JPH0349135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ジヤツキアツプリグにおける脚案
内装置、さらに詳しくは、構造物を上下に貫通す
る複数の開口にそれぞれ脚が昇降自在に挿入され
たジヤツキアツプリグにおいて、脚を案内する装
置に関する。

従来の技術とその問題点 上記のようなジヤツキアツプリグの脚には、通
常、構造物内に設けられた脚昇降装置の歯車とか
み合うラツクが設けられている。構造物の開口の
内周には、ラツクを含む脚の外面を受ける案内板
が設けられ、脚は案内板に沿つて昇降する。この
とき、脚は案内板の表面（案内面）を摺動する
が、この摺動を円滑にするため、案内面にグリー
スを供給する必要がある。また、とくにラツクの
部分では歯の幅が広いため、幅方向に一様にグリ
ースを供給する必要がある。案内面にグリースを
供給するには、通常、案内面にグリース穴やグリ
ースみぞを設けるが、ジヤツキアツプリグの場合
には、案内面に大きな面圧が働くため、案内面に
直接グリース穴やグリースみぞを設けることはで
きない。案内面にグリース穴やグリースみぞを設
けずにグリースを供給する方法として、案内板の
上下両端部に複数のグリース穴またはグリース管
を配置することが考えられるが、この場合には、
案内面の幅方向の位置によつてグリース供給量に
むらがあり、一様にグリースを供給することはで
きない。

この考案の目的は、上記の問題を解決し、案内
面にグリース穴やグリースみぞを設けずに幅方向
に一様にグリースを供給できるジヤツキアツプリ
グにおける脚案内装置を提供することにある。

問題点を解決するめたの手段 この考案による脚案内装置は、構造物の開口の
内周に脚の外面を受ける案内板が設けられ、案内
板の上端および下端に、案内板の幅方向に細長い
グリース流出口を有するグリースノズルがそれぞ
れ設けられていることを特徴とするものである。

実施例 第１図〜第５図は、ジヤツキアツプリグの１例
を示す。

ジヤツキアツプリグの作業台を構成する箱型の
構造物１０にはこれを上下に貫通する複数（たと
えば３つ）の開口１１が形成され、各開口１１に
それぞれ脚１２が昇降自在に挿入されている。各
脚１２は、正三角形の頂点に垂直に配置された３
本のパイプ１３と、これらのパイプ１３を連結す
る複数のブレース１４とからなり、各パイプ１３
の外面の対称２箇所に垂直なラツク１５が設けら
れている。開口１１の水平断面は六角形状をな
し、下部内周には、各パイプ１３の外面を脚１２
の外側から受ける脚案内装置１６が設けられてい
る。開口１１内周の高さの中間部に水平張出部１
７が形成され、張出部１７には脚１２のパイプ１
３の部分を囲むみぞ１８が形成されている。そし
て、各みぞ１８の対向側面に、パイプ１３のラツ
ク１５の外面を受ける脚案内装置１９が設けられ
ている。また、開口１１内周の上部にも、中間部
と同様、ラツク１５の外面を受ける脚案内装置２
０が設けられている。図示は省略したが、構造物
１０内には脚昇降装置が設けられ、この装置には
脚１２のラツク１５とかみ合う歯車が設けられて
いる。各脚１２は、脚昇降装置により、脚案内装
置１６，１９，２０に沿つて、構造物１０に対し
て相対的に昇降させられる。そして、脚１２を海
底に着底させた状態で、構造物１０が海面上方の
脚１２の上部に水平に支持される。

ラツク１５を受ける中間部の脚案内装置１９の
１例が第６図〜第９図に示され、とくにその詳細
が第８図および第９図に示されている。

開口１１の張出部１７のみぞ１８の両側壁２１
の内側面（みぞ１８内側の面）に上下１対の支持
ブロツク２２，２３が固定され、これらの間に縦
長長方形の案内板２４が固定されている。また、
案内板２４と側壁２１の間には、ライナ５４が設
けられている。案内板２４の内側面の大部分はラ
ツク１５を受ける垂直な案内面２４ａとなつてお
り、上下両端寄りの部分には外側に少し傾斜した
テーパ面２４ｂ，２４ｃが形成されている。上下
のテーパ面２４ａ，２４ｃの両端は支持ブロツク
２２，２３より少し内側に突出しており、上下の
支持ブロツク２２，２３の内側面はそれぞれテー
パ面２４ｂ，２４ｃとほぼ平行になつている。

