JPH0345810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、印刷機におけるインキの消泡装置
に関するものである。

［従来の技術］ 圧胴とこれに圧接した版胴との間に紙を通過さ
せて適宜の印刷を施すようにしたフレキソ印刷機
においては、インキフアンテンとサブタンクとの
間に循環路を設け、その循環路に設けたポンプの
駆動によりインキを循環させてインキ粘度の安定
化を図り、上記インキフアンテンのインキをイン
キ供給ユニツトローラを介して版胴の版面に供給
するようにしている。

上記のようなフレキソ印刷においては、インキ
の内部摩擦や高速時のインキロール間比等の原因
によつてインキフアンテンおよびサブタンクにお
いてインキが発泡することが多く、そのインキの
発泡のため版胴の版面に対するインキの供給が不
均一になり、鮮明な印刷物を得ることができない
など、印刷トラブルの原因となつている。

［考案が解決しようとする問題点］ その対策として、従来は、インキフアンテンお
よびサブタンクに適当な脱泡剤を供給して発泡を
抑制し、かつ消泡するようにしているが、インキ
量に対する脱泡剤の混合量を正確に規制すること
はきわめて困難であり、上記脱泡剤の入れすぎの
ため、インキの性状変化が生じるなどの不都合が
ある。

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、発
泡インキの気泡の除去を容易とすることを技術的
課題としている。

［問題点を解決するための手段］ 上記の課題を解決するために、この考案は、イ
ンキフアンテンとサブタンクの少なくとも一方
に、高周波発振器によつて駆動される超音波振動
子を設けた構成としたものである。

［作 用］ 上記の構成から成る印刷機において、振動子を振
動することによつて、インキフアンテンまたはサ
ブタンクに超音波振動を付与することができるた
め、その振動によつてインキに浮遊する気泡を破
壊することができ、インキの発泡による印刷トラ
ブルの発生を防止することができる。

［実施例］ 図示のように、インキフアンテン１とその下方
に配置されたサブタンク２との間にはインキ循環
パイプ３が設けられ、その循環パイプ３の供給路
ａにポンプ４が接続されている。

いま、ポンプ４を駆動すると、サブタンク２内の
インキがインキフアンテン１に供給され、インキ
フアンテン１をオーバーフローしたインキが返還
路ｂからサブタンク２内に還流され、そのインキ
の循環によつてインキ粘度の安定化が図られる。

上記インキフアンテン１のインキは、インキ供
給ユニツトローラ５を介して版胴６の版面に供給
される。

実施例で示すインキ供給ユニツトローラ５は、
インキフアンテン１のインキ中にフアンテンロー
ラ５ａの一部をつけ、そのフアンテンローラ５ａ
にホームローラ（アニロツクスローラ）５ｂを接
触させてフアンテンローラ５ａの回転により、そ
の外周に付着するインキをホームローラ５ｂに転
写し、そのホームローラ５ｂから版胴６の版面に
供給するようにしているが、インキ供給ユニツト
ローラ５の構成はこれに限定されず、例えば、イ
ンキフアンテンのインキにホームローラの一部を
漬け、そのホームローラの外周面に圧接したドク
タブレードによつて余分なインキを除去するよう
にしたものであつてもよい。

上記のようなインキ供給ユニツトローラ５によ
るインキの供給時において、インキフアンテン１
のインキ表面に気泡が浮遊すると、その気泡がフ
アンテンローラ５ａやホームローラ５ｂに付着し
て版胴６の版面に対してインキを均一に供給する
ことができず、印刷トラブルの原因となる。この
ような気泡は、前述のように、インキの内部摩擦
等が原因するため、インキフアンテン１やサブタ
ンク２のインキ中に生じ、インキフアンテン１内
のインキが発泡しない場合でも、サブタンク２内
のインキが発泡し、その気泡がインキフアンテン
１に送り込まれる場合がある。

この考案は、インキの発泡による印刷トラブル
の発生を防止するため、インキフアンテン１およ
びサブタンク２に、高周波発振器によつて駆動さ
れる超音波振動子７を取付け、その超音波振動子
７によつてインキフアンテン１およびサブタンク
２内のインキに超音波振動を付与し、その振動に
よつてインキ表面に浮遊する気泡を破壊するよう
にしている。

上記のような超音波振動子７は、インキフアン
テン１とサブタンク２のいずれか一方に取付ける
ようにしてもよい。

実施例の場合は、フレキソ印刷機のインキ供給
系統に気泡の消泡装置を設けるようにしたが、印
刷機の形式はこれに限定されず、例えばグラビア
印刷機のインキ供給系統に消泡装置を設けるよう
にしてもよい。

［効 果］ 以上のように、この考案によれば、インキフア
ンテンとサブタンクの少なくとも一方に超音波振
動子を取付け、その振動子を振動してインキに超
音波振動を付与するようにしたので、インキに性
状変化を起こさせることなくインキ表面に浮遊す
る気泡を除去することができ、気泡の発生による
印刷トラブルの発生を未然に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案に係る装置の一実施例を示す概
略図である。 １……インキフアンテン、２……サブタンク、
５……インキ供給ユニツトローラ、７……超音波
振動子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インキフアンテンとサブタンクとの間にインキ
   循環装置を設け、上記インキフアンテンのインキ
   をインキ供給ユニツトローラを介して版胴の版面
   に供給するようにした印刷機において、前記イン
   キフアンテンとサブタンクの少なくとも一方に高
   周波発振器によつて駆動される超音波振動子を取
   付けたことを特徴とする印刷機におけるインキの
   消泡装置。