JP2014237070A - カートリッジ式塗装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カートリッジ式塗装装置において、塗料配管151の共通通路部151aに残留する塗料の量を安定的に少なくして、塗料Pの無駄を出来る限りなくす。【解決手段】上流側及び下流側加圧気体用開閉弁166,167を開閉制御して、加圧気体送給装置162からの所定圧の加圧気体を所定容積の加圧気体貯留部165に貯留するとともに、塗料タンク150内の塗料Pを塗料配管151を介してカートリッジ5に充填する後期において、加圧気体貯留部165内に貯留した加圧気体を塗料配管151の共通通路部151aへ膨張させることにより、該共通通路部151a内の塗料をカートリッジ5へ押し出す。【選択図】図3

Description

本発明は、塗装機に着脱可能に取り付けられ、塗料が充填されるカートリッジを備えたカートリッジ式塗装装置に関する技術分野に属する。
自動車等の塗装ラインに用いられる塗装装置は、そのラインを流れる生産車種に応じて20〜30色の塗色を変更しながら塗り分けするようにしている。このような塗装を行う塗装装置としては、例えば特許文献1に示されているように、複数色の塗料をそれぞれ貯留する複数の塗料タンクと、これを圧送するポンプと、塗料タンクから塗装機まで塗料を導く塗料配管とを備え、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバルブ(塗料用開閉弁)を切り替えることで、生産車種に応じた塗色の塗料を吹き付けるようにしたものがある。また、特許文献1では、複数の塗色に対して共通の循環配管を設け、色替え時に、塗料配管内をピグと呼ばれる可動部材(フリーピストン)を通すことにより、塗料配管内に残留した塗料を回収するようにしている。
また、別の塗装装置として、例えば特許文献2に示されているように、カートリッジ式塗装装置がある。このカートリッジ式塗装装置は、ロボット(塗装機)のアームにカートリッジを着脱可能に取り付け、この取付状態にあるカートリッジから送給される塗料を回転霧化頭によって噴霧するように構成されている。上記カートリッジは、上記塗装機から取り外されたときに、塗料充填装置によって、複数色の塗料をそれぞれ貯留する複数の塗料タンクのうちの1つの塗料タンクから当該塗料タンクの塗料が充填されるようになっている。上記カートリッジは、各色の塗料毎に設けられる場合(特許文献2)と、全ての色について共通に1つのカートリッジが用いられる場合とがある。
上記塗料充填装置の一例として、カートリッジに接続された共通通路部と、該共通通路部と上記複数の塗料タンクとをそれぞれ接続する複数の独立通路部とを含む塗料配管を有するものがあり、各独立通路部にそれぞれ設けられた開閉弁により、カートリッジに所望の色の塗料をカートリッジに充填するようにしている。そして、色替え時には、共通通路部に残留している塗料をシンナー等の洗浄液とエアとにより洗浄する。
特開2008−207112号公報 特開2000−176326号公報
上記カートリッジ式塗装装置においては、色替え時に、塗料配管の共通通路部に残留している塗料が洗浄液と共に排出されて無駄になる。この対処として、上記特許文献1のように、共通通路部に残留している塗料を回収することが考えられるが、それぞれの塗料の色数分だけ機器を設置する必要があり、物理的制約を受けてしまう。
また、シンナーやエア等をギヤポンプ等によって共通通路部に吐出して、その共通通路部に残留している塗料をカートリッジに押し出すようにすることで、共通通路部に残留する塗料の量を少なくするようにすることが考えられるが、ギヤポンプが大型であるとともに、シンナーやエアでは、粘性を有する流体とは異なり、ギヤが空回りして、ギヤの回転量とシンナーやエアの吐出量とが対応せず、シンナーやエアの吐出量(つまり塗料の押出量)延いては塗料の残留量が安定しないという問題がある。
さらに、シンナーやエア等をレギュレータにより共通通路部に送給して、その共通通路部に残留している塗料をカートリッジに押し出すようにすることも考えられる。しかし、シンナーやエア等の送給停止時に、その送給路に設けた開閉弁を閉じる必要があるが、この開閉弁は、通常、エア式のものが使用される。これは、高電圧を使用する静電塗装(特に水性塗料による静電塗装)で、電気式のものを使用すると、スパークが生じる可能性があるからである。エア式の開閉弁は、応答性が悪いため、シンナーやエアの送給量(つまり塗料の押出量)延いては塗料の残留量が安定しないという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カートリッジ式塗装装置において、塗料配管の共通通路部に残留する塗料の量を安定的に少なくして、塗料の無駄を出来る限りなくすようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、塗装機に着脱可能に取り付けられ、内部に塗料が充填されるカートリッジと、該カートリッジが上記塗装機に取り付けられているときに、該カートリッジから送給される塗料を噴霧する噴霧装置と、複数種の塗料をそれぞれ貯留する複数の塗料タンクと、上記塗装機から取り外されたカートリッジに、上記複数の塗料タンクのうちの1つの塗料タンクから当該塗料タンクの塗料を充填する塗料充填装置とを備えたカートリッジ式塗装装置を対象として、上記塗料充填装置は、上記カートリッジに接続される共通通路部と、該共通通路部と上記複数の塗料タンクとをそれぞれ接続する複数の独立通路部とを含む塗料配管と、上記塗料配管の共通通路部と加圧気体送給装置とを接続する気体送給配管と、上記気体送給配管の途中に設けられ、上記加圧気体送給装置から送給された所定圧の加圧気体を貯留可能な所定容積の加圧気体貯留部と、上記加圧気体貯留部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられ、該加圧気体貯留部の上記気体送給配管に対する連通及び遮断を行う上流側及び下流側加圧気体用開閉弁と、上記両加圧気体用開閉弁の開閉を制御する加圧気体用開閉弁制御手段と、を有し、上記加圧気体用開閉弁制御手段は、上記加圧気体送給装置からの上記所定圧の加圧気体が上記加圧気体貯留部に貯留されるとともに、上記塗料タンク内の塗料を上記塗料配管を介して上記カートリッジに充填する後期において、上記加圧気体貯留部内に貯留された加圧気体が上記塗料配管の共通通路部へ膨張することにより、該共通通路部内の塗料を上記カートリッジへ押し出すように、上記両加圧気体用開閉弁を動作させる、という構成とした。
