JP2005531372A - 歯のモデル成形及び咬合システムと方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 義歯を作る際に使用する、患者の口部の少なくとも一部分を複製するための歯の咬合器及び方法(10、90)は、トレーと一体に形成されているヒンジ(20)によって軸回転可能に一体に連結されている一対のトレー(11、12)を含んでいる。一方のトレーでは、ヒンジは、回転軸(22)と、少なくとも部分的には回転軸の回りに伸張している肩部(24)とを含んでいる。他方のトレーでは、ヒンジは、1)回転軸の両側と、2)肩部の両側の両方に、軸回転可能に配置されている一対のフィンガ(26a、26b)を含んでいる。薄膜(44、44b)は、トレーの位置合わせピン穴(40、41)を横切って配置され、位置合わせピン穴を塞ぎ、歯の鋳造材料が位置合わせピン穴を実質的に満たすのを防いでいる。薄膜は、位置合わせピン(42)を、位置合わせピン穴に挿入し、薄膜を貫いて伸張させることによって破られるようになっている。

Description

本発明は、概括的には、歯のモデル成形及び咬合システムと方法に関する。厳密には、本発明は、そのような歯のモデル成形及び咬合システム用のヒンジと、そのような歯のモデル成形及び咬合システム用の薄膜に関する。
義歯の作成には、現在機能している歯のモデルを作成しなければならず、それは患者の口部を実質的に正確に複製することであり、それに基づいて義歯を製作することになる。そのような義歯には、歯冠、ブリッジ、CAD/CAM作成のためのキャップ(土台)、インレー、オンレー及びその他の復元歯科工作物が含まれる。
歯のモデルを作る1つの方法に、「二回注入法」又は「乾式ピン止め技法」と呼ばれているものがある。この方法では、モデルは、注入され、硬化し、分離され、整形され:次に、鋳型の下面に穴を開け、糊の付いたピンを挿入し、鋳型を第2注入石基盤内に置く。この工程の欠点は、時間が掛かること、ドエルピンの設定が面倒なこと、基盤と型を作るのに何回も鋳造材料を注入せねばならないことである。更に、この方法は、技工士が2つの別々の鋳型を手で咬合させて、噛み合わせを設定しなければならないので、推量を伴うことが多い。その結果、反転印象が作られたときに歯科医が設定した噛み合わせを示す正確な3次元モデルを再現するように、下顎と上顎の鋳型を互いに関係付けることが常にできるわけではない。この方法の例は、米国特許第4,734,033号に述べられている。この方法は、石基盤又はモデルに別々に取り付けられている別々のヒンジを使用する。このヒンジは、石基盤又はモデルを整列させた後で堅く固定される調整可能なボール・ソケット型式の接続部を含んでいる。
別の方法は、「一回注入法」又は「湿式ピン止め技法」と呼ばれる。この方法では、プラスチックトレーの支持部材が、先に述べた石基盤に取って代わるので、2回目の注入段階を省略できる。その結果、歯のモデルを作る全工程を相当短縮することができる。更に、上側と下側の鋳型を印象から分離させることなくケースを取り付けることができるので、歯科医が印象を設定したときのままの噛み合わせでケースを取り付けることができる。この「一回注入法」又は「湿式ピン止め技法」には2つの型式がある。第1の型式は「開放空洞トレー式」であり、1)作業を施している義歯要素を動かすことなく安定させるか、又は比較的高い切り込み付きの又は弓状の空洞の助けによって、義歯型の動きを防ぐことができ、2)位置決めピン孔穿孔の追加作業とピン割出し工程を省略することができる。この工程の欠点は、1)義歯型の底部に作業の際に保持するピンが取り付けられていないので、型の準備、ワックス磨き、金属仕上げ及び磁器構築の全工程に亘って型を制御するのが難しいこと、2)トレーが比較的高い切り込み付きの壁を有しており、スタンド、木槌などのような特殊な解放装置を使用する必要があり、鋳型の一部がトレーから取り外す際に壊れる恐れがあるので、トレーから型全体を最初に取り外すのが難しいこと、3)型は、トレーとスナップ嵌合又はクリック係合しているレール又は突起に堅く着座しているので、最初の段階の湿式磁器構築物が壊れる恐れがあることである。そのような方法の例は、米国特許第5,306,145号と第6,099,305号に述べられている。
第2の型式は「ピン式」であり、プラスチックトレー支持部材が、複数の位置合わせピン穴を有しており、分割された各型の下から少なくとも1つのピンが突き出ているので、このシステムからのマスター型は、保持し作業するのに都合がよい。更に、上側鋳型及び下側鋳型は、ヒンジによって配列されるまでは印象から分離されない。従って、歯科医が印象を設定したときのままの噛み合わせでケースを取り付けることができる。この工程の1つの欠点は、半液体状のモデル材料は位置合わせ穴を通って滲み出し硬化し易いので、位置合わせ穴に詰まる鋳造材料を過剰に保持することである。モデル材料は、硬化するとこれらの穴に詰まるので、分割された型をトレー支持部材から最初に外すのが難しくなる。更に、型を壊してトレーから強引に外さなければならない場合もあり、壊したことによる鋳造材料の小さな屑が全作業工程に亘って型とトレーの間にくっついて残り、隣接する型同士の、更には反対側モデルとの適切な関係が阻害されることになりかねない。これらの方法に関する別の欠点は、有害な糊と硬化加速剤で本体に接続しなければならない脆いヒンジ又は別々のヒンジの何れかを有する場合が多いことである。この方法の例は、米国特許第5,466,152号と第6,318,999号に述べられている。
従って、歯のモデル成形の重要な態様は、1)モデルの各部分を、隣接する型との以前の関係、更に反対側モデルとの以前の関係に、正確に安定して容易に再配置できること、及び2)上側及び下側の鋳型を互いに高い信頼性で位置合わせできることである。
