JPH0345011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス瞬間式給湯装置に関し、バーナー
に送風する送風用フアンの制御に関する。

（従来の技術） 従来において、燃焼と消火を繰り返して間歇的
にバーナーを燃焼させるガス瞬間式給湯装置があ
る。

この給湯装置では、一つの熱交換器に対して、
能力の異なる小容量バーナーと大容量バーナーと
が配備され、必要熱負荷が予め設定した所定燃焼
量以下の場合、少なくとも小容量のバーナーを燃
焼と消火を繰り返して間歇的に燃焼させ、きめの
細かい制御を行う構成である。また、熱交換器出
口を給湯器具に連絡する給湯管路と熱交換器出口
を給水源に連絡する給水管路との間には、ポンプ
を備える戻り管路が接続され、給湯停止時（保温
時）は、上記熱交換器出口、給湯管路、戻り管
路、給水管路、熱交換器入口よりなる循環系路で
水を循環流動させ、少なくとも小容量バーナー
を、所定時間内で燃焼と消火を繰り返し燃焼時間
と消火時間との比で燃焼させることにより、循環
水を所定温度に維持して保温する構成である。さ
らに、上記熱交換器には、双方にバーナーに送風
する送風用のフアンが配備され、このフアンは双
方のバーナーの最大燃焼時に必要な空気を供給で
きる容量のものを用いて構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記従来の給湯装置においては、送
風用フアンが双方のバーナーの最大燃焼時に対応
できる大きな容量のものを用いているとともに、
バーナーの間歇燃焼中でもフアンから同一の送風
量が送風されるため、特に給湯が停止される保温
時では、間歇燃焼中の消火中に、フアンからの送
風によつて放熱して循環水が冷却されるおそれが
あり、保温性能が低下する不具合があつた。

そこで、本考案では、バーナーの間歇燃焼中の
消火が所定時間持続したときには、消火時にフア
ンの駆動を停止することにより、送風に伴う放熱
を低減し保温性能を向上することを目的としてい
る。

（問題点の解決手段） 本考案のガス瞬間式給湯装置は、一つの熱交換
器に対して能力の異なる小容量および大容量のバ
ーナーと、双方のバーナーに送風するフアンを備
え、必要熱負荷が予め設定した所定燃焼量以下の
時および保温時に少なくとも小容量バーナーを間
歇的に燃焼させる構成の給湯装置において、小容
量バーナーの消火時間の長短に応じて間歇燃焼中
のフアンの駆動、停止を制御する間歇燃焼制御手
段を備えたことを特徴とする。

（作用） 間歇燃焼制御手段は間歇燃焼中にある小容量バ
ーナーの消火時間の長短に応じてフアンの駆動、
停止を制御するので、消火時間が所定時間継続し
たときにはフアンを停止させる。したがつて、保
温時等において送風により循環水が冷却されるの
を防止するので、保温性能が向上する。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図においてＧは給湯器、１は熱交換器、２
は熱交換器出口を水栓等の給湯器具３に連絡する
給湯管路、４は熱交換器入口を給水源に連絡する
給水管路、５ａは小容量のバーナー、５ｂは大容
量のバーナー、６ａ，６ｂはバーナー５ａのガス
配管７ａに設けられた電磁弁および比例制御弁、
８ａ，８ｂはバーナー５ｂのガス配管７ｂに設け
られた電磁弁および比例制御弁、９，９ａはバー
ナー５ａ，５ｂの燃焼を制御するコントローラお
よびこれに内蔵されたマイクロプロセツサ、１
０，１１は送風用のフアンおよびフアン駆動回
路、１２は元電磁弁である。

前記給湯管路２はその上流側に熱交換器１から
の給湯温度を検出する出湯温度センサ１３が設け
られ、且つ下流側において戻り管路１４が分岐さ
れている。

戻り管路１４はポンプＰを備え、且つ前記給水
管路４の中途部に接続されている。しかして、こ
の戻り管路１４を介して給湯管路２と給水管路４
とが連絡されることにより、給湯停止時において
水を保温するために循環させる循環系路が構成さ
れるものである。