上記の構成により、加圧気体用開閉弁制御手段による両加圧気体用開閉弁の制御により、所定圧P1の加圧気体が所定容積V1の加圧気体貯留部に貯留された後、その貯留された加圧気体が塗料配管の共通通路部へ膨張することにより、共通通路部内の塗料がカートリッジへ押し出される。すなわち、上流側の加圧気体用開閉弁を開状態としかつ下流側の加圧気体用開閉弁を閉状態とした後に両加圧気体用開閉弁を閉状態とすることで、加圧気体が加圧気体貯留部に貯留され、その後、下流側の加圧気体用開閉弁のみを開状態にすることで、上記貯留された加圧気体が塗料配管の共通通路部へ膨張し、これにより、共通通路部内の塗料がカートリッジへ押し出される。ここで、膨張後の加圧気体の圧力及び体積をそれぞれP0及びV0とすると、ボイルの法則により、P1・V1=P0・V0となる。P0は、共通通路部内の圧力であって、通常、大気圧と略同じである(大気圧よりも僅かに大きい)。したがって、V0=(P1・V1)/P0により、膨張後の加圧気体の体積V0が求まる。この体積V0は、共通通路部内の塗料のカートリッジへの押出塗料量と略同じである。この押出塗料量は、所定圧P1、所定容積V1及び共通通路部内の圧力によって決まるため、安定した値が得られる。この値が、共通通路部内の体積に近い値になるように、予め所定圧P1及び所定容積V1を決めておけば、塗料配管の共通通路部に残留する塗料の量を安定的に少なくすることができる。
上記カートリッジ式塗装装置において、上記塗料充填装置は、上記塗料配管の各独立通路部にそれぞれ設けられた塗料用開閉弁と、上記各塗料用開閉弁の開閉を制御して、上記各塗料タンクから上記カートリッジへの塗料充填量を制御する塗料充填量制御手段と、を更に有し、上記塗料充填量制御手段は、上記カートリッジに充填すべき必要塗料量から、上記加圧気体の膨張による上記カートリッジへの押出塗料量を減量した量が、上記各塗料タンクから上記カートリッジに充填されるように、上記各塗料用開閉弁を動作させる、ことが好ましい。
このことにより、共通通路部内の塗料を塗装に利用することができ、塗料の無駄を出来る限りなくすことができる。
上記カートリッジ式塗装装置において、上記加圧気体の膨張による上記カートリッジへの押出塗料量が、上記塗料配管の共通通路部内に塗料が所定量だけ残存する量になるようになされている、ことが好ましい。
すなわち、カートリッジ内に加圧気体が入ると、カートリッジから噴霧装置への塗料の送給が安定して行われず、塗装を良好に行うことができなくなる。しかし、塗料配管の共通通路部内に塗料が所定量だけ残存するようにすれば、カートリッジ内に加圧気体が入るのを防止することができ、塗装を良好に行うことができる。
上記カートリッジ式塗装装置の一実施形態では、上記複数の塗料タンクは、使用頻度が高い塗料を貯留する複数の第1の塗料タンクと、該第1の塗料タンクの塗料よりも使用頻度が低い塗料を貯留する複数の第2の塗料タンクとからなり、上記塗料配管の共通通路部は、第1所定長さの範囲に亘って設けられた、上記第1の塗料タンクへの独立通路部が接続される第1部と、該第1部よりも下流側にて第2所定長さの範囲に亘って設けられた、上記第2の塗料タンクへの独立通路部が接続される第2部とを有し、上記気体送給配管は、上記共通通路部における上記第1部と上記第2部との間に接続されている。
このことにより、使用頻度が高い塗料を貯留する塗料タンクの数は、通常、使用頻度が低い塗料を貯留する塗料タンクの数よりもかなり少なく、第1所定長さは、第2所定長さよりも短くなる。したがって、第1部を第2部よりも上流側に配置することで、第1部(第1の塗料タンクが接続された部分)からカートリッジまでの距離を短くすることができ、このことから、使用頻度が高い塗料をカートリッジに充填する場合には、該塗料が第2部側へ流動しないようにしておくことで、第1部及び該第1部とカートリッジとの間に位置する塗料の量が少なくなり、カートリッジへの押出塗料量が少なくて済む。この結果、所定圧P1及び所定容積V1が比較的小さくても、共通通路部における第1部と第2部との間に接続された気体送給配管からの加圧気体の膨張により、第1部及び該第1部とカートリッジとの間の塗料をカートリッジへ確実に押し出すことができる。また、使用頻度が高い塗料による塗装後に色替えする場合には、洗浄が実質的に必要な部分の長さが短くて済み、1回の色替えで使用する洗浄液の使用量を少なくすることができる。したがって、使用頻度が高い塗料で色替えが頻繁に行われても、ライン全体で使用する洗浄液トータルの使用量を低減することができる。
一方、使用頻度が低い塗料の場合には、第2部(第2の塗料タンクへの独立通路部が接続された部分)及び該第2部とカートリッジとの間に位置する塗料の量は多くなる。しかし、使用頻度が低いので、第2部間は気体送給配管からの加圧気体の膨張により塗料をカートリッジへ押し出さずに、洗浄液と共に排出するようにしたとしても、ライン全体での塗料のトータル損失量は少ない。また、1回の色替えで使用する洗浄液の使用量は多くなるが、ライン全体で使用する洗浄液トータルの使用量は少なくなる。
上記のように上記気体送給配管を、上記共通通路部における上記第1部と上記第2部との間に接続する場合、上記共通通路部において上記気体送給配管の接続部と上記第2部との間に、第1の塗料タンクの塗料が上記第2部側へ流動するのを阻止する流動阻止用開閉弁が設けられている、ことが好ましい。
