JPH033878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば圧縮機、プレートフイン付
熱交換器、フアン等をもつ、空冷式空気調和機の
室外器の送風機取付け部分の改良に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

第４図〜第６図は、従来の空冷式冷房装置の室
外機の機能及び構造を示し、同図に示すように本
体内部に収納された圧縮機１から吐出された高温
高圧の冷媒ガスは、吐出配管２を通つて熱交換器
３に流入する。熱交換器３は等間隔に配置された
多数のアルミ薄板（アルミフイン）に銅パイプを
多数貫通させたものであり、圧縮機１から吐出さ
れた高温高圧の冷媒ガスがその銅パイプ内を通過
する間に、その熱が銅パイプ壁面よりアルミフイ
ンに伝わり、アルミフイン表面からフイン間を流
れる空気によつてうばわれ、冷媒ガスは冷却され
て冷媒凝縮液となり、室外機Ａより流出し、配管
４内を通つて被冷房空間に配置された室内機Ｂの
熱交換器５内に流入し、周囲より熱を吸収してそ
の空間を冷却し、再び冷媒ガスとなつて配管６を
通つて室外機Ａの圧縮機１に戻つてくる。このよ
うに室外の空気によつて圧縮機１から吐出される
冷媒ガスの冷却を行なう方式を空冷式といい、室
外機Ａに搭載される熱交換器３を凝縮器と称し、
室内機Ｂの熱交換器５を蒸発器と称する。フアン
７は熱交換器３に外気を常時通風するためのもの
であり、フアンモーター８によつて駆動される。
又、フアン７の周囲には、このフアン７に対応す
るベルマウス状のフアンガイド孔９ａが設けら
れ、フアン７の風の吸込側と吹出側とを区画し
て、風の流れをスムーズにしシヨートサイクルを
防ぐためのフアンガイド板９が配置されている。

このように圧縮機１、フイン付熱交換器３、フ
アン７及びその他付帯部品をもつ機器を空冷スプ
リツト式エアコンと称し、現在空冷式空気調和機
の室外機の主流をなしている。ところでこのよう
な空冷スプリツト式エアコンの室外機の、大きな
問題点は騒音である。室外機の騒音は大別して、
圧縮機１の機械音によるものと、フアン７の送風
音によるものとに分けられ、両者はそれぞれ個有
の特性をもつており、その低騒音化には、それぞ
れの対策が施される、圧縮機１の騒音は、高周波
成分を多く含んでおり、低騒音化には、圧縮機自
体を綱板等で出来た箱の中に包み込んでしまうこ
とが最も適正かつ確実な方法である。一方、フア
ン７の送風機音は、低周波成分が主体となつてい
る上、送風と言う機能を考慮すれば、フアン７か
ら発生する音を完全密閉出来ないのは自明の理で
ある。そこで、送風機音の低減対策としては、フ
アン７自身の形状改善による低騒音化、送風量を
低下させることによる低騒音化、フアンガイド板
９、就中、ベルマウス状のフアンガイド孔９ａの
形状改善による低騒音化、等が施されるが、フア
ンの形状改善には長い時間と、大きな手間を要
し、送風量を低下させては室外機全体の性能を損
ねるという問題点がある。そこで一般的に最も良
く注目されるのが上記フアンガイド孔９ａ部の改
善である。特に、フアン７自身の騒音特性（比騒
音と呼ばれる）の、最良のポイントでフアン７を
使用するためには、室外機の機内通風圧力損失
と、必要風量及びフアン径がマツチングしていな
くてはならないが、その騒音特性自身を左右する
のが、上記フアンガイド板９の形状であり、最近
の低騒音化要求に対してフアンガイド板９の研究
は益々さかんになつて来ている、又フアンガイド
板９自身の形状変更が比較的容易であることもそ
の傾向に拍車をかけているといえる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

