JPH0337511B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はマルチスタイラス上に磁石により磁性
インクを隆起させ、隆起した磁性インクを画信号
に応じて記録紙上に飛翔させて記録画像を得る磁
性インク記録装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 以下に従来の磁性インク記録装置について説明
する。

第１図は従来の磁性インク記録装置の断面図
で、第２図は同装置の記録ヘツド部の外観斜視図
である。図中１はスタイラスである。スタイラス
１は基台２の上に規則的に配列されマルチスタイ
ラスを構成している。３は隆起用磁石でスタイラ
ス１に密着させると共にスタイラス１の配列巾に
わたつて延在させて設け、スタイラスを磁化させ
ている。４はシールド板で隆起用磁石３に密着さ
せて設け隆起用磁石３から出る磁束線がＡ部に集
中して出るよう構成し、磁性インク５の保持力を
大きくしている。６はスリツト磁石である。７は
シールド板でスリツト磁石６に密着して設けスリ
ツト磁石６から出る磁束線がＢ部に集中して出る
よう構成し、磁性インク５の保持力を大きくして
いる。又シールド板７はシールド板４との間にス
リツト状の開口部８を形成するよう構成されてい
る。磁性インク５はスリツト状の開口部８で磁力
により保持される。９はインク留部である。以上
述べた構成部材により磁性インク記録ヘツド部１
０が構成されている。１１および１２は供給パイ
プである。１３は供給ポンプでありインクタンク
１４のインクを供給パイプ１１，１２を通じて記
録ヘツド部に供給する。又供給ポンプ１３は軸流
ポンプ等のようにポンプを停止させた状態で磁性
インク５が自由に流れ得る構成としている。イン
クタンク１４の液面とスタイラス１先端との間に
は第１図に示すように差落Ｈを持たせ、スタイラ
ス１の先端に磁性インク５の適性な隆起を形成さ
せている。１５は背面ゲート電極で記録紙１６を
介してスタイラス１と対向するよう配置してい
る。１７はスタイラス１と背面ゲート電極１５と
に画信号に応じて電圧を印加する飛翔制御手段で
ある。磁性インク５の流れを説明すると、インク
タンク１４から供給ポンプ１３により供給パイプ
１２および供給パイプ１１を通して順次供給され
る。磁性インク５がスリツト状開口部８まで供給
され、供給パイプ１１，１２およびインク留部９
の中に満たされると供給ポンプ１３は停止され
る。供給ポンプ１３が停止してもスリツト状の開
口部８で磁性インク５は磁力により保持されるた
めインクタンク１４からスリツト状の開口部８ま
での間は磁性インク５で満たされた状態を維持す
る。スリツト状の開口部８からスタイラス１の先
端へは隆起用磁石３およびスタイラス先端の磁力
により自動的に磁性インク５は供給されて、スタ
イラス先端に隆起を形成する。この状態で飛翔制
御手段により、画信号に応じてスタイラス１と背
面ゲート電極１５に電圧を印加するとスタイラス
１から記録紙１６に磁性インク５は飛翔する。飛
翔により消費された磁性インク５は、磁力により
スタイラス先端に自動的に供給され、連続的に飛
翔記録を行うことができるよう構成されている。

しかしながら上記のような構成では、スタイラ
ス１の先端に何らかの異常（ゴミの付着等）が発
生した場合にスタイラス１の先端の磁性インク５
を取り除こうとしても磁性インク５は自動的に供
給されるために、付着した磁性インク５を取り除
くことができない。したがつて異常の原因がつか
みにくいと共に対策が困難であつた。また、ヘツ
ド部１０を交換する際にも磁性インク５がスリツ
ト部８で保持されているためにヘツド部１０内の
磁性インク５をぬき取ることができず供給パイプ
との連結部をはずした時ヘツド部１０内を満たし
ていた磁性インク５がこぼれ出て装置をよごす等
ヘツド部のメンテナンス性に大きな問題があつ
た。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点を解消するもので、
簡単な構成でヘツド部内あるいはインクタンクか
らヘツド部への供給路の中に満たされたインクを
ヘツド部のメンテナンスに支障のない位置まで移
動させることにより、ヘツド部のメンテナンス性
に優れた磁性インク記録装置を提供しようとする
ものである。