上部支持ブロツク２２の上面とみぞ側壁２１内
面にストツパ２５が固定されており、このストツ
パ２５の内側面は支持ブロツク２２の内側面を上
方に延長したテーパ面となつている。ストツパ２
５の少し上方の側壁２１内面に支持部材２６が固
定されており、この支持部材２６に上部グリース
ノズル２７が取付けられている。このノズル２７
は、ストツパ２５の少し上方に側壁２１と平行に
配置された水平管状部２８と、管状部２８の周壁
下部に連通状に固定されてストツパ２５および支
持ブロツク２２の内側面に沿わされた板状部２９
とからなる。管状部２８にはブラケツト３０が一
体状に設けられ、このブラケツト３０が支持部材
２６に固定されている。板状部２９は小さな隙間
をあけて平行に配置された内外１対の板３１，３
２の幅方向両縁部が閉塞部材３３により閉塞され
たものであり、その上端開口部は管状部２８の周
壁を貫通してその内部に望んでいる。外側板３２
は内側板３１より少し下方にのびたのち内側に曲
げられ、これらの先端間に内側を向きしかも案内
板２４の幅方向に長いグリース流出口３４が形成
されている。板状部２９の内部は、内側板３１と
外側板３２の間に挟み止められた複数の仕切部材
３５により幅方向に複数の部分に分けられてい
る。内側板３１と外側板３２の隙間およびグリー
ス流出口３４の高さは小さく、たとえば１mm程度
である。ノズル２７の幅は案内板２４の幅とほぼ
等しく、グリース流出口３４は案内板２４のテー
パ面２４ｂの上端のすぐ上に位置している。ノズ
ル２７の管状部２８の一端は栓３６によつて閉塞
され、他端にはグリース供給管３７が接続されて
いる。そして、グリース供給管３７からノズル２
７の管状部２８に供給されたグリースは、板状部
２９に入り、仕切部材３５の間の空間を通つてグ
リース流出口３からテーパ面２４ｂに流出する。
このとき、グリースが流出口３４から一様に流出
するように、仕切部材３５の配置が適宜決められ
ている。なお、ノズル２７は、たとえばステンレ
ス鋼などのような耐食性の高い材料で作られるの
が望ましい。

みぞ１８の部分の張出部１７の底壁３８に支持
部材３９が固定され、これに下部グリースノズル
４０が取付けられている。このノズル４０は、上
部ノズル２７と同様のものであり、管状部４１が
下、板状部４２が上になるように固定されてい
る。そして、板状部４２の上端のグリース流出口
４３が、案内板２４の下部テーパ面２４ｃの下端
のすぐ下において内側を向くように配置されてい
る。また、支持部材３９には、案内面２４ａより
少し内側に突出したスクレーパ４４が取付けられ
ている。

構造物１０に対して、脚１２が下方に移動する
場合、上部ノズル２７から案内面２４ａにグリー
スが供給される。逆に、脚１２が上方に移動する
場合、下部ノズル２７から案内面２４ａにグリー
スが供給される。

案内板２４の高さがあまり高くない場合、案内
板２４は１つのブロツクで一体に構成されるが、
高さが高くなると、上下複数のブロツクを連結す
ることにより構成される。このような場合は、第
１０図および第１１図のように、上下のブロツク
４５，４６の連結端部からもグリースを供給する
ようにするのが望ましい。

