JPH034636B2 - - Google Patents
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- JPH034636B2 JPH034636B2 JP8205887A JP8205887A JPH034636B2 JP H034636 B2 JPH034636 B2 JP H034636B2 JP 8205887 A JP8205887 A JP 8205887A JP 8205887 A JP8205887 A JP 8205887A JP H034636 B2 JPH034636 B2 JP H034636B2
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Landscapes
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、チタン、タンタル、ジルコニウムあ
るいはそれらの合金等の弁金属を陽極酸化するに
先立つて行なわれる前処理方法に関し、詳細に
は、真空焼鈍等によつて結晶粒を粗大化させた弁
金属を対象とし、前処理方法を特定することによ
り粗大化結晶粒模様を浮き立たせ、陽極酸化後の
意匠性を高めることに成功した弁金属の陽極酸化
前処理方法に関するものである。尚本発明におい
て弁金属とはチタン、ジルコニウム、タンタルあ
るいはそれらの金属を含む各種合金の如く陽極酸
化処理を施すことによつて表面に反射光の光学的
干渉による発色を呈する酸化物薄膜を形成する金
属を総称するが、以下チタンを代表例として説明
を進める。 [従来の技術] チタンは非常に優れた耐蝕性を有しているとこ
ろから、腐食環境の厳しい地域の建築材料として
注目されている。また最近では、真空焼鈍等によ
り結晶粒の粗大化されたチタンを陽極酸化すると
光学的干渉による美麗な発色を呈し且つその着色
被膜は変・退色等を殆んど生じないという特性が
確認されて以来、建築物の屋根やカーテンウオー
ル、サイン(看板、案内板、表札等)等はもとよ
り屋内インテリアやアクセサリー(ネクタイピ
ン、カフスボタン、ブローチ、ネツクレス等)等
への用途拡大も試みられている。即ち、たとえば
特公昭53−23773号公報にも開示されている様に、
チタンを真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で
900〜1300℃程度に加熱した後徐冷して結晶粒を
0.1〜10mm程度に粗大化せしめ、これを陽極酸化
すると、チタン表面はその酸化物特有の光学屈折
率に由来する光干渉によつて発色する。その色相
は酸化物の膜厚によつて様々に変えることができ
るばかりでなく、当該酸化物被膜は非常に強固且
つ安定で変・退色を起こさないところから、審美
性の要求されるアクセサリーやインテリア等にも
巾広く活用し得るものと考えられる。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら真空焼鈍等に付したチタン板をそ
のまま陽極酸化しても均一且つ美麗な着色が発現
される訳ではなく、実際には酸化物被膜の不均一
さ等によつて着色斑が発生して審美性が損なわれ
たり、あるいは陽極酸化処理を50ボルト以上の高
電圧で行なうと酸化被膜の成長が起こらず、厚膜
化を必要とする紫、青、緑、桃色等の発色が困難
となり、高レベルの審美性が要求されるアクセサ
リー等として実用化されるまでに至つていない。
そこでこうした難点を改善するために熱処理工程
と陽極酸化工程の間に弗酸等による酸洗を行なつ
て表面を活性化させる前処理方法が開発され、審
美性の向上に相当の効果をあげている。 しかるに上記方法では粗大結晶粒による模様の
形成が必ずしも鮮明とは言えず、例えば距離を隔
てて観察すると模様としての見分けが困難になる
という欠点があり、着色チタン板の商品価値を十
分に高めるまでには至つていない。 本発明はこうした事情に着目してなされたもの
であつて、着色斑の発生防止並びに均一且つ多彩
で鮮明な発色の実現等が可能であると共に、これ
らに加えて粗大化結晶粒による模様を鮮明なもの
とし、意匠性並びに審美性の優れた着色チタン
