JPH0342898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、歯科医療に於ける根管充填に際し使
用され、温熱を加えると軟化し変形する熱可塑性
を有し、歯内の根管狭窄部、側枝或いは分岐根管
等の狭小な空域に充填される微小なガツタパーチ
ヤを収容し、前記根管内の狭小な空域にガツタパ
ーチヤを挿入し且つ密状態に押圧充填し得るガツ
タパーチヤ挿入充填器に関する。

［従来の技術］ 従来、歯科医療に於ける根管充填方法としては
主として糊材と棒状のガツタパーチヤポイントと
の併用で行う方法であり根管形成後の歯の根管に
対して棒状のガツタパーチヤポイントを挿入し押
圧器具にて圧を加えながら複数本充填してゆくも
のであつた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、前記したガツタパーチヤポイン
トにあつては単に棒形状からなり、かなりの圧を
加えても根管に多数存在する側枝、分岐根管等狭
小でしかも複雑な形状の空域部を密に填塞するこ
とは非常に困難であり、そのため根管充填後にあ
つても当該空域部分から病変を起こすことが多々
ありその改善方法が待たれた。また、前記した根
管の狭小空域を密に充填するために、小球状等の
微小なガツタパーチヤが用意される例も試みられ
たが、当該微小なガツタパーチヤを適確に捕捉し
且つ目標とする根管の狭小空域に挿入し得る適切
な手段は見出されなかつた。

本考案は、上述した従来のガツタパーチヤポイ
ントによる根管充填の問題点を解決すべくなされ
たものであり、微小なガツタパーチヤを確実に収
容しつつ当該ガツタパーチヤを根管に存在する狭
小空域に挿入し且つ密状態に押圧充填し得ると共
に根管治療を一層完壁なものとし得るガツタパー
チヤ挿入充填器を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 前述した問題点は、歯科医療に於ける根管充填
に際し使用され、温熱を加えると軟化し変形する
熱可塑性を有し、歯内の根管狭窄部、側枝或いは
分岐根管等の狭小な空域に充填されるガツタパー
チヤが両端開放の中空保持管の一端内に収容さ
れ、前記中空保持管の他端部から一端部に握手が
固設された摺動杆が着脱自在に挿着され、前記摺
動杆の長さは前記中空保持管の長さを越えて形成
されることを特徴とするガツタパーチヤ挿入充填
器によつて解決されるものである。

［実施例］ 以下、実施例に基づいて本考案の構成を詳述す
る。

第１図は本考案のガツタパーチヤ挿入充填器の
一実施例を示す縦断面図である。１はガツタパー
チヤであり、歯内の根管狭窄部、側枝或いは分岐
根管等の狭小な空域に充填される場合は適宜厚さ
を有するプレート状のガツタパーチヤからくり抜
かれたもの若しくは小球状のガツタパーチヤ等微
小なものが使用される。２は、両端開放された中
空状からなり、その一端２ａ内にガツタパーチヤ
１を収容する中空保持管である。中空保持管２の
一端２ａにはプレート状のガツタパーチヤにあつ
てはくり抜き収容される為に或いは小球状のガツ
タパーチヤにあつては捕捉収容し易くする為に先
尖りの刃状部２ｃが形成される。第３図は中空保
持管２がプレート状のガツタパーチヤ１をくり抜
き収容した例であり、第４図は中空保持管２が小
球状のガツタパーチヤ１を収容した例を示すもの
である。

そして、中空保持管２の他端部２ｂから、一端
部に握手４が固設されたガツタパーチヤ１排出用
の摺動杆３が着脱自在に挿着される。摺動杆３の
先端部３ａでガツタパーチヤ１が押圧排出される
ために、第２図に示される如く、摺動杆３の長さ
は中空保持杆２の長さを越えて形成される。

また、摺動杆３は根管の狭小な空域に微小なガ
ツタパーチヤを充填閉塞するための押圧器具とし
て使用される。摺動杆先端部３ａの外形寸法ｄ
は、すなわち中空保持管２に収容されるガツタパ
ーチヤ１の外形寸法と略等しいものであるが、通
常複数種を越えて用意されるものであり、外形寸
法ｄの大きさに対応して例えば国際規格（ISO規
格）に準じて握手４若しくは該握手４側の中空保
持管２の端部２ｂ或いは握手４及び端部２ｂの双
方が色分けされれば取扱利便なものとなる。

［作用及び効果］ 上記構成からなる本考案のガツタパーチヤ挿入
充填器は、第５図に示されるごとく、中空保持管
２の一端２ａ内に収容されたガツタパーチヤ１を
摺動杆３の先端３ａにより押圧排出し、歯５の根
管６の根管狭窄部７、側枝８或いは分岐根管９等
の狭小な空域に挿入するものであり、その後第６
図に示される如く摺動杆３の押圧により当該狭小
空域にガツタパーチヤ１は密状態に充填閉塞され
るものである。

以上詳述した如く、本考案のガツタパーチヤ挿
入充填器は根管の狭窄部、側枝或いは分岐根管等
の狭小な空域を充填するに見合う微小なガツタパ
ーチヤを確実に捕捉収容しつつ、簡易操作にて当
該根管の狭小空域に容易に密状態で挿入充填し得
るものとなり、ガツタパーチヤによる根管充填治
療は従来になき完成度をもつてなすことができる
ものである。加えて、本考案を構成する摺動杆
は、根管の狭小な空域に挿入されたガツタパーチ
ヤを密状態に押圧充填し得る押圧器具の役割を果
たすものであるから、根管充填治療上の作業性が
一層向上するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガツタパーチヤ挿入充填器の
一実施例を示す縦断面図、第２図はガツタパーチ
ヤ挿入後の第１図に於けるガツタパーチヤ挿入充
填器の縦断面図、第３図及び第４図は本考案に係
る中空保持管がガツタパーチヤを収容した一例を
示す一部断面図、第５図は本考案に係る中空保持
管の根管内挿入状態を示す概略断面図、第６図は
本考案に係る摺動杆の使用状態を示す概略断面図
である。 １……ガツタパーチヤ、２……中空保持管、３
……摺動杆、４……握手、５……歯、６……根
管、７……根管狭窄部、８……側枝、９……分岐
根管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 歯科医療に於ける根管充填に際し使用され、
   温熱を加えると軟化し変形する熱可塑性を有
   し、歯内の根管狭窄部、側枝或いは分岐根管等
   の狭小な空域に充填されるガツタパーチヤが両
   端開放の中空保持管の一端内に収容され、前記
   中空保持管の他端部から一端部に握手が固設さ
   れた摺動杆が着脱自在に挿着され、前記摺動杆
   の長さは前記中空保持管の長さを越えて形成さ
   れることを特徴とするガツタパーチヤ挿入充填
   器。 (2) 摺動管の握手若しくは該握手側の中空保持管
   の端部或いは前記握手及び前記握手側の中空保
   持管の端部の双方が前記握手とは反対側の前記
   摺動杆端部の外形寸法に対応して色分けされて
   なることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のガツタパーチヤ挿入充填器。