JPH0346540B2 - - Google Patents
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- JPH0346540B2 JPH0346540B2 JP2294881A JP2294881A JPH0346540B2 JP H0346540 B2 JPH0346540 B2 JP H0346540B2 JP 2294881 A JP2294881 A JP 2294881A JP 2294881 A JP2294881 A JP 2294881A JP H0346540 B2 JPH0346540 B2 JP H0346540B2
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- Japan
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- steel
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Description
本発明は剪断縁加工性の優れた2相組織鋼板の
創案に係り、剪断縁の冷間加工性の著しく改善さ
れた鋼板を提供しようとするものである。 鋼板に要求される成形性としては、一般に、
張り出し成形性、深絞り成形性、伸びフラン
ジ成形性、曲げ成形性の4つがあるが、これら
の成形性の中での伸びフランジ成形性との曲
げ成形性に関しては実際の成形過程において剪断
縁の加工性がこれらの材料特性を評価する上で重
要な役割を果す。特に伸びフランジ成形性につい
ては剪断された面が大きな引張り変形を受けて破
断することが実際の成形過程で多く認められると
ころからその良否が成形の可否を決める上におい
て極めて重要な役割を果たす。ところで剪断面の
延性が、切削面のそれに比較して劣るのは剪断に
伴つて不可避的に剪断縁に加工硬化層および破断
面が存在するためである。然してこの剪断面の延
性は、素材の強度、延性はもちろんのこと、介在
物、析出物およびミクロ組織などに支配されるこ
とは良く知られているところであり、また塑性異
方性の大きい冷延鋼板などにおいては、r値と伸
びフランジ成形性に良い相関が認められる。一
方、成形形状(たとえば半球状、平底円柱状ある
いは円錐状)によつても成形性の評価値が異るこ
とも良く知られている。 そこで鋼板の伸びフランジ成形性を向上させる
ために、従来上記した諸因子を考慮して、(1)素材
の伸びを向上させ、(2)清浄度を向上させると共
に、介在物の形状をコントロールし、とくにA系
介在物の低減を図り、(3)冷延鋼板などにおいては
r値を向上させ、(4)剪断縁の加工硬化層および破
断面の悪影響を最小に抑えるため剪断時のクリア
ランスを最適化するなどの方法が採られて来た。
ところが近時自動車の低燃費化を目的として車体
重量の軽減が強力に推し進められるに至り、その
ための薄肉化を目的とした鋼板の高張力化が脚光
を浴びている。とくに、斯うした高張力鋼板は、
高い強度と共に優れた成形性が要求されることは
言うまでもなく、この要求に合致した鋼板として
最近フエライト+低温変態相から成る2相組織を
有する鋼板が注目されている。即ちこの種の鋼板
はオーステナイト+フエライトの2相共存温度領
域に加熱した鋼帯を第2相として存在するオース
テナイトを低温変態相好ましくはマルテンサイト
に変態させるべき所定の冷却速度で冷却して製造
され、軟質のフエライト母相中に硬質の島状マル
テンサイトが分散した特徴的なミクロ組織を有す
るものである。然しこうしたミクロ組織を有する
鋼板は、強度と延性のバランスにおいては優れた
特性を有するけれども、伸びフランジ成形性(穴
拡げ性)に関しては従来の鋼板に比べて劣ること
が既に指摘されているが、その支配要因に関して
は明らかにされておらず、従つて斯様な鋼板にお
いて好ましい安定した伸びフランジ成形性を得る
ことができない不利がある。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものである。即ち本発明者等は上記
したようなミクロ組織を有する鋼板の伸びフラン
ジ成形性を支配する治金学的因子について仔細な
研究と検討を重ねた結果、上記のようなフエライ
ト+マルテンサイトの2相組織を有する鋼板にお
いて伸びフランジ成形性を支配する主要因子を解
明することに成功し、特定成分組成を採用するだ
けでなく、前記2相組織の体積率を特定し、しか
も2相組織間の硬度比を特定範囲とすることによ
り、特に打ち抜き感受性の小さい、即ち剪断に伴
う伸びフランジ成形性劣化の小さい2相組織鋼板
を得ることに成功した。 蓋しこのような本発明について説明すると、本
発明によるものはC:0.02〜015%,Si0.9%,
Mn:0.3〜2.0%,P0.1%,S0.015%,sol.
