JPH0337998Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は指頭による押圧力をもつて、目的物に彫
刻を施す彫刻刀の柄に、紐を支持し、この紐に手
先を掛け止めて、彫刻刀を押圧推進せしめるよう
にし、滑らかな柄の表面に対しても、指頭での把
持部が辷り動くことがないように、彫刻操作を強
力にすることの出来る彫刻刀に関するものであ
る。

「従来の技術」 従来の彫刻刀は大体棒状の滑らかな表面の木製
の柄の先端に刃を有し、小学生等の彫刻刀使用者
はこの柄を指頭で把持し、刀を刃先方向に押圧推
進させて彫刻操作を行うものであるが、この押圧
の際に指頭と柄間に辷動現象を生じ、加えた指頭
での力が刃先に及ばず、加えた力が充分彫刻操作
に役立たず、彫刻能率を劣化させる欠点があつた
ものである。

尚、実公昭58−18718号のようなものも開示さ
れるが、該刃物は骨すき包丁と云う特殊な刃物に
関し、側方向に刃先を存し、指掛バンドを柄の側
面に固定し、四指を挿入して牛肉等の骨を肉より
すき取ると云う特殊操作を行うもので、その骨を
すき取るための種々デリケートな刃先の動作にお
いて指が柄より離れて刃方向に外脱し、指先等に
損傷を生ずるのを防止する作用を存するものであ
り、先端のみに刃を存する彫刻刀の刃先方向に対
しての押圧推進力を増強することはできない。

又実開昭59−184773号のようなものも開示さ
るゝところであるが、ナイフの柄の表面にロープ
を巻き付けて使用し、硬い物を叩き切る場合、把
持する手先に強い衝撃が加わらないようにする作
用を有し、彫刻刀の押圧推進力増強の作用は存し
ない。

「考案が解決しようとする問題点」 前記のように従来の彫刻刀においては彫刻刀の
柄に対して指頭で把持押圧推進して切り刻む場
合、把持部に抵抗性が乏しく、加えた力が充分彫
刻操作に及ばないと云う欠点があつたもので、こ
の欠点を存せしめず、加えた指頭の押圧力が全部
刀の基端から先端の縦方向への押圧推進のために
発揮できるような彫刻刀を得るのが本案の目的で
ある。

「問題点を解決するための手段」 本考案においては前記目的を達成するために、
彫刻刀の柄と、これを把持する指頭との間に力紐
を介在させ、把持部に抵抗性を生ぜしめ、全押圧
力を発揮させるものである。

「実施例並びに作用」 本案実施の一例を示した添付図面について詳説
するに、１は刃部、２は柄部で、何れも公知の彫
刻刀の構成である。３は紐孔で、柄２の基部に貫
通孔に穿設する。４は力紐で、該紐孔３を貫通
し、両端５，６を任意長に結んで、環状部７を成
形するものである。これを使用するに当たつては
環状部７を親指で貫通し、人さし指８、中指９、
親指１０をもつて彫刻刀の柄２を把持し、彫刻刀
を押圧推進させて彫刻操作を行うものである。こ
の場合、本案では親指８が力紐３の環状部７中を
貫通し、一定度以上に刃部方向に辷り動くことを
阻止させるから、三指８，９，１０による把持部
１１自体が刃先方向に辷り動くことが出来ず、加
える指頭への力は全面的に刃先への押圧力として
使用することとなり高能率容易な彫刻作業をなす
ことが出来るものである。

「考案の効果」 本案は力紐４と云う簡易な環状体を彫刻刀に設
け、親指を力紐の環状部に挿嵌して柄を把持する
ことにより、刀の基端から先端の縦方向への押圧
時に把持部の抵抗を増大し、彫刻刀に加える押圧
推進の全力を完全に彫刻作用に利用させることが
出来るに至つたもので、効果大である。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本案実施の一例を示すもので、第１
図は彫刻刀の斜視図、第２図は彫刻操作時の斜視
図である。 １……刃部、２……柄部、３……紐孔、４……
力紐、５，６……両端、７……環状、８……ひと
さし指、９……中指、１０……親指、１１……把
持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刀先端に刃１を存し、基端に柄２を存する彫刻
   刀の該柄２に紐孔３を貫設し、該紐孔３に力紐４
   を貫通設備し、該力紐を環状７に形成して親指を
   挿入するようにしたことを特徴とする彫刻刀。