また、給水管路４にはその上流側より同管路４
を流れる水量を検出する水量センサ１５と、熱交
換器１への入水温度を検出する入水温度センサ１
６とが設けられ、給水管路４の戻り管路１４との
接続部より上流側には、給湯時と給湯停止時とを
検出する水流センサＳが配設され、給湯時におけ
る給水源から熱交換器１への水の流動を感知して
作動し、検出信号Ｄをマイクロプロセツサ９ａへ
送出するようになつている。

尚、水流センサＳは戻り管路１４に設けてもさ
しつかえない。

コントローラ９は温度設定ダイヤル１９を備
え、マイクロプロセツサ９ａを内蔵している。マ
イクロプロセツサ９ａは、上記電磁弁６ａ，８
ａ、比例制御弁６ｂ，８ｂ、出湯温度センサ１
３、ポンプＰ、水量センサ１５、入水温度センサ
１６と電気的に接続し、ポンプＰへ信号Ｅを送つ
て同ポンプＰを駆動させる一方、前記各センサ１
３，１５，１６，Ｓからの信号Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを
受けて給湯時と水を保温する給湯停止時とにおけ
る必要熱量を演算し、この必要熱量の大きさに基
づいて小容量のバーナー５ａか又は大容量のバー
ナー５ｂを選択する。そして、小容量のバーナー
５ａを選択した場合において、必要熱負荷が予め
設定した所定燃焼量以下のときにはその必要燃焼
量に応じて、燃焼と消火を繰り返す間歇燃焼で小
容量バーナー５ａが制御される。そして、この間
歇燃焼では給湯時と給湯停止時とでは異なる周期
で制御されている。この間歇燃焼制御するコント
ローラ９を第２図に示すように、水量センサ１５
からの出力に基づき水量信号を送出する水量検出
回路２０と、入水温度センサ１６、出湯温度セン
サ１７からの検出信号および温度設定ダイヤル１
９の電気信号をデイジタル信号に変換するＡ／Ｄ
変換回路２１と、マイクロプロセツサ９ａと、フ
アン駆動回路１１と、電磁弁駆動回路２２および
イグナイタ駆動回路２３とを備えた構成である。
マイクロプロセツサ９ａは、同図に示すように、
水量検出回路２０の水量信号から水量Ｑを得る水
量データ変換手段２４と、Ａ／Ｄ変換回路２１の
出力から入水温度T_Cおよび出湯温度T_Hを得る温
度データ変換手段２５と、出湯温度T_Hの所定時
間内の平均値T_HAを演算する出湯温度平均値演算
手段２６とを備えている。さらに水量Ｑ、入水温
度T_C、設定温度T_Sにより必要熱負荷F₁（以下、フ
イードフオワード必要熱負荷と称する）を演算す
る要求熱負荷演算手段２７と、出湯温度平均値
T_HA、設定温度T_S、水量Ｑ、比例ゲインとにより
間歇燃焼時の必要熱負荷F₂（以下、間歇フイード
バツク必要熱負荷と称す）を演算する間歇フイー
ドバツク量演算手段２８と、これら双方の要求熱
負荷F₁とF₂とを加えた最終的な要求熱負荷Ｆに
基づいて間歇燃焼制御する周期t₁およびパルス巾
t₂を演算する間歇周期演算手段２９と、所定時間
Ｘを予め設定する間歇用時間処理手段３０と、間
歇周期演算手段２９から周期t₁およびパルス巾t₂
に基づいて、電磁弁駆動回路２２およびイグナイ
タ駆動回路２３に制御信号を送出するとともに、
間歇燃焼時の消火時間の長短に応じてフアン駆動
信号とフアン駆動停止信号をフアン駆動回路１１
に送出する間歇燃焼制御手段３１とを備えてい
る。なお、上記イグナイタ駆動回路２３は間歇燃
焼制御時に、電磁弁６ａのオンオフに伴つて小容
量バーナー５ａに着火するようにイグナイタを駆
動する。