このことで、使用頻度が高い塗料をカートリッジに充填する場合には、流動阻止用開閉弁を閉じることにより、該塗料が第2部側へ流動しないようにすることができるとともに、使用頻度が低い塗料をカートリッジに充填する場合には、流動阻止用開閉弁を開くことで、該塗料をカートリッジに容易に充填することができる。また、使用頻度が低い塗料をカートリッジに充填する場合に、その充填する後期に、流動阻止用開閉弁を閉じた状態で上記加圧気体の膨張により、第1部及びその上流側の塗料をカートリッジへ押し出すことができる。
以上説明したように、本発明のカートリッジ式塗装装置によると、上流側及び下流側加圧気体用開閉弁を開閉制御して、加圧気体送給装置からの所定圧の加圧気体を所定容積の加圧気体貯留部に貯留するとともに、塗料タンク内の塗料を塗料配管を介してカートリッジに充填する後期において、上記加圧気体貯留部内に貯留した加圧気体を塗料配管の共通通路部へ膨張させることにより、該共通通路部内の塗料を上記カートリッジへ押し出すようにしたことにより、塗料配管の共通通路部に残留する塗料の量を安定的に少なくして、塗料の無駄を出来る限りなくすようにすることができる。
本発明の実施形態に係るカートリッジ式塗装装置を、カートリッジを塗装ロボットに取り付けた状態で示す概略図である。 図1の塗装ロボットのヘッド部及びカートリッジの拡大断面図である。 カートリッジを塗料充填装置のストッカに取り付けた状態で示す概略断面図である。 カートリッジ式塗装装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態における塗料充填装置の塗料配管及びその周辺の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカートリッジ式塗装装置を示す。このカートリッジ式塗装装置は、塗装機としての塗装ロボット1に着脱可能に取り付けられたカートリッジ5を備えている。塗装ロボット1は、ヘッド部2と、このヘッド部2を保持しつつ該ヘッド部2の位置や姿勢を自在に制御するアーム部3とを有している。カートリッジ5は、塗装ロボット1のヘッド部2に着脱可能に取り付けられて保持されるようになっている。
図2にも示すように、カートリッジ5は、内部に塗料P(本実施形態では、水性塗料)が充填される塗料室14が形成された本体部5aと、この本体部5aから延びるフィード5bとを有している。フィード5b内には、本体部5aの塗料室14と接続された流路5cが形成され、フィード5bの先端には、その流路5cが接続されて塗料室14の塗料が吐出される吐出口5dが形成されている。
ヘッド部2は、カートリッジ5の塗料室14から送給されて吐出口5dから吐出された塗料Pを、遠心力により霧化して被塗装物(本実施形態では、自動車部品)に対して噴霧する、噴霧装置としての回転霧化頭10を有している。
カートリッジ5の本体部5a内には、上記塗料室14に加えて、作動液Fを収容する作動液室16が設けられている。これら塗料室14及び作動液室16は、ピストン12によって画成されており、ピストン12が移動することにより、塗料室14及び作動液室16それぞれの大きさが変化する。
上記流路5cには、エア式の吐出用弁18が設けられている。この吐出用弁18は、上記被塗装物への塗装時等に開弁するように構成されている。具体的に、吐出用弁18は、流路5cを閉じる弁体20と、弁体20を閉弁方向に押圧するばね22とで構成され、ばね22の押圧力に抗して図示しない経路からパイロットエアを供給することにより開弁するように構成されている。吐出用弁18が開弁状態にあるとき、塗料室14は、吐出口5dを介して外気と連通する。尚、上記パイロットエアの供給及び非供給(つまり吐出用弁18の開閉)は、コントロールユニット200(図4参照)によって制御される。
塗料室14の塗料Pは、ピストン12によって押圧されて、吐出口5dから吐出する。このようにピストン12によって塗料Pを押圧するために、カートリッジ式塗装装置は、図1に示すように、作動液室16内に作動液Fを供給する作動液供給装置50を有している。
上記作動液供給装置50は、カートリッジ5の作動液室16内に供給する作動液Fを収容するシリンダ52を有する。このシリンダ52内にはピストン54が設けられており、シリンダ52内の作動液Fは、ピストン54によって押圧されることにより、作動液室16に供給される。
上記ピストン54は、ボールねじ56とベルト58とを介してサーボモータ60により移動される。シリンダ52内から作動液室16への作動液Fの供給量は、例えばエンコーダ62が検出するサーボモータ60の回転量に基づいて推定することができる。サーボモータ60は、エンコーダ62からの検出情報を入力するコントロールユニット200によって制御される。
また、作動液供給装置50には、コントロールユニット200によって開閉制御される第1作動液供給弁64と、第2作動液供給弁65とが設けられている。第1作動液供給弁64は、作動液源(例えば、作動液Fを貯留するタンク)とシリンダ52とを接続する作動液配管66に設けられていて、ピストン54がサーボモータ60によって移動されるとき(作動液Fをシリンダ52から作動液室16に供給するとき)には閉弁され、作動液Fをシリンダ52内に供給するときに開弁される。一方、第2作動液供給弁65は、作動液Fをシリンダ52から作動液室16に供給する可撓性の供給配管68に設けられていて、作動液Fをシリンダ52内に供給するときに閉弁され、それ以外は開弁される。
さらに、図2に示すように、ヘッド部2内には、上記供給配管68に接続されかつ作動液Fが流れる通路24が設けられ、この通路24には、チャック弁27が設けられている。このチャック弁27は、コントロールユニット200によって開閉制御されて、カートリッジ5をヘッド部2に取り付けた状態にあるときには開弁し、ヘッド部2から取り外された状態にあるときには閉弁するようになっている。カートリッジ5の本体部5aには、作動液室16と通路24とを接続する流路30が設けられており、カートリッジ5がヘッド部2に取り付けられた状態にあるとき、流路30がチャック弁27を介して通路24と連通する。尚、カートリッジ5には、塗料室14から延びる流路28が設けられているが、カートリッジ5がヘッド部2に取り付けられた状態にあるとき、流路28の先端開口は、ヘッド部2によって閉塞されている。流路28は出来る限り短くなるように形成されている。
