JPH0341724B2

JPH0341724B2 -

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Publication number: JPH0341724B2
Application number: JP58111653A
Authority: JP
Priority date: 1983-06-21
Filing date: 1983-06-21
Publication date: 1991-06-25
Also published as: JPS602804A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、流動床炉のような流動床燃焼装置
へ、石炭、石灰石などの粉粒体、ガスまたは噴霧
状の液体燃料など（以下、燃料類という）を気流
搬送にて供給する燃料搬送ノズルに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来の流動床燃焼装置に用いられている燃料搬
送ノズルは、一般に第１図に示すように、上端が
水平に十字状に分岐した形状を有し、常時開口し
ている。このような燃料搬送ノズル１では、燃料
の搬送を停止し、搬送空気をも停止すれば、流動
層２内の流動媒体が搬送ノズル１内に逆流し、や
がては搬送管３内が逆流落下した流動媒体によつ
て充満する。この流動媒体の逆流した燃料搬送ノ
ズルを再度使用する場合には、充満した流動媒体
を流動層２内に押し戻す必要があり、このために
通常、0.6〜1.0Kg／cm²Ｇの圧力が必要である。こ
れは搬送空気の送風機圧力を上回るものである。

したがつて再起動のためには、第１図に示すよ
うに、圧縮空気供給管４と電磁弁５，６を組み合
わせたパージシステムが設けられている。このよ
うなパージシステムを大型流動床燃焼装置、たと
えば流動床ボイラに適用すれば、燃料搬送管本数
が非常に多いため、過大な設備投資を要し、また
パージのため、起動時、負荷急変時などの給炭開
始操作を速やかに実施する必要のある場合にも、
多くの無駄時間がかかるという問題点があつた。
なお７は空気分散板、８が風箱、１０は流動燃焼
用空気供給管、１１は伝熱管である。

特公昭58−24684号公報には、燃料供給管１４
の下端部を貫通させてねじ棒２１を設け、このね
じ棒２１の上端をバーナーヘツド１５に連結し、
ねじ棒２１の下端をウオーム歯車装置などを介し
てモータ２２に連結して、モータ２２を駆動させ
ることによりバーナヘツド１５を上下方向に摺動
できるように構成した流動層燃焼装置への燃料供
給装置が記載されている（第２頁左欄第31行〜右
欄第32行、第４図〜第６図参照）。

また、特開昭53−43245号公報には、流動層へ
の空気供給管５内に燃料供給管６を設け、空気供
給管５の上側部に空気用穴７を穿設し、空気供給
管５の上部を被覆するようにおおい８を設け、燃
料供給管６から分岐したノズル１１を空気用穴７
に臨ませ、おおい８の下端とフランジ９との間に
間〓１０を設けた流動床を有する燃焼室が記載さ
れている（第２頁右上欄第18行〜第３頁左欄８
行、第３図参照）。

さらに、特公昭51−30029号公報には、空気供
給管２，２０および燃料供給管１，２１を設け、
これらの管の上側に上部３，２２ａを配設し、こ
れらの上部３，２２ａと管との間に出口開口１
１，３０を設けた流動層反応器を加熱する装置が
記載されている（第３頁右欄第21行〜第４頁左欄
第31行、第１図、第２図参照）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、特公昭58−24684号公報記載の装置は、
装置の運転停止時などに、バーナヘツド１５を最
低の位置に摺動させ蓋体１６で燃料供給管１４の
先端部を被覆するものであるので、モータ２２、
ウオーム歯車装置、ねじ棒２１などの摺動機構を
必要とし、構造が複雑になるという不利な点を有
している。

これらの点に鑑み、構造を簡単にするために、
本発明者らは第２図〜第４図に示すように、搬送
管３の上端の外周を間隔を有して被覆するよう
に、下方のみに開口１２を有する外筒１３を、搬
送管１３と同軸に搬送管に支持部材１４を介して
固定した流動床燃焼装置への燃料搬送ノズル、お
よび第６図、第１０図に示すように、外筒１３の
開口１２の下側の搬送管３の周囲に流動防止板１
６を設けた流動床燃焼装置への燃料搬送ノズルを
開発した。

しかし、これらの第２図〜第４図に示す装置、
および第６図、第１０図に示す装置は、前期の特
開昭53−43245号公報記載のものと同じ技術的思
想のもので、搬送管３から噴出される燃料によ
り、外筒１３の上部内面が摩耗するという問題点
を有している。

また特開昭51−30029号公報記載の装置におい
ては、上部３，２２ａの下面中央部に、出口開口
１１，３０を形成するためのアーチ部５，２９が
設けられ、出口開口１１，３０は側方に開口して
いるので、この開口から流動媒体が燃料導管内お
よび空気導管内に逆流してくるという問題点かあ
る。

本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、外
筒の摩耗が防止でき、かつ流動媒体の逆流を防止
できるようにした流動床燃焼装置への燃料搬送ノ
ズルを提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段および作用〕