さて、このようにして改善されたフアン７とフ
アンガイド孔９ａとの関係を最良に保つために
は、その相互の位置関係を最良に保つことが必要
である。特に両者の中心位置を合わせることが重
要であり、中心のズレが大きくなると性能が十分
に発揮できないだけでなく、フアン７とフアンガ
イド孔９ａ内周部とが当つて、破損に至る恐れも
ある。この傾向はフアンガイド孔９ａの形状改善
の研究が進むにつれ、フアン７とフアンガイド孔
９ａの内周部とのギヤツプ１０が、よりシビアに
なつて来たことにもよる。一般的にギヤツプ１０
はフアン７の径の１％程度が最良といわれて来て
おり、φ300程度のフアンのギヤツプは３mmしか
ないこととなる。この程度のギヤツプになると、
組立誤差によるフアン７とフアンガイド孔９ａ内
周部との当りは当然考えられ、構造設計において
は、いかに組立誤差を出さずにフアン７とフアン
ガイド孔９ａとの位置関係を保つかが重要なポイ
ントとなつてくる、従来からもこれらの一対応方
法としてフアンガイド板９自身に直接モーター支
え１１を取りつけ、そこにフアンモータ８及びフ
アン７を固定することがなされているが、この方
法によると、フアンガイド板９の強度をフアンモ
ータ８及びフアン７の重量に耐えるように又、フ
アン７の回転振動に耐えるようにしなければなら
ず、フアンガイド板９のコストが大変高いものに
なつてしまう欠点があつた。

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、低コストのフアンガイ
ド板９を使用して、フアンとフアンガイド孔９ａ
との位置決めを組立性良く確実に行なえることを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案においては、圧縮機が取付けられた台
枠と、この台枠の左右両側縁部に立設された左右
両側面パネルと、この左右両側面パネルの前縁上
部から後縁下部の方向に配設され、上記左右両側
面パネル間に掛け渡された方形状のフイン付熱交
換器と、この熱交換器の上方に配設され、上記熱
交換器に被熱交換空気を供給する送風機とを備え
た空冷式空気調和機において、上記両側面パネル
の内側上部に取付けられて前後方向に延びる主枠
部と、その主枠部の両端上部から内側に突設され
た支持部と、さらにこの支持部から上方に突設さ
れた掛止片とが設けられた支え枠と、上記両支え
枠中央下部間に掛け渡されたモータ支えと、この
モータ支えから上方に立上る立上り部とこの立上
り部の上端に設けられた取付け面とから形成され
た位置決め用固定板と、この位置決め用固定板と
上記支え枠との間に位置し、上記モータ支え上面
部に固定されたフアンモータ、及び一側部に、上
記支え枠に設けられた掛止片と掛合する掛合部が
設けられると共にベルマウス状のフアンガイド孔
が設けられ、かつこのフアンガイド孔が上記フア
ンモータの駆動軸に固着されたフアンに対応する
ように、その他側部が上記位置決め用固定板の取
付け面に螺着されたフアンガイド板とを設けたこ
とにより空冷式空気調和機の室外機を構成して上
記目的を達成するものである。

〔作用〕

この考案において、フアン、フアンモータ、及
びモーター支えは両側の支え枠によつて支えら
れ、フアンガイド板はその一側部がモータ支え板
より上方に立上る立上り部上端に設けられた取付
け面に螺着され、位置決されると共に、フアンガ
イド板の他側部は左右方向に自由な引つ掛け構造
のため、組立誤差を吸収することが出来、フアン
とフアンガイド孔との位置関係を精度よく保つこ
とが出来る。また、フアンガイド板には荷重がか
からないため、容易にプラスチツク化、薄肉化が
図れ、大幅なコストダウンが可能である。

〔実施例〕

第１、第２図は、それぞれこの考案の一実施例
を示す空冷式空気調和機の室外機の斜視図及び断
面図、第３図は第１図に示す室外機を構成するフ
アンモータと、フアンガイド板との取付け構成を
示す分解斜視図である。

