JPH0345771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はゴム、合成樹脂等を成形する真空式成
形プレスに関する。

（従来の技術） 近年、金型と生地との間にガスを噛み込み不良
品が発生するのを避けるため真空室内で生地を圧
縮成形する型の真空式の成形プレスが普及してき
ているが、周知の如く例えばゴムを加硫成形する
場合にはゴムの加硫温度迄金型の温度を上げる必
要があり、此の場合上側の金型は機枠に固定した
熱盤により上側より密着伝熱せしめて金型の温度
を上げていた。しかしながら近来は更に上金型の
清掃、生地の充填、成形品の取出し等の作業をし
易くするため、金型を作業者の方へ引出す方式が
採用されてきている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上述の従来品は、金型の清掃、生地の
充填、成形品の取出し、等で金型を作業者側へ引
出した場合、金型が機枠に固定した熱盤と完全に
分離し移動するために引出し時には金型の温度が
急激に低下し、しかも熱盤の熱は表面積の広い、
即ち放熱面積の大きな引出し板を介して金型に伝
達されていたために熱損失が大きく、熱効率が悪
い大きな問題点を有していた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の問題点を解決すべく、研究の結
果従来機枠に固定せしめていた熱盤を、移動する
引出し板のしかも真空枠中に設けることにより、
熱損失を少なくし、熱効率の改善を計つたもので
ある。以下本考案を図面に基づいて説明すると、
１は略逆立ちコ字形に形成した機枠である。２，
２は機枠１の内側面に、内側に突出せしめて、左
右方向に設けた案内レールである。３は案内レー
ル２，２上を走行する車輪４，４…を四隅に設け
た引出し板である。５，５は下端部を前記引出し
板３の一端側に各々枢着した引出し板のターン用
リンクである。６はターン用リンク５の上半部に
切欠き形成したターン溝である。７はターン溝６
中に遊嵌したピンで機枠１より横方向に突出せし
めた支柱８に植設する。９は引出し板３の進行方
向（第１図において左右方向）と略平行に設けた
引出し用の油圧シリンダーで、油圧シリンダーの
伸縮軸先端部を前記ターン用リンク５を設けた位
置の反対側の引出し板３の端部に枢着する。１０
は引出し板３の下面側に下向きに縦断面略コ字形
に装着した真空基枠で、下半部の四方側面を上側
真空枠１１で包囲する。１２，１２は引出し板３
の油圧シリンダー９を設けた一端側の左右外側位
置に鉛直方向に設けた引出しガイド板で、上端側
は引出し板３の端部に鉛直方向に固着する。１３
は引出しガイド板１２の下半部に切欠き形成した
引出し板降下溝である。１４は真空基枠１０内の
下面側に固着した上側断熱板である。１５は上側
断熱板１４の下面側に装着した上側熱盤である。
１６は上側熱盤１５の下面側に設けた上側金型で
ある。１７は真空枠１１の下側に真空枠１１と対
向して上向きに四方側面を包囲した下側真空枠１
８を上面に垂立せしめた下側引出し板で、一端部
を前記引出し板降下溝１３中に上下に滑動自在に
遊嵌する。１９は下側引出し板１７の上面側に固
定した下側断熱板である。２０は下側断熱板１９
の上面に装着した下側熱盤である。２１は下側熱
盤２０の上面側に固着した下側金型である。２２
は下側金型２１上に供給した生地である。２３は
下側引出し板１７の下側に設けたテーブルで、２
４はテーブル２３の押上用ラムである。

（作用） 次に本考案の作用に就いて述べると、テーブル
２３で下側より押上げ下側金型２１と上側金型１
６間で生地２２を周知の如く押圧加熱成形し、こ
れが終了した後テーブル２３を下降せしめ油圧シ
リンダー９に付勢して伸縮軸を伸長すると引出し
板３の車輪４，４…が案内レール２上を回転移動
し、引出し板３がターン用リンク５側（第１図に
おいて左方）へ移動するため、引出し板３の下側
に設けられている真空基枠１０上側断熱板１４、
上側熱盤１５、上側金型１６、真空枠１１は勿論
のこと引出しガイド板１２を介して下側引出し板
１７、下側断熱板１９、下側熱盤２０、下側金型
２１、生地２２は一斉に移動する。引出し板３の
移動に伴いターン用リンク５の下端側も左方に移
動し、ターン溝６も滑動してピン７は除々にター
ン溝６の上端部に到達し、更に油圧シリンダー９
の横押力が加わるとターン用リンク５の下端部は
ピン７を中心にそれ以上は横方向に進めないため
に上昇方向に転向し、引出し板３の左端側もター
ン用リンク５の上昇と共に除々に斜め上方向に上
昇し、第２図に示す如く、ターン用リンク５、引
出し板３、真空基枠１０、上側断熱板１４、上側
熱盤１５、上側金型１６、真空枠１１は一斉に斜
め上方向に傾斜した状態とすることが出来、此の
状態で、上側金型１６の掃除、成形品の取出し、
生地２２の充填を行なう。

（考案の効果） 本考案を実施すると、成形工程が終了し、成形
品を取出す時には、下側金型２１は機枠１より前
方に（第１図において左方）引出して、成形品の
取出し、生地の充填作業を容易にし、且上側金型
１６は作業者側に向かつて斜め上方向の掃除等が
しやすい状態となり、しかもこの機枠１から金型
が離れた状態の時でも、常に熱盤と金型は何時で
もしつかりと付着していて熱盤の熱は直接金型に
常に連続して伝えられ、又、上下の熱盤、金型と
も真空枠で各々周囲を囲まれているため、成形中
は真空雰囲気にあり、熱の大気への拡散が著しく
減少し、熱損失が少なく、熱効率の良好な真空式
成形プレスが得られる考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図は上下金型を
引出した場合を示す正面図、第３図は右側面図で
ある。 １……機枠、２……案内レール、３……引出し
板、４……車輪、５……ターン用リンク、６……
ターン溝、７……ピン、８……支柱、９……油圧
シリンダー、１０……真空基枠、１１……真空
枠、１２……引出しガイド板、１３……引出し板
降下溝、１４……上側断熱板、１５……上側熱
盤、１６……上側金型、１７……下側引出し板、
１８……下側真空枠、１９……下側断熱板、２０
……下側熱盤、２１……下側金型、２２……生
地、２３……テーブル、２４……押上用ラム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠中に横方向より駆動シリンダーを連結させ
   て横方向に押引移動する引出し板を設け、引出し
   板の前記駆動シリンダーを設けた側と反対側の端
   部に、上半部にターン溝を穿設したターン用リン
   クを回転自在に枢着し、前記ターン溝中に支柱に
   植設したピンを遊嵌してターン用リンクを斜め方
   向に吊着し、引出し板の下側に四角形の筒状に形
   成した真空枠を設けると共に真空枠で四方を包囲
   した内側に熱盤と金型を密着装着し、引出し板の
   一端左右に引出しガイド板を鉛直方向に設け、引
   出しガイド板の下半部に前記引出し板の下側位置
   に引出し板と対向して上向きに四角形の筒状に形
   成して前記真空枠の下端面と密着させる下側真空
   枠を設けた下側引出し板の一端を上下に滑動自在
   に遊嵌し、下側真空枠中に下側熱盤と下側金型を
   密着して設け、前記真空枠と下側真空枠とによつ
   て真空室を形成したことを特徴とする真空式成形
   プレス。