(着色弁金属)を得ることができる様な弁金属の
陽極酸化前処理方法を提供しようとするものであ
る。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成した本発明は、粗大結晶粒を有
する弁金属の陽極酸化前処理方法であつて、該弁
金属を温度:50〜200℃、濃度:20重量%以上の
希硫酸、次いで濃度:2重量%以上の希弗酸で
夫々処理した後、さらに酸洗する点に要旨が存在
する。 [作用] 陽極酸化前処理としての酸洗がある程度有効で
あることは前述の如く周知である。しかしながら
通常実施されている酸洗は、焼鈍工程等でチタン
表面に付着した異物を除去して清浄化すると共
に、陽極酸化されるチタン表面を予め活性化して
おくところに主眼が置かれており、それ以上の効
果を期待して酸洗を実施した例は存在しない。即
ち従来の酸洗には酸洗能力の大きい弗酸を使用す
ることが多いが、弗酸によつてチタン表面を処理
するとチタン表面が全面的に均等且つ大幅に溶解
され、そのこと自体は清浄化並びに活性化という
意味から好都合とは言えても本発明の目的を達成
する上では何ら効果がない。即ち本発明は粗大化
結晶粒に基づく模様を鮮明化することを最大の解
決課題としているが、上記酸洗では粗大結晶粒及
び結晶粒界が均等に溶解されるので粗大結晶粒同
士の境界の鮮明度は変化せず、課題の解決にはな
らない。 これに対し本発明は、結晶粒界を選択的に溶解
して粗大結晶粒模様を浮き上がらせ意匠性を高め
るものであつて、通常の酸洗に先立ち粒界エツチ
ングを行なうものである。即ち酸洗を行なう前
に、粗大結晶粒を有するチタン表面を希硫酸で処
理し、次いで希弗酸で処理する。硫酸殊に希硫酸
は弗酸に比べて酸洗能力が低いが結晶粒界に析出
した鉄分等の不純物及び結晶粒界近傍の鉄分等の
不純物含有量の高いチタンを選択的に溶解する性
質があり、まず希硫酸で処理することによつて結
晶粒界に存在する微量不純物を優先的に溶出せし
めて結晶粒界を鮮明にする。かかる希硫酸による
粒界エツチングには、温度:50〜200℃、濃度:
20重量%以上、好ましくは30〜50重量%の希硫酸
を使用する必要があり、温度が50℃未満では粒界
不純物が溶解せず、一方200℃を超えると希硫酸
が煮沸してミストの発生が著しくなる。又濃度が
20重量%未満であると溶解能力が小さい為に粒界
不純物の溶解に長時間を要する。尚粒界エツチン
グ時間は、特に規定しないが、反応の潜伏時間が
約5分間存在する為10分以上とすることが好まし
く、特に30〜60分が最も好ましい。こうして希硫
酸による粒界エツチングが終了すると、チタン表
面に硫化物スマツト(酸洗生成物)が生成するの
で、これを速やかに除去する為に希弗酸による表
面洗浄(デスマツト)を行なう。希弗酸によるデ
スマツトに際しては、濃度:2重量%以上のもの
を使用する必要があり、濃度2重量%未満ではス
マツトの除去が不可能である。しかしあまりに濃
度が高いと溶解反応が激しすぎる為に結晶粒表面
までも部分的な侵食を受け結晶表面が荒れて陽極
酸化被膜の光沢低下を招来すると共にエツチング
された粒界にスマツト等が入り込んで却つて洗浄
状態が悪化する。これらの理由から希弗酸の濃度
は2重量%%以上とすべきであり、さらに除去効
率を考慮すると10〜15重量%が好ましい。一方デ
スマツト処理温度は、特に規定しないが、40℃以
上では新たなスマツトが発生する為40℃未満殊に
10〜25℃が好ましい。またデスマツト時間はスマ
ツトを除去することができる限り特に制限はない
が、望ましくは30〜60秒が推奨される。 本発明は上記の如く希硫酸による粒界エツチン
グ並びに希弗酸によるデスマツトを行なつた後、
酸洗を行ない、最後に陽極酸化に付すものであ
り、チタン表面の清浄化及び活性化の為に行なわ
れる上記酸洗は従来と同様に行なえばよく具体例
としては弗酸による酸洗を挙げることができる。
又本発明は前処理技術として位置付けられるもの
であつて、その前に行なわれる結晶粒粗大化処理
及び前処理後に行なわれる陽極酸化処理の各条件
には一切制限がなく、公知の条件乃至方法あるい
はそれらの改善技術をそのまま適用することがで
