JPH0341061Y2

JPH0341061Y2 -

Info

Publication number: JPH0341061Y2
Application number: JP1984084442U
Authority: JP
Priority date: 1984-06-06
Filing date: 1984-06-06
Publication date: 1991-08-29
Also published as: JPS60195932U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、エンジンの渦巻形吸気ポート内を通
る吸気を外回り側に案内して渦流を強く発生させ
る装置に関し、低速回転時に充填効率を高くしな
がら、渦流を強く確保できるものを提供する。

そして、本考案の前提となる技術の利用分野を
さらに詳述すれば、例えば、第１図若しくは第３
図に示すように、エンジンＥの渦巻形吸気ポート
１の途中に吸気を外回り側Ａに案内する吸気案内
板２を風下側ほど外回り側Ａに近づく傾斜状に設
け、エンジンＥの回転速度が高まるにつれて傾斜
案内板２を弾性変形させて次第に内回り側Ｂに偏
位させ、吸気断面積を増大させるように構成した
ものである。

（従来技術）従来の吸気外回り案内装置は、第１２図及び第
１３図に示すように、可撓性の吸気案内板２の一
端を吸気ポート１の内回り側Ｂの壁面に付設し、
エンジンの低速回転時には吸気案内板２を吸気ポ
ートの外回り側Ａに前進させて吸気断面積を小さ
くし、当該案内板２と外回り側壁３０との間の空
間から吸気を燃焼室に導入する。逆に、高速回転
時には、吸気案内板２を内回り側壁３１に後退さ
せて吸気断面積を大きくし、大量の吸気を燃焼室
に供給する。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、上記構成では、低速回転時に燃
焼室に供給される吸気量は多くないにも拘らず、
充填効率を確保するため吸気断面積を充分絞り込
むことができないので、強いスワールを起こし難
かつた。

このことは、また、製造コストの低減のため、
エンジンの小型化が進む現状では、増々スワール
を確保することが困難であるので、低回転時にお
ける燃焼効率には大きな問題があつた。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上記問題点を解消するものであり、
低回転域でも、充分な充填効率を維持するととも
に、スワールを強力に起こしてエンジンの燃焼効
率を向上せしめることを目的として提案されたも
ので、この目的を達するために次のように構成す
る。

即ち、傾斜案内板２を前後に重ね合わせた複数
板の板部分３，３……で構成し、前側の板部分３
の途中部に通気部４を形成し、この通気部４を後
側の板部分３で開閉可能にし、後側の板部分３は
吸気負圧の大小の変化によつて弾性的に開閉作動
するとともに、前側の板部分３よりも弾性変形し
易く形成し、高負圧時には前後の板部分３，３…
…がともに弾性変形して内回り側Ｂに後退すると
ともに、低負圧時には後側の板部分３が内回り側
Ｂに後退し前側の板部分３が強い弾性復元力で外
回り側Ａに前進して上記通気部分４を開くように
構成したものである。

（作用）そこで、上記構成による作用を述べると、ま
ず、エンジン停止時には吸気案内板はその弾性力
によつて、その前側及び後側の板部分はともに外
回り側Ａに大きく張り出しているが、高速回転域
になると、吸気負圧が大きくなつて前側及び後側
の板部分３，３はともに吸気ポートの内回り側Ｂ
に後退し、吸気断面積を増大させて、多量の吸気
を強力なスワールにのせて燃焼室に送り込むので
ある（第１１図参照）。

一方、エンジン回転数が高回転から低回転に低
下すると、吸気負圧が小さくなるので、前側の板
部分３は吸気ポートの外回り側Ａにその強い弾性
復元力によつて復帰する。しかし、弾性復元力の
弱い後側の板部分３は、その背後の負圧域３４に
より吸気ポートの内回り側Ｂに引き寄せられたま
まの状態を続けるので、この結果、前側の板部分
３は後側の板部分３から離反してその通気部４を
大きく開口するのである（第１０図参照）。

（考案の効果）本考案は、上記のように構成され、作用するの
で、エンジンの低回転域では、複数の板部分に明
けた通気部で充分な吸気断面積を確保して充填効
率を高く維持できる。

しかも、前側の板部分が吸気を特に、ポートの
外回り側に近づけるように強く案内するので、ス
ワールを強力にして燃焼効率を高めることができ
る。

そのうえ、本考案は、複数の板部分で傾斜案内
板を形成し、前方の板部分に通気部を明けるだけ
の簡単な構造をとることにより、吸気案内板の弾
性開閉で自動的に吸気調整と強力なスワールの発
生を同時に行なえるので、安価に実施できるとと
もに、既存のエンジン、特に、小型エンジンにも
容易に適用できることは言うまでもない。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は吸気ポートの要部切欠斜視図、第２図
は横型エンジンの正面図、第３図はシリンダヘツ
ドの縦断面図であつて、横型エンジンＥをシリン
ダブロツク５の左方にシリンダヘツド６及びヘツ
ドカバー７を固定し、その上方左側にラジエータ
８、また、右側に燃料タンク９を各々搭載して構
成する。