歯冠、ブリッジ、CAD/CAM作成のためのキャップ(基盤)、インレー、オンレー及び他の復元歯科工作物のような義歯要素を製作するモデルとなる、精密で、正確で、迅速な歯のモデルを作る歯のモデル成形及び咬合システム及び方法を開発するのが有用であることは理解されている。更に、1)作業効率を最大化し、2)実質的に完全な回転、側方及び前後方向の運動を提供し、3)歯の鋳型を実質的に完全に位置合わせできる、歯の鋳型用のトレー支持部材と、一体式咬合ヒンジ部材とを備えた歯のモデル成形及び咬合システムを開発するのが有用であることも理解されている。
本発明は、義歯を作成する際に使用する患者の口部の少なくとも一部分を複製する歯の咬合器を提供する。本装置は、閉状態と開状態の間で、互いに対して軸回転させることのできる、軸回転可能に一体に連結されている一対のトレーを含んでいる。閉状態では、トレーは、互いに相対し、間隔を空けて配置されている。開状態では、トレーは、互いから離れる方向に軸回転している。
本発明の或る態様によれば、ヒンジは、トレーと一体成形されており、トレーとトレーの間に配置されている。一方のトレーでは、ヒンジは、回転軸と、少なくとも部分的には前記回転軸の周りに伸張して、肩部の各側に伸張する2つの軸部分を作り出している肩部とを含んでいる。他方のトレーでは、ヒンジは、1)回転軸の両側、且つ2)肩部の両側に、回転可能に配置されている一対のフィンガを含んでおり、フィンガは、軸と肩部の両方で分離されている。
本発明の別の態様によれば、少なくとも一方のトレーに複数の位置合わせピン穴が形成されている。薄膜が、位置合わせピン穴を横切って位置合わせピン穴を塞ぐように配置されており、歯の鋳造材料が実質的に位置合わせピン穴を満たすのを防いでいる。薄膜は、位置合わせピンを位置合わせピン穴に挿入し、位置合わせピンに薄膜を貫通して伸張させることによって破られる。
更に、本発明は、歯のモデルを形成するための方法を提供する。本方法は、歯の咬合器の下側及び上側トレー上に、治療を受ける歯と反対側の歯の、患部モデルと反対側モデルとを形成する段階を含んでいる。患部モデルは、義歯を受け入れるための治療を受ける歯のモデルを含んでいる。反対側モデルは、治療を受ける歯に相対する反対側の歯のモデルを含んでいる。
本発明の或る態様によれば、下側と上側のトレーは、トレーと一体成形されているヒンジの周りに軸回転する。ヒンジは、肩部が軸の周りを取り囲んでいる第1部分と、相対するフィンガが、軸の両側と肩部の両側に可動的に配置されている第2部分とを含んでいる。
本発明の別の態様によれば、本方法は、位置合わせピンが薄膜を破り、薄膜を貫通して伸張するように、位置合わせピンを押して、歯の咬合器の下側と上側のトレーの内の少なくとも一方の位置合わせピン穴を横切って伸張している薄膜を貫通させる段階を含んでいる。
本発明のこの他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を、本発明の特徴を例を挙げて示している添付図面と関連付けて読めば、明らかになるであろう。
以下、図面に示す代表的な実施形態を見てゆくが、説明に際してここでは特定の用語を使用する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定する意図はない旨理解頂きたい。ここに示す発明的特徴の変更及び更なる修正と、ここに説明する本発明の原理の追加的用途に関して、関連技術の当業者でこの開示を参照した者が想起できるものは、本発明の範囲内にあると考えて頂きたい。
図1−29に示しているように、本発明による、全体を10で示す歯のモデル成形及び咬合システム又は装置とその構成要素部品は、義歯の作成時に使用する患者の口部の実質的な複製である歯のモデルを作る際に使用するものとして図示されている。そのような義歯には、歯冠、ブリッジ、CAD/CAM作成のためのキャップ(基盤)、インレー、オンレー及び他の復元歯科工作物が含まれる。歯のモデル成形及び咬合システム10は、軸回転可能に一体に連結されている上側及び下側トレー11及び12のような一対のトレーを含んでいる。トレー11及び12は、それぞれの上側及び下側の型受け入れ表面13及び14のような型受け入れ表面を有している。
トレー11及び12又は型受け入れ表面13及び14は、歯の鋳造材料と、患者の歯の型又はモデルを受け入れる。下側トレー12と下側型受け入れ表面14は、患者の1つ又は複数の治療を受ける歯の患部モデル15又は下側鋳型(図17及び図20a)を受け入れる。患部モデル15は、治療を受ける歯のモデルでもよいし、義歯を受け入れる義歯型16(図17及び図20a)でもよい。従って、下側トレー12及び下側型受け入れ表面14は、治療を受ける歯の患部モデルを受け入れる。上側トレー11と上側型受け入れ表面13は、治療を受ける歯に相対する、患者の1つ又は複数の相対する歯である反対側モデル17又は上側鋳型を受け入れる。反対側モデル17は、治療を受ける歯に相対する反対側の歯のモデルを含んでいる。
尚、トレー及び型受け入れ表面に関する、「上側」及び「下側」という表現又は記述は、必ずしも患者の上側及び下側の歯に対応してはいない。下側トレーは、作業又は患部トレーであり、患部モデル15(図17及び図20a)を受け入れるもので、患者の上側又は下側の何れかの歯に相当する。作業又は患部トレーに関しては、トレーを下側トレーとして配置するのが、通常最も好都合である。同様に、上側トレーは反対側のトレーであり、反対側モデル17(図17及び図20a)を受け入れる。上側及び下側トレーは、図示のように異なる構成であってもよいし、同様又は同一構成であってもよい。大部分の歯の病状は、口部の上側又は下側の一方だけに義歯などを必要とするので、通常、1つの下側又は作業トレーしか必要ない。口部の上側及び下側の両方が義歯などを必要とする場合、2つの下側トレーを一体に連結することもできる。
トレー11と12は、互いに対して閉状態と開状態の間で軸回転させることができる。閉状態では、トレー11と12は、図1aに示すように、概ね互いに相対し互いに間隔を空けて配置されている。型受け入れ表面13と14は、閉状態では互いに相対している。開状態では、トレー11と12は、図1bに示すように、軸回転して互いに離れている。閉状態は、患者の閉じた口部に対応し、或いはそれをモデル化又は模倣しており、患者の歯の型又はモデルは(図17に示すように)互いに対して近接している。開状態では、義歯などを作るために患者の歯の型又はモデルを分離できるようになっている。更に、トレー11と12は、トレーを分離できるように取り外し可能に接続されている。トレーは、(図1bに示すように)別々に準備して、使用中又は使用前に接続してもよい。
