
次に、このような繊維間距離の大きい不織布に適正な強
度を付与するのに、本発明者らは、これまでの技術のな
かでは繊維間距離を最も広い範囲で制御できるサクショ
ンヒートボンド不織布に着目した。この不織布において
、繊維間距離を大きくするには、繊度を大きくすること
が非常に有効であるが、同時に強力が低下する。
これは、高繊度化による繊維本数の低下に伴い、繊維同
志の接着点が低下するためである。そこで、高繊度化し
ても強力を低下させないためには、繊維同志の接着強度
を向上させることが必要である。サクションヒートボン
ド不織布に溶融繊維として使用される繊維(バインダ繊
維)は、熱風により溶融する低融点成分と溶融しないで
繊維の捲縮形態を維持するための高融点成分の少なくと
も2相(多くの場合、シース−コア(コアが高融点成分
)、サイド−バイ−サイド型である)をもたなければな
らない。このうち、不織布の強力を制御するのは低融点
成分である。そこで、この低融点成分として、熱溶融後
のバインダ繊維同志の接着力が強くかつ樹脂自体が軟ら
かいポリエチレン樹脂を選び、より接着力をあげるため
に、分子量を高く設定した。
その尺度として、メルトフローレート(MFR)を用い
、MFRが可能な限り低い(< 10)ポリエチレン樹
脂を選んだ、さらに、バインダ繊維内の低融点成分の割
合を可能な(熱溶融後の繊維形態が維持できる)限り増
やした(〉断面積比55%以上)、このようなバインダ
繊維を用いて、繊維ウェブを構成し、サクシジンヒート
ボンド方式により不織布を製造した結果、本発明の目的
を十分満たす不織布を得ることができた(実施例1参照
)、この不織布は、高粘性液体を透過するのに有効な1
50μ程度の繊維間距離で、かつ従来の不織布に比べ約
2倍以上の強力を持ち、毛羽抜け、毛羽立ちがなく、風
合いも良い。
さて、本発明者らは、不織布の強力Fと平均繊維間距離
Δとのバランスを特定するため′に次の(1)に示すよ
うな式を採用した。
(式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力(g)V:不織
布の体積(d) N:不織布中の繊維本数 を示す、) すなわち、不織布の繊維配向に垂直な方向の強力Fと繊
維数密度N/Vの比f0を高強力/高繊維間距離不織布
の尺度とするのである。(I)式は、foが大きくなる
ほど繊維間距離が大きく(繊維密度が小さく)かつ強力
が大きいことを示す、不織布は一般に製造ライン方向に
繊維が配向するため、繊維配向方向に比べ繊維配向に垂
直な方向の強力の方が小さい。そこで不織布強力として
はより実際的な、繊維配向に垂直な方向の強力を採用し
た。
(1)式の導出法を以下に示す。
V=SL  であり、従って、 N/V f“ 繊維iの繊度、不織布の坪量をそれぞれ、(デニール)
、w(g/ryf)とすると、w=W/S/ tooo
o 。
D ! = 900000a i d tこれらを式(
2)に代入して、式変形を行うと、D。
となる。
本発明者らは、前述した高繊度強接着バインダ繊維を用
い、強力、繊維間距離を変えてサクションヒートポンド
不織布を製造し、不織布の吸収性能、風合い、実用強力
、毛羽抜けとf′″との関係を調べ、従来の吸収性物品
用不繊布と比較したところ、f*が大きいほど、高粘性
液体透過性が良好で、かつ、被覆性(適度な強度、毛羽
立たない、遮蔽性)に優れることがわかった。
具体的には、本発明の目的を達成するには、foは少な
くとも1.2g−cd以上を必要とする。さらに安定し
た不織布強力と高度な繊維間距離を維持するためには、
好ましくは1.5g・cm3以上、最も望ましくは2.
