JPH0336874B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本発明、定置状態の円筒状レトルトの中に配設
された加熱管により熱を供給しながら高圧の下
に、石炭と水蒸気とからガスを製造する渦流床式
ガス発生装置である。

しかして該装置は、水平に配設されたレトルト
の内室が、水蒸気の供給部につながつているフラ
ツトな下室と、石炭供給シユートと残渣排出部お
よびガス排流部とにつながつている上室とに、多
数の小孔をあけたトラフにより分割されており、
しかして該トラフの縁を包み囲んでいるプロフイ
ール・レールが内部冷却しながらまたは内部冷却
しないで、トラフを担持しており、かつ前記上室
の中でレトルトの長さ方向に対し垂直に延びた平
面の中で湾曲している蛇行状またはヘア・ピン状
の加熱管が上から渦流床の中に浸漬されていて、
前記順に並べられた加熱管が、支持要素上に支承
されている上室の上部に設けられた共通の集合管
に接続されているよう構成された渦流床式ガス発
生装置の改良に関する。

この種のガス発生装置は、ドイツ特許第
2423951号明細書により公知である。

この装置の場合、集合管の全重量を、高温・高
圧の下で支えなければならないので、その支持要
素の信頼性を高くすることが、非常に重要な課題
となる。

本発明の目的は、上記渦流床式ガス発生装置に
おける集合管の支持要素の構成を、簡素化すると
共に、その支持性能を改善することにある。

すなわち、改善された支持要素は、ガス発生系
の中にあつて、熱変形による補足的な力を発生さ
せることなく、また、高温・高圧に十分に耐え、
しかも、ガス発生系における圧力損失を、低減さ
せるものでなければならない。

上記の目的は、本発明によれば、集合管が、各
区画ごとにレトルト・ケーシングの内部であつ
て、しかもその近傍において、該レトルト・ケー
シングを貫通し、かつ該レトルト・ケーシングに
固定された入口継手兼出口継手と接続されている
管寄せに連結され、該集合管及び管寄せを支持す
る支持要素が、各レトルト・ケーシングの区画に
ついて、その上方から吊り下げ管により吊り下げ
られた２本の箱状ビーム・サポートから構成され
ており、該箱状ビーム・サポートは、その外周表
面を断熱材にて覆われていると共に、前記吊り下
げ管の中空部分を介して外部から箱状ビーム・サ
ポート内に導入された冷却用媒体により内部冷却
され、かつ前記吊り下げ管は、可撓性を有するパ
ツキング要素によつてシールされた状態でレトル
ト・ケーシングを貫通して上方に延び、前記箱状
ビーム・サポートの長手方向に沿つて回動し得る
ピン継手を介して、レトルト・ケーシングの外表
面上に固定された一定の持続的な圧力が作用して
いるシリンダー内に、上下方向に摺動自在に支承
されていることにより達成される。

すなわち、本願発明においては、集合管が、各
区画ごとにレトルト・ケーシングの内部であつ
て、しかもその近傍において、該レトルト・ケー
シングを貫通し、かつ該レトルト・ケーシングに
固定された入口継手兼出口継手と接続されている
管寄せに連結されているため、供給された熱担体
の圧力損失は、最小程度に抑えられ、熱を効率よ
く加熱管を介して渦流床に供給することができ
る。尚、上記管寄せは、球状に設計されているこ
とが望ましい。

また、上記集合管及び管寄せを支持する支持要
素が、各レトルト・ケーシングの区画について、
その上方から吊り下げ管により吊り下げられた２
本の箱状ビーム・サポートから構成されているた
め、支持要素が簡素なものとなり、渦流床におけ
る抵抗が少なく、石炭の流動を必要以上に防げる
ものとはならず、また、支持する集合管との接触
は、点接触ではなく線接触となり、確実な支持が
可能となる。

