JPH0338183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は、固形剤（錠剤）の如き物体をその外
観検査のために搬送する搬送装置に関するもので
ある。

〔従来技術とその問題点〕

第１図は、外観検査の良否により固形剤を自動
選別する自動固形剤選別機において、外観検査の
ために固形剤を搬送する従来の搬送装置を示す説
明図である。第２図は、第１図における検査ドラ
ム４または５の正面図である。

これらの図において、１はホツパ、２は錠剤供
給部、３はその外側ガイド、４は第１の検査ドラ
ム、５は第２の検査ドラム６はドラム内の負圧
室、７は検査ドラムに周辺に設けたポケツト１５
に負圧を供給する吸引孔、８は工業用テレビカメ
ラ（以下、ITVカメラとも記す）、９は照明ラン
プ、１０はシュート、１３は錠剤、である。

第１図において、ホツパ１から投入された錠剤
１３は、内側供給方式のドラムから成る供給部２
とその外側ガイド３により第１の検査ドラム４へ
と受け渡される。そして第２図に示す如く、検査
ドラム４の周辺に設けられたポケツト１５に、吸
引孔７を介して供給される負圧によつて吸着され
た錠剤１３は、照明ランプ９により照射され、
ITVカメラ８によりその上半分を検査された後、
第２の検査ドラム５へ受け渡され、そこで同様に
その下半分を検査され、その良否に従つて適宜の
シユート１０へ振り分けられる。

所で供給部２は、そのドラムのポケツトの中に
錠剤１３が１個づつ検査に臨む正しい姿勢で入る
ように錠剤の寸法・形状に合わせてつくられてい
る。供給部２と検査ドラム４との間における錠剤
の受け渡し時には、受け渡しに際しての錠剤の水
平方向移動距離が零になるように供給部２、その
外側ガイド３および検査ドラム４の寸法関係が決
められている。供給部２と検査ドラム４との間の
受け渡し時には、錠厚寸法に巾があつても、供給
部２のポケツトは錠剤の貫通可能な穴になつてい
るために、常に錠剤１３は外側ガイド３を基準と
して位置決めされた検査ドラム４に接近するので
受け渡し時の錠剤の姿勢は安定する。しかし、第
１の検査ドラム４から、第２の検査ドラム５への
受け渡す時には、ドラムが剛性の高い金属ででき
ているために錠剤の錠厚交差およびドラム等の機
械加工寸法公差を考慮して両ドラム間には適宜の
クリアランスをもたせなければならない。このク
リアランスがあるために受け渡し時に、錠剤の水
平方向移動距離を零とすることが出来ず、この間
に錠剤に対して重力が作用する余地を生じ、この
ため錠剤が重力方向にずれる結果となる。しかし
錠剤は、受け渡しの前も後も、第２図に見られる
如く、ポケツト１５に収納されるため、錠剤のず
れによる移動量はポケツト１５の寸法の範囲内に
とどまる。しかしこのずれにより、錠剤１３の次
の検査に臨む姿勢が乱れ、外観検査に不都合をき
たすという欠点があつた。

また錠剤は、その厚み寸法も直径寸法も特に規
格がないため、寸法的に多種多様のものが存在す
る。そこで錠剤の寸法に合わせてポケツトの寸法
を設計するとなると、各種異なつた寸法のポケツ
トをもつ検査ドラムを多種類用意しなければなら
ず、コスト高を招くという欠点があつた。

さらにポケツト１５は、その中に錠剤１３を収
容したとき、錠剤１３との間で隙き間を生じるこ
とがあるが、該隙き間にはポケツト１５の縁など
にさえぎられ検査用の照明光た達せず、影となる
部分が出来、これが錠剤１３の外観検査上の障害
になることもあるという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述のような従来技術の欠点を除去
するためになされたものであり、従つて本考案の
目的は、検査ドラムから検査ドラムへの受け渡し
時において、錠剤の如き物体を、その大きさ、形
状等にかかわりなく、受け渡し方向における移動
距離零すなわち姿勢の乱れなしで受け渡すことが
でき、また寸法的に多種類のポケツトをもつ検査
ドラムを用意することが不便であり、更に外観検
査の支障になりかねない影を生じることのない物
体搬送装置を提供することにある。

〔考案の要点〕

本考案の構成の要点は、搬送ドラムの周辺にポ
ケツトを設けることなく、該ドラム周辺に直接形
成された負圧吸引口により物体を吸着して搬送す
るようにすると共に、搬送ドラムの周辺を弾性体
で構成した点にある。