トレー11と12は、一対のアーム、即ち下側及び上側のアーム18及び19を有しており、それぞれ、一方のトレーからヒンジ20まで伸張している。従って、閉状態では、アーム18と19は、トレー11と12を、間隔を空けた配置関係に維持することができる。下側アーム18は上方で且つ後方に伸張し、上側アーム19は、下方で且つ後方に伸張している。従って、ヒンジは、トレーの後方に配置されている。更に、下側アーム18は一対の下側アーム18aと18bで構成され、上側アームは一対の上側アーム19aと19bで構成されている。更に、装置10は、それぞれ異なる対のアームの間に配置されている一対のヒンジ20aと20bを有している。下側アーム18a及び18bと、上側アーム19a及び19bは、トレー11及び12から横方向外向きに伸張しているので、一対のヒンジ20aと20bは互いに間隔を空けて配置されている。ヒンジ20aと20bが間隔を空けて配置されているので、トレーの動きが更に安定する。トレーとアームは、一体に成形してもよい。
トレー11及び12とアーム18及び19は、ヒンジ20で、軸回転可能且つ取り外し可能に接続されている。ヒンジ20は、トレー11と12の間に、且つアーム18と19の間に配置されている。更に、ヒンジ20は、トレー11及び12と、従ってアーム18及び19と一体に形成されている。ヒンジ20の部分は、各トレー又はアームで形成されている。即ち、ヒンジは、一方の部品が下側トレー及び下側アームと共に形成され、他方の部品が上側トレー及び上側アームと共に形成されている2部品構成のヒンジである。更に、ヒンジ20又はその部品は、使用する際には(図1aに示すように)一つに嵌め合わされる。必要であれば、(図1b)に示すようにヒンジ20又はトレー11と12を分離することができる。アーム18及び19とヒンジ20は、装置10が、口部の開閉機能を疑似又は模倣できるようにしている。
図21−29に示すように、ヒンジ20aと20bは、それぞれ回転軸22aと22bを有している。回転軸は、整列しており、同一直線上にある。肩部24は、少なくとも部分的には各回転軸22a及び22bの回りに伸張して、回転軸を分割し、肩部24の各側に伸張する2つの軸部分を作っている。肩部24は、図示のように、軸22aと22bの回り全体に外接し、伸張している。又、肩部24は、アームと軸との間に伸張して、軸をそれぞれのアームに取り付けている。軸と肩部はヒンジの第1部分を形成している。ヒンジの第2部分は、他方のアームから伸張し、ヒンジの第1部分と係合してこれを保持する一対のフィンガ26aと26bを備えている。フィンガ26aと26bは、軸22a及び22bと肩部24の両方を掴んでいる。この様に、フィンガ26aと26bは、軸22aと22bの相対する側、そして肩部24の両側に軸回転可能に配置されている。フィンガ26aと26bは、軸及び肩部を、滑動可能に支持する。従って、ヒンジは、固い又は堅い感触を作り出し、トレー間の過度の動きを抑制している。このようなヒンジ20は、下側トレー12に対する上側トレー11の運動を制限して、回転、側方及び前後方向の運動を含む人間のあごの自然な動きをシミュレートできることが分かった。
フィンガ26aと26b又はその内側表面は、回転軸に直交する面内にある弧状又は曲率を有する曲線状になっている。この様に、フィンガは、軸周りに曲線を描いている。更に、フィンガ26aと26bは、その間に、回転軸22aと22bを受け入れる回転軸開口部28を画定している。従って、回転軸開口部28は、回転軸の円形形状を受け入れる円形になっている。更に、空隙30は、フィンガ26aと26bの両遠位端の間に形成され、回転軸開口部28への入口を画定している。空隙30は、軸22aと22bを、空隙30を通して回転軸開口部28へ挿入し、回転軸開口部内に維持できるように、回転軸開口部28より狭くなっている。空隙30は、軸を受け入れるため入口は広くなっており、先細に、即ち狭くなっている。更に、フィンガは比較的柔軟性があり、フィンガの大きさと材料は、力を掛けてフィンガの遠位端の空隙30を開いて軸を回転軸開口部28に押し込み、引き出すことができるが、使用中は軸を回転軸開口部内に維持するように選定されている。更に、フィンガ26aと26bは、横方向に間隔を空けて配置され、両者の間に空間32が形成され、そこに肩部24が入る。
湾曲したチャネル34が、図24に示すように、回転軸22aと22bの少なくとも一部を取り囲んでいる。トレー11と12を互いに対して軸回転させると、フィンガ26a又は26bの一方は、湾曲したチャネル34内を動く。湾曲したチャネルは、ヒンジに更なる支持と剛性を提供すると考えられる。フィンガは、閉状態ではチャネル34内にあってフィンガをチャネル内に保持しているが、開状態では、トレーを分離できるように、チャネルの外にある。
ストッパ36aと36bがヒンジ20又はアーム18及び19上に形成され、トレーが閉状態にあるときには当接する位置にあり、トレーを適切な位置に維持する。
ヒンジ20又はその部品は、トレー11、12及びアーム26a、26bと一体に成形され、有害な接着剤及び硬化剤加速剤の使用を排除している。
ヒンジ20は、上側トレー11を、下側トレー12に向かう方向、及び離れる方向に動かせるようにしている。従って、(図17及び図20aに示すように)下側及び上側トレーに歯の鋳型15と17を付けると、患者の顎の開閉の動きをシミュレートすることができる。更に、下側鋳型15で作業している間に、上側トレー11を軸回転させて下側トレーから離すことができる。
図7と図8に示すように、下側アーム18aと18bは、それぞれ、ヒンジ20の異なる、即ち互いに反対側の部品を有している。例えば、一方のアーム18aは一対のフィンガ26aと26bを有しており、他方のアーム18bは回転軸22と肩部24を有している。同様に、一方の上側アーム19aは回転軸22と肩部24を有しており、他方のアーム19bは、図2と図3に示すように、一対のフィンガ26aと26bを有している。従って、一対の下側トレー12を一つに連結することができる。