さらに、本願発明においては、上記箱状ビー
ム・サポートを断熱材で覆うと共に、吊り下げ管
の中空部分を介して外部から箱状ビーム・サポー
ト内に冷却用媒体を導入し、その内部を強制冷却
しているため、高温・高圧となるレトルト内にお
いても、その高温・高圧に十分耐え得る支持要素
を提供できる。尚、吊り下げ管の外周表面にも、
断熱措置を講じれば、更にその性能が向上するこ
とは言うまでもない。

また、上記支持要素を構成する吊り下げ管は、
箱状ビーム・サポートの長手方向に沿つて回動し
得るピン継手を介して、上記レトルト・ケーシン
グの外表面上に固定された一定の持続的な圧力が
作用しているシリンダー内に、上下方向に摺動自
在に支承されているため、該支持要素は、単に集
合管等を支持する作用を果すのみではなく、該支
持要素がレトルト内の高温・高圧によつて受ける
水平及び垂直方向の変位を、容易に吸収すること
ができる。

すなわち、支持要素には、集合管が、レトル
ト・ケーシングに固定された入口継手兼出口継手
と接続されている管寄せに連結されているため、
高温・高圧による上記入口継手兼出口継手、及び
管寄せの熱膨張は、支持要素を下方に押圧する力
となるが、該押圧力を吊り下げ管の上下方向の摺
動によつて吸収することができる。また、箱状ビ
ーム・サポート自体も膨張するが、該膨張による
変位は、箱状ビーム・サポートの長手方向に沿つ
て回動し得るピン継手によつて吸収できる。

しかも、本願発明においては、上記作用を果た
すピン継手及び一定の持続的な圧力が作用してい
るシリンダーは、可撓性を有するパツキング要素
によつてシールされた状態でレトルト・ケーシン
グを貫通して上方に延びる吊り下げ管に設けられ
ているため、レトルト内における高温・高圧に、
ピン継手及びシリンダーが直接さらされることは
なく、信頼性及び耐久性の高い吊り下げ管の支持
装置を提供できる。

尚、上記レトルト内室と、シリンダーのピスト
ン背面との間に圧力調整管路を設けると、上記支
持要素をレトルト内部において完全に自由に作動
させることができる。

すなわち、レトルトの内部圧力は、上記パツキ
ング要素の端面にも作用し、吊り下げ管を軸線方
向に移動させる力が発生するが、レトルト内室
と、シリンダーのピストン背面とを連結すると、
上記力を打ち消すことができ、支持要素を熱膨張
によつて生じる力のみに追従して移動させること
ができる。

以下、本発明を、その好適な実施例を図解した
添付図面を参照しながら説明する。

第１図に示されているように、レトルト・ケー
シング１は、各区画ごとに内部冷却されている一
体的な箱状ビーム・サポート２を、前記レトル
ト・ケーシング１内に２つ備えており、該箱状ビ
ーム・サポート２は、その外周表面全体にわたつ
て断熱材３がライニングされている。

箱状ビーム・サポート２は、集合管４と該集合
管４に固定された加熱管５とを支えている。

吊り下げ管６は、中空に設計されており、その
内部を前記箱状ビーム・サポート２を内部冷却す
るための冷却用媒体が流れ、外側に出た部分に
は、断熱材がライニングされている。

第２図に示されている吊り下げ管６の支持装置
は、パツキング要素７と、シリンダー９と、吊り
下げ管６の間に配設されたピン継手８とから構成
されている。

パツキング要素７は、吊り下げ管６を水平方向
及び垂直方向に移動可能にシールするため、第２
図に示されている如く、可撓性を有する、例えば
ベローズで構成されている。

また、シリンダー９は、一定の持続的な圧力が
作用し、その内部において、上記吊り下げ管６を
上下方向に摺動自在に支承している。

ピン継手８は、前記箱状ビーム・サポート２の
長手方向に沿つて回動し、吊り下げ管６の水平方
向の変位を吸収する。

第３図を参照すると、管寄せ１３を経て、レト
ルト・ケーシング１内の集合管４に熱担体を導
入、導出するための供給管兼排出管１１があり、
該供給管兼排出管１１は、各区画ごとに入口継手
兼出口継手１２につながれている。