図において、１５は圧縮機１が取付けられた台
枠、１６は上記台枠１５の左右両側縁部に立設さ
れた左右両側面パネル、３は上記左右両側パネル
の前縁上部から下縁下部の方向に配設され、上記
左右両側パネル間に掛け渡された方形状のフイン
付熱交換器、１７へ送風機であり、フアンモータ
８と、このフアンモータ８の駆動軸８ａに固着さ
れたフアン７とを備えたものである。１２は支え
枠であり、上記両側面パネル１６の内側上部に取
付けられて前後方向に延びる主枠部１２ａと、こ
の主枠部１２ａの両端上部においてそれぞれ、内
側に折曲することによつて突設された支持部１２
ｂと、さらにこの支持部１２ｂの内側先端部から
上方に突設された掛止片１２ｃ、及び上記主枠部
１２ａ中央部下部において内側に折曲された取付
け部１２ｅとから形成されたものである。１１は
上記左右両側面パネル１６の内側上部にそれぞれ
取付けられた上記両支え枠１２の取付け部１２ｅ
間に掛け渡されたモータ支えである。１３は位置
決め用固定板であり、この実施例では、コ字状に
形成され、上方が開となるように上記モーター支
え１１に取付けられたもので、立上り部１３ｃの
上端部には上記支え枠１２に設けられた支持部１
２ｂと同じ高さとなるように取付け面１３ａが形
成され、さらにこの取付け面１３ａには固定孔１
３ｂが設けられている。８は上記位置決め用固定
板１３と上記支え枠１２との間に位置し、上記モ
ーター支え１１の上面部に取付けられたフアンモ
ータである。９は外形が方形状に形成されたフア
ンガイド板であり、その一側部には、上記支え枠
１２に設けられた掛止片１２ｃと掛合する掛合部
９ｂが設けられると共に、その他側部には取付け
孔９ｃが設けられ、かつその中央部にベルマウス
状のフアンガイド孔９ａが設けられて、このフア
ンガイド孔９ａが上記フアンモータ８の駆動軸８
ａに固着されたフアン７に対応するように、上記
他側部が上記取付け孔９ｃ及び固定孔１３ｂを介
して上記位置決め用固定板１３の取付け面１３ａ
に螺着されるものである。なお、上記フアンモー
タ８とモーター支え１１の位置関係は精度の良い
取付穴によつて決められていると共にフアンモー
タ８の固定用孔１１ａと上記位置決め用固定板１
３の取付け面１３ａに設けられた固定孔１３ｂと
の位置関係も精度よく加工されている。

