JPH0344304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は塗装装置に関し、さらに詳しくは塗装
機へ供給する塗料を空気圧により作動される流量
調整弁を介して供給するようにした塗装装置に関
する。

〔従来の技術〕 従来の塗装装置は、第３図に示されるように、
塗料供給源１と、流量調整弁２と、開閉弁３を取
付けたマニホールド４と、塗料ホース５と、トリ
ガーバルブ６を取付けたマニホールド７と、塗料
ホース８と、塗装機９とからなるものであつた。
流量調整弁２は空気圧により作動されるタイプの
ものであり、その作動空気圧が図示しない空気供
給源から電空変換器１０を介して供給されてい
た。電空変換器１０は、電子制御装置１１及び
Ｄ／Ａコンバータ１２から受けた電気信号を圧力
信号に変換するものである。第４図には、制御装
置１１から出力されるビツト信号と流量調整弁２
へ供給される制御空気圧との関係が示され、第５
図には、同様に制御装置１１から出力されるビツ
ト信号と流量調整弁２を通る塗料の吐出量との関
係が示される。第４図と第５図から明らかなよう
に、塗料の吐出量は制御空気圧に対応する。尚、
Ａ，Ｂ，Ｃは使用される電空変換器のタイプを示
すものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

塗装工程中には、実際に塗装を行つているとき
と、色替えを行うときとが含まれ、特に色替えは
短時間のうちに終了させるのがラインの効率上有
利である。色替えのためには寸吹き操作により塗
料ホース５内に短時間のうちに次色を充満させる
必要があり、このためには例えば500c.c.／min以
上の高吐出量を供給できるＡタイプの電空変換器
を使用しなければならなかつた。ところが、実際
の塗装作業時には例えば100〜400c.c.／minの中吐
出量の範囲で使用されており、この場合にはＢタ
イプの電空変換器を使用すれば十分である。それ
にもかかわらず、前述した色替え操作のためにＡ
タイプの電空変換器を使用しなければならなかつ
た。その結果、高吐出量のＡタイプの電空変換器
を用いて中吐出量の範囲で塗装を行うことにな
り、実際の塗装時の制御範囲が狭くなつて吐出量
の変動が大きくなるという問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による塗装装置は、複数個の塗料供給源
と、前記複数個の塗料供給源と第１のマニホール
ドを接続する管路にそれぞれ設けられた複数個の
流量調整弁と、前記第１のマニホールドに設けら
れた洗浄エアバルブ及び洗浄シンナーバルブと、
前記第１のマニホールドにトリガーバルブを介し
て接続された第２のマニホールドと、前記第２の
マニホールドに洗浄バルブを介して接続された第
３のマニホールドと、前記第３のマニホールドに
設けられたソフトエアバルブ及びソフトシンナー
バルブと、前記第２のマニホールドに接続された
ベルカツプと、空気圧源と、前記空気圧源に接続
された電空変換器と、同じく前記空気圧源に管路
に接続された圧力調整弁及び電磁弁と、前記電空
変換器と前記圧力調整弁及び電磁弁とを択一的に
前記複数個の流量調整弁へ接続するシヤトル弁と
を、それぞれ備えていることを特徴とするもので
ある。

〔実施例〕

第１図は本考案による空気圧供給手段を示し、
第２図は塗装装置の本体部分を示している。参照
記号１から１２は第３図の構成要素にほぼ対応し
ている。塗装機９はミニベルと呼ばれる回転式静
電塗装機の例で示されている。塗装機９はスタン
ド２０及びブラケツト２１に支持された本体９ａ
と、本体９ａの先端に回転可能に取付けられたベ
ルカツプ９ｂとを具備し、ベルカツプ９ｂには静
電塗装のために高電圧が印加されるようになつて
いる。マニホールド４はスタンド２２に支持され
たケースであり、カラーバルブ３ａ，３ｂ、洗浄
エアバルブ２３及び洗浄シンナーバルブ２４を装
備している。これらの各バルブはそれぞれの塗料
供給源及び流体源に接続されるとともに、パイロ
ツトエアによりその開閉を制御されるようになつ
ている。即ち、洗浄エアバルブ２３は塗装装置を
洗浄するために高圧の空気圧源（図示せず）に接
続され、洗浄シンナーバルブ２４は同様にシンナ
ー供給源に接続される。そして、カラーバルブ３
ａ，３ｂはそれぞれ流量調整弁２ａ，２ｂを介し
てＡ色及びＢ色の塗料供給源１ａ，１ｂに接続さ
れる。流量調整弁２ａ，２ｂはホース２５により
供給される空気圧により作動されるダイヤフラム
を有し、供給された空気量に応じて塗料の吐出量
を調整する（以下、流量調整弁２ａ，２ｂをエア
オペレートレギユレータと呼ぶ）。

