JPH033722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は上部構造が無梁版構造の建物に免震
装置を設置した、免震構造物に関するものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 無梁版構造の建物には耐震要素として耐震壁を
数多く配置する必要があるが、特に高層になる程
下層の階には多くの耐震壁を入れなければならな
い。このため建物の外周部にも壁を設ける必要が
あり、フアサードが閉鎖的になる等平面、及び立
面計画上の制約が大きく、建物の規模、用途が必
然的に限定されることになる。

この考案はこうした無梁版構造の実情を踏まえ
てなされたもので、上記制約を緩和する構造物を
提案しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では上部構造である無梁版構造建物の最
下階の下と、下部構造の基礎、またはマツトスラ
ブの間に免震装置を据え付けて上部構造を免震構
造化することによつて上部構造に入力する地震力
を低減し、上記問題を解決する。

建物は床スラブと柱からなり、その中央部、ま
たはその付近に必要な耐震壁を配置して構成され
る。

この無梁版構造の建物の最下階の下に免震装置
を設置してこれを免震構造物とし、これによつて
無梁版構造でありながら耐震壁の量を削減し、平
面及び方面計画上の自由度の高い、開放的なフア
サードを有する建物を実現する。

（実施例） 以下本考案を一実施例を示す図面に基づいて説
明する。

この考案の免震構造物Ａは第１図に示すように
上部構造の無梁版構造の建物ａと、下部構造の基
礎、またはマツトスラブ５との間に免震装置１を
設置し、無梁版構造を免震構造化したものであ
る。

建物ａの躯体は図示するように基本的に床スラ
ブ２と柱３からなる、床スラブ２の下に梁が存在
しない無梁版構造であり、平面的に第２図に示す
ように中央部、またはその付近の適所に耐震壁４
を配置して構成される。

免震装置１は各柱３、及び耐震壁４の隅角部や
端部の下方に位置し、最下階の床スラブ２の直下
と基礎、またはマツトスラブ５との間に設置され
る。免震装置１は基礎やマツトスラブ５に代えて
各柱３及び耐震壁４の下方に埋設される杭の頭部
上に直接設置してもよい。

（考案の効果） この考案は以上の通りであり、免震装置によつ
て建物に作用する地震力が低減される結果、無梁
版構造でありながら耐震壁の量を大幅に削減する
ことができ、平面、方面計画上の自由度が高ま
り、極めて開放的なフアサードを実現することが
できると同時に、従来５，６階建てが限度であつ
た無梁版構造をより高層の建物に適用することが
可能となる。

また免震装置は上部構造の最下階の床スラブの
直下に設置されるため根切り量が格別増大するこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示した断面図であ
り、第２図はその平面図である。 Ａ……免震構造物、ａ……建物、１……免震装
置、２……床スラブ、３……柱、４……耐震壁、
５……マツトスラブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部構造の建物と下部構造の基礎、またはマツ
   トスラブとの間に免震装置を設置して構築される
   構造物であり、建物は中央部、またはその付近に
   耐震壁が配置された、床スラブと柱から構成され
   る無梁版構造で構成され、免震装置は建物の最下
   階の床スラブの直下に設置されていることを特徴
   とする免震構造物。