Al:0.02〜0.1%で、残部がFeおよび不可避不純
物よりなることを基本的成分とし、必要に応じ
て、0.1%以下のV,1.5%以下のCr,1.0%以下の
Mo,0.2%以下のTi,0.2%以下のZr又はREMの
何れか1種又は2種以上を添加した鋼を素材とし
て、第2相として存在する低温変態相(好ましく
はマルテンサイト)の体積分率が30%以下で、か
つ第2相の硬さ(以後HvMと称す)と母相フエラ
イトの硬さ(以後HvFと称す)の比(以後HvM/
HvFと称す)が3.2以下であることを特徴とする
ものである。 上述したような本発明を構成する各要件につい
てその規定理由を述べると以下の如くである。 先ず本発明は、基本的には2相組織を有する高
張力鋼板に関してなされたもので、斯かるミクロ
組織を有し、かつ、良好な強度と延性のバランス
を兼ね備えることは必要最小限の条件であるから
主要成分元素を以下の条件に規定するものであ
る。 Cは、鋼の強化に著しい寄与をすることが良く
知られているが、本発明では、特にオーステナイ
トの焼入れ性を向上させることによつて、2相温
度域からの冷却過程で容易に低温変態相を得る目
的に利用する。つまり0.02%未満では、たとえ水
焼入れに相当する冷却速度で冷却しても、加熱温
度で存在するオーステナイトを低温変態相、とく
にマルテンサイトに変態させることが困難であり
高張力化を図ることができないから、その下限を
0.02%以上とする。一方このC量を増加させるこ
とは、オーステナイトの焼入れ性を向上させ比較
的遅い冷却速度でも低温変態相を得ることは可能
となるが、逆に第2相の量増大を招くため強度の
増加に伴い延性が急激に低下する。また製品とし
て要求されるスポツト溶接性などに対しても悪影
響をおよぼすのでその上限は0.15%とする。 Siは、フエライト母相の強度と延性のバランス
を改善する上で有効な元素であるが、多量に含有
すると2次加工脆化を起すため、その含有量は
0.9%以下とする。一方このSiは、2相組織を得
るために必要不可欠の元素ではないためその下限
についてはとくに規定しない。 Mnは、Cと同様オーステナイトの焼入れ性を
向上させる効果を有するため、2相組織化を目的
としてC添加量と加熱温度からの冷却速度に応じ
て必要量の添加を行なう。つまり、Mnがオース
テナイトの焼入れ性向上に有効に作用し、たとえ
C量が0.02%でも急速冷却により容易に低温変態
相を得ることができる必要最小限の含有量とし
て、その下限を0.3%とする。一方、このMnの添
加量を増加させることは、Cの場合と同様の弊害
が生ずると共に、さらに表面品質の劣化などが問
題となるからその上限は2.0%とする。 Pは、フエライト地の強化に最も効果を発揮す
る元素であるが、2相組織強化を基本とする場合
には必要不可欠の元素でない。従つて、特に積極
的な添加は行わないが、0.1%以下であれば著し
い延性の劣化は認められないため、0.1%以下の
範囲とする。 Sは、鋼中に多量に含有されるとA系介在物を
形成し、これは、鋼の延性には著しい害をおよぼ
す。とくに、前述した剪断面の延性を劣化させる
ので好ましいものでない。然して一般にはTi,
ZrあるいはREMで介在物の形状コントロールを
することが有効であることが知られているが、S
含有量が0.015%を越えるとその効果に期待する
ことは難しい。従つてS含有量は0.015%以下に
規定する。 Alは、脱酸剤として鋼中に添加され、酸化物
系介在物の低減により鋼清浄度の向上に寄与する
から、鋼の清浄度を上げる上で必要最少限の量と
して、その下限を0.02%とする。一方このAlを多
量に添加するとアルミナ介在物の増加を来し逆に
延性を劣化させるため、その上限を0.1%とする。 本発明における鋼の成分組成は、上記した範囲
の諸成分とFeおよび製鋼上不可避の不純物元素
から成ることを基本とするが、C,Mnによるオ
ーステナイトの焼入れ性改善の効果をさらに向上
させ、一方で連続冷却変態挙動をコントロールす
ることにより、比較的遅い冷却速度で安定して2
相組織を得ることを目的として0.1%以下のV,
1.5%以下のCr,1.0%以下のMoのうち1種また
は2種以上を添加することが有効である。つまり
上記した成分範囲は、強度と延性のバランスを考
慮して規定されたもので、それ以上の添加では、
成分コスト上不利であるばかりか、延性の劣化を
招くため好ましくない。 然して、本発明は上記した鋼組成であると共に
以下に述べるようなミクロ組織を有することを必
須条件とするもので、これら総べてを具備するこ
とにより、始めて強度と延性のバランスを有し、
伸びフランジ成形性に優れ、かつ打ち抜き感受性
の小さい本発明の2相組織鋼板を得ることができ
る。すなわち、2相組織鋼板の伸びフランジ成形
性を限界穴拡げ率で評価すると、第2相低温変態
相の体積率増加に伴つて第1図に示す傾向が認め
られる。蓋し第1図中の鋼1,4,5は、後述す
る第1表中の鋼に対応するもので、図から明らか
なように、穴拡げ率は、第2相体積率の増加に伴
つて低下する傾向が認められるが、とくに第2相
体積率が30%を越えると穴拡げ率が急激に低下す
る。従つて、本発明においては、第2相体積率が
30%以下であることを必須構成要件とする。 更に、本発明者等は、硬質第2相と母相の硬度
