JPH034098B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は赤外線画像カラー表示装置に関する。

従来、例えば人体等の被検体から放射される赤
外線を光学的に走査検出し、被検体表面の温度分
布を陰極線管面上に画像として表示するようにし
た、所謂サーモグラフイー装置が知られている。

まず、第１図を参照しながら、従来のサーモグ
ラフイー装置について説明する。

第１図において、人体等の被検体１からの赤外
線はカメラ部２内の走査鏡３によつて、例えば５
秒／フレームの走査速度で２次元走査された後、
レンズ等の光学系４で集束され、チヨツパ（羽
車）５を通つて光センサ６に入射する。この光セ
ンサ６は例えば応答速度が速く高感度なインジウ
ム・アンチモン（In Sb）光電変換素子を液体窒
素で冷却して用いる。光センサ６からの検出信号
は前置増幅器７を介して直線性補正回路（リニア
ライザ）８に供給され、被検体１の絶対温度の４
乗に比例する赤外線放射特性がリニア特性に補正
される。従つて、補正回路８からの出力アナログ
信号は、その電圧が被検体１の温度に比例してい
る。このアナログ信号がアナログ／デイジタル変
換器（以下Ａ／Ｄ変換器という）９に供給され、
Ａ／Ｄ変換器９の例えば６ビツト（64レベル）の
デイジタルデータ出力信号がフレームメモリ１０
に記憶される。フレームメモリ１０に記憶された
デイジタルデータ信号は例えば30フレーム／秒の
通常のテレビジヨン画像と同一レートで続出さ
れ、表示モード切換装置１１で所望表示モード
（詳細は後述する）のための信号処理を受けた後、
デイジタル／アナログ変換器（以下Ａ／Ｄ変換器
という）１２においてアナログ信号に変換されて
表示装置１３に供給され、その陰極線管面上に静
止画像として表示される。

上述の表示モードには、白黒表示、白黒反転表
示、等温線表示、擬似カラー表示等があり、被検
体や観察目的に応じて、表示モード切換装置１１
の各信号処理回路１１ａ〜１１ｎのいずれかをス
イツチ１１ｓで切換えて表示モードが選択され
る。

白黒表示の場合は、表示装置１３の入力アナロ
グ信号レベルの大小に応じて表示画像の輝度を制
御すると共に、表示温度範囲に対応する白から黒
までの参照輝度バー（所謂グレースケール）を同
一陰極線管面の右縁部に表示する。

また、白黒反転表示の場合は、フレームメモリ
１０から続出されたデイジタルデータの１の補数
を求める処理を行ない、Ａ／Ｄ変換器１２の出力
極性を反転させる。

等温線表示の場合はデイジタル・コンパレータ
によつて同一輝度レベルに対応するデイジタルデ
ータ信号だけ出力表示する。この場合、表示温度
範囲を例えば５等分し、20％ごとに４本の固定等
温線を表示する。また、表示範囲内で任意温度の
等温線を選択表示することもできる。

擬似カラー表示の場合は、デイジタル・ウイン
ドウ・コンパレータによつて表示温度範囲を複数
段階（例えば８段階）に区分し、各段階に異なる
色を割付けて多色画像を表示すると共に、参照カ
ラーバーを同一陰極線管面の右縁部に表示する。
即ち、例えば第２図に示すように、０〜64℃の温
度範囲を８等分し、最高温域の白（Ｗ）から最低
温域の黒（Bk）までの中間領域に赤（Ｒ）、橙
（Ｏ）、黄（Ｙ）、緑(G)、青(B)及び紫（Ｍ）の６色
を順次割り振る。フレームメモリ１０からデータ
を続出して出力する際に、Ｒ，Ｇ，Ｂに適当なビ
ツトを割り当てて表示すれば、サーモグラフイー
像の着色表示が行なえ、被検体の温度を直流する
ことができる。

しかしながら、この様な表示では色分割領域数
が少いため、或走査線１４に沿つた温度分布が、
曲線１５に示されるように、連続的に変化してい
るにも拘らず、同一色領域内の詳細な温度分布を
知ることができない。この場合、色分割領域数を
大幅に殖やすことも考えられるが、色の数が多す
ぎると共に、分布パターンが細かくなつて、反つ
て温度分布の把握が困難となる。従つて、詳細な
温度分布を表示するには、寧ろ連続階調による白
黒画像の方が適するが、その反面グレースケール
との対比がし難く、被検体の温度分布を明確に直
読することが困難である。

かゝる点に鑑み、本発明は従来の赤外線画像カ
ラー表示装置の欠点を除去して、詳細で識別の容
易な赤外線画像カラー表示をすることのできる装
置を提案しようとするものである。