発明の構成 本発明は、ヘツド部のスリツト状の開口部から
インクタンクの液面までの間のインク通路の一部
に開閉自在な空気流入口を備えた磁性インク記録
装置であり、空気流入口より空気を入れることに
よりヘツド部あるいは供給路のインクをヘツドの
メンテナンスの支障のない位置まで移動させるこ
とによりヘツド部のメンテナンス性を向上するこ
とのできるものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第３図ないし第５図
を用いて説明する。

第３図は本発明の一実施例における磁性インク
記録装置の断面図を示すものである。図中１８は
磁性体より成るスタイラスである。スタイラス１
８は基台１９上に規則的に配列してマルチスタイ
ラスを構成している。２０は隆起用磁石でスタイ
ラス１に密着させてスタイラス１の配列巾にわた
つて延在させ、スタイラス１を磁化している。隆
起用磁石２０のスタイラス１と反対側の面にはシ
ールド板２１を密着させて設けA′部に磁束線を
集中させて、A′部の磁力が大きくなるよう構成
している。２２はスリツト磁石で隆起用磁石２
０、シールド板２１と対向する側にシールド板２
３を密着して設け、B′部に磁束線を集中させ磁
力が大きくしている。シールド板２３とスリツト
磁石２２によりスリツト構成部材を形成し、シー
ルド板２１とシールド板２３との間にスリツト状
の開口部２４を形成している。２４はインク留部
でありスリツト状開口部２４および供給パイプ２
５に通じている。インク留部２４の側壁には開
放、密封可能な空気流入口２６を設けている。以
上の構成によりヘツド部３６は構成されている。
第４図は空気流入口の構成を示す要部斜視図であ
る。空気流入口２６にはネジを切り、インク留部
２４の側壁外側に座ぐり部２７を設けている。密
封する場合は座ぐり部２７にＯリング２８を挿入
し、ネジ２９で締つけるよう構成している。ネジ
２９をゆるめる（あるいは取りはずす）と空気流
入口２６は開放状態となり、インク留部２４の中
に外から空気が流入可能な構成としている。３０
は供給ポンプで供給パイプ２５の途中でかつイン
クタンク３１の液面より下方に配置し磁性インク
３２をインクタンク３１からヘツド部３６に供給
する。供給ポンプ３０は軸流ポンプ等のように停
止した状態でポンプ内を液体が自由に流れる構成
としている。

インクタンク３１はインク液面がスタイラス１
先端との間に差落Ｈを構成するよう構成してい
る。差落Ｈはスタイラス１の先端に磁性インク３
２が付着し、適正な隆起を構成させるために必要
なものである。スリツト状開口部２４には磁性イ
ンクの落差に相当する負圧が作用するが、この負
圧よりも磁性インクを保持する力が大きくなるよ
うスリツト状開口部２４の磁力を構成している。
３３は背面ゲート電極で記録紙３４を介してスタ
イラス１に対向する位置に設けている。３５は飛
翔制御手段で画信号に対応してスタイラス１およ
び背面ゲート電極３３に電圧を印加しスタイラス
１に隆起した磁性インク３２をクーロン力により
記録紙に飛翔させて記録を行うように構成してい
る。