比を3.2以下にすることによつて、打ち抜き感受
性を著しく小さくすることが可能であることを見
出した。これは第2図に示すところである。即ち
第2図から有らかなように、穴拡げ劣化率(Dλ)
は、第2相体積率の量によつて上下するが、同一
体積率で見ると第2相と母相の硬度比が3.2を越
えると急激に増加することが解り、すなわち打ち
抜き感受性が増大する。従つて、上記のごとく、
本発明では、第2相低温変態相の硬さと母相フエ
ライトの硬さの比を3.2以下にすることを必須の
構成要件とする。つまり、本発明者らは、2相組
織鋼板における剪断縁の延性劣化が剪断時に破断
部近傍において第2相と母相界面に発生する微小
クラツクによつて著しく増大することと、この微
細クラツクは第2相のマルテンサイトの硬度が母
相のフエライトの硬度に対して、硬すぎることに
より発生することをつきとめ、それについて詳細
に調査した結果、鋼種によらず第2相が母相の
3.2倍を越えた硬度を持つとこの微細クラツクが
発生することを見出した。第3,4図は、例とし
て後述する鋼−1,4について、剪断後の破断近
傍のミクロ組織を示すもので、第2相と母相の硬
度比の大きい鋼−4では微少割れが多数認めら
れ、同時に穴拡げ劣化率も大きいことから、上記
内容を示唆しているものと考えられる。 本発明によるものの具体的製造例について説明
すると以下の通りである。 製造例 1 本発明者等が具体的に採用した鋼の化学成分を
比較例と共に併せて示すと、次の第1表の通りで
ある。
創案に係り、剪断縁の冷間加工性の著しく改善さ
れた鋼板を提供しようとするものである。 鋼板に要求される成形性としては、一般に、
張り出し成形性、深絞り成形性、伸びフラン
ジ成形性、曲げ成形性の4つがあるが、これら
の成形性の中での伸びフランジ成形性との曲
げ成形性に関しては実際の成形過程において剪断
縁の加工性がこれらの材料特性を評価する上で重
要な役割を果す。特に伸びフランジ成形性につい
ては剪断された面が大きな引張り変形を受けて破
断することが実際の成形過程で多く認められると
ころからその良否が成形の可否を決める上におい
て極めて重要な役割を果たす。ところで剪断面の
延性が、切削面のそれに比較して劣るのは剪断に
伴つて不可避的に剪断縁に加工硬化層および破断
面が存在するためである。然してこの剪断面の延
性は、素材の強度、延性はもちろんのこと、介在
物、析出物およびミクロ組織などに支配されるこ
とは良く知られているところであり、また塑性異
方性の大きい冷延鋼板などにおいては、r値と伸
びフランジ成形性に良い相関が認められる。一
方、成形形状(たとえば半球状、平底円柱状ある
いは円錐状)によつても成形性の評価値が異るこ
とも良く知られている。 そこで鋼板の伸びフランジ成形性を向上させる
ために、従来上記した諸因子を考慮して、(1)素材
の伸びを向上させ、(2)清浄度を向上させると共
に、介在物の形状をコントロールし、とくにA系
介在物の低減を図り、(3)冷延鋼板などにおいては
r値を向上させ、(4)剪断縁の加工硬化層および破
断面の悪影響を最小に抑えるため剪断時のクリア
ランスを最適化するなどの方法が採られて来た。
ところが近時自動車の低燃費化を目的として車体
重量の軽減が強力に推し進められるに至り、その
ための薄肉化を目的とした鋼板の高張力化が脚光
を浴びている。とくに、斯うした高張力鋼板は、
高い強度と共に優れた成形性が要求されることは
言うまでもなく、この要求に合致した鋼板として
最近フエライト+低温変態相から成る2相組織を
有する鋼板が注目されている。即ちこの種の鋼板
はオーステナイト+フエライトの2相共存温度領
域に加熱した鋼帯を第2相として存在するオース
テナイトを低温変態相好ましくはマルテンサイト
に変態させるべき所定の冷却速度で冷却して製造
され、軟質のフエライト母相中に硬質の島状マル
テンサイトが分散した特徴的なミクロ組織を有す
るものである。然しこうしたミクロ組織を有する
鋼板は、強度と延性のバランスにおいては優れた
特性を有するけれども、伸びフランジ成形性(穴
拡げ性)に関しては従来の鋼板に比べて劣ること
が既に指摘されているが、その支配要因に関して
は明らかにされておらず、従つて斯様な鋼板にお
いて好ましい安定した伸びフランジ成形性を得る
ことができない不利がある。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものである。即ち本発明者等は上記
したようなミクロ組織を有する鋼板の伸びフラン
ジ成形性を支配する治金学的因子について仔細な
研究と検討を重ねた結果、上記のようなフエライ
ト+マルテンサイトの2相組織を有する鋼板にお
いて伸びフランジ成形性を支配する主要因子を解
明することに成功し、特定成分組成を採用するだ
けでなく、前記2相組織の体積率を特定し、しか
も2相組織間の硬度比を特定範囲とすることによ
り、特に打ち抜き感受性の小さい、即ち剪断に伴
う伸びフランジ成形性劣化の小さい2相組織鋼板
を得ることに成功した。 蓋しこのような本発明について説明すると、本
発明によるものはC:0.02〜015%,Si0.9%,
Mn:0.3〜2.0%,P0.1%,S0.015%,sol.
