JPH0344064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、洋式トイレ用の使い捨てトイレツト
シートに関する。

従来の技術 洋式トイレは、使用に際して便座に腰掛けなけ
ればならず、皮膚が直接便座と接触する。そのた
め、不特定多数の人が使用する場所においては、
便座自体が汚れ、不衛生になる欠点がある。特
に、病院等、皮膚疾患者等が使用するような場所
に設置された洋式トイレにおいては、便座より皮
膚疾患が感染することがあり衛生上好ましくな
い。

従来、皮膚が直接便座に接触するのを防ぐため
の使い捨てトイレツトシートとして、第５図に示
すような紙製のものが知られ、飛行機や電車内の
トイレに常備され、使用されている。この従来の
トイレツトシートは、便座を被う程度の大きさの
長方形薄紙シート１０の中央に図示のようなＵ字
状切れ目１１が入れてある。使用に際して、該シ
ートを便座上に平行に置き、前記切れ目部分を下
方に押して、中央部に穴を明けて使用する。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の使い捨てトイレツトシートは、便座
への固定手段を有してなくしかも薄紙であるの
で、使用直前に尻によつて移動されて便座から外
れてしまう欠点があつた。

また、一枚の薄紙であるので、水分や病原菌の
遮断性がなく、梅毒、エイズ、疥癬、その他ウイ
ルス性、カビ性等の皮膚病等の皮膚感染性疾患の
患者が使用すると、シートを通して便座が汚染さ
れ、感染防止に有効に寄与しないのが実情であ
る。

本考案は、上記実情に鑑み創案されたものであ
つて、便座に簡単確実に固定でき、かつ水分や病
原菌の便座への付着を防止し、しかも常備または
携帯に便利な使い捨てのトイレツトシートを提供
することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するために、トイ
レツトシートを下面シート、中間シート、上面シ
ートと３層構造となし、下面シートを水分や空気
の遮断性の高いフイルムシートにすることによつ
て、便座への細菌の付着を防止すると共に、下面
シートと上面シートとの接着部が便座との摩擦を
高めるように工夫することによつて、トイレツト
シートが便座からすべり落ちるのを防止したもの
である。

即ち、本考案のトイレツトシートは、水分や空
気の遮断性の高い柔軟シートで形成された下面シ
ート１と、柔軟シートで形成された上面シート２
とでその内部に吸湿保水性のある中間シート３を
挟んで便座形状に形成し、前記下面シート１と中
間シート２の周縁をその接着部４が凹凸形状にな
るように接着したことを特徴とするものである。

作 用 本考案の使い捨てトイレツトシートは、通常は
折り畳まれてコンパクトに収納されている。使用
する際は便座上に拡げ重ねる。下面シート１と上
面シート２の周縁接着部４が凹凸形状となつてい
るので、便座との摩擦力を高め、着座する際のト
イレツトシートの移動を阻止し、便座からすべり
落ちるのを防止する。また、皮膚面から移動した
水分や細菌は、上面シート２を通過して中間シー
ト３内に達するが、下面シートはそれらの遮断性
シートで形成されているので下面シートからの通
過を阻止され、中間シート３内に吸収される。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１〜２図は、本考案の使い捨てトイレツトシ
ートの一実施例を示す。図において、１は便座に
接触するトイレツトシートの下面シートであつ
て、合成樹脂等水分や空気遮断性の高い材料から
なるフイルムから形成されている。２は皮膚と接
触するトイレツトシートの上面シートであつて、
エンボスシートや不織布等吸湿性があつて肌触り
の良いシート材から形成されている。３は前記下
面シートと上面シートの中間部に挟まれた中間シ
ートであつて、テイシユペーパーを重ねたもの等
吸水保水性があつて柔いものが良い。上記各シー
トを便座の形状に裁断して順次重ね合わせて、そ
の周辺部を接着する。接着は、接着部分４が便座
との摩擦を高めるために凹凸形状例えば縦横にジ
クザク状になつたジヤバラ帯を構成うるように行
なう。