0g・cm3以上あると良い。
本発明の不織布は、製造法には限定されない。
現時点の技術レベルでは、サクションヒートボンド方式
以外の方法で、f9≧1.2(g−cd)の不織布を製
造することは困難であるが、将来の技術進歩により、絡
合のみで、あるいは、フィラメント繊維のみで、r″″
≧1.2(g−c+1)を満たす不織布が製造できれば
、本発明に記したと同様の効果を発現する。
ここでは、特に、本発明の不織布をサクションヒートボ
ンド方式で製造する場合の詳細を記す。
不織布の繊維組成の基本要件は、熱風により表面が溶融
しかつ繊維全体の捲縮構造が変化しにくく、かつ繊維同
志の熱接着力が強い樹脂からなる熱接着バインダ(熱可
塑性)繊維を含むことである。このような繊維の代表的
なものとして、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン系、ポリエステル系、ナイロン6、ナイロン
66等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル系等の樹
脂から、相対的に融点の高い樹脂と低い樹脂を組み合わ
せた、シース−コア型、スキン−コア型(コアを高融点
樹脂とする)、サイド−バイ−サイド型の複合繊維等を
挙げることができる。この中でさらに好ましいのは、樹
脂同志の溶融接着力が強く、樹脂自体が軟らかいポリエ
チレンを低融点樹脂とする複合繊維である。最も好まし
いのは、繊維自体の捲縮弾性が大きく安定しているポリ
エチレンーポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステ
ルの組み合わせからなる複合繊維である。また、さらに
接着力を上げるには、低融点樹脂の繊維1本内の割合を
大きくすることであるが、あまり大きいと、熱処理後の
繊維の捲縮形態が不安定となるので、80%以下である
ことが望ましい。また、低融点樹脂がポリエチレン系の
バインダ繊維ではポリエチレン樹脂の熱溶融時の流動性
が小さい程接着力が強く接着点の変形が小さい(風合い
が良い)ので、メルトフロー値が15以下、望ましくは
12以下のポリエチレン樹脂を使用することが本発明の
目的にとって望ましい。さらに、低融点樹脂/高融点樹
脂が相溶性の高い組み合わせではバインダ繊維同志の接
着力は高いので、例えば低融点樹脂としてポリエチレン
樹脂を使用した場合は、高融点樹脂としてポリプロピレ
ンを用いたり、ポリエステルのような高弾性樹脂にポリ
エチレン系樹脂をブレンドした樹脂を用いることが有効
である。
バインダ繊維と非バインダ繊維の混率は出来上がった不
織布がf”≧1.2(g−cd)を満たしていれば、任
意に設定できる。ただし、現時点では、高強力及び高度
な毛羽抜は防止性が要求される紙おむつ用途では、バイ
ンダ繊維の混率は70%以上あると良いし、最も望まし
くは100%あることである。風合いがより重視される
生理用ナプキン、化粧綿用途では、バインダ繊維の混率
は最低50%あれば良い。不織布の層を、強力を付与す
る層と風合い/嵩高の機能を付与する層に分けると目的
とする吸収性物品に効率的に機能を発現させることがで
きる。具体的には、■ 生理用ナプキン用途/化粧綿用
途ではバインダ繊維の混率を、強力を付与する層の70
%以上にし、風合い/嵩高を付与する層では非バインダ
繊維の混率を40%以上にすることが有効である。
■ 紙おむつ用途では、強力を付与する層では風合いが
悪化しない程度の高繊度バインダ繊維を主体とし、風合
い/嵩高を付与する層では相対的に強力付与層よりも大
きな繊度の繊維を主体とすることが有効である。
不織布の毛羽抜けは、非バインダ繊維の混率が大きいほ
ど多くなるので、これらの繊維の混率は不織布の各層で
少なくとも50%以下であることが好ましい、ポリエチ
レン系のバインダ繊維とポリプロピレン繊維、非品性ポ
リエステル系バインダ繊維とポリエステル繊維とは相溶
性が高いので、これらを混在させた不織布の層では、バ
インダ繊維の混率は30%あれば毛羽抜は防止は達成で
きる。
不織布の繊維間距離を大きくするためには、繊維の捲縮
形態も重要である。上述のバインダ繊維あるいは非バイ
ンダ繊維に何らかのパイラテラル構造をもたせ立体捲縮
を付与したものは、スタフィングボックスなどにより通
常の機械捲縮だけが付与されたものに比べ、同重量のウ
ェブを形成したときの繊維間空隙が大きく風合いが良い
という点でより好ましい。
繊維の太さは、120μ以上に規定されている平均繊維
間距離に比べ十分小さければ自由に選ぶことができ、そ
の目安として平均繊維間距離の15%以下であることが
好ましい。ただし、不織布の強度及び風合いを考慮する
と10デニールは越えないことが望ましい。また、現時
点の繊維技術ではあまり細いと不織布全体の嵩を維持し
た不織布を構成することが困難であり、前述のような繊
維を使用する場合は2デニ一ル以上の繊度であることが
