JPH0342647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は避雷器に関する。

従来の技術 避雷器は一般には、絶縁ケースと、該絶縁ケー
ス内に複数個縦設した非直線性素子と、前記絶縁
ケースの一端側に取付けた第１の電極と、前記第
１の電極に固定した第１の端子と、他端側に取付
けた第２の端子とを具備している。

以下の説明においては、便宜上前記第１の電極
を高圧側電極、第１の端子を高圧端子、他端側の
第２の端子を接地側端子として説明することにす
る。

即ち、シリコンゴムを主成分とする収縮性樹脂
あるいは碍子である絶縁ケースを使用し、該絶縁
ケース内に複数の非直線性素子を縦設するととも
に、高圧側電極に高圧端子が固定されている。

一方、絶縁ケースの前記高圧側電極の反対側に
は接地側電極が絶縁ケースに固定されている。

避雷器を連設する場合には、接地側電極を高圧
端子に接続する構成となつており、従つてこれら
は主に発変電所等に据え付ける構造のもので、こ
れらを送電線路へ適用することは不可能に近い。

考案が解決しようとする問題点 したがつて、避雷器を連設した場合には、高圧
端子は高圧側電極に固定した状態であるため、い
わば１本の棒のような状態となり、個々の避雷器
は自由に回転することが不可能である。

このように、避雷器を連設した場合、従来のよ
うに１本の棒のような状態であると、突風・強風
等を受けた際、避雷器にはねじりモーメントが働
いて破損することがある。また一度に破損しなく
ても上記のようなねじりモーメントが繰り返し作
用すると、当該避雷器が疲労破壊することがあ
る。このため、両端子の機械的強度を十分なもの
とする必要があり、構造的、価格的に多くを要す
ることとなる。

この考案は上記事情により創案したもので、ね
じりモーメントを受けることのない避雷器を提供
することを目的としている。即ち、避雷器の連設
により湾曲状に設置することが可能となり、突風
や強風を受けた場合にも破損することがなく、ま
た疲労破壊も起こさないという効果があり、従来
の使用方法以外として送電線路に取付けることも
可能となる。

問題点を解決するための手段 本考案に係る避雷器は、絶縁ケースと、該絶縁
ケース内に複数個縦設した非直線性素子と、前記
絶縁ケースの両端に取付けた電極と、それぞれの
電極に回転自在に設けた端子とを具備したことを
特徴としている。

作 用 前記したように、この考案の避雷器は絶縁ケー
スの両端に取付けた電極に対してこの電極に設け
た端子が自由に回転できるので、避雷器を連設し
た場合、外力を受けてもねじりモーメントを受け
ることはない。

実施例 以下シリコンゴム等を主成分とする収縮性樹脂
からなる絶縁ケースを使用した避雷器を例にとつ
て説明する。

第１図は本考案に係る避雷器の一部縦断面正面
図、第２図は第１図の右側面図である。

図において、１０は沿面距離の関係から図示す
るように複数の襞を有する筒状の絶縁ケースであ
り、この絶縁ケース１０は避雷器の最外部を覆つ
ている。そして絶縁ケース１０はシリコンゴムを
主成分とする収縮性樹脂等からなつている。

２０は筒状のFRP材である。

３０はシリコンまたはエポキシ製接着材であ
り、前記FRP材２０と非直線性素子４０間に充
填されている。この接着材３０でもつてFRP材
２０を非直線性素子４０に固定する。

ここで、４０は例えばZnOからなる円柱状の非
直線性素子であり、この非直線性素子４０は
FRP材２０の内部に複数個縦設されている。

５０は全体として断面凸状に形成した電極であ
り、この電極５０は第３図に図示するように、非
直線性素子４０の先端に取付けられた金属性受皿
部４１と所定間隔離隔してFRP材２０の先端に
取付けられている。なお、４２は前記金属製受皿
部４１と電極５０間に介在するスプリングであ
る。

６０は断面略コの字形状に形成した第１の端子
としての高圧端子であり、この高圧端子６０の側
面には対向してボルト挿入孔６１が開設されてお
り、底面には前記電極５０の先端部を挿入する電
極挿入孔６２が開設されている。５２はリテーナ
であり、このリテーナ５２はその開口端部を前記
絶縁ケース１０とFRP材２０の隙間に圧入・接
着することにより前記電極５０を絶縁ケース１０
に固定している。５１は高圧端子６０の底面とリ
テーナ５２の上面間に挿入した皿ばねである。６
３は固定ピンであり、固定ピン６３は電極５０に
開設した小孔にワツシヤ６４を介して挿入すると
こにより、高圧端子６０を電極５０に対して回転
自在に取付けている。

５０ａは他端側に設けられた接地側電極であ
り、この電極５０ａは前記リテーナ５２と略同様
のリテーナ５２ａにより絶縁ケース１０の他端側
に固定されている。なお、端子６０ａは高圧端子
６０と同一構造を有し、高圧端子６０と同様に電
極５０ａに対して回転自在に取付けられている。

第４図は避雷器連結部の一部縦断面正面図であ
る。接地側端子６０ａのボルト挿入孔６１ａを高
圧端子６０のボルト挿入孔６１に孔合わせをして
ボルト８０を挿入し、続いてワツシヤ８１、ナツ
ト８２により端子６０ａと高圧端子６０を締結す
る。なお８３は中央にボルト貫通孔を設けた円板
状のスペーサであり、８４は緩み止め用の割ピン
である。

即ち、高圧端子６０を電極５０に対してまた接
地側端子６０ａを電極５０ａに対して、それぞれ
回転自在に取付けているので、個々の避雷器は自
由に回転することが可能である。

考案の効果 この考案に係る避雷器は絶縁ケースと、該絶縁
ケース内に複数個縦設した非直線性素子と、前記
絶縁ケースの両端に取付けた電極と、この電極に
回転自在に設けた端子とを具備せしめてあるの
で、避雷器自体が自由自在に回転することができ
る。即ち、避雷器の連設により湾曲状に設置する
ことが可能となり、突風や強風を受けた場合にも
破損することがなく、また疲労破壊も起こさない
という効果があり、従来の使用方法以外として送
電線路に取付けることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は避雷器の一部縦断面正面図、第２図は
第１図の右側面図、第３図は避雷器の高圧端子近
辺の拡大部分断面図、第４図は避雷器の連結部の
一部縦断面正面図である。 １０……絶縁ケース、４０……非直線性素子、
５０……高圧側電極、５０ａ……接地側電極、６
０……高圧端子、６０ａ……接地側端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁ケースと、該絶縁ケース内に複数個縦設し
   た非直線性素子と、前記絶縁ケースの両端に取付
   けた電極と、前記電極に回転自在に設けた端子と
   を具備したことを特徴とする避雷器。