上記被塗装物に塗装する際には、カートリッジ5の塗料室14に塗料Pが充填されたカートリッジ5がヘッド部2に取り付けられ、この取付状態で、サーボモータ60によりピストン12を介して塗料室14内の塗料Pが押圧される。このとき、吐出用弁18は開弁状態にあり、塗料室14内の塗料Pが吐出口5dから吐出される。この吐出口5dから吐出された塗料Pは、回転霧化頭10により被塗装物に噴霧される。
塗装に使用される塗料Pとしては、複数種(互いに色が異なる)あり、本実施形態では、複数種の塗料Pに対して、1つの(共用の)カートリッジ5を使用する。そして、カートリッジ5内(塗料室14内)の塗料Pを別の種類に変更する(色替えする)ときには、カートリッジ5がヘッド部2から取り外されて、塗料充填装置100における後述のストッカ102(図3参照)に取り付けられる。そして、塗料充填装置100によって、塗料室14内に新たな塗料Pが充填される。上記塗料充填装置100は、前回の塗装に使用された塗料室14内の残塗料Pを排出して洗浄する機能も有している。尚、複数種の塗料Pに対して、1つのカートリッジ5を使用する必要は必ずしもなく、例えば、使用頻度が高い塗料Pは専用のカートリッジ5の塗料室14に充填し、使用頻度が低い塗料Pは共用のカートリッジ5の塗料室14に充填するようにしてもよい。或いは、複数種の塗料Pそれぞれに対して専用のカートリッジ5を使用してもよい。
図3に示すように、塗料充填装置100は、カートリッジ5を着脱可能に取り付けて保持するストッカ102を有している。カートリッジ5の塗料室14に塗料Pを充填したり洗浄したりする際に、カートリッジ5がストッカ102に取り付けられて保持される。ストッカ102は、吐出口5dを残して、カートリッジ5のフィード5b及びその周辺の外面と密に接触した状態で、カートリッジ5を保持する。
図3及び以下の説明では、説明の便宜上、塗料Pの種類は2種類とする。2種類の塗料Pは、2つの塗料タンク150にそれぞれ貯留されている。そして、塗料充填装置100は、2つの塗料タンク150のうちの1つの塗料タンク150から当該塗料タンク150の塗料Pを、ストッカ102に取り付けられ保持されたカートリッジ5の塗料室14に充填するようになっている。尚、図3に描いている部材(特に塗料タンク150)の大きさは、実際の大きさとは対応していない(図5も同様)。
ストッカ102には、カートリッジ5を保持しているときに、カートリッジ5の流路28(つまり塗料室14)と接続された流路104と、カートリッジ5の流路30(つまり作動液室16)と接続された流路106とが設けられている。
流路104は、コントロールユニット200により開閉制御されるチャック弁32を介してカートリッジ5の流路28(塗料室14)と接続される。流路106は、コントロールユニット200により開閉制御されるチャック弁33を介してカートリッジ5の流路30(作動液室16)と接続される。これらチャック弁32,33は、カートリッジ5がストッカ102に取り付けられたときに開弁し、カートリッジ5がストッカ102から外される際に閉弁する。
塗料充填装置100は、ストッカ102に取り付けられたカートリッジ5の塗料室14に接続されかつ2つの塗料タンク150の塗料Pが択一的に流れる1つの共通通路部151aと、該共通通路部151aと上記2つの塗料タンク150とをそれぞれ接続する2つの独立通路部151bとを含む塗料配管151を有している。上記流路104は、共通通路部151aの一部を構成する。
上記各独立通路部151bには、塗料室14に塗料Pを供給するための塗料用開閉弁110がそれぞれ設けられている。各塗料用開閉弁110は、コントロールユニット200により開閉制御される。塗料室14に供給すべき種類の塗料Pが貯留された塗料タンク150と共通通路部151aとを接続する独立通路部151bに設けられた塗料用開閉弁110のみが開弁されて、当該種類の塗料Pが塗料室14に供給されるようになっている。
上記塗料配管151の共通通路部151aには、共通通路部151a(流路104を含む)、塗料室14及び流路5cを洗浄する洗浄液(シンナー等)をこれらの部分に供給するための洗浄液配管153と、これらの部分にエアを供給するためのエア配管154とが接続されている。洗浄液配管153には洗浄液用開閉弁114が設けられ、エア配管154にはエア用開閉弁116が設けられ、コントロールユニット200による洗浄液用開閉弁114及びエア用開閉弁116の開閉制御(開弁から閉弁までの時間)によって、上記部分への洗浄液及びエアの供給量が制御される。
また、上記共通通路部151aには、気体送給配管161の一端部が接続されている。この気体送給配管161の他端部は、エア源162a(例えばポンプ)及びレギュレータ162bを含む加圧気体送給装置162に接続されている。加圧気体送給装置162は、コントロールユニット200による制御によって稼働して、所定圧P1の加圧気体(本実施形態では、加圧エア)を生成する。上記所定圧P1は、作動液室16の圧力(大気圧と略同じ)よりも所定圧以上高い圧力である(例えば0.2MPa〜0.5MPa)。
気体送給配管161におけるレギュレータ162bの下流側には、気体送給配管161内の圧力を検出する圧力計163が設けられ、この圧力計163による検出情報がコントロールユニット200に送信される。これにより、所定圧P1の加圧気体が生成されているか否かを監視することができる。
気体送給配管161の途中には、加圧気体送給装置162から送給された所定圧P1の加圧気体を貯留可能な所定容積V1の加圧気体貯留部165が設けられている。この加圧気体貯留部165の上流側及び下流側には、加圧気体貯留部165の気体送給配管161に対する連通及び遮断を行う上流側及び下流側加圧気体用開閉弁166,167がそれぞれ設けられている。これら上流側及び下流側加圧気体用開閉弁166,167は、コントロールユニット200によって開閉制御される。両加圧気体用開閉弁166,167が閉弁状態にあるとき、加圧気体貯留部165が密閉状態になって加圧気体を貯留することができる。