上記の目的を達成するために、本願の第１の発
明の流動床燃焼装置への燃料搬送ノズルは、第５
図に示すように、底部に風箱８を有し、この風箱
の上側に空気分散板７を介して流動層２を形成
し、燃料類を気流搬送する搬送管３の上端を流動
層内下部に位置させ、搬送管３の上端の外周を間
隔を有して被覆するように、下方のみに開口１２
を有する外筒１３を搬送管３と同軸に搬送管に支
持部材１４を介して固定した流動床燃焼装置への
燃料搬送ノズルにおいて、外筒１３の上部内面に摩耗防止兼燃料分散用の
コーン１５を設けたことを特徴としている。

そして、第５図において、外筒１３の下端内縁
と搬送管３上端外縁とのなす角度が25〜３度とす
るのが望ましい。

また、本願の第２の発明の流動床燃焼装置への
燃料搬送ノズルは、第７図、第８図に示すよう
に、底部に風箱８を有し、この風箱の上側に空気
分散板７を介して流動層２を形成し、燃料類を気
流搬送する搬送管３の上端を流動層内下部に位置
させ、搬送管３の上端の外周を間隔を有して被覆
するように、下方のみに開口１２を有する外筒１
３を搬送管３と同軸に搬送管に支持部材１４を介
して固定した流動床燃焼装置への燃料搬送ノズル
において、外筒１３の開口１２の下側の搬送管３の周囲に
流動防止板１６を設け、さらに外筒１３の上部内
面に摩耗防止兼燃料分散用のコーン１５を設けた
ことを特徴としている。

そして、第８図において、外筒１３の下端内縁
と搬送管３上端外縁とのなす角度を25〜３度と
し、かつ流動防止板１６の直径Ｄと外筒１３の内
径Ｃとの比を1.0〜1.5とするのが望ましい。

コーン１５は、摩耗を防止し、かつ燃料を分散
させる役目を果たし、また、上向きに噴出された
燃料類を横方向から下向きに変えるガイドの役目
をも果たす。

流動防止板１６は、外筒１３内に静止層を形成
し、流動媒体の逆流を確実に防止する役目を果た
す。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第５図は本発明の燃料搬送ノズルの一実施例
を示している。第２図に示す従来の流動床燃焼装
置は、底部に風箱８を有し、この風箱８の上側に
空気分散板を介して流動層２が形成され、この流
動層２内に必要に応じて伝熱管１１を挿入し、燃
料類を気流搬送する搬送管３の上端を流動層２内
下部に位置させて構成されている。搬送管３の上
端の外周を間隔を有して被覆するように、下方の
みに開口１２を有する外筒１３が搬送管３と同軸
に、搬送管３に支持部材１４を介して固定されて
いる。

以上は従来の流動床燃焼装置の構成であるが、
本発明においては、外筒１３の下端内縁と搬送管
３上端外縁とのなす角度αが25〜３度、望ましく
は12〜５度となるように、搬送管３を外筒１３内
に挿入する。角度αが25度を越えると流動媒体が
搬送管３内に逆流し易くなり、一方、角度αが３
度未満の場合は流動媒体は搬送管３内に逆流し難
いが、搬送管３の外筒１３への挿入長が非常に長
くなるため、燃料搬送ノズルが大型化し、設置ス
ペース焼損の可能性および圧力損失の増大などの
不具合を生ずる。そして第５図に示すように、外
筒１３の上部内面に摩耗防止兼燃料分散用のコー
ン１５ぽ設ける。このコーン１５は上向きに噴出
された燃料類を横方向から下向きに変えるガイド
の役目をも果たす。

第７図および第８図は本発明の燃料搬送ノズル
の他の実施例を示している。本例の燃料搬送ノズ
ルは、外筒１３の開口１２の下側の搬送管３の周
囲に周縁部が傾斜した流動防止板１６を設けたも
のである。他の構成は第５図の場合と同様であ
る。

なお、第７図および第８図に示すように、周縁
部が傾斜した流動防止板１６の代りに、第９図に
示すように単なる板状の流動防止板１６ａを設け
ても差し支えない。

第７図および第８図に示す装置において、搬送
空気の供給を停止すると、搬送管３と外筒１３と
の間の環状空間に第８図に示すように、流動媒体
の静止層１７が形成され、ノズルの周囲が流動状
態にあつても、流動媒体は搬送管３内に逆流落下
しなくなる。この環状空間の静止層１７の形成
は、搬送管３の外筒１３内への挿入長Ｈと、流動
防止板１６の直径Ｄにより大きく左右され、その
ため流動媒体の落下防止効果に著しい差のあるこ
とが、本発明者らの実験により確認された。すな
わち、搬送管の内径27.6mm、外径34.0mm、外筒の
内径Ｃ＝75mm、外筒下端と流動防止板との間隔Ｂ
＝20mm（第８図参照）、流動防止板の直径Ｄ＝100
mm、75mm、流動層温度350℃、供給空気量Ｑ＝
370Nm³／ｈの条件で、Ｈを変化させたときの搬
送管内への流動媒体の漏れ量を測定した。結果は
第１１図に示す如くであつた。