きる。 [実施例] 実施例 1 70×150×0.6(mm)のチタン板を真空中(5.0×
10-5Torr)1200℃で60分間加熱処理して結晶粒
を粗大化させた。このチタン板を40重量%の希硫
酸中で30分間沸騰させながら粒界エツチングし
た。続いて15重量%の常温希弗酸水溶液に60秒間
浸漬したところスマツトが除去されチタン表面が
清浄化された。さらに表面粗さ計により結晶粒界
の深さを測定したところ60μmであつた。次いで
チタン表面を弗酸により活性化した後、1容量%
の燐酸水溶液中でチタン板を対極として20Vの電
圧で陽極酸化を行なつたところ青色に着色した。
該青色チタン板を乾燥後光を照射すると、着色し
た結晶が浮き出て輝いて見えた。 実施例 2 実施例1と同様の方法で真空焼鈍したチタン板
を対象とし、希硫酸濃度、同温度、希弗酸濃度を
夫々変化させて粒界エツチング及びデスマツトを
行ない、以下前記と同様に酸洗活性化並びに陽極
酸化したところ第1表に示す結果が得られた。
るいはそれらの合金等の弁金属を陽極酸化するに
先立つて行なわれる前処理方法に関し、詳細に
は、真空焼鈍等によつて結晶粒を粗大化させた弁
金属を対象とし、前処理方法を特定することによ
り粗大化結晶粒模様を浮き立たせ、陽極酸化後の
意匠性を高めることに成功した弁金属の陽極酸化
前処理方法に関するものである。尚本発明におい
て弁金属とはチタン、ジルコニウム、タンタルあ
るいはそれらの金属を含む各種合金の如く陽極酸
化処理を施すことによつて表面に反射光の光学的
干渉による発色を呈する酸化物薄膜を形成する金
属を総称するが、以下チタンを代表例として説明
を進める。 [従来の技術] チタンは非常に優れた耐蝕性を有しているとこ
ろから、腐食環境の厳しい地域の建築材料として
注目されている。また最近では、真空焼鈍等によ
り結晶粒の粗大化されたチタンを陽極酸化すると
光学的干渉による美麗な発色を呈し且つその着色
被膜は変・退色等を殆んど生じないという特性が
確認されて以来、建築物の屋根やカーテンウオー
ル、サイン(看板、案内板、表札等)等はもとよ
り屋内インテリアやアクセサリー(ネクタイピ
ン、カフスボタン、ブローチ、ネツクレス等)等
への用途拡大も試みられている。即ち、たとえば
特公昭53−23773号公報にも開示されている様に、
チタンを真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で
900〜1300℃程度に加熱した後徐冷して結晶粒を
0.1〜10mm程度に粗大化せしめ、これを陽極酸化
すると、チタン表面はその酸化物特有の光学屈折
率に由来する光干渉によつて発色する。その色相
は酸化物の膜厚によつて様々に変えることができ
るばかりでなく、当該酸化物被膜は非常に強固且
つ安定で変・退色を起こさないところから、審美
性の要求されるアクセサリーやインテリア等にも
巾広く活用し得るものと考えられる。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら真空焼鈍等に付したチタン板をそ
のまま陽極酸化しても均一且つ美麗な着色が発現
される訳ではなく、実際には酸化物被膜の不均一
さ等によつて着色斑が発生して審美性が損なわれ
たり、あるいは陽極酸化処理を50ボルト以上の高
電圧で行なうと酸化被膜の成長が起こらず、厚膜
化を必要とする紫、青、緑、桃色等の発色が困難
となり、高レベルの審美性が要求されるアクセサ
リー等として実用化されるまでに至つていない。
そこでこうした難点を改善するために熱処理工程
と陽極酸化工程の間に弗酸等による酸洗を行なつ
て表面を活性化させる前処理方法が開発され、審
美性の向上に相当の効果をあげている。 しかるに上記方法では粗大結晶粒による模様の
形成が必ずしも鮮明とは言えず、例えば距離を隔
てて観察すると模様としての見分けが困難になる
という欠点があり、着色チタン板の商品価値を十
分に高めるまでには至つていない。 本発明はこうした事情に着目してなされたもの
であつて、着色斑の発生防止並びに均一且つ多彩
で鮮明な発色の実現等が可能であると共に、これ
らに加えて粗大化結晶粒による模様を鮮明なもの