更に、トレーの一方又は両方、例えば下側トレー11は、図7に示すように、鋳型に固定されている位置合わせピン42を受け入れるための位置合わせピン穴40の列を含んでいる。位置合わせピン穴40は、トレーの縦軸と整列する単一の列に配列され、トレーの中心に配置されている。位置合わせピン穴40と位置合わせピン42は、両者の間に実質的な遊び又は動きがないように、僅かに先細になっていて、ピンを穴に着座させ固定し易くなっている。位置合わせピン穴は、型受け入れ表面からトレーの中へ、内向き先細に伸張している。位置合わせピン穴40は、等間隔に配置され、後に説明する位置合わせストラットの列と平行に伸張する列に配置されている。追加の位置合わせピン穴41が、上側と下側の歯のアーチの左又は右側を取り巻くように、トレーの自由端に形成されている。自由端の追加の位置合わせピン穴41は、前方の歯の印象の湾曲の態様に合わせて構成されている。
図15と図20に示すように、位置合わせピン42は、位置合わせピン穴40又は41内に配置される。位置合わせピン42は、真鍮製のドエルピンであり、頭部には、モールド成形鋳型又はモデル15(図17及び図20a)に埋め込まれるローレット付きの外表面を有している。位置合わせドエルピンの他方の端部は、滑らかな外側円筒又は円錐台形表面を有する基部であり、位置合わせピン穴40又は41に挿入され、そこから取り外される。図20は、トレーの支持部材11と12を軸回転させた状態の互いの関係を示す側面図である。位置合わせピン42は、位置合わせピン穴40及び41に配置されている。鋳造材料が、トレーのベッドの所定の位置に注入されている。
図8、10、11、14−16及び20に示すように、丸くて窪んだ親指差込穴43が、位置合わせピン穴40の底部、即ちトレーの底部近くの中心に設けられている。親指差込穴43は、位置合わせピン42を位置合わせピン穴40に挿入したとき、位置合わせピン42の遠位端が入る深さを有している。親指差込穴43は、技工士が手の指又は親指の先を入れて、位置合わせピン穴40からピン42を押し出して、トレーから義歯型16を押し出せるようになっている。親指差込穴43は、技工士が位置合わせピン42の先を優しく滑らかに押し、義歯型16とその上の義歯工作物を容易に取り外すことができるようにしている。親指差込穴43は、義歯型16を、まだ湿った状態にある磁器構築の最初の段階でトレーから取り外さなければならないときに、更にそれに続いて、義歯型16を、それを載せて作業している下側トレーに係合し、係合解除するときに、特に有用である。湿った磁器が固体状態に無い場合、壊れ易いことは理解頂けよう。親指差込穴43によって、位置合わせピン42を位置合わせピン穴40から取り外し易くなり、磁器構築の初期段階で、義歯型16(又は作業/マスター型)から義歯工作物を取り外し易くなる。
図14aと図14bに示すように、薄膜44を1つ又は複数の位置合わせピン穴40を覆って配置しておけば好都合である。薄膜44は、後で論じるように、位置合わせピン穴40又は41を塞ぎ、歯の鋳造材料が位置合わせピン穴を実質的に満すのを防ぐ。薄膜44は、位置合わせピン42を挿入したとき、及び/又は薄膜に対して押し付けたときに、前記ピンが破るか穿孔することができる材料と厚さになっている。薄膜44は、穴40及び41を塞ぐことができるほどの厚さであり、位置合わせピン42を挿入し、トレーの型受け入れ表面側から底部表面へ指の先で押すと容易に貫通できるほどの薄さである。代わりに、ツールなどを使ってピンを押し、薄膜を貫通させてもよい。薄膜は、0.002から0.003インチ(0.06から0.08mm)の範囲の厚さを有している。
更に、位置合わせピン42が薄膜44を貫通して伸張するように、薄膜44は配置され、位置合わせピン42は寸法決めされている。薄膜44は、トレーと同じ材料で形成され、トレーと一体に成形されている。薄膜44は、位置合わせピン穴40及び41の底部近くに配置されている。例えば、薄膜44を、位置合わせピン穴40と親指差込穴43の間に配置してもよい。位置合わせピン穴40及び41の底部に近接する場所であれば、射出成形工程中に容易に作ることができる。
代わりに、図14c、図19a及び図30dに示すように、薄膜は、位置合わせピン穴40、41の上部や、型受け入れ表面14のような所望の位置に配置することができる。薄膜44bは、例えば、トレーとは別に形成して、トレーに取り付けてもよい。そのような薄膜44bは、位置合わせピン穴40、41の上部で型受け入れ表面に取り付けることができる。薄膜44bは、接着剤、超音波溶接などで取り付けることができる。
薄膜44又は44bは、位置合わせピン穴40及び41を塞ぐので、開放位置合わせピン穴に勝る明確な利点を提供する。例えば、開放位置合わせピン穴では、半液体状の鋳造材料が、この鋳造材料で満たされている反転印象をトレー上に倒置したとき、徐々に穴に入り込む。鋳造材料は、硬化すると穴に詰まるので、分割された型をトレーの支持部材から最初に取り外すのが骨の折れる困難な作業になる。しかしながら、閉鎖型位置合わせピン穴は、一端が薄膜で塞がれているので、鋳造材料で満たされた印象をトレー上に倒置したとき、穴の中にエアポケットができる。エアポケットは、鋳造材料が位置合わせピン穴に入るのを防ぐので、型の取り外しが簡単で清潔になり、トレーから外す際の型の初期破損が無くなる。初期破損や、続いて繰り返される義歯型のトレーへの係合及び係合解除に依る鋳造材料の小さな破片が無いので、トレーの型受け入れ表面は常に清浄に保たれ、分割された型を、再び積極的で正確で確実にトレー支持部材に位置合わせすることができるので、結果的に、分割された型と、歯の鋳型の残りとの正しい空間的関係が得られる。
