JPH034397B2

JPH034397B2 -

Info

Publication number: JPH034397B2
Application number: JP56151456A
Authority: JP
Inventors: Kuniteru Yoshida; Teruo Ezaka
Original assignee: Okamoto Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Okamoto Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1981-09-25
Filing date: 1981-09-25
Publication date: 1991-01-22
Also published as: JPS5853491A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は新規な平板印刷用アルミニウム支持体
に関するものである。

従来、平板印刷用に使用されている支持体とし
ては、亜鉛板、アルミニウム板、特殊加工紙、特
開昭54−53003または特開昭54−148603号に開示
されている10μ〜70μのアルミ箔を紙やプラスチ
ツクフイルムシートと貼り合わせた複合材料、お
よび２種以上の金属をメツキ等の方法により重ね
合わせたバイメタル、トリメタル板等が挙げられ
る。

これらの中で現在、最も使用されているのがア
ルミニウム板である。このアルミニウム板を通
常、機械的、電気的あるいは化学的方法により表
面を粗面化（研磨あるいは砂目立てとも言う）
し、必要に応じて、陽極酸化処理、あるいはさら
に各種親水化処理等を施した上で感光液を塗布
し、印刷プレートを作つている。

現在、両面使用できる印刷プレートも市販され
ているが、両面研磨するような場合、両面同じよ
うに研磨が出来ず、どうしても片面だけ優れた状
態になり、例えば裏面を刷る場合、表面より砂目
が浅いために水保ちが悪く、汚れたり、インキが
からんだりする欠点があり、両面とも全く同じ性
能を兼ね備えることが難しかつた。

また、印刷効率とスピードアツプのために、高
速回転で刷つたり、オフセツト輪転が盛んになつ
てきている。このような場合、印刷機上でプレー
トを取り付けた版胴と、ブランケツトが強く押し
当るためにプレートにクツシヨン性がないと、そ
の衝撃がもろにプレートに加わり、プレート上の
画線を早く損傷させて数多く印刷できなかつた。
また、一方非画線部においても同様に、早く傷が
つきやすく、そこにインキが詰まり、汚れになつ
たり、また非画線部の砂目を早く摩耗させ、その
結果、水保ちが悪くなり、汚れたり、刷り上りの
調子が狂う等の欠点があつた。このために陽極酸
化被膜を厚くして耐摩耗性、耐衝撃性を強くさす
のが一般的であるが、あまり厚くするとアルミニ
ウム板自体が硬く、剛体的になり、曲げるともろ
くなつて割れやすくなり、印刷機上でくわえ切れ
等の事故が多く出てしまう。

本発明は上記の欠点を解決することを目的とす
るもので、アルミニウム板に別基材を貼り合わせ
ることよりなる平版印刷用アルミニウム支持体に
おいて、上記別基材がアルミニウム板であつて、
異質の材質のものであり、その表面が平版印刷用
に加工され、貼り合わせたものをエンボス加工し
てなることを特徴とする平版印刷用アルミニウム
支持体を提供するものである。

貼り合わせ用の異質材としては、合金配合の違
うもの、またはハードの違うもの、いずれも任意
に選択できる。例えば表面が標準的なハード16、
またはハード18で裏面に軟質材（例えばＯ材）を
貼り合わせた場合、一枚ものの同じ厚みでハード
16又はハード18のアルミニウム板と比較して、全
体的に軟らかくなり、さきに述べた耐析度がはる
かに良くなる。

また、逆に裏面にさらに硬いハード22、または
ハード24のようなアルミニウム板を貼り合わせた
場合、円筒状の印刷機では不都合であるが、校正
刷りのような平台印刷機では、かえつてピンと板
が張るためにローラに板が付くようなことがな
く、スムーズに刷れる長所が出る。

また、特公昭55−237、および特公昭55−18637
号に記載されているような方法でアルミニウム板
にエンボス加工をしたものを接着させると、互い
にクツシヨン性が生じ、高耐刷力なプレートが得
られる。これと共に真空密着焼付する場合、フイ
ルムとプレートとの密着時間が大幅に短縮される
長所を持つことになる。

アルミニウム板とアルミニウム板との間に別種
のものをサンドイツチさせることも可能で、その
ものとしては紙、合成紙、塩ビフイルム、ポリエ
チレンフイルム、ポリエステルフイルム、セロフ
アン、スポンジ状シート、ゴムシート、布あるい
は、薄い鉄板、ステンレス板、鋼板、真鍮板等の
金属板等が利用できる。