以上のように構成されたトイレツトシートの上
方部分を、第１図に示すように収納袋７の開封口
近傍内面又は封口片８の内側面に両面接着テープ
９で接着し、該トイレツトシートを収納袋７に接
着した状態で小さく折り畳んで袋内に収納できる
ようになつている。また、袋７の封口片８の外側
面に表面に剥離紙を有する両面接着テープが接着
してある。上記収納袋７の大きさは、従来のポケ
ツトテイシユと略同じ大きさであり、携帯に便利
である。

使用に際しては、袋を開封してトイレツトシー
ト上方部分が袋に接着されているまま、袋から該
シート体を引き出して便座に拡げ、袋の開封片８
の表側テープを便器の蓋に接着する。それによつ
て、袋が固定され、ジヤバラ状接着部の効果と相
まつて、座するときシート体が便座からすべり落
ちるのを防止する。シート体の周縁接着部が縦横
にジヤバラ状になつているので、便座との摩擦力
を強め座する時の移動を阻止する。シート体は下
面が水や空気の遮断シートであり、上面及び中間
が吸湿性シートで形成されているので、皮膚面か
ら移動した水分や病原菌は、中間シート内に吸収
され、下面シートを通過して便座を汚染させるこ
とがない。また、逆に便座が汚染されていても、
便座からの水分や病原菌の移動が下面シートによ
つて阻止され、直接皮膚面に達することがない。
また本実施例のトイレツトシートは、適度の厚さ
とクツシヨン性を有するので、便座からの冷えと
刺激を阻止し、良好な使用感を呈する。

使用後は、前記と逆に折り込んで袋内に収納し
てから、汚物入れに捨てる。

第３，４図に示すものは、本考案の他の実施例
である。

本実施例においては、下面シート１及び下面シ
ート２共にナイロン系のビニールシートで形成さ
れている。また本実施例では、下面シート１と上
面シート２の周縁接着部４が第４図断面図に示す
ように下方に湾曲状になつており、該接着部４が
便座の側部に接合するようになつている。それに
よつて、トイレツトシートが便座から移動するの
をより確実に阻止する。さらに、本実施例におい
ては、収納袋をトイレツトシートの先端部近傍に
接着し、トイレツトシートの後端部近傍の下面シ
ートに剥離紙付両面接着テープ１０が貼着されて
いる。使用中は、前記接着テープによつてトイレ
ツトシートを便座に固定し、袋７はトイレツトシ
ートの先端部から便器外に垂下させる。本実施例
の他の構成は第１，２図に示された実施例の構成
と同様である。

なお、上記各実施例においては、トイレツトシ
ートを収納袋の開封口近傍に接着して、袋に小さ
く折り畳んで収納して携帯に便利な様にしたが、
本考案はそれらの実施例に限定されるものではな
い。例えば、トイレツト内に常備して使用する場
合は、一個一個取り出すことができる専用の収納
箱内に袋なしで収納しても良い。

効 果 本考案は、以上のように構成したので、便座に
適用することによつて、便座の汚染又は便座から
の汚染が阻止され、従来問題となつていた便座を
介しての皮膚病等の感染を予防することができ
る。また、周縁接着部を凹凸形状にしたので、便
座との摩擦抵抗を強め、着座時のトイレツトシー
トの移動を阻止することができる。さらに、小さ
く折り畳んで袋内に収納することができるので、
携帯に便利である。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本考案の使い捨てトイレツトシー
トの実施例を示し、第１図はその平面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は他の実施例の
平面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面図、第５図
はトイレツトシートの従来例である。 １：下面シート、２：上面シート、３：中間シ
ート、４：周縁接着部、７：収納袋、８：封口
片、９：両面接着テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水分や空気の遮断性が高い柔軟シートで形成さ
   れた下面シートと柔軟シートで形成された上面シ
   ートとでその内部に吸湿保水性のある中間シート
   を挟んで便座形状に形成し、前記下面シートと中
   間シートの周縁をその接着部が凹凸形状になるよ
   うに接着したことを特徴とする使い捨てのトイレ
   ツトシート。