上記流路106には、作動液室16に作動液Fを供給したり作動液室16から作動液Fを回収したりするための作動液配管121が接続されている。ここでは、作動液Fは、上記被塗装物への塗装時に用いる上記作動液供給装置50とは異なる不図示の供給装置から、作動液供給管126、作動液配管121、流路106及びカートリッジ5の流路30を介して、作動液Fが作動液室16に供給される。作動液配管121は、作動液供給用開閉弁124を介して作動液供給管126と接続されているとともに、作動液回収用開閉弁125を介して作動液回収管128と接続されている。また、作動液配管121には、作動液用開閉弁118、流量計122及び作動液用圧力計123が設けられている。
上記作動液供給用開閉弁124及び作動液回収用開閉弁125は、コントロールユニット200により作動制御され、作動液供給用開閉弁124は、作動液配管121と作動液供給管126とを連通する状態と遮断する状態とに切り替え、作動液回収用開閉弁125は、作動液配管121と作動液回収管128とを連通する状態と遮断する状態とに切り替える。そして、作動液Fを作動液室16に供給するときには、作動液供給用開閉弁124を開状態にして作動液配管121と作動液供給管126とを連通する状態としかつ作動液回収用開閉弁125を閉状態にする一方、作動液Fを作動液室16から回収するときには、作動液回収用開閉弁125を開状態にして作動液配管121と作動液回収管128とを連通する状態にしかつ作動液供給用開閉弁124を閉状態にする。尚、作動液回収管128は大気に開放されており、作動液回収用開閉弁125により、作動液配管121と作動液回収管128とが連通している状態では、作動液室16内の圧力は大気圧と略同じである。
上記作動液用開閉弁118は、コントロールユニット200により開閉制御されて、作動液室16に作動液Fを供給するとき、及び、作動液室16から作動液Fを回収するときに開弁される。流量計122は、作動液Fの供給時及び回収時に流れる作動液Fの流量を検出し、作動液用圧力計123は、その作動液Fの圧力を検出し、これらは、その検出情報をコントロールユニット200にそれぞれ送信する。
ストッカ102に取り付けられたカートリッジ5のフィード5bの先端における吐出口5dは、該吐出口5dから流体(塗料P、洗浄液、エア、及びこれらの混合物)を排出するための排出配管108と接続されている。これにより、上記流体は、不図示の廃液タンクに排出される。
上記コントロールユニット200は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
そして、コントロールユニット200は、上記被塗装物への塗装時には、各弁18,27,64,65の開閉を制御するとともに、エンコーダ62からの検出情報に基づいてサーボモータ60を制御して、回転霧化頭10による上記被塗装物に対する噴霧量を制御する。
また、コントロールユニット200は、塗料充填装置100によって、ストッカ102に取り付けられたカートリッジ5の塗料室14内に塗料Pを充填する際には、上記各弁18,32,33,110,114,116,118,124,125,166,167の開閉を制御するとともに、加圧気体送給装置162を制御して、塗料充填装置100を以下のように動作させる。
先ず、カートリッジ5がストッカ102に取り付けられる前は、上記各弁18,32,33,110,114,116,118,124,125,166,167は閉弁状態にある。
塗装ロボット1のヘッド部2に取り付けられていた、被塗装物への塗装後のカートリッジ5が、ストッカ102に取り付けられると、塗料排出工程が開始し、チャック弁33が開弁され、また、作動液供給用開閉弁124が開状態とされて、作動液配管121と作動液供給管126とが連通する状態とされるともに、吐出用弁18及び作動液用開閉弁118が開弁される。これにより、作動液室116に作動液Fが供給されて、カートリッジ5内のピストン12が、塗料室14側に移動することにより、塗料室14に残っている塗料Pを吐出口5dから吐出する。このときのピストン12の移動量は、流量計122による検出流量から分かる。また、作動液用圧力計123による圧力値から、ピストン12に圧力が掛かり塗料Pが吐出していることが分かる。
ピストン12が限界まで塗料室14側に移動すると、開弁状態にある吐出用弁18、チャック弁33、作動液用開閉弁118及び作動液供給用開閉弁124が閉弁され、塗料排出工程が終了する。
そして、塗料排出工程が終了すると、次に洗浄工程が開始し、閉弁状態にある吐出用弁18、チャック弁32及び洗浄液用開閉弁114が開弁される。これにより、塗料配管151の共通通路部151a及びカートリッジ5内の流路28を介して塗料室14に洗浄液が供給される。この洗浄液は、共通通路部151a及び流路28に残っている塗料P、並びに、ピストン12では吐出しきれなかった、塗料室14内及びフィード5bの流路5c内に残っている塗料Pを洗い流した後、該塗料Pと共に排出配管108を介して上記廃液タンクに排出される。
洗浄液用開閉弁114が開弁されてから第1所定時間が経過すると(上記塗料Pが完全に洗い流されると)、洗浄液用開閉弁114が閉弁され、エア用開閉弁116が開弁される。これにより、エアが、共通通路部151a、流路28、塗料室14、流路5c及び排出配管108を順に通って、これらに残っている洗浄液を上記廃液タンクに排出する。
エア用開閉弁116が開弁されてから第2所定時間が経過すると(洗浄液が完全に排出されると)、吐出用弁18、チャック弁32及びエア用開閉弁116が閉弁され、洗浄工程が終了する。