先に述べたように、下側トレー12は、作業トレー、即ち治療対象の歯のモデルである義歯型16を受け入れるトレーであり、上側トレー11は、反対側モデル17を受け入れる反対側のトレーである。従って、下側トレー12は、患者の上側又は下側何れかの歯のモデルを受け入れる。トレーは、使用者の歯の片側のモデルを受け入れる細長い長方形の形状となっている。図1bに示すように、上側トレー11は、下側トレー12と比べて設計、構造及び機能が簡単である。上側と下側の義歯型が共に同時に必要となることは稀である。臨床的には、上側と下側の歯の両方に同時に義歯作業を必要とするのは、100の症例の内の3つ未満である。上側と下側の両方の歯に義歯を準備しなければならない場合は、2つの下側トレー12を一つに接続する。そうではなく、上側鋳型又は反対側モデルを堅く握って保持するのに、簡単な上側トレー11で十分なことも多い。上側トレー11の上側型受け入れ表面13は、中に形成されている凹状のトラフを有しており、周辺壁48がトレーの回りに伸張してトラフを形成している。把持ストラット50が上側トレー11の表面13に形成されており、鋳造材料が硬化した後で、鋳型を、内部的安定性を保って保持する働きをする。
図1a、図7及び図20aに示すように、下側トレー12は、周辺壁52で形成されたトラフを含んでおり、この中に鋳造材料が注ぎ込まれる。周辺壁52(及び48)は、波形の形状、又は断面が波形の内側表面を有している。波形の形状は、複数の曲線状又は弧状の凹みを含んでおり、鋳造材料又はモデルに曲線状又は弧状の突起を形成する。鋳造材料の曲線状の凸状突起は、破壊又は欠け落ちを受けにくいことが分かっている。鋳造材料の破壊又は欠け落ち部分が、トレー12と分割された型15−16との間に不用意に挟まってしまうと、分割された型を正しく再配置できなくなる。丸みの付いた壁は、作業の間に義歯型を繰り返し配置することに起因する破壊及び摩擦を減らし、切り込み付エッジ又は鋸歯状セレーションに勝る顕著な利点を提供する。更に、壁52は、保持抵抗を最小化しながら型を維持し保持するので、他のシステムでは必要な解除装置、スタンド、マレットなどの付属品を使用しなくて済む。
図7と図9aに示すように、下側トレー12の壁52の角度は、分割された型15−16(図20a)を容易に取り外せるようにするため広くなっている。更に、下側トレー12は、型受け入れ表面14上に配置され、自由端からヒンジ付端部まで並べられている位置合わせストラット56を含んでいる。位置合わせストラット56は、六角形の断面を有している。位置合わせストラット56の六角形断面は、分割された型15−17の適切な整列を維持するのに役立つことが分かっている。小型のストラットを自由端近くに配し、大型のストラットをヒンジ付き端部近くに配している。小型ストラットは、位置合わせピン穴より直径が小さい。位置合わせストラットは、ストラットの長さに沿って内方向及び上方向に細くなっており、鋳型内に、内部保持凹部を形成する。各ストラットの中心は、対応する隣接する位置合わせピン穴の中心と横一列に並んでいる。ストラットは位置合わせピン穴と整列しているので、分割された鋳型又は型は、それぞれ、小臼歯のような小さな歯でも、少なくとも1つのピンと1つ又は複数のストラットとを有するようになっている。従って、鋳型は、全体としてストラットと凹部で分割されており、隣接する区画と部分的に鋸切断されてはいないので、小臼歯のような小さな歯でも、近心及び遠心の動きが無く、位置合わせの安定性が最大になる。ヒンジ側に配置されている大型のストラットは臼歯に割り当てられ、小型のストラットは小臼歯、犬歯及び前歯のような小さな歯に割り当てられる。大型のストラットは等間隔に広い間隔で配置され、小型のストラットは等間隔に狭い間隔で配置されている。位置合わせストラットと位置合わせ穴が在る以外は、型受け入れ表面14は、本質的には平坦であり、歯の鋳型を形成するために鋳造の石材料を上に受け入れる安定した平面基板を形成している。
図1−2及び図18に示すように、一方のトレー又はアームに穴60が形成され、他方のアーム又はトレーには受け入れ領域62が形成されている。穴60と受け入れ領域62は、トレーとアームの間の連結領域に形成されている。後方垂直制止ロッド64が、穴60を貫通して挿入され、受け入れ領域62に突き当たっている。支持されていない歯が反対側の鋳型に当たる場合に、ロッドが安定性を増すことができるように、後方垂直制止ロッド64を穴60内に固定することもできる。
以上、四分一区分印象モデル形成に適した装置及び方法について述べてきたが、同様の装置及び方法を、図30a−cに示すように、全弧状印象のモデル形成用に構成することもできる。四分一区分の上側トレー11と下側トレー12に見られる全ての特徴が、全弧状トレー90に反映されている。全弧状トレー90は、患者の口部全体の印象モールド型を受け入れるU字型の上側及び下側トレー支持部材を含んでいる。
歯のモデルを形成し、上記のシステム又は装置10又は90を使用するための方法は、治療を受ける歯の患部モデル15を、歯の咬合器10又は90の下側トレー12上に形成する段階と、相対する歯の反対側モデル17を上側トレー11上に形成する段階とを含んでいる。患部モデル15は、義歯を受け入れる患部の歯のモデルを含んでおり、反対側モデル17は、患部の歯に相対する反対側の歯のモデルを含んでいる。モデル15と17を形成する段階は、患者の歯の少なくとも幾つかの印象100(図1b)を入手する段階を含んでいる。印象100は、当該技術では既知のように、通常、歯科医が形成可能な材料をトレーなどの上に置き、患者に前記形成可能な材料を噛ませて、患者の歯の反転印象を残すことによって作成される。印象は、義歯を受け入れる患部の歯の印象を備えた患部側と、治療を受ける歯に相対する反対側の歯の印象を備えた反対側とを含んでいる。そのような印象が、通常は技工士に渡される。
印象は、歯の咬合器10又は90の上側トレー11と下側トレー12の間に配置される。歯の鋳造材料は、上側トレー11と、印象100の反対側との間に導入され、相対する歯の反対側モデル17が形成される。例えば、歯の鋳造材料が、上側トレー11と、印象100の反対側とに配置される。印象100の反対側が上側トレー11の上に配置されるので、歯の鋳造材料が両者の間に伸張して、相対する側の歯の反対側モデル17を形成する。印象100の、患部の歯を有する側は、通常、下側トレー12に面する。従って、上歯又は下歯のどちらが義歯を受け入れるかに関わらず、下側トレー12は、通常は印象100の患部側を収容する。