これらのアルミニウム板を貼り合わせる場合、
貼り合わせた後から表面の砂目立て以降の各処理
をして感光液を塗布して印刷プレートを作るか、
あるいはアルミニウム板の表面を砂目立てし、場
合によつては陽極酸化処理や、各種親水化処理等
の前処理した後で貼り合わせてから感光液を塗布
して印刷プレートを作るか、あるいは砂目立て以
降の前処理をし感光液を塗布してから貼り合わせ
て印刷プレートを作るか、あるいは砂目立て以降
の前処理をし、感光液を塗布し、適当なサイズに
カツトし、それを焼付、現像等の製版工程後に貼
り合わせて印刷プレートを作るか、いずれの方法
も可能である。また、これらを枚葉的に行なうこ
ともできるし連続的にコイル状で行なうこともで
きる。

貼り合わせる方法はアルミニウム板、あるいは
貼り合わせの相手基材の裏面に接着材、あるいは
溶融した合成樹脂を塗布し、お互いに背中合わせ
で重ねて、圧ローラーを通して貼り合わせ、場合
によつては、熱乾燥して仕上げる。

表面のアルミニウム板の平版印刷用に適する加
工方法は、従来一般に知られている方法で行な
う。つまりアルカリや溶剤で脱脂し、砂目立ての
ためにブラシ研磨、あるいは電気的な電解研磨、
あるいは化学薬品で行なう化学研磨、あるいは各
種ホーニング等を行なう。このときにブラシ研磨
して、電解研磨する場合もあり、この場合には、
さらに緻密な砂目になる。次いでよく洗浄後、ア
ルカリエツチングして表面の研磨残渣を取り除
き、水洗後、場合によつては陽極酸化処理を行な
う。電解液としては硫酸、リン酸、クロム酸、蓚
酸、亜リン酸等を用いる。次に各種親水化処理等
をして仕上げる。

本発明に使用される接着剤としては、粘着性樹
脂を溶媒に溶かしたものや、エマルジヨン化した
もの、反応性タイプの合成樹脂または溶融させた
ポリエチレン、ポリプロピレンのような合成樹脂
等が使用でき、また、これらの接着剤を塗布した
両面テープも使用することができる。

本発明に使用できる感光液は、従来より知られ
ている感光液はいずれも使用できる。感光液の組
成物としては、ジアゾ樹脂化合物とバインダー樹
脂からなる感光液、Ｏ−キノンジアジド化合物と
アルカリ可溶性樹脂からなる感光液、アジド化合
物とバインダー樹脂からなる感光液、光重合性フ
オトポリマー感光液等がある。

本発明によれば貼り合わせた別基材の表面が同
じように研磨、感光液塗布等されて加工されてい
れば、表、裏全く同一な性能を持つたプレートに
なり、先に述べたような裏面による刷りずらさは
解消される。また、従来一般的に平版用に使用さ
れている、ある厚みのアルミプレートと、貼り合
わせた同じ厚みのものとの繰り返し曲げ回数（耐
析度）を比較すると後者の方が約４〜５割多くな
り、おり曲げても割れずらい結果が得られる。こ
れは接着剤のために折り曲げた時に、ズレが生じ
るために良くなるからと考えられる。また、この
ように中間に接着剤が入つているため、クツシヨ
ン性が生まれ、版胴とブランケツトがソフトタツ
チに接することになり高耐刷力が得られる。接着
剤は可撓性のあるものの方がより良く効果を生
む。

さらに、本発明ではアルミニウム板をエンボス
加工しているので、フイルムを真空密着に要する
時間は約４割短縮できた。また両面エンボスのた
め、プレート全体にクツシヨン性が生まれ、これ
によつて約10万部刷つても、画線部はもとより、
非画線部においてもなんら損傷の跡が見当たらな
つた。

実施例１厚さ0.12mm、幅1000mm、材質1100、硬さH16の
アルミコイルを砂目立てする前に、エンボスロー
ル（エンボスの模様は高さ20μ、距離４mm間隔、
表面積約0.2mm²の円柱）とゴムロールの間を通し、
１Kg／cm²の圧力をかけてアルミ全体にエンボス加
工をした。その後、このコイル状アルミニウム板
をアルカリ脱脂し、次いでナイロン製研磨ブラシ
とバーミストン水、懸濁液を用いてその表面をブ
ラシ研磨し、次いで20％リン酸ソーダ70℃で30秒
間浸漬し、エツチングしたのち、水洗し、20％硝
酸で中和洗浄し、水洗後、10％硫酸溶液中で厚さ
2.5ｇ／m²になるように陽極酸化した。その後よ
く水洗し、乾燥後、Ｏ−キノンジアジド系感光物
とノボラツク型樹脂と染料とからなる感光液をロ
ーラーコーテングして乾燥して巻き上げ、基板
（）を用意した。

別のコイル状アルミニウムで厚さ0.12mm、幅
1000mm、材質1100、硬さH12のものを上記基板
（）と同様にエンボス加工し、砂目立て、陽極
酸化し、基板（）を容易した。これら基板
（）、（）をエポキシ系接着剤で貼り合わせた。

