JPH0348164B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

＜産業上の利用分野＞ 本発明は、不快害虫特に草鞋虫用の殺虫剤に関
するものである。 ＜従来の技術＞ 従来、この種の殺虫剤は、有機リン系のものが
ほとんどであり、タルク、石灰等を混合して粉剤
としたり、乳剤、水等で希釈して液状にし、これ
を目的とする場所に散布するものである。 しかし、これらの殺虫剤は、有機リン系のもの
であるため微生物等による代謝、分解が速く、殺
虫効果の持続力がないばかりではなく、いずれも
物理的な接触による接触毒性により害虫を駆除し
ようとするものであるため、十分にこの殺虫剤を
散布した場所以外においては、害虫自身が周辺に
逃散してしまい、殺虫剤としての効果が弱いもの
であつた。 ＜発明が解決しようとする問題点＞ 本発明が解決しようとする問題点は、殺虫剤が
殺虫時に草鞋虫に対して、接触毒性によらず草鞋
虫自身がこれを積極的に体内に取り入れることに
より草鞋虫を駆除するようにすることにある。 ＜問題点を解決するための手段＞ 上記問題点を解決するために本発明が講ずる技
術的手段は、カルバメートを有効成分とするカル
バメート剤に、誘引剤として熱処理を施した米糠
を配合したことを特徴とする。 ＜作用＞ 米糖を熱処理した誘引剤が殺虫時に草鞋虫を床
下や砂利の下等に潜んでいるものをも多数誘い出
して、寄せ集め、草鞋虫が、この誘引剤を好んで
大量に食することによりこの殺虫剤中に一緒に配
合しているカルバメート剤を同時に体内に摂取す
る。 ＜実施例＞ 以下、本発明の実施例を説明する。 本発明に係る殺虫剤は、害虫を誘い出して積極
的に食べさせるようにした誘引性殺虫剤であり、
殺虫成分としてカルバメートを有効成分とするカ
ルバメート剤を、誘引剤として熱処理を施した米
糠を配合して成るものである。 先ず、本発明の第１実施例について説明する
と、これは、細粒状に形成したカルバメート剤と
米糠とを物理的に混合した場合を示すものであ
る。 カルバメート剤は、ふすま、糠、糖蜜95％に対
してＮ−メチルカルバミン酸フエニルエステル誘
導体等のカルバメート（いわゆるカルバメート系
殺虫剤）を５％の割合で配合して混練一体と成し
た後に乾燥させ、これをミキサー機等を用いて草
鞋虫が食べやすい大きさの３mm程度の細粒状に細
砕したものである。 なお上記ふすまは、主として造形剤の役割を果
たし、また糠、糖蜜は主として草鞋虫以外の農業
用害虫等も誘い寄せる誘引剤としての役割を果た
すものである。 米糠は、草鞋虫が好んで食するものであり、釜
等を用いて180℃程度の温度で１分間弱程度熱処
理したものを用い、細粒状に成した上記カルバメ
ート剤１Kgに対して100ｇの割合で混合している。 斯くして製造した草鞋虫用殺虫剤は、適宜な場
所に散布すると、米糠を熱処理した誘引剤が床下
や砂利の下等に潜んでいる草鞋虫をも多数誘い出
して寄せ集め、草鞋虫が大量に食することによ
り、一緒に配合している食べやすい細粒状のカル
バメート剤を同時に容易に体内に摂取し、このカ
ルバメート剤の殺虫効果により、草鞋虫を確実に
駆除する。 また、草鞋虫以外の害虫（例えばネキリムシ、
コオロギ、ハスモン、ヨトウ等の農業害虫）も同
様に誘い出されて大量にこの殺虫剤を摂取し、カ
ルバメート剤の殺虫効果により確実に駆除され
る。 次に、第２実施例について説明すると、これは
殺虫成分としてのカルバメート剤と誘引剤として
の米糖を混練一体と成した後に乾燥させるように
した場合を示すものである。即ち、前述の如くふ
すま、糠、糖蜜95％に対して前記カルバメートを
５％の割合で配合し、これに更に前述の如く熱処
理を施した米糠を適宜な割合で配合して混練一体
と成し、この後に乾燥させてミキサー機等を用い
て３mm程度の細粒状に細砕するものである。 この場合は、一種類の細粒状のもので害虫の誘
引と殺虫を同時に行なうことができる。 以上の実施例においては、カルバメート剤とし
て、糠および糖蜜を除き前述のカルバメートにふ
すまのみを加えたものを用いることも可能であ
り、またカルバメート剤として糠、糖蜜およびふ
すまを除きこのカルバメート単独の成分を用いる
ことも可能である。カルバメート剤としてカルバ
メート単独の成分を用いる場合は、粉状あるいは
粒子状の上記カルバメートと熱処理した米糠とを
適宜な割合で物理的に混合するものである。 本実施例における殺虫剤の使用法の一例につい
て述べると、草鞋虫の生息する場所やその周辺
に、１m²当り10〜20ｇを散布し、手の届かない床
下には投げ込んでおくようにすればよい。散布す
る時間は、草鞋虫が夜間に行動するため、夕方を
選ぶとより効果的である。また時期的には春先の
発生時と秋の初めの繁殖期に散布するとより効果
的である。 以上述べてきた実施例において、記載した各成
分の配合割合、製造条件等は一例であり、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。 次に本発明殺虫剤の実験成績を下記する。 本発明殺虫剤の各種不快害虫に対するKT50
（半数がノツクダウンする時間）

【表】 ＜発明の効果＞ 本発明は叙上の如く、カルバメートを有効成分
とするカルバメート剤に、誘引剤として熱処理を
施した米糠を配合したため、次のような効果を有
する。 米糠を熱処理した誘引剤が殺虫時に草鞋虫を
床下や砂利の下等に潜んでいるものをも多数誘
い出して寄せ集め、草鞋虫が、この誘引剤を好
んで大量に食することにより、この殺虫剤中に
一緒に配合しているカルバメート剤を同時に体
内に摂取するため、このカルバメート剤の殺虫
効果により草鞋虫を確実に駆除できる。 カルバメート系の物質を殺虫のための有効成
分として用いているため、従来の有機リン系殺
虫剤と異なり、人畜に低毒性で安全性が高く、
殺虫に際して、速効力、残効力に優れ、薬剤抵
抗性による効果低下がない。 外部における使用に際し、雨水がかかつても
従来のものより明らかに残効性に優れている。 害虫を寄せ集めて駆除するため、殺虫効果が
一目でわかる。 庭等に散布しても見苦しくなることがない。
依つて、所期の目的を達成し得る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カルバメートを有効成分とするカルバメート
   剤に、誘引剤として熱処理を施した米糠を配合し
   て成る草鞋虫用殺虫剤。