好ましい。
不織布の坪量は、foが1.2g−cd以上であれば、
どのように設定しても良いが、吸収層に対する被覆性及
び吸収性物品を製造する際の工程性を考慮すると、5〜
50g/rdの間に設定することが望ましい。
また形成された不織布には適度な親水性が付与されてい
ることが必要である。たとえば、レーヨンのような表面
が親水性をもつ繊維の使用によって不織布に親水性が付
与されてもよい。
ただし吸収速度が大きくかつ不織布表面のべたつき感や
吸収層からの液戻りを抑えるには、表面が親水性でかつ
内部が疎水性であるような繊維の割合が多いほど良く、
最も望ましくは、このような繊維100%で不織布が構
成されることである9表面が親水性で、かつ内部が疎水
性であるような繊維は、たとえば、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル
繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等
の疎水性合成繊維の表面に、界面活性剤による処理、親
水基をもつモノマーあるいは親水基をもつポリマーなど
親水基をもつ化学物質を化学結合させる化学的表面改質
、あるいはプラズマ加工等による物理的表面改質を施し
て、表面を親水性にして得ることができる。なお、化学
的表面改質は、親水基をもつ化学物質が繊維表面と結合
していてもよいし、親水基をもつ化学物質同志が結合し
て架橋し繊維表面を覆っていてもよい、より直接的には
、スキン部は親水性繊維でコア部は疎水性繊維であるよ
うなスキン−コア型複合繊維を使用してもよい。また、
上述の疎水性合成繊維の表面改質は、不織布形成前に繊
維状態で実施してもよいし、不織布形成工程中で実施し
てもよい。これらの表面親水状態の中では、液の透過前
は適度な親水性を設定でき液透過後には液と共に脱落し
て疎水性表面が露出するか、親水性が低下しその部分の
吸収層からの液戻りの抑制効果に優れる界面活性剤処理
によるものが最も好ましい。
本発明の吸収性物品は、吸収層の下面及び側面を必要で
あれば防漏層で覆い、その表面を上記の如き特定の条件
を満たす不織布で覆うことにより製造される。
本発明の吸収性物品に用いられる吸収層及び防漏層の材
料は特に限定されず、従来公知の吸収性物品に用いられ
ているものが使用できる。
〔実施例〕
本発明の吸収性物品は生理用ナプキン、産褥用ナプキン
、紙おむつ、化粧綿等に使用できるが、ここでは量及び
粘度が他に比べはるかに大きい排泄液を対象とする紙お
むつを中心にして、以下、実施例及び比較例により、本
発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜14及び比較例1〜IO 表1及び2に示す種々の繊維、組成、製造方法を用いて
製造した不織布から下記方法により吸収性物品を作製し
、その性能を以下に示す方法により試験した。
結果を表1及び表2に示す。
〈測定サンプル〉 測定用サンプルとしては、比較例1,2゜3は市販の紙
おむつを用いた。
実施例及び比較例4,6.7.8.9.10の不織布は
全てサクシランヒートボンド方式で製造した不織布を用
い、比較例5の不織布は、ポリプロピレンステーブルで
製造したウェブをアクリル系バインダで接着して製造し
たものを用い、市販の使い捨ておむつ(商品名メリーズ
、花王■製)及び市販の生理用ナプキン(商品名ロリエ
、花王■製)の不織布を取り除き、代わりにこれらの不
織布を載せたものをそれぞれ使い捨て紙おむつ及び生理
用ナプキンを想定した吸収性物品として用いた。
比較例6,7、実施例1.2.3は、まず実施例3の不
織布を製造し、厚みをセット(種々のクリアランスを設
定)したプレートの間に不織布を挟みバインダ繊維の融
点より低い約50〜70°Cで一定時間処理することで
、比較例6,7、実施例1.2.3の平均繊維間距離を
調整した。
表1及び2において、不織布製造法の略記号は、次の意
味をもつ。
鼎:ウォータニードリング方式 SPB iスパンボンド方式 HRB :ヒートロール接着方式 CBB :ケミカルバインダ接着方式 SHB :サクションヒートボンド方式%式% : 50閤X50mの加圧プレートを不織布にのせ、2.5
 g/c−圧下での不織布の厚みをダイヤルゲージ式厚
み針(PEACOCK製)で測定する。ただし、不織布
はバインダ繊維の融点より低い温度(約50〜70°C
)で一定時間処理することで、厚みを完全に回復した状
態にする。
(2)不織布強カニ 繊維配向に垂直な方向に幅50III11のサンプルを
切り出す。引張試験機によりチャック間距離100■で
繊維配向に垂直な方向に引っ張った時の破断強力を測定
する。
(3)表面液流れ: ■ 紙おむつ想定;45度に傾斜したサンプル表面上に
、上方ICIIより、試験液3gを1g/秒で排出する
。不織布表面を試験液が流れた長さを測定する。試験液
として、次の3種類を使用した。