Al:0.02〜0.1%で、残部がFeおよび不可避不純
物よりなることを基本的成分とし、必要に応じ
て、0.1%以下のV,1.5%以下のCr,1.0%以下の
Mo,0.2%以下のTi,0.2%以下のZr又はREMの
何れか1種又は2種以上を添加した鋼を素材とし
て、第2相として存在する低温変態相(好ましく
はマルテンサイト)の体積分率が30%以下で、か
つ第2相の硬さ(以後HvMと称す)と母相フエラ
イトの硬さ(以後HvFと称す)の比(以後HvM/
HvFと称す)が3.2以下であることを特徴とする
ものである。 上述したような本発明を構成する各要件につい
てその規定理由を述べると以下の如くである。 先ず本発明は、基本的には2相組織を有する高
張力鋼板に関してなされたもので、斯かるミクロ
組織を有し、かつ、良好な強度と延性のバランス
を兼ね備えることは必要最小限の条件であるから
主要成分元素を以下の条件に規定するものであ
る。 Cは、鋼の強化に著しい寄与をすることが良く
知られているが、本発明では、特にオーステナイ
トの焼入れ性を向上させることによつて、2相温
度域からの冷却過程で容易に低温変態相を得る目
的に利用する。つまり0.02%未満では、たとえ水
焼入れに相当する冷却速度で冷却しても、加熱温
度で存在するオーステナイトを低温変態相、とく
にマルテンサイトに変態させることが困難であり
高張力化を図ることができないから、その下限を
0.02%以上とする。一方このC量を増加させるこ
とは、オーステナイトの焼入れ性を向上させ比較
的遅い冷却速度でも低温変態相を得ることは可能
となるが、逆に第2相の量増大を招くため強度の
増加に伴い延性が急激に低下する。また製品とし
て要求されるスポツト溶接性などに対しても悪影
響をおよぼすのでその上限は0.15%とする。 Siは、フエライト母相の強度と延性のバランス
を改善する上で有効な元素であるが、多量に含有
すると2次加工脆化を起すため、その含有量は
0.9%以下とする。一方このSiは、2相組織を得
るために必要不可欠の元素ではないためその下限
についてはとくに規定しない。 Mnは、Cと同様オーステナイトの焼入れ性を
向上させる効果を有するため、2相組織化を目的
としてC添加量と加熱温度からの冷却速度に応じ
て必要量の添加を行なう。つまり、Mnがオース
テナイトの焼入れ性向上に有効に作用し、たとえ
C量が0.02%でも急速冷却により容易に低温変態
相を得ることができる必要最小限の含有量とし
て、その下限を0.3%とする。一方、このMnの添
加量を増加させることは、Cの場合と同様の弊害
が生ずると共に、さらに表面品質の劣化などが問
題となるからその上限は2.0%とする。 Pは、フエライト地の強化に最も効果を発揮す
る元素であるが、2相組織強化を基本とする場合
には必要不可欠の元素でない。従つて、特に積極
的な添加は行わないが、0.1%以下であれば著し
い延性の劣化は認められないため、0.1%以下の
範囲とする。 Sは、鋼中に多量に含有されるとA系介在物を
形成し、これは、鋼の延性には著しい害をおよぼ
す。とくに、前述した剪断面の延性を劣化させる
ので好ましいものでない。然して一般にはTi,
ZrあるいはREMで介在物の形状コントロールを
することが有効であることが知られているが、S
含有量が0.015%を越えるとその効果に期待する
ことは難しい。従つてS含有量は0.015%以下に
規定する。 Alは、脱酸剤として鋼中に添加され、酸化物
系介在物の低減により鋼清浄度の向上に寄与する
から、鋼の清浄度を上げる上で必要最少限の量と
して、その下限を0.02%とする。一方このAlを多
量に添加するとアルミナ介在物の増加を来し逆に
延性を劣化させるため、その上限を0.1%とする。 本発明における鋼の成分組成は、上記した範囲
の諸成分とFeおよび製鋼上不可避の不純物元素
から成ることを基本とするが、C,Mnによるオ
ーステナイトの焼入れ性改善の効果をさらに向上
させ、一方で連続冷却変態挙動をコントロールす
ることにより、比較的遅い冷却速度で安定して2
相組織を得ることを目的として0.1%以下のV,
1.5%以下のCr,1.0%以下のMoのうち1種また
は2種以上を添加することが有効である。つまり
上記した成分範囲は、強度と延性のバランスを考
慮して規定されたもので、それ以上の添加では、
成分コスト上不利であるばかりか、延性の劣化を
招くため好ましくない。 然して、本発明は上記した鋼組成であると共に
以下に述べるようなミクロ組織を有することを必
須条件とするもので、これら総べてを具備するこ
とにより、始めて強度と延性のバランスを有し、
伸びフランジ成形性に優れ、かつ打ち抜き感受性
の小さい本発明の2相組織鋼板を得ることができ
る。すなわち、2相組織鋼板の伸びフランジ成形
性を限界穴拡げ率で評価すると、第2相低温変態
相の体積率増加に伴つて第1図に示す傾向が認め
られる。蓋し第1図中の鋼1,4,5は、後述す
る第1表中の鋼に対応するもので、図から明らか
なように、穴拡げ率は、第2相体積率の増加に伴
つて低下する傾向が認められるが、とくに第2相
体積率が30%を越えると穴拡げ率が急激に低下す
る。従つて、本発明においては、第2相体積率が
30%以下であることを必須構成要件とする。 更に、本発明者等は、硬質第2相と母相の硬度
比を3.2以下にすることによつて、打ち抜き感受
性を著しく小さくすることが可能であることを見
出した。これは第2図に示すところである。即ち
第2図から有らかなように、穴拡げ劣化率(Dλ)
は、第2相体積率の量によつて上下するが、同一
体積率で見ると第2相と母相の硬度比が3.2を越
えると急激に増加することが解り、すなわち打ち
抜き感受性が増大する。従つて、上記のごとく、
本発明では、第2相低温変態相の硬さと母相フエ
ライトの硬さの比を3.2以下にすることを必須の
構成要件とする。つまり、本発明者らは、2相組