そして、洗浄工程が終了すると、次にエア抜き工程が開始し、閉弁状態にある吐出用弁18及びチャック弁32と、2つの塗料用開閉弁110のうち、次に被塗装物に塗装すべき(塗料室14に充填すべき)種類の塗料Pが貯留された塗料タンク150と共通通路部151aとを接続する独立通路部151bに設けられた塗料用開閉弁110とが開弁される。この塗料用開閉弁110が開弁されてから第3所定時間が経過するまでは、吐出用弁18が開弁状態のままであり、作動液用開閉弁118が閉弁状態のままである。これにより、塗料Pが、塗料タンク150から独立通路部151b、共通通路部151a、流路28、塗料室14、流路5c及び排出配管108を順に通って、上記廃液タンクに排出される。このようにするのは、共通通路部151a、流路28、塗料室14、流路5c及び排出配管108にエアが残っていると、被塗装物への塗装を良好に行うことができなくなるので、そのエアを排出するためである。上記第3所定時間は、塗料Pが僅かに上記廃液タンクに排出されるような時間である。
塗料用開閉弁110が開弁されてから上記第3所定時間が経過すると、吐出用弁18、チャック弁32及び塗料用開閉弁110が閉弁され、エア抜き工程が終了する。
そして、エア抜き工程が終了すると、次に塗料充填工程が開始し、チャック弁32、塗料用開閉弁110及び作動液用開閉弁118が開弁される。また、作動液供給用開閉弁124が閉状態とされかつ作動液回収用開閉弁125が開状態とされて、作動液配管121と作動液回収管128とが連通する状態にされる。これにより、塗料Pが、塗料タンク150から独立通路部151b、共通通路部151a及び流路28を介して塗料室14に供給される。このとき、塗料室14側の圧力が作動液室16側の圧力(大気圧と略同じ)よりも高いので、ピストン12が作動液室16に移動する。これに伴って、作動液Fが、流路106、作動液配管121及び作動液回収管128を介して回収される。このときに流れる作動液Fの流量が流量計122によって検出される。この流量計122による検出流量は、塗料室14への塗料Pの充填量に対応しており、この流量計122による検出流量から塗料室14への塗料Pの充填量が分かる。また、作動液用圧力計123による圧力値から、ピストン12に圧力が掛かり塗料Pが充填されていることが分かる。上記塗料Pの充填量が、予め設定された量になったときに、塗料用開閉弁110を閉弁する。こうして、コントロールユニット200は、各塗料用開閉弁110の開閉を制御して、各塗料タンク150からカートリッジ5への塗料充填量を制御する。したがって、コントロールユニット200は、本発明の塗料充填量制御手段を構成することになる。
本実施形態では、塗料タンク150内の塗料Pを上記塗料配管151を介してカートリッジ5(塗料室14)に充填する後期において(カートリッジ5に充填すべき必要塗料量が充填される前に)、塗料用開閉弁110が閉弁される。この塗料用開閉弁110の閉弁の前又は後に、加圧気体送給装置162を稼働させるとともに上流側加圧気体用開閉弁166を開弁状態にする。下流側加圧気体用開閉弁167は閉弁状態のままとする。加圧気体送給装置162の稼働及び上流側加圧気体用開閉弁166の開弁から第4所定時間後に上流側加圧気体用開閉弁166を閉弁状態にする。これにより、加圧気体送給装置162からの上記所定圧P1の加圧気体が上記加圧気体貯留部165に送給されて貯留される。この加圧気体貯留部165に貯留された加圧気体の圧力はP1であり、該加圧気体の容積はV1である。
塗料用開閉弁110の閉弁後でかつ上流側加圧気体用開閉弁166の閉弁後に、下流側加圧気体用開閉弁167を開弁する。これにより、加圧気体貯留部165に貯留された加圧気体が共通通路部151aへ膨張して、共通通路部151a内の塗料をカートリッジ5の塗料室14へ押し出す。ここで、膨張後の加圧気体の圧力及び体積をそれぞれP0及びV0とすると、ボイルの法則により、P1・V1=P0・V0となる。P0は、共通通路部151a内の圧力であって、大気圧と略同じである(大気圧よりも僅かに大きい)。したがって、V0=(P1・V1)/P0により、膨張後の加圧気体の体積V0が求まる。この体積V0は、共通通路部151a内の塗料のカートリッジ5(塗料室14)への押出塗料量と略同じである。この値が、共通通路部151a内の体積に近い値になるように、予め所定圧P1及び所定容積V1を決めてある。但し、加圧気体の膨張によるカートリッジ5(塗料室14)への押出塗料量が、共通通路部151a内に塗料が所定量だけ残存する量になるようになされている。これは、カートリッジ5内に加圧気体が入るのを防止するためである。
このようにコントロールユニット200は、加圧気体送給装置162からの上記所定圧P1の加圧気体が加圧気体貯留部165に貯留されるとともに、塗料タンク150内の塗料を塗料配管151を介してカートリッジ5に充填する後期において、加圧気体貯留部165内に貯留された加圧気体が塗料配管151の共通通路部151aへ膨張することにより、該共通通路部151a内の塗料をカートリッジ5(塗料室14)へ押し出すように、両加圧気体用開閉弁166,167を動作させる。したがって、コントロールユニット200は、本発明の加圧気体用開閉弁制御手段を構成することになる。
本実施形態では、塗料用開閉弁110を開弁して、塗料タンク150内の塗料Pを上記塗料配管151を介してカートリッジ5(塗料室14)に充填しているときにおいて、カートリッジ5(塗料室14)に充填すべき必要塗料量から、上記加圧気体の膨張によるカートリッジ5への押出塗料量を減量した量が、塗料タンク150からカートリッジ5(塗料室14)に充填されたときに、塗料用開閉弁110が閉弁され、この閉弁後に、上記加圧気体の膨張により上記押出塗料量の分が更にカートリッジ5(塗料室14)に充填され、この結果、塗料室14には、上記必要塗料量の塗料Pが充填されることになる。上記必要塗料量は、塗装ラインで流れてくる少なくとも1つの被塗装物を塗装するのに必要な量(実際には、これに余裕分を加えた量)であり、同じ種類の塗料Pを塗装する複数の被塗装物が連続して流れてくる場合には、その複数の被塗装物を塗装するのに必要な量である。
尚、上記加圧気体の膨張時に、流量計122により検出される流量が、上記押出塗料量よりも所定量以上少ないときには、コントロールユニット200は、警報装置170(図4参照)を介して警報を発する。また、圧力計163により検出される圧力が上記所定圧を含む所定範囲内から外れたときにも、コントロールユニット200は、警報装置170を介して警報を発する。警報が発せられなければ、塗料室14に上記必要塗料量の塗料Pが充填されたことになる。警報が発せられたときには、上記加圧気体の送給系に異常がある可能性があり、作業者がカートリッジ式塗装装置の運転を中止させて、異常の原因を調べる。上記加圧気体の送給系に異常がある場合には、上記加圧気体の膨張による塗料Pのカートリッジ5への押出し動作を止めて、塗料用開閉弁110の開弁により上記必要塗料量の塗料Pをカートリッジ5(塗料室14)に充填させるようにする。