八・・・粘度1 c、p、の低粘性液体。尿を想定した
B・・・小麦粉を水に分散させてつくった粘度250 
c、p、の人工軟便 C・・・小麦粉を水に分散させてつくった粘度10c、
p、の人工下痢側 ■ 生理用ナプキン想定;45度に傾斜したサンプル表
面上に、上方1 craより、試験液をIQg/分で滴
下させ滴下点からサンプル内部に吸収された点までの不
織布表面上を流れた距離を測定した。試験液としてつぎ
の3種類を使用した。
A・・・粘度10c、p、の低粘性液体。低粘性経血を
想定した。
B・・・試験液AをCMCで増粘させた粘度350c、
p、の高粘性液体、悪露を想定した。
表面液流れはいずれも、短い方が排泄液の流動を抑え、
横漏れに対する防漏力の高いことを示す。
(4)戻り量: ■ 紙おむつ想定;試験液A150gをサンプルに注入
し、一定時間後に加圧させ、内部より不繊布を通って戻
ってくる試験液量を測定した。
■ 生理用ナプキン想定;試験液A10gをサンプルに
注入し、一定時間後に加圧させ、内部より不織布を通っ
て戻ってくる試験液量を測定した。
この戻り量が小さいほど、表面でのべとつきが少なく、
使用感がよく、ふき取り効果に優れる。
(5)毛羽抜け: スポンジを巻いた荷重(15g/cd)で不織布表面を
摩擦した時に不織布より抜けてスポンジに付着した繊維
の量の程度を評価した。
評価基準は、 3級・・・繊維がほとんど認められない2級・・・繊維
抜けが目立つが、繊維玉はない1級・・・繊維抜けが著
しく、繊維玉が多い(6)肌ざわり: 不織布表面の柔らかさと肌触りについて官能評価した。
3級・・・柔らかく、肌ざわりが良い。
2級・・・やや硬く、ざらつき感があるが、使用は可能
1級・・・硬く、ざらざらして、肌触りが悪く使用でき
ない。
(7)平均繊維間距離及びf”: F、 L、 w、  α長、D正+ 1iを測定して、
既に導いた式により計算する。
スパンボンド不織布は繊維長がほぼ無限大であるが、不
織布の構成を考慮して、繊維長5.1CIの繊維が連結
していると考え、1t=5.1として計算した。
く結 果〉 表1及び表2から明らかな如く、比較例1゜2.3.5
に示すような従来の吸収性物品用不繊布は、不織布強力
が大きくても、平均繊維間距離が小さく、結果として、
foが小さい、そのため、低粘性液(試験液へ)の吸収
性は良好であるが、高粘性液体(試験液B、 C)の透
過性は悪い。
比較例4に示すように従来のサクションヒートボンド不
織布では、平均繊維間距離を上げると不織布強力が低下
する(熱処理温度をバインダ繊維の融点ぎりぎりまで下
げねばならない)ため、毛羽抜けが多かった。
比較例6,7は平均繊維間距離が120μ未満のため高
粘性液体(試験液B、 C)の表面液流れが悪い(試験
液B(下痢側程度)の表面液流れが150−を切ること
が最低要件である)。
比較例8は実施例と同じ繊維を使用して、foが1.2
未満の不織布を製造したため、強力が強く、厚みの薄い
(従って平均繊維間距離の小さい)不織布となり、硬く
て風合が悪い。
比較例9は従来のバインダー繊維を使用したためfoが
1.2を越えることができない、1.2に近づけるには
強力を増大させるため熱処理条件をハードにしなければ
ならず、風合が悪化する。
サクションヒートボンド方式で不織布を製造すると、熱
処理条件がハード(熱処理温度がバインダ繊維の融点よ
りかなり大きく、風速が強い)な時は、強力が大きく、
厚み(平均繊維間路H)の小さな物ができる。比較例1
0は、熱処理条件のハードすぎる場合の代表例で、実施
例と同じ繊維組成でも平均繊維間距離が低く、風合いが
悪いため吸収性物品用として使用できない。
実施例1〜14に示すように、平均繊維間距離及びf9
が本発明に規定する範囲にあると、不織布強力、高粘性
液体透過性、被覆性のバランスのとれた吸収性物品を構
成することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.下記(1)及び(2)の条件を全て満たす不織布を
    表面材として用いてなることを特徴とする吸収性物品。 (1)平均繊維間距離が120μ以上である。
  2. (2)下記式( I )で示される不織布強力と繊維数密
    度との比f^*が1.2g・cm^3以上である。 f^*=F/(N/V)(g、cm^) (式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力 (g) V:不織布の体積(cm^3) N:不織布中の繊維本数 を示す。)
JP1184944A 1989-07-18 1989-07-18 吸収性物品 Expired - Lifetime JP2851642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1184944A JP2851642B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1184944A JP2851642B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0349758A true JPH0349758A (ja) 1991-03-04
