JPH0348744Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、磁気記録再生装置に用いられ、カ
セツトハブを回転駆動するリール台装置に関す
る。

〔考案の技術的背景〕

従来、この種のリール台装置としては、第４図
に示すようなリール台装置が使用されていた。こ
の第４図はリール第装置の半裁断面図であり、こ
の第４図において、１は基台７に圧入植立された
固定軸としてのリール軸であり、２はこの軸１に
回転自在に挿着された上部が六角柱に形成された
リール台である。

３は、このリール台２の上部六角柱とリール軸
１にそれぞれ挿着されるよう下部を六角穴に上部
を丸穴に形成されたハブ軸であつて、六角柱と六
角穴にて互いに円周方向に係合している。４はリ
ール台２とハブ軸３の間に挿入された弾性部材で
あり、５はスラストワツシヤー、６は抜け止め用
の止めワツシヤーである。

一般に知られていように巻取、供給両リール台
にカセツトハブが装着される。そして、図示しな
いアイドラーなどによつてリール台２が回転駆動
されると、リール台２に係合したハブ軸３が一体
回転し、半径方向突状を有するハブ軸３に装着さ
れた半径方向突状を有するカセツトハブ（図示せ
ず）を回転駆動しテープを巻き取る。

一方、供給リール台側においては、ピンチロー
ラーとキヤプスタンにて走行されたテープ（図示
せず）がカセツトハブを回転駆動し、カセツトハ
ブが半径方向突状にてハブ軸３を回転駆動し、ハ
ブ軸３と円周方向係合したリール台２も一体回転
する。

〔背景技術の問題点〕

このように構成されたリール台装置において
は、ハブ軸３に半径方向規制がその上部は固定さ
れたリール軸１と、その下部はリール台２六角柱
部によつて行われている。

一方、リール台２はリール軸１に挿入されてい
るが、その材質が樹脂成型品出成されているた
め、細い穴を長く同一寸法にて形成することには
無理があり、図示するように一部寸法を広げた
り、または抜きテーパーをつけるなど、成型しや
すい形状をとつている。

そのため、リール台２の先端部では半径方向に
ガタが発生する。

またハブ軸３とリール台２とは六角柱と六角穴
とで係合回転しているため、前記ガタに起因し
て、テープ引張方向に全周各部分が次々とある回
転角ごとに寄せられることになり、テープのテン
シヨン変動を引き起こす。

このテープテンシヨンの変動にともなつて、磁
気テープと磁気ヘツドの当たりが変化し、ワウフ
ラツター（FM変調）、レベル変動（AM変調）等
の性能低下につながる欠点があつた。

また、上記した欠点を解消するために、リール
台２の上部六角柱部の内径にリール軸１と半径方
向ガタの発生しないように、軸受けとしてのブツ
シユを圧入するなどの構成も考えられるが、この
ような構成は、部品、加工数共に増え、高価にな
る欠点がある。

〔考案の目的〕

この考案は、上記従来の欠点を除去するために
なされたもので、ハブ軸のガタを極力小さくし、
少ない安価なリール台装置を提供することを目的
とするものである。

〔考案の概要〕

本考案のリール台装置は、固定軸と、前記固定
軸に回転可能に挿入されたリール台と、前記固定
軸に回転可能でかつスラスト方向に移動可能に挿
入され前記リール台とは互いに円周方向で係合規
制しスラスト方向のみ相対移動可能に係合したハ
ブ軸と、前記ハブ軸および前記リール台の間に挿
入され互いに反対方向に附勢する弾性部材とを備
えたリール台装置において、前記リール台の上部
円柱に形成された複数のスリツトと、前記ハブ軸
の内部に形成された前記スリツトと係合する突状
部とを備え、前記ハブ軸の上部は前記固定軸と係
合し、前記突状部の先端部は固定軸と係合すると
共に、その下部はリール台の上部円柱に係合し、
かつ前記突状部と前記スリツトとが円周方向に係
合することを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、この考案のリール台装置の実施例につい
て、図面に基づいて説明する。

第１図はその一実施例の構成を示す半裁断面図
である。この第１図において、１は基台７に圧入
植立された固定軸としてのリール軸であり、２は
このリール軸１に回転自在に挿着されたリール台
であつて、第３図に示されるように、上部円柱に
複数のスリツト２ａが形成されている。３はリー
ル台２のスリツト２ａに係合するように、内部に
複数の突状部３ａを形成すると共に、突状部以外
は円柱部に係合するように形成され、かつ上部を
丸穴に形成されたハブ軸であつて、スリツト２ａ
と突状部３ａにて互いに円周方向に係合してい
る。またハブ軸３に設けられた複数の突状部３ａ
は第２図に示されるように、その先端部はリール
軸と係合している。

４は前記リール台２とハブ軸３の間に挿入され
た弾性部材であり、５はスラストワツシヤー、６
は抜け止め用のワツシヤーである。

上記したリール台装置の構成は、リール台とハ
ブ軸３の円周方向の係合が複数のスリツト２ａと
突状部３ａにて行われ、ハブ軸３の上部および突
状部３ａはリール軸に係合し、またリール台２の
上部円柱部がハブ軸３の内径部に係合するよう形
成されているため、半径方向のガタが防止される
（従来のものはリール台の上部のガタ分だけハブ
軸が振られる）ようにしたもので、それ以外の構
成、および装置の作用は従来のものと同様であ
る。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のリール台装置によれ
ば、ハブ軸およびリール台のガタを防止でき、テ
ープテンシヨンの急激な変動をおさえことがで
き、ワウフラツター、レベル変動などの性能劣化
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のリール台装置の一実施例の
構成を示す半裁断面図、第２図はこの考案に用い
られるハブ軸の正面図およ底面図、第３図はこの
考案に用いられるリール台の部分正面図および上
面図、第４図は従来のリール台装置を示す半裁断
面図である。 １：固定軸、２：リール台、２ａ：スリツト、
３：ハブ軸、３ａ：突状部、４：弾性部材、５，
６：ワツシヤ、７：基台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定軸と、前記固定軸に回転可能に挿入された
   リール台と、前記固定軸に回転可能でかつスラス
   ト方向に移動可能に挿入され前記リール台とは互
   いに円周方向で係合規制しスラスト方向のみ相対
   移動可能に係合したハブ軸と、前記ハブ軸および
   前記リール台の間に挿入され互いに反対方向に附
   勢する弾性部材とを備えたリール台装置におい
   て、前記リール台の上部円柱に形成された複数の
   スリツトと、前記ハブ軸の内部に形成された前記
   スリツトと係合する突状部とを備え、前記ハブ軸
   の上部は前記固定軸と係合し、前記突状部の先端
   部は固定軸と係合すると共に、その下部はリール
   台の上部円柱に係合し、かつ前記突状部と前記ス
   リツトとが円周方向に係合することを特徴とする
   リール台装置。