とし、意匠性並びに審美性の優れた着色チタン
(着色弁金属)を得ることができる様な弁金属の
陽極酸化前処理方法を提供しようとするものであ
る。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成した本発明は、粗大結晶粒を有
する弁金属の陽極酸化前処理方法であつて、該弁
金属を温度:50〜200℃、濃度:20重量%以上の
希硫酸、次いで濃度:2重量%以上の希弗酸で
夫々処理した後、さらに酸洗する点に要旨が存在
する。 [作用] 陽極酸化前処理としての酸洗がある程度有効で
あることは前述の如く周知である。しかしながら
通常実施されている酸洗は、焼鈍工程等でチタン
表面に付着した異物を除去して清浄化すると共
に、陽極酸化されるチタン表面を予め活性化して
おくところに主眼が置かれており、それ以上の効
果を期待して酸洗を実施した例は存在しない。即
ち従来の酸洗には酸洗能力の大きい弗酸を使用す
ることが多いが、弗酸によつてチタン表面を処理
するとチタン表面が全面的に均等且つ大幅に溶解
され、そのこと自体は清浄化並びに活性化という
意味から好都合とは言えても本発明の目的を達成
する上では何ら効果がない。即ち本発明は粗大化
結晶粒に基づく模様を鮮明化することを最大の解
決課題としているが、上記酸洗では粗大結晶粒及
び結晶粒界が均等に溶解されるので粗大結晶粒同
士の境界の鮮明度は変化せず、課題の解決にはな
らない。 これに対し本発明は、結晶粒界を選択的に溶解
して粗大結晶粒模様を浮き上がらせ意匠性を高め
るものであつて、通常の酸洗に先立ち粒界エツチ
ングを行なうものである。即ち酸洗を行なう前
に、粗大結晶粒を有するチタン表面を希硫酸で処
理し、次いで希弗酸で処理する。硫酸殊に希硫酸
は弗酸に比べて酸洗能力が低いが結晶粒界に析出
した鉄分等の不純物及び結晶粒界近傍の鉄分等の
不純物含有量の高いチタンを選択的に溶解する性
質があり、まず希硫酸で処理することによつて結
晶粒界に存在する微量不純物を優先的に溶出せし
めて結晶粒界を鮮明にする。かかる希硫酸による
粒界エツチングには、温度:50〜200℃、濃度:
20重量%以上、好ましくは30〜50重量%の希硫酸
を使用する必要があり、温度が50℃未満では粒界
不純物が溶解せず、一方200℃を超えると希硫酸
が煮沸してミストの発生が著しくなる。又濃度が
20重量%未満であると溶解能力が小さい為に粒界
不純物の溶解に長時間を要する。尚粒界エツチン
グ時間は、特に規定しないが、反応の潜伏時間が
約5分間存在する為10分以上とすることが好まし
く、特に30〜60分が最も好ましい。こうして希硫
酸による粒界エツチングが終了すると、チタン表
面に硫化物スマツト(酸洗生成物)が生成するの
で、これを速やかに除去する為に希弗酸による表
面洗浄(デスマツト)を行なう。希弗酸によるデ
スマツトに際しては、濃度:2重量%以上のもの
を使用する必要があり、濃度2重量%未満ではス
マツトの除去が不可能である。しかしあまりに濃
度が高いと溶解反応が激しすぎる為に結晶粒表面
までも部分的な侵食を受け結晶表面が荒れて陽極
酸化被膜の光沢低下を招来すると共にエツチング
された粒界にスマツト等が入り込んで却つて洗浄
状態が悪化する。これらの理由から希弗酸の濃度
は2重量%%以上とすべきであり、さらに除去効
率を考慮すると10〜15重量%が好ましい。一方デ
スマツト処理温度は、特に規定しないが、40℃以
上では新たなスマツトが発生する為40℃未満殊に
10〜25℃が好ましい。またデスマツト時間はスマ
ツトを除去することができる限り特に制限はない
が、望ましくは30〜60秒が推奨される。 本発明は上記の如く希硫酸による粒界エツチン
グ並びに希弗酸によるデスマツトを行なつた後、
酸洗を行ない、最後に陽極酸化に付すものであ
り、チタン表面の清浄化及び活性化の為に行なわ
れる上記酸洗は従来と同様に行なえばよく具体例
としては弗酸による酸洗を挙げることができる。
又本発明は前処理技術として位置付けられるもの
であつて、その前に行なわれる結晶粒粗大化処理
及び前処理後に行なわれる陽極酸化処理の各条件
には一切制限がなく、公知の条件乃至方法あるい