JP2851642B2 JP2851642B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=16162086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1184944A Expired - Lifetime JP2851642B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2851642B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019234979A1 (ja) 2018-06-08 2019-12-12 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の吸収体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019234979A1 (ja) 2018-06-08 2019-12-12 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の吸収体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2851642B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7267789B2 (en) Particulates in nanofiber webs
US7291300B2 (en) Coated nanofiber webs
EP0637952B1 (en) An absorbent body in an absorbent article, such as a sanitary napkin, a panty protector, incontinence guard, diaper and the like
AU723912B2 (en) Heterogeneous surge material for absorbent articles
US6488670B1 (en) Corrugated absorbent system for hygienic products
JP4012259B2 (ja) 吸収物品中の流体取得/移動層
US4755179A (en) Absorbent article
US6765125B2 (en) Distribution—Retention material for personal care products
JPH07292551A (ja) 不織布及びその製造方法並びに吸収性物品
JP3032304B2 (ja) 吸収性物品の表面材
JPS612854A (ja) 吸収性物品の表面材
JPH03234852A (ja) 吸収性物品
JPH0349758A (ja) 吸収性物品
JP2019063414A (ja) 吸収性物品用不織布、吸収性物品用表面シート、及びそれを含む吸収性物品
JP2006057200A (ja) 吸収性物品
JPS6227161B2 (ja)
JPH0453554A (ja) 吸収性物品の表面材
JPH03180580A (ja) 撥水性繊維
JP2820850B2 (ja) 吸収性物品
JPS62181041A (ja) 吸収性物品
JPH0397962A (ja) 親水性熱融着型複合繊維
WO2018184051A1 (en) A nonwoven material designed for use in absorbent core structures with intrinsic acquistion/distribution capabilities
MXPA01007890A (en) Distribution/retention material for personal care products
JPS61187856A (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071113

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081113

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091113

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091113

Year of fee payment: 11