以上のように構成された本実施例の磁性インク
記録装置について、磁性インクの動きを説明す
る。

インクタンク３１内の磁性インク３２はポンプ
３０により供給パイプ２５を通してインク留部２
４に送り込まれ、供給パイプ２５およびインク留
部２４を磁性インク３２で満たされる。磁性イン
ク３２がスリツト状開口部２４まで供給されると
供給ポンプ３０は停止する。ポンプ３０が停止さ
れてもスリツト状開口部２４で磁性インク３２は
保持されるので供給パイプ２５およびインク留部
２４の磁性インク３２がインクタンク３１に帰る
ことはない。ただしこの時、空気流入口２６は密
封された状態である。スリツト状開口部２４まで
磁性インク３２が満たされると、スリツト状開口
部２４からスタイラス１先端までの間は、スタイ
ラス１の磁力及び隆起用磁石２０の磁力により磁
性インク３２は自動的に供給されてスタイラス１
先端に付着し、隆起を形成する。この状態で飛翔
制御手段３５によりスタイラス１および背面ゲー
ト電極３３に画信号に対応した電圧を印加しクー
ロンカにより、スタイラス１先端に隆起した磁性
インク３２を飛翔させて記録を行う。飛翔により
消費された磁性インク３２は自動的にスタイラス
１先端に供給され連続的に印字が行なわれる。

ここでヘツド部３６に何らかの異常が発生した
場合に空気流入口２６を開放するようネジ２９を
ゆるめると空気流入口２６から空気が入り、イン
ク留部２４、供給パイプ２５の磁性インク３２
は、インクタンク３１の液面との差落によりイン
クタンク３１内の液位と等しくなる位置まで移動
する。第５図は空気流入口から空気を入れてイン
ク留部２４および供給パイプ２５の中の磁性イン
ク３２がインクタンク３１方向へ移動した時の状
態の要部断面図を示すものである。この状態で磁
力の働いている部分に少量の磁性インク３２が付
着して残る。スリツト状開口部２４からスタイラ
ス１先端部に付着した磁性インク３２は少量であ
るため簡単に取り除くことができる。又内部で磁
力により保持された磁性インク３２は、磁力で保
持されているので、スリツト状開口部２４から出
たり、供給パイプとの結合部から流出することは
ない。

また本実施例では、空気流入口２６をヘツド部
３６に設けたが、供給パイプ２５に空気流入口を
設けても良いことは言うまでもない。

発明の効果 以上のように本発明の磁性インク記録装置は、
ヘツド部のスリツト状開口部からインクタンク液
面に至るインク供給路の一部に密封開放自在な空
気流入口を設けてヘツド内のインクを容易にヘツ
ド部のメンテナンスに支障のない位置まで移動さ
せることにより、スタイラス先端部に付着した磁
性インクを除去しやすくすると共に、ヘツド交換
時などのインク漏れを無くし、ヘツド部のメンテ
ナンス性を向上させることができ、その実用的効
果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁性インク記録装置の構成を示
す断面図、第２図は同装置のヘツド部の斜視図、
第３図は本発明の一実施例における磁性インク記
録装置の断面図、第４図は同装置の空気流入口の
詳細を示すヘツドの要部斜視図、第５図は同空気
流入口から空気を入れた場合にヘツド部に磁力に
より残つた磁性インクの付着状況を示すヘツド部
断面図である。 １８……スタイラス、２０……隆起用磁石、２
２……スリツト磁石、２４……インク留部、３２
……記録ヘツド部、３１……インクタンク、２５
……供給パイプ、２６……空気流入口、２８……
Ｏリング、２９……ネジ、３２……磁性インク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁性体からなるマルチスタイラスと、前記マ
   ルチスタイラスの配列中にわたつて前記マルチス
   タイラス上に延在させた隆起用磁石と、前記隆起
   用磁石との間にスリツト状の開口部を形成するよ
   う配設したスリツト構成部材と、前記マルチスタ
   イラスの先端部と磁性インク液面との間に落差を
   持たせ、かつ磁性インク液面が前記マルチスタイ
   ラスの先端より下側に位置するよう設けたインク
   タンクと、前記インクタンクから前記スリツト状
   の開口部に至るインク供給路とを備え、前記イン
   クタンクの液面から、前記スリツト状の開口部ま
   での間に開放可能な空気流入口を設けたことを特
   徴とする磁性インク記録装置。