JPH0338511Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、一つの回動カムで両側のシユーを
利き勝手の方向に拡げて効率よく制動できるよう
にした内拡式ブレーキに関する。

〔考案の技術的背景と問題点〕

内拡式ブレーキは、ブレーキパネルに取付けた
半円状の両側のシユーを外側に拡げて、ブレーキ
ドラムに押圧させて制動する。ところが一つのカ
ムで両側のシユーを左右に拡げると、ブレーキド
ラムの回転方向から、一方のシユーが利き勝手に
なり、他方のシユーは利かない勝手にあつて、構
造は簡単であるが、制動能力が低い。一方回動カ
ムを二つ設けてリンクで連動させ、両側のシユー
を共に利き勝手の方向に拡げると制動能力が向上
するが、構造が複雑で高価になり、両側のシユー
の調節も面倒になる。又、一つの回動カムで、両
側のシユーをピンで連結して、両側のシユーが共
に利き勝手の方向に拡がるようにしたものもある
が、この場合は、構造が簡単にできるが、両側の
シユーを常に中立位置に戻すのがむつかしく、
又、シユーの傾き等ができて、具合が悪い。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる点に鑑み、一つの回動カム
と揺動アームを用い、両側のシユーを利き勝手の
方向に拡げて、構造簡単で高い制動能力が得ら
れ、併せて、両側のシユーが常に中立位置に戻
り、シユーの傾きもない内拡式ブレーキを得るこ
とを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を図面に示す実施例について説明
する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
のである。ブレーキパネル１の一側には、操作ア
ーム２で回動させる回動カム３を軸着する。ブレ
ーキパネル１の他側には、揺動アーム４を軸５で
回動自在に軸着する。揺動アーム４は、ブレーキ
パネル１の突設したストツパー６に当つて、中立
位置になるようにしてある。両側のシユー７は、
外周にライニングを張つた半円状の同一形状のも
ので、一方のシユーは、揺動アーム４の裏側の半
円ピン８にピボツトさせて他端を回動カム３に当
ててあり、他方のシユー７は、回動カム３の裏側
の半円ピン９に一端をピボツトさせ、他端を揺動
アーム４に当ててある。そして、両側のシユー７
には、バネ１０を掛止めて、内側に付勢する。両
側のシユー７の外側には、軸１１に回転自在に軸
支したブレーキドラム１２が配置される。

しかして、揺動アーム２によつて、回動カム３
を回動させると、回動カム３が当つている側のシ
ユー７が先ずバネ１０に抗して外側に拡げられ、
ブレーキドラム１２に押当てられて制動が始る。
そして、更に回動カム３を回動させると、回動カ
ム３側のシユー７を介して、揺動アーム４を回動
させ、他方のシユー７もバネ１０に抗して拡げら
れ、ブレーキドラム１２に押付けられて、全制動
になる。両側のシユー７は、各々ブレーキドラム
１２の回転方向に対し、利き勝手の方向に拡げら
れ、高い制動力が得られる。回動カム３を戻せ
ば、揺動アーム４が、ストツパー６に当たるま
で、バネ１０の弾力で戻り、両側のシユー７は、
常に中立位置まで復帰する。又、両側のシユー７
は、各々一端を、回動カム３の半円ピン９と揺動
アーム４の半円ピン８にピボツトされるので、傾
きを少なくできて、ライングの偏摩耗を防げる。

第３図は、本考案の他の実施例を示すものであ
る。この実施例は、揺動アーム４を長くして、ブ
レーキパネル１の軸筒部１３に、揺動アーム４の
内側を軸着してある。その他は先の実施例のもの
と同じである。尚、揺動アーム４は、ベアリング
を介在させれば、ブレーキドラム１２の軸筒部に
軸着することもできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は、操作アーム
による回動カムの反対側に、ストツパーによつて
中立位置に保たれる揺動アームを軸着し、一方の
シユーの一端を揺動アームの半円ピンにピボツト
させて回動カムに他端を当て、他方のシユーの一
端を回動カムの半円ピンにピボツトさせて揺動ア
ームに他端を当て、両側のシユーをバネで内側に
付勢するようにしたので、一つの回動カムで両側
のシユーを各々利き勝手に拡げることができ、構
造簡単で安価に、高い制動力が得られる内拡式ブ
レーキとすることができる。そして、揺動アーム
で、余側のシユーを常に中立位置まで戻すことが
でき、シユーの傾きの少いものにできる。そし
て、調節個所もなく、調節手間がかかることもな
い。又、シユーは、両側同一形状で、同じものが
使用でき、量産効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、
第１図は正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ矢視部分
断面図、第３図は本考案の他の実施例を示す正面
図である。 ２……操作アーム、３……回動カム、４……揺
動アーム、６……ストツパー、７……シユー、８
……半円ピン、９……半円ピン、１０……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作アームによる回動カムの反対側に、ストツ
   パーによつて中立位置に保たれる揺動アームを軸
   着し、一方のシユーの一端を揺動アームの半円ピ
   ンにピボツトさせ他端を回動カムに当て、他方の
   シユーの一端を回動カムの半円ピンにピボツトさ
   せ揺動アームに他端を当て、両側のシユーをバネ
   で内側に付勢するようにしたことを特徴とする内
   拡式ブレーキ。