上記シリンダブロツク５の中央に、シリンダ１
０を水平に形成し、クランク軸１１に連動したピ
ストン１２をこのシリンダ１０に摺動可能に内嵌
する。

また、シリンダヘツド６には、その前方に吸気
ポート１を形成してその入口１４をエアクリーナ
１５に接続し、その出口１６を燃焼室１７に臨ま
せる。

シリンダヘツドの後方には排気ポート１８を形
成し、その入口１９を燃焼室１７に臨ませ、その
出口２０をマフラー２１に接続する。

上記吸気ポート１は、シリンダヘツド６に摺動
自在に嵌挿した吸気弁２２に沿つて明け、当該吸
気弁２２のヘツド２３に面する箇所を円筒状のス
ワール空間２４に形成し、ポート入口１４からス
ワール空間２４にかけて風下ほど弁軸２５に近づ
くように渦巻状の曲面に形成し、スワール空間２
４の下端面を下拡がり状に設けて弁座２６とす
る。

そして、この吸気ポート１の途中、即ち、スワ
ール空間２４の適宜上流側に吸気を外回り側（弁
軸２５から離間する側）Ａに案内する吸気案内板
２を風下側ほど外回り側Ａに近づく傾斜状に付設
する。

当該吸気案内板２は、第４図乃至第６図に示す
ように、順次表面積を小さくする４枚の可撓性の
板３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄをその一端で支持した
ものであり、最も外側の板３ａは、最も表面積が
大きく、且つ、最も弾性変形し難い（最も硬い）
ように形成され、その中央に四角形状の通気部４
を明ける。

そして、当該外板３ａに、３枚の板３ｂ，３
ｃ，３ｄを順次内側に張設し、内側の板はその外
側の板の外周面積より小さくて、且つ、その中央
に明けた通気部４より大きい表面積を持つよう
に、また、外側の板より弾性変形し易く（即ち、
内側に行くほど軟らかく）なるように、互いの板
部分を形成する。

但し、最も内側の板３ｄは、通気部４を明け
ず、吸気を案内するだけの一枚板に形成する。

一方、第７図乃至第９図は、吸気案内板２の他
の実施例を示すもので、上記実施例のように４枚
の板部分で構成する代わりに、大きい表面積の外
板３ａと小さい内板３ｂとの２枚の板部分で構成
したもので、外板３ａに沿つて流れる吸気によつ
てスワールの発生を促進し、また、内板３ｂに沿
つて流れる吸気を外板の通気部４を通して燃焼室
１７に供給して充填効率を向上でき、簡単な構成
で充分な効果を奏するものである。

以上のように、本考案は、吸気案内板を複数の
板部分より形成し、より外側の板に吸気を案内さ
せ、これをポートの外回り側壁に吹き付けてスワ
ールを発生させるとともに、板に明けた通気部に
吸気を通して、その風量を確保するものなので、
吸気案内板を形成する板部分の枚数は、複数枚で
あれば任意の数量を張設できる。

そして、外側の板部分は、全体を門型に形成し
て下方に四角形状の通気部を切欠いても、また、
全体をＨ型に形成して上・下方に四角形状の通気
部を切欠いても差支えない。

即ち、吸気案内板は、吸気ポートのより内回り
側に位置する板部分ほど弾性変形し易い金属板、
合成樹脂板等の可撓性板状体で形成されておれ
ば、その形状（通気部の形状も含む）、数量、材
質は特に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第１１図は本考案の実施例を示すも
ので、第１図は吸気ポートの要部切欠斜視図、第
２図は横型エンジンの正面図、第３図はシリンダ
ヘツドの縦断面図、第４図は吸気案内板の正面
図、第５図はその背面図、第６図はその横断面
図、第７図は他の実施例を示す吸気案内板の正面
図、第８図はその背面図、第９図はその横断面
図、第１０は低回転時の吸気案内板の状態図、第
１１図は同じく高回転時の状態図、第１２図は従
来例を示す吸気ポートの要部縦断面図、第１３図
は同従来例を示す第１図相当図である。１……渦巻形吸気ポート、２……吸気案内板、
３……２の板部分、４……通気部、Ａ……１の外
回り側、Ｂ……１の内回り側、Ｅ……エンジン。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】エンジンＥの渦巻形吸気ポート１の途中に吸気
を外回り側Ａに案内する吸気案内板２を風下側ほ
ど外回り側Ａに近づく傾斜状に設け、エンジンＥ
の回転速度が高まるにつれて傾斜案内板２を弾性
変形させて次第に内回り側Ｂに偏位させ、吸気断
面積を増大させるように構成したエンジンの渦巻
形吸気ポートの吸気外回り案内装置において、傾斜案内板２を前後に重ね合わせた複数板の板
部分３，３……で構成し、前側の板部分３の途中
部に通気部４を構成し、この通気部４を後側の板
部分３で開閉可能にし、後側の板部分３は吸気負圧の大小の変化によつ
て弾性的に開閉作動するとともに、前側の板部分
３よりも弾性変形し易く形成し、高負圧時には前後の板部分３，３……がともに
弾性変形して内回り側Ｂに後退するとともに、低
負圧時には後側の板部分３が内回り側Ｂに後退し
前側の板部分３が強い弾性復元力で外回り側Ａに
前進して上記通気部分４を開くように構成した事
を特徴とするエンジンの渦巻形吸気ポートの吸気
外回り案内装置。