その後、上記各弁18,32,33,110,114,116,118,124,125,166,167は閉弁状態となり、塗料Pの塗料充填工程が終了する。こうして塗料Pが充填されたカートリッジ5は、ストッカ102から外され、その後、塗装ロボット1のヘッド部2に取り付けられて、次の被塗装物への塗装が行われる。
被塗装物への塗装後に塗料Pを別の種類に変更する(色替えする)場合には、カートリッジ5をヘッド部2から外して、再びストッカ102に取り付ける。そして、上記のように、洗浄液及びエアの供給により、共通通路部151a、流路28、塗料室14及び流路5cを洗浄するが、共通通路部151aに残っている塗料Pは、カートリッジ5の塗料室14に押し出されて殆ど残っておらず、この結果、上記廃液タンクに排出される塗料Pの量を少なくすることができる。また、洗浄に必要な洗浄液の量も少なくすることができる。さらに、カートリッジ5への押出塗料量は、所定圧P1、所定容積V1及び共通通路部151a内の圧力によって決まるため、安定した値が得られ、共通通路部151aに残留する塗料の量を安定的に少なくすることができる。よって、塗料の無駄を出来る限り少なくすることができる。
図5は、本発明の他の実施形態における塗料充填装置100の塗料配管151及びその周辺の構成を示す。尚、図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。塗料充填装置100の、図3に図示していない部分の構成は、上記実施形態(図3)と同様である。
図5の実施形態では、複数の塗料タンク150は、使用頻度が高い塗料Pを貯留する複数の第1の塗料タンク150aと、該第1の塗料タンク150aの塗料Pよりも使用頻度が低い塗料Pを貯留する複数の第2の塗料タンク150bとからなる。
第1の塗料タンク150aの数は、比較的少なく、例えば10以下である。一方、第2の塗料タンク150bの数は、第1の塗料タンク150aの数よりもかなり多く、例えば第1の塗料タンク150aの2〜3倍程度である。
塗料配管151の共通通路部151aは、第1所定長さL1の範囲に亘って設けられた、上記第1の塗料タンク150aへの独立通路部151bが接続される第1部151cと、該第1部151cよりも下流側にて第2所定長さL2の範囲に亘って設けられた、上記第2の塗料タンク150bへの独立通路部151bが接続される第2部151dとを有している。第1の塗料タンク150aの数が第2の塗料タンク150bの数よりも少ないので、第1所定長さL1(第1部151cの長さ)が第2所定長さL2(第2部151dの長さ)よりも短くなる。
上記共通通路部151aにおける上記第1部151cと上記第2部151dとの間に、加圧気体貯留部165並びに上流側及び下流側加圧気体用開閉弁166,167が設けられた、上記実施形態と同様の気体送給配管161が接続されている。
また、共通通路部151aにおいて気体送給配管161の接続部と上記第2部151dとの間に、第1の塗料タンク150aの塗料Pが上記第2部151d側へ流動するのを阻止する流動阻止用開閉弁180が設けられている。この流動阻止用開閉弁180は、コントロールユニット200により開閉制御されて、複数の第1の塗料タンク150aのうちの1つから塗料Pをカートリッジ5の塗料室14に充填するときには、閉弁状態とされ、複数の第2の塗料タンク150bのうちの1つから塗料Pをカートリッジ5の塗料室14に充填するときには、開弁状態とされる。
さらに、共通通路部151aにおける上記第2部151dの下流側(カートリッジ5とは反対側)に、上記実施形態と同様の洗浄液配管153及びエア配管154が接続されている。洗浄液及びエアをカートリッジ5側へ供給する際には、流動阻止用開閉弁180が開弁される。洗浄液及びエア供給時における流動阻止用開閉弁180以外の動作については、上記実施形態と同様である。
複数の第1の塗料タンク150aのうちの1つから塗料Pをカートリッジ5(塗料室14)に充填するときには、上記実施形態と同様に、塗料タンク150a内の塗料Pを塗料配管151を介してカートリッジ5(塗料室14)に充填する後期において、加圧気体貯留部165内に貯留された加圧気体を共通通路部151aへ膨張させることにより、該共通通路部151a内の塗料をカートリッジ5(塗料室14)へ押し出させる。
一方、複数の第2の塗料タンク150bのうちの1つから塗料Pをカートリッジ5(塗料室14)に充填するときには、流動阻止用開閉弁180を開弁状態として、塗料用開閉弁110の開弁により、カートリッジ5に充填すべき必要塗料量の塗料Pをカートリッジ5(塗料室14)に充填するが、塗料タンク150b内の塗料Pを塗料配管151を介してカートリッジ5(塗料室14)に充填する後期において、流動阻止用開閉弁180を閉弁させて、加圧気体貯留部165内に貯留された加圧気体を共通通路部151aへ膨張させることにより、該共通通路部151a内の塗料をカートリッジ5(塗料室14)へ押し出させる。もし、流動阻止用開閉弁180を開弁した状態で上記加圧気体により塗料Pの押出しを行うと、塗料Pをカートリッジ5に充填する前期に第2部151d間に充填された塗料Pの圧力で上記加圧気体が圧縮され、その加圧気体が上記後期に膨張して、塗料室14に塗料Pと共に加圧気体(エア)が混入してしまうので、流動阻止用開閉弁180を閉弁する。