同様に、歯の鋳造材料は、下側トレー12と印象100の治療を受ける側との間に導入され、治療を受ける歯の患部モデル15が形成される。例えば、歯の鋳造材料は、下側トレー12上、そして印象100の治療を受ける側に配置される。下側トレー12は、印象100の治療を受ける側の上に配置されるので、歯の鋳造材料が両者の間を伸張して、治療を受ける歯の患部モデル15を形成する。歯の咬合器10又は100から印象100を取り外すと、各上側及び下側トレー11及び12上に、反対側及び患部のモデル17及び15が残る。
先ず印象100を上側トレー11上に倒置して反対側モデル17を先ず形成する。次に、反対側モデル17と上側トレー11に取り付けたまま、印象100を下側トレー12上に倒置して患部モデル15を形成する。こうして出来た患部モデル15と反対側モデル17は、歯科医が取った印象そのままの噛み合わせで歯の咬合器に取り付けることができる。代わりに、患部モデルを先に形成し、後で反対側モデルを形成してもよい。
患部モデル15は、義歯型16を形成するために、治療を受ける歯に相当する側で分割される。従って、上側及び下側トレー11及び12は、(図20aに示しているように)それぞれの上側及び下側の鋳型、又は反対側モデル17と患部モデル15を受け入れる。実際には、歯科技工士は、鋳型15及び/又は17を切断して分離し、作業するマスター又は義歯型16を形成する。モデル15及び/又は17は、各部分が、少なくとも1つの位置合わせピン42(又は好適ならばピン無し)と、少なくとも2つの位置合わせストラット56に対応する内部保持空洞とを有するように、各部分に切断される。各部分は、取り外し、再挿入して、元の印象のモデルと、上側と下側トレーの互いの関係とをトレー上の正確な場所に再現することができる。
本発明の或る態様によれば、上側と下側のトレー11と12を、トレーと一体成形されたヒンジ20で軸回転可能に連結すると、歯の咬合器10又は90を作ることができる。ヒンジは、肩部24が回転軸22を実質的に囲んでいる第1部分と、相対するフィンガ26aと26bが軸22の両側及び肩部24の両側に可動的にに配置されている第2部分を含んでいる。
下側及び上側トレー11及び12は、トレーと一体成形されているヒンジ20の周りに軸回転させることができる。従って、上側トレー12を開状態まで軸回転させると、義歯型16にアクセスすることができる。更に、上側トレー12を閉状態まで軸回転させると、義歯型16の義歯と反対側モデル17の間隙を確認することができる。
本発明の別の態様によれば、歯の咬合器10又は90は、下側トレー12のような少なくとも1つのトレーの位置合わせピン穴40及び/又は41を横切って伸張する薄膜44又は44bを備えている。位置合わせピン42を、一方のトレー、例えば下側トレー12の位置合わせピン穴40及び/又は41内に配置する。例えば、少なくとも1つの位置合わせピン42を、治療を受ける歯及び義歯型16に相当する場所に配置する。更に、他の位置合わせピンを、義歯型16のどちらかの側に配置する。ピンを、歯のモデルを加工するのに最も好都合に配置する。位置合わせピン42は、位置合わせピンが薄膜を破り、薄膜を貫通して伸張するように、位置合わせピン穴40及び/又は41を横切って伸張している薄膜44及び/又は44bを貫通して押し付けられる。先に述べたように、薄膜は、位置合わせピン穴の底部近くか、又は位置合わせピン穴の上部に配置される。
治療を受ける歯の患部モデル15を、歯の咬合器のトレー12の位置合わせピン42の上に形成してもよい。例えば、歯の鋳造材料を位置合わせピン42の上に注ぐこともできる。更に、歯の鋳造材料を位置合わせピン穴40及び/又は41を覆って配置し、薄膜44及び/又は44bをトレーと一体に成形して位置合わせピン穴を覆って伸張させ、歯の鋳造材料が位置合わせピン穴を実質的に満たすのを防ぐこともできる。
本発明の別の態様によれば、歯の鋳造材料は、少なくとも一方のトレー、例えば下側トレー12の位置合わせストラット56の回りに配置されている。先に述べたように、位置合わせストラット56は、六角形の断面を有しており、患部モデル15と義歯型16に穴を形成し、その穴も断面は六角形となる。六角形の断面のストラットと穴は、係合して、患部モデル15と義歯型16の動きを阻止し、患部モデル15と義歯型16をトレー12に正しく方向決めして、配置する。
本発明の他の態様によれば、歯の鋳造材料は、周辺壁48及び/又は52で形成されたトラフを有するトレー11及び/又は12の少なくとも一方に配置されている。周辺壁48及び/又は52は、複数の弧状の凹みを備えた波形の形状を有している。波形の形状は、モデル15及び17と義歯型16内にこれと係合する波形の形状を作り、モデルと型をトレー内で正しく方向決めする。更に、曲線状の凹みは、モデル15及び17と型16内に欠け落ちを防ぐ曲線状の突起を形成し、欠けた屑が、トレーとモデル及び型の間の嵌め合いを阻害しないようにしている。
歯の鋳造材料は、半液体状態の間に注ぐことによって、トレー11及び12と、印象100内に配置される。歯の鋳造材料が実質的に硬化し、乾燥し、及び/又は固体化した後で、印象100を取り外す。
「再咬合」技法は、本システムを使って、一式の咬合アームをマイクロトーチで軽く加熱することによってアームの材料を柔らかくし、次に、咬合アームがまだ熱い間に手で正しい噛み合わせを設定することによって達成することができる。アームは、材料が冷めると、修正された状態で硬化する。
上に述べた装置は、本発明の原理の適用を説明するためのものに過ぎない旨理解されたい。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、数多くの修正及び変更を考案することができる。以上、本発明を図面で示し、目下本発明の最も実用的で好適な実施形態であると思われるものに関連付けて具体的且つ詳細に説明してきたが、当業者には明白なように、特許請求の範囲に述べている本発明の原理及び概念から逸脱することなく数多くの修正を施すことができる。