第１０図および第１１図は、案内板２４を構成
する上下のブロツク４５，４６の連結端部を示し
ている。上部ブロツク４５の案内面４５ａの下端
寄りの部分にはテーパ面４５ｃが形成され、下部
ブロツク４６の案内面４６ａの上端寄りの部分に
はテーパ面４６ｂが形成されている。上部ブロツ
ク４５の下端面に、浅い（たとえば３mm程度）の
凹所４７と、この凹所４７からテーパ面４５ｃに
達するさらに浅い（たとえば１mm程度）のみぞ４
８が形成されている。また、このブロツク４５に
は、これを幅方向に貫通する主グリース穴４９
と、主グリース穴４９と凹所４７を連通する複数
の副グリース穴５０が形成されている。上下のブ
ロツク４５，４６は端面同志を接触させた状態で
連結され、このときに凹所４７によつてグリース
溜め５１が、みぞ４８によつてブロツク４５，４
６の幅方向に細長いグリース流出口５２が形成さ
れる。グリース溜め５１およびグリース流出口５
２の幅は、ブロツク４５，４６の幅より少し小さ
い。主グリース穴４９の両端にはグリース供給管
５３が接続され、グリース供給管５３から主グリ
ース穴４９に供給されたグリースは、副グリース
穴５０を通つてグリース溜め５１に入り、さらに
グリース流出口５２からテーパ面４５ｃ，４６ｂ
に流出する。図示は省略したが、上部ブロツク４
５の上端部には前記の上部グリースノズル２７と
同様の上部グリースノズルが設けられ、下部ブロ
ツク４６の下端部には前記の下部グリースノズル
４０と同様の下部グリースノズルが設けられてい
る。

構造物に対して脚が下方に移動する場合、上部
グリースノズルと連結端部のグリース流出口５２
からグリースが供給される。逆に、脚が上方に移
動する場合、下部グリースノズルと連結端部のグ
リース流出口５２からグリースが供給される。

ラツク１５を受ける上部の脚案内装置２０は、
中間部の脚案内装置１９と同様である。

パイプ１３の外面を受ける下部の脚案内装置１
６も中間部の脚案内装置１９とほぼ同様である
が、次の点が異なる。すなわち、案内板はパイプ
１３の外面の約半分の部分を受けるのでその水平
断面は円弧状となつている。そして、円弧状の案
内板の上下両端に、円周方向に分割された複数の
ノズルが設けられている。

考案の効果 この考案の脚案内装置によれば、上述のよう
に、案内面にグリース穴やグリースみぞを設けな
くても、案内板の幅方向に細長いグリースノズル
のグリース流出口から案内面に幅方向に一様にグ
リースを供給することができる。したがつて、大
きな面圧を受けることができ、しかも脚を円滑に
案内することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すジヤツキフツ
プリグの平面図、第２図は同部分省略側面図、第
３図は第１図−線の拡大断面図、第４図は第
３図−線の断面図、第５図は第３図−線
の断面図、第６図は第５図−線の拡大断面
図、第７図は第６図−線の断面図、第８図は
第７図−線の中間省略拡大断面図、第９図は
第８図−線の部分切欠き矢視図、第１０図は
案内板の上下のブロツクの連結端部を示す垂直断
面図、第１１図は第１０図−線の矢視図
である。 １０……構造物、１１……開口、１２……脚、
１６，１９，２０……脚案内装置、２４……案内
板、２７，４０……グリースノズル、３４，４３
……グリース流出口、４５，４６……ブロツク、
４９，５０……グリース穴、５１……グリース溜
め、５２……グリース流出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 構造物を上下に貫通する複数の開口にそれぞ
   れ脚が昇降自在に挿入されたジヤツキアツプリ
   グにおいて、構造物の開口の内周に脚の外面を
   受ける案内板が設けられ、案内板の上端および
   下端に、案内板の幅方向に細長いグリース流出
   口を有するグリースノズルがそれぞれ設けられ
   ていることを特徴とするジヤツキアツプリグに
   おける脚案内装置。 (2) 案内板が上下複数のブロツクに分割されたも
   のであり、上下のブロツクが端面同志を接触さ
   せた状態で連結されており、上下のブロツクの
   連結端部に、ブロツクの幅方向に細長いグリー
   ス流出口と、グリース流出口に連なるグリース
   溜めと、グリース溜めにグリースを供給するた
   めのグリース穴とが設けられていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   ジヤツキアツプリグにおける脚案内装置。