JPH0338253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ダム取水口等の前に展張し、浮遊物が取水口に
流着することを阻止する網場のネツトには、合成
樹脂繊維製のロープで編んだ網あるいは針金でフ
エンス状に編んだ金網等が用いられていた。しか
しこれらの網は平常時に流着する塵芥等の阻止に
対しては問題ないが、台風時に流着する大形の流
木あるいは多量の流木、厳寒時に流着するスノー
ジヤムに対しては弱く、しばしば破損し、充分に
阻止しえないという問題があつた。

本考案は網場のネツトをチエーンで構成するこ
とにより、大きなあるいは大量の流木、スノージ
ヤム等に対しても強く破損することがなく、充分
な阻止能力をもつた網場用チエーンネツトに関す
る。以下図面に従つて詳述する。

第１図は本考案の網場用チエーンネツト１の詳
細図で、２は円環で網の節にあたり、各節間の網
糸を各円環の間に接続した奇数個の鎖環よりなる
短い網目用鎖３としたもので、この実施例では３
個の鎖環より構成している。鎖の大きさ、鎖環の
数による網目の大きさは、流着する浮遊物の種類
により適宜選択すればよく、円環間の網目用鎖３
の鎖環の数を奇数個とした事により、鎖がねじれ
ることがない。第２図は本考案の網場用チエーン
ネツトを用いた網場の１部を示す正面図で、合成
樹脂又はゴム等で被覆した剛性の大きいワイヤー
ロープのメインロープ４より吊下げられたチエー
ンネツト１の縦条の各上端は、それぞれＵボルト
７によりメインロープ４に締着されている。５は
適宜間隔に配置されたフロート６の間に張られた
上部チエーンネツトで、網の縦条の上端および下
端は、フロート６の上縁を結ぶように配置された
補助ロープ８およびメインロープ４にそれぞれＵ
ボルト７で連結されている。補助ロープ８はメイ
ンロープより細手の合成樹脂又はゴム等で被覆し
たワイヤーロープである。フロート６はフロート
バンド９を補助ロープ８およびメインロープ４に
Ｕボルト７により取付けて係止され、メインロー
プを浮力により吊り下げている。第３図ａ，ｂは
上記Ｕボルトの詳細図で、Ｕボルト７に平板１１
を２枚貫装し、平板間にワイヤーロープを挟み、
ナツト１２で締着して、その締着力により比較的
薄い平板が歪み、ロープ断面に沿つて曲り、ワイ
ヤーロープに強個に締着される。第４図はフロー
トバンド９の詳細を示す。

本考案は網場のネツトをこのように構成したた
め、従来のネツトに比し、摩擦力や引張力に対し
て強く、折れ曲りに対しても強く、また大形の流
木による極部的な集中力に対しても充分強く、台
風時の流木や冬期のスノージヤムに対しても充分
阻止することができる。また水流に対してもチエ
ーンネツトの比重が大きいため、特別に重錘を取
付ける必要はなく、垂直状に張設され、かなりの
水流に対しても流されて倒れて傾斜することな
く、網場の阻止面積を減ずることはない。従つて
流木その他の浮遊物を有効に阻止でき、網場の機
能を充分発揮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の網場用チエーンネツトを示す
１部拡大正面図、第２図は本考案を用いた網場の
部分正面図、第３図ａ，ｂはＵボルトの詳細図、
第４図ａ，ｂはフロートバンドの詳細図。 １……網場用チエーンネツト、２……円環、３
……網目用鎖。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浮遊物をせき止める網場用ネツトにおいて、網
   目の節に円環を配し、各節間の網糸を各円環に接
   続した奇数個の鎖環よりなる鎖とした網場用チエ
   ーンネツト。