織鋼板における剪断縁の延性劣化が剪断時に破断
部近傍において第2相と母相界面に発生する微小
クラツクによつて著しく増大することと、この微
細クラツクは第2相のマルテンサイトの硬度が母
相のフエライトの硬度に対して、硬すぎることに
より発生することをつきとめ、それについて詳細
に調査した結果、鋼種によらず第2相が母相の
3.2倍を越えた硬度を持つとこの微細クラツクが
発生することを見出した。第3,4図は、例とし
て後述する鋼−1,4について、剪断後の破断近
傍のミクロ組織を示すもので、第2相と母相の硬
度比の大きい鋼−4では微少割れが多数認めら
れ、同時に穴拡げ劣化率も大きいことから、上記
内容を示唆しているものと考えられる。 本発明によるものの具体的製造例について説明
すると以下の通りである。 製造例 1 本発明者等が具体的に採用した鋼の化学成分を
比較例と共に併せて示すと、次の第1表の通りで
ある。
【表】
即ち鋼1,2,5〜8は本発明の成分範囲内鋼
であり、鋼3は過量のSを含有した鋼であつて、
鋼4はMnが本発明成分範囲を僅かに超えた鋼で
あるが、これらの鋼を通常の工程に従つて溶製し
た後、200mm厚の各スラブとなし、これらのスラ
ブを通常の熱間圧延機列によつて3.2mm厚の鋼帯
に仕上げた。 更にこれらの熱延鋼板は、酸洗後0.8mm厚まで
冷間圧延を行ない、引続いて連続焼鈍を行つた。
焼鈍条件は、鋼組成によつて最適な条件を選定し
たもので、鋼1〜3については、800℃で焼鈍後
噴流水中に焼入れた後、250℃で2分焼戻し処理
を行つた。これに対し、鋼4〜8については、
800℃で焼鈍後ガスジエツト冷却にて800〜300℃
までの平均冷却速度が30℃/秒の条件で鋼4,
5,7,8は室温まで冷却し、鋼6は300℃で30
秒保持後室温まで冷却して2相組織を得た。斯う
して得られた2相組織鋼板の第2相体積率、第2
相硬度の第1相に対する硬度比および引張り特性
値と穴拡げ試験値は次の第2表に示す通りであ
る。
であり、鋼3は過量のSを含有した鋼であつて、
鋼4はMnが本発明成分範囲を僅かに超えた鋼で
あるが、これらの鋼を通常の工程に従つて溶製し
た後、200mm厚の各スラブとなし、これらのスラ
ブを通常の熱間圧延機列によつて3.2mm厚の鋼帯
に仕上げた。 更にこれらの熱延鋼板は、酸洗後0.8mm厚まで
冷間圧延を行ない、引続いて連続焼鈍を行つた。
焼鈍条件は、鋼組成によつて最適な条件を選定し
たもので、鋼1〜3については、800℃で焼鈍後
噴流水中に焼入れた後、250℃で2分焼戻し処理
を行つた。これに対し、鋼4〜8については、
800℃で焼鈍後ガスジエツト冷却にて800〜300℃
までの平均冷却速度が30℃/秒の条件で鋼4,
5,7,8は室温まで冷却し、鋼6は300℃で30
秒保持後室温まで冷却して2相組織を得た。斯う
して得られた2相組織鋼板の第2相体積率、第2
相硬度の第1相に対する硬度比および引張り特性
値と穴拡げ試験値は次の第2表に示す通りであ
る。
【表】
【表】
即ち前記した第2表から明かなように、鋼成分
組成が本発明の範囲内であつても2相組織が本発
明の要件を満足するものでないことは明かで、鋼
成分が本発明範囲内で、しかも第2相体積率が30
%以下の組織を有し、かつHvM/HvF32の条件
を満足する場合においてのみ高い穴拡げ率を有
し、しかも打ち抜き感受性を小さくすることが可
能である。即ち第2相体積率とHvM/HvF3.2
の条件を同時に満たすのは、鋼−1.6だけであり、
第2相体積率の大きい鋼−2,過量のSを含む鋼
−3,成分組成としては本発明の要件を満足して
いてもHvM/HvFの大きい鋼4,5,7,8に関
しては、良好な穴拡げ性を得ることは出来ない。 更に次の第3表は、第2表中の鋼4〜8につい
て、第2相マルテンサイトの軟化を目的として、
同一試料を400℃で2分焼戻し処理を行なつた場
合の、引張り特性値と穴拡げ試験値を示したもの
である。即ち焼戻しに伴う第2相マルテンサイト
の軟化によつて打ち抜き感受性を著しく低下させ
ることが可能であつて鋼4,5のものも本発明の
条件を満足することが理解され、穴拡げ試験結果
も良好となる。
組成が本発明の範囲内であつても2相組織が本発
明の要件を満足するものでないことは明かで、鋼
成分が本発明範囲内で、しかも第2相体積率が30
%以下の組織を有し、かつHvM/HvF32の条件
を満足する場合においてのみ高い穴拡げ率を有
し、しかも打ち抜き感受性を小さくすることが可
能である。即ち第2相体積率とHvM/HvF3.2
の条件を同時に満たすのは、鋼−1.6だけであり、
第2相体積率の大きい鋼−2,過量のSを含む鋼
−3,成分組成としては本発明の要件を満足して
いてもHvM/HvFの大きい鋼4,5,7,8に関
しては、良好な穴拡げ性を得ることは出来ない。 更に次の第3表は、第2表中の鋼4〜8につい
て、第2相マルテンサイトの軟化を目的として、
同一試料を400℃で2分焼戻し処理を行なつた場
合の、引張り特性値と穴拡げ試験値を示したもの
である。即ち焼戻しに伴う第2相マルテンサイト
の軟化によつて打ち抜き感受性を著しく低下させ
ることが可能であつて鋼4,5のものも本発明の
条件を満足することが理解され、穴拡げ試験結果
も良好となる。
【表】
製造例 2
上記したような本発明の2相組織鋼板は熱延鋼
板においても妥当する。 即ち次の第4表は前記した第1表中の鋼1,
4,5について3.2mm厚の熱延鋼板を800℃ち加熱
した後、鋼1については噴流水中に焼入れ、然る
後250℃で2分焼鈍したもので、鋼4,5につい
ては、ミスト冷却装置にて室温まで冷却したもの
と、400℃で2分焼戻したものの引張り特性値と
穴拡げ試験値を示す。
板においても妥当する。 即ち次の第4表は前記した第1表中の鋼1,
4,5について3.2mm厚の熱延鋼板を800℃ち加熱
した後、鋼1については噴流水中に焼入れ、然る
後250℃で2分焼鈍したもので、鋼4,5につい