こうしてできた厚さ約0.24mmの貼り合わせたア
ルミニウム板と、厚さ0.24mmの同じ材質でH16の
アルミから出来ている感光液塗布されたアルミ
PS版を同じように焼付け、現像して印刷プレー
トを作つた。この２枚について耐析度（繰り返し
曲げ回数）を比較してみた。曲げ角度135°、曲げ
半径2.0^R、荷重１Kgで行つたところ、本発明によ
る貼り合わせ材は平均7.5回のところ一枚ものの
アルミニウム板は5.2回であつた。これより明ら
かにくわえ切れに対して強いものが得られた。

また、本発明では、両面エンボス加工されたプ
レートになり、フイルムを真空密着させた時、一
般の表面平滑性のPS版と比較して、真空密着に
要する時間は約４割短縮できた。また両面エンボ
スのため、プレート全体にクツシヨン性が生ま
れ、これによつて約10万部刷つても、画線部はも
とより、非画線部においてもなんら損傷の跡が見
当たらなかつた。

比較例１エンボス加工していない点を除き、上記実施例
１の基板（）と同様の基板（）、基板（）
と同様の基板（）を各々用意した。基板（）
の片面に、ウレタン系の接着剤を約3μの厚さに
塗布し、基板（）の裏面と貼り合わせた。

こうしてできた厚さ約0.24mmの貼り合わせたア
ルミニウム板と、厚さ0.24mmの同じ材質でH16の
アルミから出来ている感光液塗布されたアルミ
PS版を同じように焼付け、現像して印刷プレー
トを作つた。この２枚について耐析度（繰り返し
曲げ回数）を比較してみた。曲げ角度135°、曲げ
半径2.0^R、荷重１Kgで行つたところ、本発明によ
る貼り合わせ材は平均7.4回のところ一枚ものの
アルミニウム板は5.2回であつた。これより明ら
かにくわえ切れに対して強いものが得られた。

しかし、エンボス加工した実施例１ほどのクツ
シヨン性等は得られなかつた。

比較例２比較例１と同様にして処理及び感光液を塗布し
た基板（）を２コイル用意して、これを比較例
１と同様なる方法で背中合わせで貼り合わせた。
これにより、表、裏全く同様な砂目の形、陽極酸
化被膜、同じ感光液が塗布されたプレートを得
た。これを、片面づつ焼付、現像して、両面とも
印刷可能なプレートになり、今までの両面プレー
トにありがちな裏面だけが砂目が浅く、陽極酸化
も不充分なことが解消された。

しかし、エンボス加工した実施例１のようなク
ツシヨン性等は得られなかつた。

比較例３厚さ0.1mm、幅1000mm、材質1100、硬さH16の
コイル状アルミニウムを実施例１と同様なる砂目
立て及び陽極酸化処理をした。次いで、ジアジ樹
脂と多元アクリル樹脂と染料からなるネガ型感光
液を塗布して、乾燥して巻き上げて基板（）を
用意した。別のコイル状アルミニウムで厚さ0.1
mm、幅1000mm、材質3003、硬さH18のものを同様
に脛砂目立てし、陽極酸化処理をして、同じ感光
液を塗布してから基板（）と比較例１と同様な
方法で貼り合わせた。その結果、全体の厚さが
0.2mmであるにもかかわらず、ヘコやカールのし
ずらい平端性のあるプレートが得られた。

しかし、エンボス加工が施されていないため、
実施例１に比して、クツシヨン性等において劣つ
ていた。

比較例４ 20μのアルミ箔と0.1mmの紙を約15μのポリエチ
レンで接着させ、アルミ表面を砂目立てした後、
実施例１と同様なる感光液を塗布して印刷プレー
トを得た。このものを焼付、縫版後、印刷機にか
けたところ、くわえの部分、特に爪でプレートを
取り付ける印刷機の場合には、すぐに切れて約
1000部しか刷れなかつた。また、製版中でもカー
ルして自動現像機のロールにからんだりした事故
が多かつた。この感光液を塗布したアルミ箔と紙
よりなる印刷プレートを0.2mmのアルミニウム板
と貼り合わせてから焼付、現像したところ、カー
ルせずに、まつすぐ通版した。また、印刷機上で
はアルミニウム板を貼り合わせたため、くわえ切
れもなく、また、中間に紙が入つているためか、
クツシヨン性も生じ、約３万部印刷できた。

アルミ箔と紙よりなる印刷プレートを、焼付、
現像後に0.2mmのアルミニウム板と貼り合わせた
場合も同様にくわえ切れのない耐刷力のあるプレ
ートになつた。また貼り合わせ用にアルミニウム
板でなく、鉄板、ステンレス板、真鍮板でも同じ
ように効果があつた。

ただし、本比較例４は、中間に紙等を入れるた
め実施例１に比してコスト高となつた。

Claims

【特許請求の範囲】

１材質を異にする複数のアルミニウム板をエン
ボス加工して貼り合わせ、これらのアルミニウム
板の表面を平板印刷用に加工してなることを特徴
とする平版印刷用アルミニウム支持体。