該入口継手兼出口継手１２は、レトルト・ケー
シング１を貫通し、かつ該レトルト・ケーシング
１に固定されている。

管寄せ１３は球状に構成されている。

第４図には、管寄せ１３の配設状態が、平面図
で示されているとともに、供給管兼排出管１１の
配設状態も示されている。

尚、集合管４ならびに供給管兼排出管１１の配
設状態は、本発明の理解の便に資するよう、概念
的に図示したものであり、また、上述した好適な
実施例は、本発明の一例を示したものであり、本
発明は、添付した図面のものに限定されるもので
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、箱状ビーム・サポートと吊り下げ機
構を備えたレトルト・ケーシングの縦断面図、第
２図は、吊り下げ機構の支持装置の周りを拡大し
て示した縦断面図、第３図は、入口継手兼出口継
手部分の位置でレトルト・ケーシングを縦に切断
した断面図、第４図は、レトルト・ケーシング部
分を長さ方向に切断して、管寄せのまわりを示し
た平面図である。 １……レトルト・ケーシング、２……箱状ビー
ム・サポート、３……断熱材、４……集合管、５
……加熱管、６……吊り下げ管、７……パツキン
グ要素、８……ピン継手、９……シリンダー、１
０……レトルトの内室、１１……供給管兼排出
管、１２……入口継手兼出口継手、１３……管寄
せ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 定置状態の円筒状レトルトの中に配設された
   加熱管により熱を供給しながら高圧の下に石炭と
   水蒸気とからガスを製造する渦流床式ガス発生装
   置であつて、水平に配設されたレトルトの内室
   は、水蒸気の供給部につながつているフラツトな
   下室と、石炭供給シユートと残渣排出部およびガ
   ス排流部とつながつている上室とに、多数の小孔
   をあけたトラフにより分割されており、しかして
   該トラフの縁を包み囲んでいるレトルトの内壁面
   側に固定されたプロフイール・レールが内部冷却
   しながらまたは内部冷却しないで、トラフを担持
   しており、かつ前記上室の中でレトルトの長さ方
   向に対し垂直に延びた平面の中で湾曲している蛇
   行状またはヘア・ピン状の加熱管が上から渦流床
   の中に浸漬されていて、前記順に並べられた加熱
   管が、支持要素上に支承されている上室の上部に
   設けられた共通の集合管に接続されているよう構
   成された渦流床式ガス発生装置において、上記集
   合管４が、各区画ごとにレトルト・ケーシング１
   の内部であつて、しかもその近傍において、該レ
   トルト・ケーシング１を貫通し、かつ該レトル
   ト・ケーシング１に固定された入口継手兼出口継
   手１２と接続されている管寄せ１３に連絡され、
   該集合管４及び管寄せ１３を支持する支持要素
   が、各レトルト・ケーシング１の区画について、
   その上方から吊り下げ管６により吊り下げられた
   ２本の箱状ビーム・サポート２から構成されてお
   り、該箱状ビーム・サポート２は、その外周表面
   を断熱材３にて覆われていると共に、前記吊り下
   げ管６の中空部分に介して外部から箱状ビーム・
   サポート２内に導入された冷却用媒体により内部
   冷却され、かつ前記吊り下げ管６は、可撓性を有
   するパツキング要素７によつてシールされた状態
   でレトルト・ケーシング１を貫通して上方に延
   び、前記箱状ビーム・サポート２の長手方向に沿
   つて回動し得るピン継手８を介して、レトルト・
   ケーシング１の外表面上に固定された一定の持続
   的な圧力が作用しているシリンダー９内に、上下
   方向に摺動自在に支承されていることを特徴とす
   る渦流床式ガス発生装置。 ２ レトルトの内室１０とシリンダー９のピスト
   ン背面との間に、圧力調整管路が接続されている
   特許請求の範囲第１項記載の渦流床式ガス発生装
   置。 ３ 前記管寄せ１３が球状に設計されている、特
   許請求の範囲第１項記載の渦流床式ガス発生装
   置。