JPH0336509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案はガラス容器製造用ガラスゴブフイーダ
ーに於て、耐火物製チユーブの内側にある溶融ガ
ラスの温度を保持するため該チユーブの上端開口
部をプランジヤーが挿通する透孔を除いて、密閉
するようにしたフイーダーチユーブ用カバーに関
する。

ロ 従来技術とその問題点 ガラス製造に於て、ゴブフイーダーを使用して
ガラスを成形する場合、フイーダーの耐火物製チ
ユーブの内側にある溶融ガラスが、該チユーブ内
部からの高温ガスの外部への逸散により、該チユ
ーブ内の溶融ガラスの温度が低下し、失透を生じ
易く、これによつて、ガラス容器の不良、欠点の
原因となるため、該チユーブ上端開口部に、耐火
物製のカバーを設ける事により、該開口部を密閉
し、該チユーブ内部からの高温ガスの逸散を防止
する事が特開昭48−26207号に開示されている。
上記の先願では耐火物製のカバーによつて該チユ
ーブ内の溶融ガラスの温度低下を防止するという
所期の目的を達成しているが、耐火物製カバーの
場合には、破損事故が起こり易く又、破損事故に
伴なう、損失時間が大きく、且つ、それに伴なう
不良品発生の原因となる等ガラス生産に与える影
響が非常に大きいという問題点がある。更には、
寸法、精度の高いものが得られにくい事、及び、
チユーブへの着脱の際に破損しないよう細心の注
意を払う必要があり、取扱いがむつかしいという
問題点がある。

ハ 問題点を解決するための手段 本考案では、耐火物製のカバーをステンレス製
カバーに代え、該チユーブ外部からの冷気の侵入
を防止することによつて上記従来技術の欠点の解
決を図ると共に該チユーブ内の溶融ガラスの温度
低下を防ぎ、失透現象を予防して不良品発生を大
巾に改善したものである。

本考案の実施例を第１図〜第３図を参照して説
明する。第４図は従来技術である。第１図は従来
のガラス成形用ゴブフイーダーに本考案のカバー
を取り付けた状態を示す。第２図は第１図の平面
図であり、第３図は本考案のカバーの拡大した斜
視図である。

第１図に於て、ガラス溶融炉のフオアハースの
先端付近に設けられたスパウト１に溶融ガラスが
収容され、スパウト１上部側壁３に穿設されたガ
スバーナー４から噴出する燃焼ガスにより溶融ガ
ラス２が加熱され保温されている。スパウト１の
底部にガラス流出孔５を穿設し、この流出孔５の
外方開口部に接し、且つ流出孔５と同軸的に耐火
物性のオリフイスリング６が金具７によつてスパ
ウト１に気密に締付固定されている。流出孔５か
ら押し出された溶融ガラス２はこのオリフイスリ
ング６を通つて流出し、図示せぬ切断装置によつ
て切断され、ガラス成形機へ導かれる。流出孔５
の上方には、耐火性のチユーブ８およびプランジ
ヤー９が同軸的に配設されている。該チユーブは
スパウト１の天井部１０を貫通して、懸垂し、垂
直方向に於て、任意の位置に調節し得るように支
持され、更に上方の図示せぬ駆動源に連結され軸
線を中心として、回転するように構成されてい
る。該チユーブは、上端部は外方に開口し、その
下部はスパウト１の溶融ガラス２中に浸漬され、
該チユーブ８の下端８ａとスパウト１の底面１１
との間の通路を形成しており、該チユーブ８の垂
直方向の位置を変えることにより溶融ガラス２の
流出量が調節される。

プランジャー９は上方の図示せぬ駆動源に連結
されて上下可動自在に支持され、その上下往復運
動により、その先端部が流出孔５内に進入し溶融
ガラスをオリフイスリング６を通して押し出す作
用をする。このプランジヤー９の上下動ストロー
クの大きさ及び速度を調節することにより、ガラ
ス流出のタイミツグと流出ガラスの形状が決定さ
れる。

このゴブフイーダーに於ては第４図に示すよう
に前記チユーブの上端開口部に耐火物製のカバー
が設けられ、該チユーブ内の溶融ガラスの温度低
下を防止するようにしたものがあるが、それが耐
火物製であるため前記した問題点があつた。

本考案は、第１図のように、該チユーブ上端開
口部にステンレス製のカバー１２を設けこれを密
閉するようにしたものである。本考案のステンレ
ス製カバーは第３図に示すように、２分割された
半円状になつており、これを２つ組み合わせて使
用するようになつている。本願のステンレス製カ
バー１２は１枚のステンレス板より形成され、該
カバーの外周径１３は、チユーブを密閉するに十
分なサイズを有し、その内周径１４は、プランジ
ヤーの挿通する透孔となるものであるが、プラン
ジヤーが上下動するに支障のない程度のサイズを
有する。該カバーの裏面には係合凸部１５が、一
定の深さで連続弧状に溶接等により設けてあり、
チユーブの上端内周８ｂと係合するようにしてあ
る。該カバー１２の表面には、円周径１４とほぼ
同一内径の凸部１６が連続的に溶接等により設け
てあり、プランジヤーとの隙間からもれる高温ガ
スを上方へ導くと共に、後述する取手部及び該カ
バー表面が加熱されないようにする。更に、取手
部１７が設けあり、カバーの着脱の際に火箸等で
保持しやすくしてある。本考案の実施例ではプラ
ンジヤーが１つの場合を述べたが２つの場合であ
れば、それに応じた修正を行えばよい。又、本考
案のカバーは２分割でもよく、又１体物であつて
もよい。

ニ 考案の効果 本考案のカバーはステンレス製であるため、破
損事故が全くなく、それに伴なう作業上及び製品
上のロスが全く生じない。カバー着脱の際に不注
意で、破損することがなく、極めて取り扱い易い
等ガラス生産上の実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図は、
第１図の平面図、第３図は、本考案のカバーの斜
視図、第４図は、従来のカバーの断面図を示す。 ８…耐火物製チユーブ、９…プランジヤー、１
２…ステンレス製カバー、１４…内周径（透孔）、
１５…係合凸部、１７…取手。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ガラスゴブフイーダーに於て、耐火物製チユ
   ーブの上端開口部に対し、プランジヤーを挿通
   する透孔を除いて、密閉するようにしたステン
   レス製カバー。 (2) 上記カバーが２分割されている事を特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のカバ
   ー。