さらに、マニホールド７が塗装機本体９ａに取
付けられ、このマニホールド７はトリガーバルブ
６、ダンプバルブ２６、洗浄バルブ２７を装備し
ている。マニホールド４とマニホールド７の間を
塗料ホース５が接続し、さらにマニホールド７と
ベルカツプ９ｂとの間をフイードチユーブ２８が
接続している。ダンプバルブ２６はホース２９に
より排液タンク（図示せず）に接続される。又、
洗浄バルブ２７はソフトエアバルブ３０とソフト
シンナーバルブ３１を装備したマニホールド３２
に接続される。これらのソフトエアバルブ３０及
びソフトシンナーバルブ３１はそれぞれマニホー
ルド４の洗浄エアバルブ２３及び洗浄シンナーバ
ルブ２４と同様に、しかしながらより低圧のそれ
ぞれの流体源に接続される。そして、トリガーバ
ルブ６、ダンプバルブ２６、洗浄バルブ２７、ソ
フトエアバルブ３０、ソフトシンナーバルブ３１
も、パイロツトエアによりその開閉を制御され
る。

前記エアオペレートレギユレータ２ａ，２ｂは
作動空気圧供給ホース２５に共通的に接続され
る。このホース２５は第１図に示されるシヤトル
弁３５に接続される。第１図において、３６は空
気圧源である。シヤトル弁３５は一方において電
空変換器１０を通るホース３７により空気圧源３
６に接続され、他方において圧力調整弁３８及び
電磁弁３６を通るホース４０により空気圧源３６
に接続される。圧力調整弁３８は塗装装置の色替
え時に次色の寸吹き操作をするのに必要な高吐出
量を提供するような圧力に設定され、一方、電空
変換器１０は例えば第４図及び第５図で説明した
中程度の吐出量を提供するＢタイプの電空変換器
が選ばれる。

以下作用について説明する。

塗装作業時には、一方のカラーバルブ３ａが開
かれ、Ａ色の塗料がエアオペレートレギユレータ
２ａ、カラーバルブ３ａ、マニホールド４、塗料
ホース５、トリガーバルブ６、マニホールド７、
塗料ホース８、フイードチユーブ２８を通つてベ
ルカツプ９ｂへ供給される。ベルカツプ９ｂには
高電圧が印加されるとともに、高速で回転されて
静電塗装を行う。このときには、電磁弁３９は閉
じられる。そして、制御装置１１は塗装条件に応
じて設定されたビツト信号を発生、このビツト信
号がＤ／Ａコンバータ１２によりアナログ信号に
変換され、このアナログ信号が電空変換器１０に
より空気圧信号に変換される。然して、シヤトル
弁３５の一方側にホース３７より所定の空気圧が
供給され、この空気圧はホース２５を通つてエア
オペレートレギユレータ２ａ，２ｂに供給され
る。この場合、他方のカラーバルブ３ｂは閉じて
いるので、それと協働するエアオペレートレギユ
レータ２ｂの作用は問題ではない。従つて、Ａ色
のエアオペレートレギユレータ２ａがＡ色の塗料
を作動空気圧に応じて吐出させる。この場合の吐
出量は例えば100〜400c.c.／minの範囲である。

Ａ色の塗装が終了すると、カラーバルブ３ａが
閉じるとともに、ベルカツプ９ｂの印加電圧が切
れ、洗浄回転数に落される。続いて洗浄エアバル
ブ２３が開かれ、高圧エアがマニホールド４、ホ
ース５、トリガーバルブ６、ダンプバルブ２６を
通され、残留塗料をホース２９の先の排液タンク
に押出す。次に洗浄シンナーバルブ２４が開かれ
てマニホールド４及び塗料ホース５を洗浄する。
洗浄エアバルブ２３と洗浄シンナーバルブ２４は
交互に所定回数開かれる。次にソフトエアバルブ
３０及びソフトシンナーバルブ３１が交互に開か
れてマニホールド７、塗料ホース８、フイードチ
ユーブ２８を洗浄する。