ては、ミスト冷却装置にて室温まで冷却したもの
と、400℃で2分焼戻したものの引張り特性値と
穴拡げ試験値を示す。
【表】
蓋し熱延鋼板に関しても本発明で規定した成分
と組織因子を満足することにより、打ち抜き感受
性が小さくかつ伸びフランジ性の良好な2相組織
鋼板が得られる同じ成分組成でも鋼4,5では単
にミスト冷却だけではHvM/HvFが3.2以下とな
らず打ち抜き感受性が大である。これは、基本的
には圧延ままで2相組織とした場合でも成り立
つ。 製造例 3 上記したような本発明によるものはZnメツキ
鋼板などの表面処理鋼板に関しても妥当するもの
であつて、次の第5表に示すような化学組成の鋼
を通常の工程で出鋼し鋳造後、熱間圧延を行い、
3.2mm厚の熱延鋼帯とした。
と組織因子を満足することにより、打ち抜き感受
性が小さくかつ伸びフランジ性の良好な2相組織
鋼板が得られる同じ成分組成でも鋼4,5では単
にミスト冷却だけではHvM/HvFが3.2以下とな
らず打ち抜き感受性が大である。これは、基本的
には圧延ままで2相組織とした場合でも成り立
つ。 製造例 3 上記したような本発明によるものはZnメツキ
鋼板などの表面処理鋼板に関しても妥当するもの
であつて、次の第5表に示すような化学組成の鋼
を通常の工程で出鋼し鋳造後、熱間圧延を行い、
3.2mm厚の熱延鋼帯とした。
【表】
熱延条件は、通常の操業条件でよいが、本製造
例では、1150℃の低温加熱を行い、最終仕上げス
タンドでの圧下率が35%で、鋼帯温度800℃で仕
上げ圧延を終了し、然る後ランナウトテーブルの
後段にてスプレー冷却を施して500℃で巻取り、
組織の微細化と整粒化とを図つた。斯かる鋼帯を
酸洗ままと0.7mmまで冷間圧延したものについて
次の第6表に示す2通りの熱サイクルにて連続溶
融Znメツキを行つた。
例では、1150℃の低温加熱を行い、最終仕上げス
タンドでの圧下率が35%で、鋼帯温度800℃で仕
上げ圧延を終了し、然る後ランナウトテーブルの
後段にてスプレー冷却を施して500℃で巻取り、
組織の微細化と整粒化とを図つた。斯かる鋼帯を
酸洗ままと0.7mmまで冷間圧延したものについて
次の第6表に示す2通りの熱サイクルにて連続溶
融Znメツキを行つた。
【表】
即ちこの第6表において示す熱サイクルは、順
次直火加熱炉、還元炉、雰囲気ガス急冷装置、還
元雰囲気再加熱炉、Zn浴、ミスト冷却装置から
成るもので、その前後は通常のメツキラインと同
一である一連の連続溶融Znメツキラインによる
ものである。次の第7表に斯うして製造された
Znメツキ鋼板の引張り強度および穴拡げ試験結
果を示すが、上記製造例と同様に、このZnメツ
キ鋼板においてもHvM/HvF3.2の条件を満足
する場合に剪断縁の加工性が著しく向上すること
が明かであつて、これを満足しない板厚0.7mmで
AサイクルのものはλPが比較的低く、Dλは相当
に高いものとなる。
次直火加熱炉、還元炉、雰囲気ガス急冷装置、還
元雰囲気再加熱炉、Zn浴、ミスト冷却装置から
成るもので、その前後は通常のメツキラインと同
一である一連の連続溶融Znメツキラインによる
ものである。次の第7表に斯うして製造された
Znメツキ鋼板の引張り強度および穴拡げ試験結
果を示すが、上記製造例と同様に、このZnメツ
キ鋼板においてもHvM/HvF3.2の条件を満足
する場合に剪断縁の加工性が著しく向上すること
が明かであつて、これを満足しない板厚0.7mmで
AサイクルのものはλPが比較的低く、Dλは相当
に高いものとなる。
【表】
製造例 4
前記した製造例1における第1表中の鋼番1,
2のものと共に次の第8表に示すような鋼10,
11を準備した。 即ちこの第8表に示されたものは何れも成分組
成的には前記鋼番1,2のものと同様に本発明に
おける鋼成分組成の条件を満足するものであつ
て、Mnに関しては鋼10のものが1%以下であ
るのに対し鋼11のものは1.5%以上であつて本
発明における条件範囲内で高目に属するものであ
る。
2のものと共に次の第8表に示すような鋼10,
11を準備した。 即ちこの第8表に示されたものは何れも成分組
成的には前記鋼番1,2のものと同様に本発明に
おける鋼成分組成の条件を満足するものであつ
て、Mnに関しては鋼10のものが1%以下であ
るのに対し鋼11のものは1.5%以上であつて本
発明における条件範囲内で高目に属するものであ
る。
【表】
然してこれらの鋼1,2,10,11に対する
800℃で焼鈍後の冷却サイクルについては第5図
に要約して示す〜の通りであつて、これを要
約して説明すると以下の如くである。 サイクル:550℃以上を8℃/secで冷却する
と共に550℃以下を15℃/secで冷却する。焼戻
しなし。 サイクル:沸騰水で冷却(焼戻しなし)。 サイクル:650℃よりロール冷却(R・Q:
150℃/sec)、(焼戻しなし)。 サイクル:750℃より水焼入れし、次いで250
℃×1mmの焼戻し処理を行う。 即ちこれらの各冷却処理によつて得られたそれ
ぞれの鋼板について、そのVfM(低温変態相の体
積率)を検討した結果は次の第9表の如くであつ
て、鋼番1のものでは熱サイクルのものは
低温変態相が認められず、又鋼番2および11の
ものでも熱サイクルの場合には低温変態相の形
成の形成が認められなかつた。
800℃で焼鈍後の冷却サイクルについては第5図
に要約して示す〜の通りであつて、これを要
約して説明すると以下の如くである。 サイクル:550℃以上を8℃/secで冷却する
と共に550℃以下を15℃/secで冷却する。焼戻
しなし。 サイクル:沸騰水で冷却(焼戻しなし)。 サイクル:650℃よりロール冷却(R・Q:
150℃/sec)、(焼戻しなし)。 サイクル:750℃より水焼入れし、次いで250
℃×1mmの焼戻し処理を行う。 即ちこれらの各冷却処理によつて得られたそれ
ぞれの鋼板について、そのVfM(低温変態相の体