図1aは、本発明の或る実施形態による歯のモデル成形システムの歯の咬合器の、閉状態にある斜視図であり、図1bは、図1aの歯の咬合器の開状態を、患者の歯の反転印象と共に示す分解斜視図である。 図1aの歯の咬合器の上側トレーの斜視図である。 図1aの歯の咬合器の上側トレーの斜視図である。 図1aの歯の咬合器の上側トレーの上面図である。 図5aは、図1aの歯の咬合器の上側トレーの底面図であり、図5bは図5aの上側トレーの線5b−5bに沿う断面端面図であり、図5cは図5aの上側トレーの線5c−5cに沿う断面端面図である。 図1aの歯の咬合器の上側トレーの端面図である。 図1aの歯の咬合器の下側トレーを義歯型と共に示している斜視図である。 図1aの歯の咬合器の下側トレーの斜視図である。 図9aは、図1aの歯の咬合器の下側トレーの上面図であり、図9bは、図9aの下側トレーの詳細図である。 図1aの歯の咬合器の下側トレーの底面図である。 図1aの歯の咬合器の下側トレーの別の底面図である。 図12aは、図1aの歯の咬合器の端面図であり、図12bは、図1aの歯の咬合器の下側トレーの端面図である。 図9aの下側トレーの線13−13に沿う断面端面図である。 図14aは、図9aの下側トレーの線14a−14aに沿う断面端面図であり、図14bは、図14aの下側トレーの詳細図であり、図14cは、本発明の別の実施形態による下側トレーの断面端面図である。 図9aの下側トレーを、位置合わせピンと共に示す断面端面図である。 図9aの下側トレーの線16−16に沿う断面端面図である。 図1aの歯の咬合器を、歯の鋳型と共に示す側面図である。 図1aの歯の咬合器の側面図である。 図19aは、本発明の或る実施形態による歯の咬合器の下側トレーの概略図であり、図19bは、図19aの下側トレーの詳細図である。 図20aは、図1aの歯の咬合器を、歯の鋳型と共に示す概略側面図であり、図20bは、図1aの歯の咬合器の下側トレーを、義歯型と共に示す概略断面端面図であり、図20cは、図20aの歯の咬合器の下側トレーの詳細図である。 図1aの歯の咬合器の部分分解上面図である。 図1aの歯の咬合器の部分分解側面図である。 図1aの歯の咬合器の下側トレーの部分斜視図である。 図1aの歯の咬合器の部分分解側面図である。 本発明による別のヒンジ部分の部分斜視図である。 本発明による別のヒンジ部分の部分分解側面図である。 図27aは、図1aの歯の咬合器の部分分解斜視図であり、図27bは、図1aの歯の咬合器の部分斜視図である。 図1aの歯の咬合器の部分斜視図である。 図1aの歯の咬合器の概略端面図である。 図30aは、本発明の別の実施形態による別の歯のモデル成形システムの別の歯の咬合器の別の歯のトレーの上面図であり、図30bは、図30aのトレーの断面端面図であり、図30cは、図30bのトレーの詳細図であり、図30dは、本発明によるトレーの別の実施形態の断面端面図である。

Claims (17)

  1. 義歯作成時に使用するための、患者の口部の少なくとも一部分を複製するように構成されている歯の咬合器装置において、
    a)回転可能に一体に連結されている一対のトレーであって、
    i)前記トレーが互いに相対して間隔を空けて配置されている閉状態と、
    ii)前記トレーが互いから離れる方向に軸回転している開状態と、
    の間で互いに対して軸回転させることのできるトレーと、
    b)前記トレーと一体に形成されており、前記トレーの間に配置されているヒンジであって、
    i)前記トレーの一方に付帯している回転軸と、
    ii)前記回転軸の回りに少なくとも部分的に伸張している肩部であって、前記肩部の各側に伸張する2つの軸部分を作り出している肩部と、
    iii)前記トレーの他方に付帯しており、前記回転軸の両側と、前記肩部の両側に配置されており、前記軸と前記肩部の両方によって分離されている一対のフィンガと、を含んでいるヒンジと、を備えている装置。
  2. a)下側トレーから伸張している一対の下側アームと、
    b)上側トレーから伸張している一対の上側アームと、
    c)それぞれ前記上側アームと前記下側アームの間に配置されている一対のヒンジと、を更に備えており、
    d)前記一対のヒンジは、一対の回転軸を含んでおり、前記両回転軸は同一直線上にある、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ヒンジは、前記回転軸の一部分を取り囲み、前記フィンガの1つを中に可動的に受け入れる曲線状のチャネルを更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
  4. 義歯作成時に使用するための、患者の口部の少なくとも一部分を複製するように構成されている歯の咬合器システムにおいて、
    a)回転可能に一体に連結されている一対のトレーであって、
    i)前記トレーが互いに相対して間隔を空けて配置されている閉状態と、
    ii)前記トレーが互いから離れる方向に軸回転している開状態と、
    の間で互いに対して軸回転させることのできるトレーと、
    b)前記トレーの少なくとも一方に形成されている複数の位置合わせピン穴と、
    c)位置合わせピン穴を横切って配置され、前記位置合わせピンを塞ぎ、歯の鋳造材料が前記位置合わせピン穴を実質的に満たさないように構成されている薄膜と、を備えており、
    d)前記薄膜は、位置合わせピンを前記位置合わせピン穴に挿入して前記薄膜を貫通して伸張させることによって破られるようになっている、システム。
  5. 前記薄膜は、前記トレーと一体に形成されている、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記薄膜は、前記トレーとは別に形成され、前記トレーに取り付けられている、請求項4に記載のシステム。