このような実験を種々行なつた結果、外筒内縁
と搬送管上端外縁とのなす角度αが25〜３度、望
ましくは12〜５度で、かつ流動防止板の直径Ｄが
外筒の内径Ｃと同程度以上、望ましくは流動防止
板の直径Ｄと外筒の内径Ｃとの比Ｄ／Ｃが1.0〜
1.5の場合に、十分な静止層が形成され、流動媒
体の逆流が防止されることが判明した。なおＤ／
Ｃの値が1.0未満の場合は、環状空間内の流動媒
体が落下して静止層を形成し難く、Ｄ／Ｃの値が
1.5を越えると、流動防止板が空気分散板の空気
供給ノズルを塞いで空気分散に悪影響を及ぼす。
また外筒下端と流動防止板との間隔を20mmとした
が、本発明者らの他の実験によれば、Ｂの値は外
筒内面と搬送管外面との間隔、すなわち環状空間
の間隙と同程度の値とするのが望ましい。再起動
時には、環状空間に堆積した流動媒体を排出する
だけで通気が可能なため、搬送送風機の圧力のみ
で容易に再起動が可能である。

〔発明の効果〕

本発明は上記のように構成されているので、つ
ぎのような効果を奏する。

(1) 外筒により流動媒体の逆流が防止される上
に、外筒の上部内面にコーンを設けているの
で、噴出燃料による摩耗を防止し、かつい燃料
を分散させて、上向きに噴出された燃料を横方
向から下向きに変えて流動媒体の逆流を防止す
ることができる。

(2) 流動防止板を設ける場合は、外筒内に静止電
層を形成し、流動媒体の逆流をより確実に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の流動床燃焼装置における燃料搬
送ノズルの一例を示す説明図、第２図は従来の流
動床燃焼装置への燃料搬送ノズルの他の例を示す
説明図、第３図は第２図に示す燃料搬送ノズルの
拡大図、第４図は第３図におけるＡ−Ａ線断面
図、第５図は本発明の燃料搬送ノズルの一実施例
を示す断面説明図、第６図は従来の流動床燃焼装
置への燃料搬送ノズルのさらに他の例を示す説明
図、第７図および第８図は本発明の燃料搬送ノズ
ルの他の実施例を示す断面説明図、第９図は第７
図、第８図に示す燃料搬送ノズルの他の例を示す
断面説明図、第１０図は従来の流動床燃焼装置へ
の燃料搬送ノズルのさらに他の例を示す説明図、
第１１図は本発明者らが行つた実験結果を示し、
外筒内への搬送管の挿入長Ｈ〔mm〕と漏れ量
〔ｇ／min〕との関係を示すグラフである。１……燃料搬送ノズル、２……流動層、３……
搬送管、４……圧縮空気供給管、５，６……電磁
弁、７……空気分散板、８……風箱、１０……流
動燃焼用空気供給管、１１……伝熱管、１２……
開口、１３……外筒、１４……支持部材、１５…
…コーン、１６，１６ａ……流動防止板、１７…
…静止層。

Claims

【特許請求の範囲】１底部に風箱８を有し、この風箱の上側に空気
分散板７を介して流動層２を形成し、燃料類を気
流搬送する搬送管３の上端を流動層内下部に位置
させ、搬送管３の上端の外周を間隔を有して被覆
するように、下方のみに開口１２を有する外筒１
３を搬送管３と同軸に搬送管に支持部材１４を介
して固定した流動床燃焼装置への燃料搬送ノズル
において、外筒１３の上部内面に摩耗防止兼燃料分散用の
コーン１５を設けたことを特徴とする流動床燃焼
装置への燃料搬送ノズル。２外筒１３の下端内縁と搬送管３上端外縁との
なす角度が25〜３度である特許請求の範囲第１項
記載の流動床燃焼装置への燃料搬送ノズル。３底部に風箱８を有し、この風箱の上側に空気
分散板７を介して流動層２を形成し、燃料類を気
流搬送する搬送管３の上端を流動層内下部に位置
させ、搬送管３の上端の外周を間隔を有して被覆
するように、下方のみに開口１２を有する外筒１
３を搬送管３と同軸に搬送管に支持部材１４を介
して固定した流動床燃焼装置への燃料搬送ノズル
において、外筒１３の開口１２の下側の搬送管３の周囲に
流動防止板１６を設け、さらに外筒１３の上部内
面に摩耗防止兼燃料分散用のコーン１５を設けた
ことを特徴とする流動床燃焼装置への燃料搬送ノ
ズル。４外筒１３の下端内縁と搬送管３上端外縁との
なす角度が25〜３度で、かつ流動防止板１６の直
径Ｄと外筒１３の内径Ｃとの比が1.0〜1.5である
特許請求の範囲第３項記載の流動床燃焼装置への
燃料搬送ノズル。