このようなガス瞬間式給湯装置では、第３図に
示すフローチヤートに従い制御される。このフロ
ーチヤートでは、小容量バーナー５ａを間歇燃焼
制御する場合を示している。即ち、ステツプP₁
では保温運転か否かを判別し、否定の場合には保
温運転を検出するまでこれを繰り返し、保温運転
である場合にはステツプP₂に進む。保温運転か
どうかは、水流センサＳからの信号Ｄの有無によ
り出湯状態か、保温運転即ち出湯停止状態かが判
別される。ステツプP₂においては、間歇周期演
算手段２９からの間歇周期t₁とパルス巾t₂に基づ
いて得られる消火時間t₃が、設定された所定時間
Ｘより大きいかが判別され、t₃＞Ｘでない場合に
はステツプP₃において間歇燃焼制御手段３１か
らフアン駆動回路１１にフアン駆動信号が送出さ
れ、フアン１０が駆動される。t₃＞Ｘの場合に
は、間歇燃焼制御手段３１からフアン駆動停止信
号が送出されフアン１０の駆動が停止される。こ
のように、本実施例では、保温運転時での間歇周
期内の消火時間が所定時間持続するときにフアン
の駆動が停止される。したがつて、従来の如く保
温運転時にフアン１０からの送風により熱交換器
１から放熱されることがなくなり、保温性能を向
上でき、その結果、燃料の浪費がなくなり、燃費
が向上する。

また、フアン駆動停止の判別としては、上述し
た第３図に限らず、第４図のフローチヤートの如
く処理することもできる。即ちステツプP₁で保
温運転の場合には、ステツプP₂において、間歇
燃焼時の消火中かどうかが判別される。つまり、
間歇燃焼での各消火時毎に判別される。そして、
ステツプP₃において、各消火時間が判別を要し
た時間を除く残りの時間が所定時間X′よりも大
きいかを判別し、大きい場合にステツプP₄にお
いてフアンを駆動停止し、小さい場合にはフアン
を駆動するようにしている。したがつて、この場
合には各消火時毎にフアン駆動の判別ができるの
で、先の実施例に加え、きめの細かい制御ができ
る。

尚、第３図及び第４図では保温運転についての
フローチヤートを示したが、給湯時における間歇
燃焼についても同様であり、第３図及び第４図に
おいて、保温運転か、間歇燃焼かに変えたフロー
とすればよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、間歇燃焼
時の消火時間に応じてフアンの駆動、停止を制御
する間歇燃焼制御手段を備えたので、間歇燃焼及
び保温運転における消火時での放熱が低減され、
保温性能を高めることができるとともに燃費の向
上および電力の浪費を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例に係り、
第１図はその概略構成図、第２図はコントローラ
内部主要部のブロツク構成図、第３図はフアン駆
動停止処理の概略を示すフローチヤート、第４図
は他の実施例に係るフアン駆動停止処理の概略を
示すフローチヤートである。 図面中、１は熱交換器、５ａ，５ｂは小容量お
よび大容量のバーナー、９ａはマイクロプロセツ
サ、１０はフアンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一つの熱交換機に対して、能力の異なる小容量
   バーナーおよび大容量バーナーと、これら双方の
   バーナーに送風するフアンとが配備され、必要熱
   負荷が予め設定した所定燃焼量以下の時および保
   温時に少なくとも前記小容量バーナーを燃焼と消
   火を繰り返して間歇的に燃焼させるガス瞬間式給
   湯装置において、間歇燃焼中のフアンの駆動、停
   止を消火時間の長短に応じて制御する間歇燃焼制
   御手段を備えたことを特徴とするガス瞬間式給湯
   装置。