洗浄が終了すると次にＢ色が供給される。Ｂ色
供給の最初には、高吐出量を短時間のうちに供給
してマニホールド４及び塗料ホース５を充満させ
る寸吹きが行われる。これはカラーバルブ３ｂ及
び電磁弁３９を開くことによつて行われる。圧力
調整弁３８によつて比較的高圧に維持された作動
空気圧がシヤトル弁３５へ導入され、シヤトル弁
３５は他方のホース３７に向かう通路を閉鎖する
とともにエアオペレートレギユレータ２ｂへ高圧
の作動空気圧を供給する。これによつて、大量の
Ｂ色の塗料がマニホールド４、塗料ホース５、ト
リガーバルブ６、ダンプバルブ２６へ供給され、
極めて短時間のうちに塗料ホース５を充満する。

寸吹きが終了すると、電磁弁３９が閉じられ、
ホース４０及び２５の空気圧が大気開放される。
次に比較的低吐出量の第２の寸吹きが行われてマ
ニホールド７、塗料ホース８、フイードチユーブ
２８、ベルカツプ９ｂをＢ色の塗料が充満する。
この第２の寸吹きは低吐出量で行われるので、作
動空気圧は電空変換器１０からホース３７を介し
てシヤトル弁３５に導入され、シヤトル弁３５は
電磁弁３９に向かう通路を閉じるとともに、ホー
ス２５からエアオペレートレギユレータ２ｂに空
気圧を作用させる。これによつてＢ色の塗装準備
が完了し、Ｂ色の塗装指令を持つ状態になる。塗
装に際しては、塗装条件に応じた空気圧を電空変
換器１０から出力する。

〔考案の効果〕

本考案においては、塗料の色替えの際に、第１
のマニホールドに設けられた洗浄エアバルブと洗
浄シンナーバルブを交互に開いて、比較的高い圧
力の空気とシンナーにより、第２のマニホールド
付近までの管路にある比較的多量の塗料を迅速に
洗浄した後に、第２のマニホールドの洗浄バルブ
を開いて、第３のマニホールドに設けられたソフ
トエアバルブとソフトシンナーバルブから、比較
的低圧の空気とシンナーを交互にベルカツプまで
の管路に導いて末端部の洗浄を行うようにしてい
るので、洗浄操作が迅速に且つ効率的に行われ
る。

更に、塗料の吐出量を調整する流量調整弁へ、
電空変換器からの低圧の作動空気圧と、圧力調整
弁及び電磁弁からの高圧の作動空気圧とのいずれ
かを、シヤトル弁によつて択一的に、且つ自動的
に切り換えて供給することができるように構成し
たことによつて、洗浄が終わつた後、圧力調整弁
及び電磁弁からの高圧の作動空気圧を流量調整弁
へ印加して大量の塗料を迅速にベルカツプ付近ま
で供給し、短時間内に管路を新しい塗料で満たし
て寸吹きを終わらせることができると共に、塗装
実施の際には、流量調整弁へ電空変換器からの低
圧の作動空気圧を供給することによつて、制御性
良く塗料の吐出量を微調整することを可能とし、
最適の吐出量に調整して塗装むら等を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による塗装装置の空気圧供給手
段部分の構成図、第２図は塗装装置の本体部分を
示す構成図、第３図は従来の塗装装置の略構成
図、第４図は第３図の装置の制御ビツト信号に対
する電空変換器の出力空気圧を示すグラフ、第５
図は同じく流量調整弁の吐出量を示すグラフであ
る。 ２ａ，２ｂ……エアオペレートレギユレータ、
３ａ，３ｂ……カラーバルブ、５……塗料ホー
ス、９……塗装機、１０……電空変換器、２５…
…ホース、３５……シヤトル弁、３８……圧力調
整弁、３９……電磁弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個の塗料供給源と、前記複数個の塗料供給
   源と第１のマニホールドを接続する管路にそれぞ
   れ設けられた複数個の流量調整弁と、前記第１の
   マニホールドに設けられた洗浄エアバルブ及び洗
   浄シンナーバルブと、前記第１のマニホールドに
   トリガーバルブを介して接続された第２のマニホ
   ールドと、前記第２のマニホールドに洗浄バルブ
   を介して接続された第３のマニホールドと、前記
   第３のマニホールドに設けられたソフトエアバル
   ブ及びソフトシンナーバルブと、前記第２のマニ
   ホールドに接続されたベルカツプと、空気圧源
   と、前記空気圧源に接続された電空変換器と、同
   じく前記空気圧源に管路に接続された圧力調整弁
   及び電磁弁と、前記電空変換器と前記圧力調整弁
   及び電磁弁とを択一的に前記複数個の流量調整弁
   へ接続するシヤトル弁とを、それぞれ備えている
   ことを特徴とする塗装装置。