以下、第３図及び第４図を参照しながら、本発
明による赤外線画像カラー表示装置の一実施例に
ついて説明する。

第３図に本発明による赤外線画像カラー表示装
置の一実施例を示す。この第３図において、被検
体及びカメラ部は第１図と同様なので図示を省略
すると共に、第１図に対応する部分には同一の符
号を付して重複説明を省略する。

第３図において、１６はデータ振分け手段、１
７Ｒ，１７Ｇ及び１７Ｂはそれぞれ変換テーブル
メモリである。データ振分け手段１６は８個のデ
イジタル・ウインドウ・コンパレータを含み、フ
レームメモリ１０から続出されたデイジタルデー
タ信号を、各データの上位３ビツトに応じて、
Ｒ，Ｇ，Ｂの３色に対応する変換テーブルメモリ
１７Ｒ，１７Ｇ及び１７Ｂ適宜振分ける。変換テ
ーブルメモリ１７Ｒ，１７Ｇ及び１７Ｂは同一構
成のRAM（random access memory）であつて、
例えば第４図に示すように、１語４ビツトの相対
輝度データが８語書込まれている。各変換テーブ
ルメモリ１７Ｒ，１７Ｇ及び１７Ｂの出力データ
信号はそれぞれ対応するＤ／Ａ変換器１２Ｒ，１
２Ｇ及び１２ＢによつてＲ，Ｇ，Ｂのアナログ信
号に変換されて表示装置１３に供給される。

本実施例の動作は次のとおりである。例えば48
〜56℃の温度範囲に対するデータは赤色表示のた
めに、データ振分け手段１６によつて変換テーブ
ルメモリ１７Ｒに振分けられる。この場合、温度
データの下３桁に対応するアドレスのRAM１７
Ｒの内容、即ち第４図に示した相対輝度データ
（30〜100％）が読出される。変換テーブルメモリ
１７Ｒから読出された相対輝度データ信号はＤ／
Ａ変換器１２Ｒによつて、30〜100％の範囲で相
対振幅が８段階（１℃当り１段階）に変化するア
ナログＲ信号に変換される。この８段階に振幅が
変化するＲ信号を表示装置１３に供給して、その
陰極線管面上のＲ表示領域は、例えば第５図に示
すように、１℃毎に相対輝度が異なつて表示され
る。

残りの変換テーブルメモリ１７Ｇ及び１７Ｂに
ついてもメモリ１７Ｒと全く同様であるので、こ
れについては図示及び説明を省略する。

かくして、本実施例ではＲ、Ｇ及びＢの３原
色、中間色並びにＷ及びBkの無彩色において、
各色領域内の色が１℃毎の相対輝度変化を伴つて
表示され、従来例に比べて、格段に詳細にしかも
識別容易に温度分布を直読することができる。

上述の実施例では、表示温度範囲及び相対輝度
範囲をともに８段階としたが、これらはいずれも
任意に設定し得、また、構成も多様に変更し得る
ことは言うまでもない。例えば変換テーブルメモ
リを１個だけ用い、６ビツトの温度データのそれ
ぞれに対応して64語の変換データを書込んでおく
ようにしてもよい。但しこのようにすると、メモ
リの容量が大きくなり、その価格が高くなる。

以上詳述のように、本発明によれば、擬似カラ
ー表示画像の各一色領域に相対輝度変化を加えた
ので、詳細かつ識別容易に赤外線画像をカラー表
示することのできる装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の赤外線画像カラー表示装置の構
成例を示すブロツク図、第２図は第１図に示した
装置の説明に供する線図、第３図は本発明による
赤外線画像カラー表示装置の一実施例を示すブロ
ツク図、第４図は第３図に示した実施例の要部の
概念的線図、第５図は本発明の説明に供する線図
である。 ２はカメラ部、１０はフレームメモリ、１１は
表示モード切換装置、１３は表示装置、１７は変
換テーブルメモリである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被検体からの赤外線放射を２次元走査検出し
   て映像信号を得る撮像手段と、該撮像手段からの
   映像信号のレベルを所定レベル毎に複数段階に区
   分し、上記被検体の温度分布に応じて該複数段階
   に対応する画像領域をそれぞれ異なる色相で表示
   する画像表示手段とを有する赤外線画像カラー表
   示装置において、上記複数段階内の映像信号のレ
   ベルに応じて上記画像領域の相対輝度を複数段階
   に制御する輝度制御手段を設けたことを特徴とす
   る赤外線画像カラー表示装置。