以上のように送風機１７と、フアンガイド板９
とは上記の構成により位置決めされることにな
る。さらに、この実施例ではフアンガイド板９は
プラスチツクで射出成形加工されたものであり、
その強度は、加工時に成形歪が出たり、風圧によ
つてバタつき振動を起こさない程度のごく簡単な
ものとなつている。また、フアンガイド板９の固
定は掛合部９ｂを掛止片１２ｃに引つ掛け、取付
け孔９ｃと位置決め用固定板１３の固定孔１３ｂ
とを合わせてネジ１４によつて行なわれる。又掛
止片１２ｃのスキマ１２ｄはフアンガイド板９の
板厚とほぼ同一であり、上下のガタつきを押えて
いる。取付け穴１３ｂとフアンモーター８の固定
用孔１１ａは位置関係が精度良く出されているた
めフアンモーター８の駆動軸８ａに固着されたフ
アン７の位置と、フアンガイド板９との位置は正
確に決められる。又フアンガイド板９の一側部が
引つ掛け構造となつているため、ユニツト全体の
狂いやモーター支え１１の取付誤差を吸収出来、
支持部１２ｄが支え枠１２と一体化されていても
何ら差しつかえなく、部品点数の減少が図れると
共に、ネジ止め箇所もフアンガイド板１個当り２
本で固定出来るようになつた。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案においては、圧縮機が取
付けられた台枠と、この台枠の左右両側縁部に立
設された左右両側面パネルと、この左右側面パネ
ルの前縁上部から後縁下部の方向に配設され、上
記左右両側面パネル間に掛け渡された方形状のフ
イン付熱交換器と、この熱交換器の上方に配設さ
れ、上記熱交換器に被熱交換空気を供給する送風
機とを備えた空冷式空気調和機において、上記両
側面パネルの内側上部に取付けられて前後方向に
延びる主枠部と、この主枠部の両端上部から内側
に突設された支持部と、さらにこの支持部から上
方に突設された掛止片とが設けられた支え枠と、
上記両支え枠中央下部間に掛け渡されたモータ支
えと、このモータ支えから上方に立上る立上り部
とこの立上り部の上端に設けられた取付け面とか
ら形成された位置決め用固定板と、この位置決め
用固定板と上記支え枠との間に位置し、上記モー
タ支え上面部に固定されたフアンモータ、及び一
側部に、上記支え枠に設けられた掛止片と掛合す
る掛合部が設けられると共にベルマウス状のフア
ンガイド孔が設けられ、かつこのフアンガイド孔
が上記フアンモータの駆動軸に固着されたフアン
に対応するように、その他側部が上記位置決め用
固定板の取付け面に螺着されたフアンガイド板と
を設けたことにより、空冷式空気調和機の室外機
を構成したのでフアンガイド板とフアンとの位置
決め精度を向上させ、送風機取付け用構成部品の
点数を減らすことが出来、又フアンガイド板自身
の強度を大幅に下げてコストダウンを実現出来る
という、きわめて効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す空冷式空
気調和機用室外機の斜視図、第２図は同じくその
簡略縦断面図、第３図は第１図に示す室外機を構
成するフアンモータとフアンガイド板との取付け
構成を示す分解斜視図、第４図は従来の空冷式空
気調和機用室外機の外観斜視図、第５図は第４図
に示す室外機を構成するフアンモータ、フアン及
びモータ支えの取付け構成を示す分解斜視図、第
６図は空冷式空気調和機の一般的な冷媒回路図で
ある。図において、１は圧縮機、１５は台枠、１
６は左右側面パネル、１２ａは主枠部、１２ｂは
支持部、１２ｃは掛止片、３はフイン付熱交換
器、１７は送風機、１１はモータ支え、１２は支
え枠、１３は位置決め用固定板、１３ｃは立上り
部、１３ａは取付け面、８はフアンモータ、９ｂ
は掛合部、９ａはフアンガイド孔、８ａはフアン
モータの駆動軸、９はフアンガイド板である。な
お、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機が取付けられた台枠と、この台枠の左右
   両側縁部に立設された左右両側面パネルと、この
   左右両側面パネルの前縁上部から後縁下部の方向
   に配設され、上記左右両側面パネル間に掛け渡さ
   れた方形状のフイン付熱交換器と、この熱交換器
   の上方に配設され、上記熱交換器に被熱交換空気
   を供給する送風機とを備えた空冷式空気調和機に
   おいて、上記両側面パネルの内側上部に取付けら
   れて前後方向に延びる主枠部と、その主枠部の両
   端上部から内側に突設された支持部と、さらにこ
   の支持部から上方に突設された掛止片とが設けら
   れた支え枠、上記両支え枠中央下部間に掛け渡さ
   れたモータ支え、このモータ支えから上方に立上
   る立上り部とこの立上り部の上端に設けられた取
   付け面とから形成された位置決め用固定板、この
   位置決め用固定板と上記支え枠との間に位置し、
   上記モータ支え上面部に固定されたフアンモー
   タ、及び一側部に、上記支え枠に設けられた掛止
   片と掛合する掛合部が設けられると共にベルマウ
   ス状のフアンガイド孔が設けられ、かつこのフア
   ンガイド孔が上記フアンモータの駆動軸に固着さ
   れたフアンに対応するように、その他側部が上記
   位置決め用固定板の取付け面に螺着されたフアン
   ガイド板を備えたことを特徴とする空冷式空気調
   和機の室外機。