はそれらの改善技術をそのまま適用することがで
きる。 [実施例] 実施例 1 70×150×0.6(mm)のチタン板を真空中(5.0×
10-5Torr)1200℃で60分間加熱処理して結晶粒
を粗大化させた。このチタン板を40重量%の希硫
酸中で30分間沸騰させながら粒界エツチングし
た。続いて15重量%の常温希弗酸水溶液に60秒間
浸漬したところスマツトが除去されチタン表面が
清浄化された。さらに表面粗さ計により結晶粒界
の深さを測定したところ60μmであつた。次いで
チタン表面を弗酸により活性化した後、1容量%
の燐酸水溶液中でチタン板を対極として20Vの電
圧で陽極酸化を行なつたところ青色に着色した。
該青色チタン板を乾燥後光を照射すると、着色し
た結晶が浮き出て輝いて見えた。 実施例 2 実施例1と同様の方法で真空焼鈍したチタン板
を対象とし、希硫酸濃度、同温度、希弗酸濃度を
夫々変化させて粒界エツチング及びデスマツトを
行ない、以下前記と同様に酸洗活性化並びに陽極
酸化したところ第1表に示す結果が得られた。
【表】
[発明の効果]
本発明は上記の通り構成されており、結晶粒を
粗大化させた弁金属に陽極酸化を施すに先立ち、
結晶粒界を優先的にエツチングして結晶粒模様を
浮き立たせることができるので、本発明方法の適
用により意匠性の高い着色チタンを提供すること
ができる。
粗大化させた弁金属に陽極酸化を施すに先立ち、
結晶粒界を優先的にエツチングして結晶粒模様を
浮き立たせることができるので、本発明方法の適
用により意匠性の高い着色チタンを提供すること
ができる。
Claims (1)
- 1 粗大結晶粒を有する弁金属の陽極酸化前処理
方法であつて、該弁金属を温度:50〜200℃、濃
度:20重量%以上の希硫酸、次いで濃度:2重量
%以上の希弗酸で夫々処理した後、さらに酸洗す
ることを特徴とする弁金属の陽極酸化前処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8205887A JPS63247397A (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 弁金属の陽極酸化前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8205887A JPS63247397A (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 弁金属の陽極酸化前処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63247397A JPS63247397A (ja) | 1988-10-14 |
JPH034636B2 true JPH034636B2 (ja) | 1991-01-23 |
Family
ID=13763909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8205887A Granted JPS63247397A (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 弁金属の陽極酸化前処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63247397A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5334573A (en) * | 1991-12-02 | 1994-08-02 | Polaroid Corporation | Sheet material for thermal transfer imaging |
-
1987
- 1987-04-02 JP JP8205887A patent/JPS63247397A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63247397A (ja) | 1988-10-14 |
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