積率)を検討した結果は次の第9表の如くであつ
て、鋼番1のものでは熱サイクルのものは
低温変態相が認められず、又鋼番2および11の
ものでも熱サイクルの場合には低温変態相の形
成の形成が認められなかつた。
【表】
【表】
然して前記第9表のものにおいて2相組織とな
つていないものは本発明の技術的課題を有しない
ことから除外し、2相組織となつているものにつ
いてその硬度比を求め、又穴拡げ試験を実施した
結果を要約して示すと次の第10表の如くであつ
た。
つていないものは本発明の技術的課題を有しない
ことから除外し、2相組織となつているものにつ
いてその硬度比を求め、又穴拡げ試験を実施した
結果を要約して示すと次の第10表の如くであつ
た。
【表】
つまり、第10表の結果によれば、成分組成的に
は何れも本発明の要件を満足していても、冷却速
度の低いサイクルのものは一般的には2相組織
とならず、Mnなどの合金成分の高い場合には2
相となるが、この場合には冷却中にオーステナイ
ト中のC量が高くなり変態後のマルテンサイト硬
度が高くなるので硬度比(HvM/HvF)が高い
こととなつて穴拡げ劣化が大きい。沸騰水冷却に
よるサイクルのものにおいても硬度比が高いこ
とはサイクルに準ずる。これはこのような沸騰
水冷却では冷却の遷移点(400〜500℃)までは水
蒸気膜を介した冷却であつて冷却速度が低く、従
つてやはりオーステナイトへのCの濃縮が起り、
変態後のマルテンサイトの硬度が高くなるためで
ある。 これらのものに対しサイクルのものはそれな
りの冷却速度上昇が得られるが、それにしても鋼
1のようにMnの低いものにおいては発明組織を
なしておらず、本発明のような効果を得ることが
できない。これらに対し冷却サイクルのように
巻戻し処理をなしたものは何れも好ましい結果を
得しめている。 これらの結果を要約して示しているのが第6図
であつて、冷却サイクルとしてはが硬度比お
よび穴拡げ劣化率の何れからしても好ましいもの
と言える。 以上説明したような本発明によるときは従来技
術において通常の鋼板に比較して打抜き感受性が
大きいものとなされていた2相組織鋼板におい
て、良好な伸びフランジ成形性と極めて小さい打
ち抜き感受性を具備したものを提供することがで
き、工業的にその効果の大きい発明である。
は何れも本発明の要件を満足していても、冷却速
度の低いサイクルのものは一般的には2相組織
とならず、Mnなどの合金成分の高い場合には2
相となるが、この場合には冷却中にオーステナイ
ト中のC量が高くなり変態後のマルテンサイト硬
度が高くなるので硬度比(HvM/HvF)が高い
こととなつて穴拡げ劣化が大きい。沸騰水冷却に
よるサイクルのものにおいても硬度比が高いこ
とはサイクルに準ずる。これはこのような沸騰
水冷却では冷却の遷移点(400〜500℃)までは水
蒸気膜を介した冷却であつて冷却速度が低く、従
つてやはりオーステナイトへのCの濃縮が起り、
変態後のマルテンサイトの硬度が高くなるためで
ある。 これらのものに対しサイクルのものはそれな
りの冷却速度上昇が得られるが、それにしても鋼
1のようにMnの低いものにおいては発明組織を
なしておらず、本発明のような効果を得ることが
できない。これらに対し冷却サイクルのように
巻戻し処理をなしたものは何れも好ましい結果を
得しめている。 これらの結果を要約して示しているのが第6図
であつて、冷却サイクルとしてはが硬度比お
よび穴拡げ劣化率の何れからしても好ましいもの
と言える。 以上説明したような本発明によるときは従来技
術において通常の鋼板に比較して打抜き感受性が
大きいものとなされていた2相組織鋼板におい
て、良好な伸びフランジ成形性と極めて小さい打
ち抜き感受性を具備したものを提供することがで
き、工業的にその効果の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すもので、第1
図は本発明の製造例によるものについて第2相体
積率と穴拡げ率(λP)の関係を示した図表、第2
図は穴拡げ劣化率(D〓)に及ぼす第2相硬さ
(HvM)と母相フエライト硬さ(HvF)の比
(HvM/HvF)の影響を示した図表、第3図は製
造例における前記HvM/HvFが2.2で穴拡げ劣化
率が23.1%の鋼1のものについてその剪断後の破
断部近傍のミクロ組織を示した倍率400倍の顕微
鏡写真、第4図は同じく製造例のHvM/HvFが
3.5で、穴拡げ劣化率が47.3%の鋼4のものにつ
いて同様にその剪断後の破断部近傍ミクロ組織を
示した倍率400倍の顕微鏡写真、第5図は製造例
4において800℃焼鈍後に採用した冷却サイクル
の要約説明図、第6図はその冷却サイクル別によ
る硬度比と穴拡げ劣化率の関係を要約して示した
図表である。 然して前記第1図における穴拡げ率(λP)は、 λP=df−doP/doP×100(但しdoP:打ち抜き初期穴 径、df:限界孔径あで求めたものであり、又前記
第2図における穴拡げ劣化率(D〓)は、λM−λP/λM ×100(但しλM:切削穴の穴拡り限、λP:打抜き
穴の穴拡り限)で求めたものである。
図は本発明の製造例によるものについて第2相体
積率と穴拡げ率(λP)の関係を示した図表、第2
図は穴拡げ劣化率(D〓)に及ぼす第2相硬さ
(HvM)と母相フエライト硬さ(HvF)の比
(HvM/HvF)の影響を示した図表、第3図は製
造例における前記HvM/HvFが2.2で穴拡げ劣化
率が23.1%の鋼1のものについてその剪断後の破
断部近傍のミクロ組織を示した倍率400倍の顕微
鏡写真、第4図は同じく製造例のHvM/HvFが
3.5で、穴拡げ劣化率が47.3%の鋼4のものにつ
いて同様にその剪断後の破断部近傍ミクロ組織を
示した倍率400倍の顕微鏡写真、第5図は製造例
4において800℃焼鈍後に採用した冷却サイクル
の要約説明図、第6図はその冷却サイクル別によ
る硬度比と穴拡げ劣化率の関係を要約して示した