この実施形態では、使用頻度が高い塗料Pをカートリッジ5に充填する場合には、流動阻止用開閉弁180により該塗料Pが第2部151d側へ流動しないので、第1部151c及び該第1部151cとカートリッジ5との間に位置する塗料の量が少なくなり、カートリッジ5への押出塗料量が少なくて済む。この結果、所定圧P1及び所定容積V1が比較的小さくても、共通通路部151aにおける第1部151cと第2部151dとの間に接続された気体送給配管161からの加圧気体の膨張により、第1部151c及び該第1部151cとカートリッジ5との間の塗料Pをカートリッジ5へ確実に押し出すことができる。また、使用頻度が高い塗料Pによる塗装後に色替えする場合には、洗浄液が第2部151dを通って第1部151c側へ供給されるが、第2部151d自体は洗浄が不要であり、洗浄が実質的に必要な部分の長さは短いので、1回の色替えで使用する洗浄液の使用量を少なくすることができる。したがって、使用頻度が高い塗料で色替えが頻繁に行われても、ライン全体で使用する洗浄液トータルの使用量を低減することができる。
一方、使用頻度が低い塗料の場合には、第2部151dの長さが長いことから、第2部151d及び該第2部151dとカートリッジ5との間に位置する塗料Pの量は多く、この塗料Pは廃液タンクに排出されることになる。しかし、使用頻度が低いので、第2部151d間は気体送給配管161からの加圧気体の膨張により塗料をカートリッジ5へ押し出さずに、洗浄液と共に廃液タンクに排出するようにしたとしても、ライン全体での塗料Pのトータル損失量は少ない。また、1回の色替えで使用する洗浄液の使用量は多くなるが、ライン全体で使用する洗浄液トータルの使用量は少なくなる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、塗装機に着脱可能に取り付けられ、塗料が充填されるカートリッジを備えたカートリッジ式塗装装置に有用である。
1 塗装ロボット(塗装機)
5 カートリッジ
10 回転霧化頭(噴霧装置)
100 塗料充填装置
110 塗料用開閉弁
150 塗料タンク
150a 第1の塗料タンク
150b 第2の塗料タンク
151 塗料配管
151a 共通通路部
151b 独立通路部
151c 第1部
151d 第2部
161 気体送給配管
165 加圧気体貯留部
166 上流側加圧気体用開閉弁
167 下流側加圧気体用開閉弁
180 流動阻止用開閉弁
200 コントロールユニット(加圧気体用開閉弁制御手段)
(塗料充填量制御手段)

Claims (5)

  1. 塗装機に着脱可能に取り付けられ、内部に塗料が充填されるカートリッジと、該カートリッジが上記塗装機に取り付けられているときに、該カートリッジから送給される塗料を噴霧する噴霧装置と、複数種の塗料をそれぞれ貯留する複数の塗料タンクと、上記塗装機から取り外されたカートリッジに、上記複数の塗料タンクのうちの1つの塗料タンクから当該塗料タンクの塗料を充填する塗料充填装置とを備えたカートリッジ式塗装装置であって、
    上記塗料充填装置は、
    上記カートリッジに接続される共通通路部と、該共通通路部と上記複数の塗料タンクとをそれぞれ接続する複数の独立通路部とを含む塗料配管と、
    上記塗料配管の共通通路部と加圧気体送給装置とを接続する気体送給配管と、
    上記気体送給配管の途中に設けられ、上記加圧気体送給装置から送給された所定圧の加圧気体を貯留可能な所定容積の加圧気体貯留部と、
    上記加圧気体貯留部の上流側及び下流側にそれぞれ設けられ、該加圧気体貯留部の上記気体送給配管に対する連通及び遮断を行う上流側及び下流側加圧気体用開閉弁と、
    上記両加圧気体用開閉弁の開閉を制御する加圧気体用開閉弁制御手段と、
    を有し、
    上記加圧気体用開閉弁制御手段は、上記加圧気体送給装置からの上記所定圧の加圧気体が上記加圧気体貯留部に貯留されるとともに、上記塗料タンク内の塗料を上記塗料配管を介して上記カートリッジに充填する後期において、上記加圧気体貯留部内に貯留された加圧気体が上記塗料配管の共通通路部へ膨張することにより、該共通通路部内の塗料を上記カートリッジへ押し出すように、上記両加圧気体用開閉弁を動作させる、ことを特徴とするカートリッジ式塗装装置。
  2. 請求項1記載のカートリッジ式塗装装置において、
    上記塗料充填装置は、
    上記塗料配管の各独立通路部にそれぞれ設けられた塗料用開閉弁と、
    上記各塗料用開閉弁の開閉を制御して、上記各塗料タンクから上記カートリッジへの塗料充填量を制御する塗料充填量制御手段と、
    を更に有し、
    上記塗料充填量制御手段は、上記カートリッジに充填すべき必要塗料量から、上記加圧気体の膨張による上記カートリッジへの押出塗料量を減量した量が、上記各塗料タンクから上記カートリッジに充填されるように、上記各塗料用開閉弁を動作させる、ことを特徴とするカートリッジ式塗装装置。
  3. 請求項1又は2記載のカートリッジ式塗装装置において、
    上記加圧気体の膨張による上記カートリッジへの押出塗料量が、上記塗料配管の共通通路部内に塗料が所定量だけ残存する量になるようになされていることを特徴とするカートリッジ式塗装装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のカートリッジ式塗装装置において、
    上記複数の塗料タンクは、使用頻度が高い塗料を貯留する複数の第1の塗料タンクと、該第1の塗料タンクの塗料よりも使用頻度が低い塗料を貯留する複数の第2の塗料タンクとからなり、
    上記塗料配管の共通通路部は、第1所定長さの範囲に亘って設けられた、上記第1の塗料タンクへの独立通路部が接続される第1部と、該第1部よりも下流側にて第2所定長さの範囲に亘って設けられた、上記第2の塗料タンクへの独立通路部が接続される第2部とを有し、
    上記気体送給配管は、上記共通通路部における上記第1部と上記第2部との間に接続されていることを特徴とするカートリッジ式塗装装置。
  5. 請求項4記載のカートリッジ式塗装装置において、
    上記共通通路部において上記気体送給配管の接続部と上記第2部との間に、第1の塗料タンクの塗料が上記第2部側へ流動するのを阻止する流動阻止用開閉弁が設けられていることを特徴とするカートリッジ式塗装装置。
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