〔考案の実施例〕

次に図を参照して本考案の一実施例を説明す
る。第３図は、本考案の一実施例における検査ド
ラムの正面図、第３Ａ図は同側断面図、である。

これらの図において、１２はゴム状弾性体であ
る。すなわち本考案において使用する検査ドラム
４または５は、その周辺がゴム状弾性体１２で構
成され、かつドラム周辺に従来設けられていたポ
ケツトを廃し、吸引口７により錠剤１３を直接ド
ラム周辺上に吸着するようにしている。本考案の
実施例は、検査ドラム４または５、或いはその双
方がこのような構造のものであること以外は、第
１図に示した構成と変わるところがない。

第４図は、受け渡し時における本考案の一実施
例要部を示す断面図である。

同図に見られるように、第１検査ドラム４のゴ
ム状弾性体１２と第２検査ドラム５のゴム状弾性
体１２との間の隙き間を錠剤１３の厚み寸法より
狭くつくり、受け渡し時にゴム状弾性体１２が圧
縮変形されながら、受け渡し時の受け渡し方向
（水平方向）の移動量零で受け渡しが達成される
ように構成されている。

なお、この際、受け渡す側の吸引口７は負圧の
供給を止め、受け渡される側の吸引口７が負圧の
供給を開始するものであつことは勿論である。

第５図は本考案の他の実施例を示す説明図であ
る。同図に示す実施例は、各種サイズの錠厚に適
応した受け渡しを可能にするために、供給部２を
構成するドラムと第２検査ドラム５の各軸を固定
し、他方第１検査ドラム４の軸位置を、Ａ方向ま
たはA′方向に可変したものである。この場合の
検査ドラム４，５はもちろん、ゴム状弾性体を周
辺に形成してなるドラムより構成される。この検
査ドラム４の軸位置の可変調整により、錠厚に適
した適宜のクリアランスδ１およびδ２を得るこ
とができる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、ドラム外周をゴム状弾性体
にし、ポケツトを廃し吸引口だけを設けた単純な
検査ドラムを用いることにより、下記の効果が得
られる。

(1) 検査ドラム間の受け渡し時の受け渡し方向
（一般には水平方向）の移動量を零にできるた
めに受け渡しにより錠剤の姿勢がくずれること
がなく安定する。

(2) 検査ドラム外周に錠剤が露出した形で吸着さ
れているので、検査のための照明光が従来ポケ
ツトの縁などのため錠剤周辺に行きとどかなか
つたのが改善されＳ／Ｎ比の向上につながる。

(3) 検査ドラムの形状が単純化された製品が容易
となり、コストダウンを図れる。

(4) 外形寸法の相異する各種の錠剤について同一
の検査ドラムが使用可能となり凡用性が出てく
るので、やはりコストダウンにつながる。

この考案は今まで説明した自動錠剤選別機の他
に自動カプセル選別機、その他ドラムを使つた搬
送装置に応用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は物体の外観検査用の従来の物体搬送装
置を示す説明図、第２図は第１図における検査ド
ラムの正面図、第３図は本考案の一実施例におけ
る検査ドラムの正面図、第３Ａ図は同側断面図、
第４図は受け渡し時における本考案の一実施例要
部を示す断面図、第５図は本考案の他の実施例を
示す説明図、である。 符号説明、１……ホツパ、２……錠剤供給部、
３……外側ガイド、４……第１検査ドラム、５…
…第２検査ドラム、６……負圧室、７……吸引
口、８……ITVカメラ、９……照明ランプ、１
０……シュート、１２……ゴム状弾性体、１３…
…錠剤、１５……ポケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 第１のドラムにより搬送されてきた固形剤の
   如き物体を、該第１のドラムから第２の搬送ド
   ラムに受け渡しした後、該第２のドラムにより
   搬送するようにした物体搬送装置において、 前記第１および第２のドラムの何れか一方ま
   たは双方の周辺を弾性体で構成し、前記ドラム
   の弾性体から成る周辺又は弾性体から成らざる
   周辺を内側から外側に突き抜ける吸引口により
   物体を吸着して搬送するようにし、前記第１の
   ドラムの周辺と第２のドラムの周辺の対向面間
   の距離を物体の厚さよりも狭くして前記弾性体
   の圧縮変形により前記対向面間に物体を挟んで
   前記第１のドラム周辺から第２のドラム周辺へ
   の物体の受け渡しを行うことを特徴とする物体
   搬送装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の物体
   搬送装置において、前記ドラムの軸位置を可変
   調整可能にしたことを特徴とする物体搬送装
   置。