図表である。 然して前記第1図における穴拡げ率(λP)は、 λP=df−doP/doP×100(但しdoP:打ち抜き初期穴 径、df:限界孔径あで求めたものであり、又前記
第2図における穴拡げ劣化率(D〓)は、λM−λP/λM ×100(但しλM:切削穴の穴拡り限、λP:打抜き
穴の穴拡り限)で求めたものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.02〜0.15%、Si:0.9%以下、Mn:0.3
〜2.0%、P:0.100%以下、S:0.015%以下、
sol.Al:0.020〜0.100%で残部がFeおよび不可避
不純物より成る鋼において、フエライトと低温変
態相の2相組織からなり、該2相組織中での低温
変態相の体積率が30%以下で、しかもマルテンサ
イト硬度のフエライト硬度に対する比の値が3.2
以下であることを特徴とする剪断縁の加工性の優
れた2相組織鋼板。 2 C:0.02〜0.15%、Si:0.9%以下、Mn:0.3
〜2.0%、P:0.100%以下、S:0.015%以下、
sol.Al:0.020〜0.100%を含有すると共に0.1%以
下のv、1.5%以下のCr、1.0%以下のMo、2.0%
以下のNiの何れか1種又は2種以上をも含有し
残部がFeおよび不可避不純物より成る鋼におい
て、フエライトと低温変態相の2相組織からな
り、該2層相組織中での低温変態相の体積率が30
%以下で、しかもマルテンサイト硬度のフエライ
ト硬度に対する比の値が3.2以下であることを特
徴とする剪断縁の加工性の優れた2相組織鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2294881A JPS57137453A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Steel plate having dual-phase structure and superior shearing edge workability |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2294881A JPS57137453A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Steel plate having dual-phase structure and superior shearing edge workability |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57137453A JPS57137453A (en) | 1982-08-25 |
| JPH0346540B2 true JPH0346540B2 (ja) | 1991-07-16 |
Family
ID=12096838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2294881A Granted JPS57137453A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Steel plate having dual-phase structure and superior shearing edge workability |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57137453A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4885436B2 (ja) * | 2004-10-04 | 2012-02-29 | 東洋鋼鈑株式会社 | 電池の底板用鋼板、電池の底板用表面処理鋼板、それを用いた電池 |
| CN100554479C (zh) * | 2006-02-23 | 2009-10-28 | 株式会社神户制钢所 | 加工性优异的高强度钢板 |
| MX2010010116A (es) | 2008-03-27 | 2010-10-04 | Nippon Steel Corp | Chapa de acero galvanizado de alta resistencia, chapa galvanizada en baño caliente, aleada, de alta resistencia y chapa de acero laminada en frio de alta resistencia las cuales tienen propiedades superiores en moldeabilidad y soldabilidad, y metodo d |
| AU2009234667B2 (en) | 2008-04-10 | 2012-03-08 | Nippon Steel Corporation | High-strength steel sheets which are extremely excellent in the balance between burring workability and ductility and excellent in fatigue endurance, zinc-coated steel sheets, and processes for production of both |
-
1981
- 1981-02-20 JP JP2294881A patent/JPS57137453A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57137453A (en) | 1982-08-25 |
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