  7. 前記薄膜は、前記位置合わせピン穴の底部近くに配置されている、請求項4に記載のシステム。
  8. 前記薄膜は、前記トレーの少なくとも一方の型受け入れ表面に配置されている、請求項4に記載のシステム。
  9. 前記位置合わせピン穴の底部に配置されており、位置合わせピン穴を貫通して伸張している位置合わせピンの遠位端を受け入れることができる深さを有している複数の親指差込穴を更に備えている、請求項4に記載のシステム。
  10. 義歯作成時に使用するための、患者の口部の少なくとも一部分を複製するように構成されている歯の咬合器装置において、
    a)回転可能に一体に連結されている一対のトレーであって、
    i)前記トレーが互いに相対して間隔を空けて配置されている閉状態と、
    ii)前記トレーが互いから離れる方向に軸回転している開状態と、
    の間で互いに対して軸回転させることのできるトレーと、
    b)前記トレーと一体に形成されており、前記トレーの間に配置されているヒンジであって、
    i)前記トレーの一方に付帯している回転軸と、
    ii)前記回転軸の回りに少なくとも部分的に伸張している肩部であって、前記肩部の各側に伸張する2つの軸部分を作り出している肩部と、
    iii)前記トレーの他方に付帯しており、前記回転軸の両側と、前記肩部の両側に配置されており、前記軸と前記肩部の両方によって分離されている一対のフィンガと、を含んでいるヒンジと、
    c)前記トレーの少なくとも一方に形成されている複数の位置合わせピン穴と、
    d)位置合わせピン穴を横切って配置され、前記位置合わせピンを塞ぎ、歯の鋳造材料が前記位置合わせピン穴を実質的に満たさないように構成されている薄膜と、を備えており、
    e)前記薄膜は、位置合わせピンを前記位置合わせピン穴に挿入して前記薄膜を貫通して伸張させることによって破られるようになっている装置。
  11. 前記歯のトレーの少なくとも一方は、六角形の断面を有する位置合わせストラットを更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
  12. 前記歯のトレーの少なくとも一方は、複数の弧状の凹みを備えた波形の形状を有する周辺壁によって形成されているトラフ(trough)を更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
  13. 歯のモデルを形成するための方法において、
    a)歯の咬合器の下側及び上側トレーに、治療を受ける歯とその反対側の歯との、患部モデルと反対側モデルとを形成する段階であって、前記患部モデルは、義歯を受け入れる患部の歯のモデルを含んでおり、前記反対側モデルは、前記治療を受ける歯に相対する反対側の歯のモデルを含んでいる、モデルを形成する段階と、
    b)前記下側と上側トレーを、前記トレーと一体に形成されているヒンジの回りに軸回転させる段階であって、前記ヒンジは、肩部が軸の周りを取り囲んでいる第1部分と、相対するフィンガが前記軸の両側と前記肩部の両側に可動的に配置されている第2部分とを含んでいる、軸回転させる段階と、から成る方法。
  14. 歯のモデルを形成するための方法において、
    a)位置合わせピンを、歯の咬合器の下側と上側トレーの少なくとも一方の位置合わせピン穴を横切って伸張している薄膜を貫いて押して、前記位置合わせピンが前記薄膜を破り、前記薄膜を貫通して伸張するようにする段階と、
    b)義歯を取り付けることになる治療を受ける歯の患部モデルを、前記歯の咬合器のトレーの前記位置合わせピンの上に形成する段階と、
    c)前記治療を受ける歯に相対している歯の反対側モデルを、前記歯の咬合器の反対側のトレーに形成する段階と、から成る方法。
  15. 歯のモデルを形成するための方法において、
    a)義歯を取り付けることになる治療を受ける歯の印象を備えた患部側と、前記治療を受ける歯に相対する反対側の歯の印象を備えた反対側とを含んでいる、患者の歯の少なくとも幾つかの印象を取得する段階と、
    b)上側と下側のトレーが、前記トレーと一体に形成されているヒンジによって軸回転可能に連結されている歯の咬合器を取得する段階であって、前記ヒンジは、肩部が軸の周りを実質的に取り囲んでいる第1部分と、相対するフィンガが、前記軸の両側と前記肩部の両側に可動的に配置されている第2部分とを含んでおり、前記歯の咬合器は、前記下側トレーの位置合わせピン穴を横切って伸張する薄膜を含んでいる、歯の咬合器を取得する段階と、
    c)歯の鋳造材料を、前記上側トレーの上と、前記印象の前記反対側の中に配置する段階と、
    d)前記印象の反対側を前記上側トレーの上に配置して、歯の鋳造材料が、両者の間に伸張し、前記反対側の歯の反対側モデルを形成するようにする段階と、
    e)前記治療を受ける歯に対応する場所に少なくとも1つの位置合わせピンを配置する段階を含んでいる、前記下側トレーの位置合わせピン穴に位置合わせピンを配置する段階と、
    f)前記位置合わせピンを、前記位置合わせピン穴を横切って伸張している前記薄膜を貫いて押す段階と、
    g)歯の鋳造材料を、前記下側トレーの上と、前記印象の前記患部側の中に配置する段階と、
    h)前記下側トレーを前記印象の患部側の上に配置して、歯の鋳造材料が、両者間に伸張し、前記治療を受ける歯の患部モデルを形成するようにする段階と、
    i)前記印象を前記歯の咬合器から取り外す段階と、から成る方法。
  16. 歯の鋳造材料を導入する段階は、
    歯の鋳造材料を、前記トレーの少なくとも一方の、六角形の断面を有する位置合わせストラットの回りに配置する段階を更に含んでいる、請求項15に記載の方法。
  17. 歯の鋳造材料を導入する段階は、
    歯の鋳造材料を、複数の弧状の凹みを備えた波形の形状を有する外周壁によって形成されているトラフの中に配置する段階を更に含んでいる、請求項15に記載の方法。
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