JPH0336448Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用子供拘束装置に用いられるウエ
ビングカバーに関する。

〔従来の技術〕

自動車用子供拘束装置は一般に大人乗員拘束用
のウエビングによりシートへ取り付けられるよう
になつている。

この子供拘束装置には、一対のシヨルダウエビ
ングが装備されている。これら一対のシヨルダウ
エビングは子供乗員の左右の両肩部に位置して子
供乗員の上体を拘束するようになつている。この
シヨルダウエビングには、子供乗員の着座姿勢が
変わつてもシヨルダウエビングが子供乗員からは
ずれることがないようにクリツプ装置が装備され
ている。このクリツプ装置は子供乗員の肩部と腰
部との中間部で、一対のシヨルダウエビングを連
結して、一対のシヨルダウエビングの間隔が子供
乗員の肩幅よりも大きくならないようにしてい
る。

ところで、子供乗員の着座姿勢が変わると、子
供乗員の上体とシヨルダウエビングとが相対的に
移動することになる。このため、シヨルダウエビ
ングには、シヨルダウエビングが子供乗員の衣服
と摺接するのを防止する等のためにシヨルダウエ
ビングを覆う柔軟なウエビングカバーを取り付け
ることが考えられる。

ところが、ウエビングカバーを装備した場合に
は、子供乗員の肩部と腰部との間の狭い般囲に、
ウエビングカバーとクリツプ装置とが並設される
ことになるので、構造が複雑になり、見栄えが損
なわれることになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記事実を考慮し、クリツプ装置の機
能を備えたウエビングカバーを得ることが目的で
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るウエビングカバーでは、一対のシ
ヨルダウエビングにそれぞれ装着される一対のウ
エビングカバー本体が連結手段で互いに連結可能
とされている。

〔作用〕

上記構成のウエビングカバーでは、一対のウエ
ビングカバー本体が連結手段で互いに連結されて
いる時には、一対のシヨルダウエビングは互いに
他方のシヨルダウエビングへ拘束されて所定の間
隔に保たれる。

〔実施例〕

第１図乃至第６図には、本考案に係るウエビン
グカバーが適用された子供拘束装置の実施例が示
されている。

第１図には、子供拘束装置１０が自動車の車室
内に配設されているシート１２に取り付けられて
いる状態が示されている。

この子供拘束装置１０は座板１４、背当部１
６、側壁１８が合成樹脂等により一体成形されて
いる。この子供拘束装置１０では、シート１２に
装備されている乗員拘束用ウエビング２０に拘束
されて背当部１６がシート１２のシートバツク２
２へ、座板１４がシート１２のシートベース２４
へそれぞれ当接されている。

この子供拘束装置１０には、一対の子供用ウエ
ビング２６，２６Ａが装備されており、これら一
対の子供用ウエビング２６，２６Ａは第２図に示
されるように座板１４に着座した子供乗員２７へ
装着されるようになつている。これら一対の子供
用ウエビング２６，２６Ａはそれぞれの一端が座
板１４の下方に配設されている図示しないアンカ
ー金具に係止されており、それぞれの他端が座板
１４の開口２８，２８Ａ、タングプレート３０，
３０Ａ、プロテクタ３２，３２Ａを通つて背当部
１６の裏側へと引き出され、図示しない巻取装置
へ付勢力で巻き取られている。

タングプレート３０，３０Ａは座板１４から立
設されたバツクル装置３３へ係合可能とされてい
る。

プロテクタ３２，３２Ａは背当部１６の裏面側
に配設されている図示しないブロツクと係合され
て背当部１６に固定されている。

巻取装置は背当部１６の裏面側に取り付けられ
ている。この巻取装置には、車両緊急時に子供用
ウエビング２６，２６Ａの引き出しを瞬時に停止
させるイナーシアロツク機構が内蔵されている。

タングプレート３０，３０Ａとプロテクタ３
２，３２Ａとの間には、ウエビングカバー本体３
４，３４Ａが子供用ウエビング２６，２６Ａを囲
繞して取り付けられている。ウエビングカバー本
体３４，３４Ａの取り付けられている部分の子供
用ウエビング２６，２６Ａはシヨルダウエビング
として作用する。

このウエビングカバー本体３４，３４Ａはそれ
ぞれ１枚の布材から縫製されて第３図乃至第６図
に詳細に示されるように筒状に形成されている。
ウエビングカバー本体３４の下端部には、第３図
及び第４図に示される如く、連結手段の一部を構
成する結合テープ３６が縫合されている。

この結合テープ３６には、頭部又はその近傍に
屈曲部又は拡大部が形成された小径棒状の係合子
が多数植設されている。この結合テープ３６は柔
軟性を有し、ウエビングカバー本体３４に追従し
て変形可能とされている。

一方、ウエビングカバー本体３４Ａの下端部に
は、第５図及び第６図に示される如く、連結手段
の一部を構成するホツクの一方の部材である雄部
３８が取り付けられている。

また、ウエビングカバー本体３４Ａには、連結
手段の一部を構成する連結片４０が配設されてい
る。この連結片４０は一端部がホツクの雄部３８
の背面側でウエビングカバー本体３４Ａに一体的
に結合され、他端部がウエビングカバー本体３４
側で自由端とされている。

この連結片４０の他端部には、連結手段の一部
を構成するホツクのもう一方の部材であるホツク
の雌部４２が取り付けられている。このホツクの
雌部４２は上記雄部３８と係合可能とされてい
る。

また、連結片４０の中間部には、連結手段の一
部を構成する結合テープ４４が縫合されている。
この結合テープ４４には、上記結合テープ３６の
係合子と係合する係合受部が多数植設されてい
る。

したがつて、ウエビングカバー本体３４Ａは連
結片４０の結合テープ４４がウエビングカバー本
体３４の背面側で結合テープ３６と結合可能であ
る。また、連結片４０はウエビングカバー本体３
４へ巻掛けて折り返すことでホツクの雌部４２が
雄部３８へ係合可能である。これにより、ウエビ
ングカバー本体３４，３４Ａは連結片４０、結合
テープ３６，４４、ホツクの雄部・雌部３８，４
２を介して連結状態とされるようになつている。

なお、連結片４０が配設されている部位でのウ
エビングカバー本体３４，３４Ａの間隔はプロテ
クタ３２，３２Ａ側の間隔よりも狭くなるように
連結片４０の長さが決められている。

また、結合テープ３６，４４としてはマジツク
テープ（登録商標名）等が使用できる。

次に本実施例の作用を説明する。

第１図に示される状態では、タングプレート３
０，３０Ａはバツクル装置３３から取り外されて
おり、子供用ウエビング２６，２６Ａは巻取装置
へ付勢力で巻き取られて背当部１６に沿つて位置
されている。ウエビングカバー本体３４，３４Ａ
はタングプレート３０，３０Ａとプロテクタ３
２，３２Ａとの間でウエビング２６，２６Ａに沿
つて位置されている。また、ウエビングカバー本
体３４とウエビングカバー本体３４Ａとは連結が
解除されている。

第２図に示されるように座板１４に着座した子
供乗員２７に子供用ウエビング２６，２６Ａを装
着させる場合には、子供用ウエビング２６，２６
Ａの必要量を巻取装置から引き出すと共に、子供
用ウエビング２６，２６Ａの中央部を子供乗員２
７の前方側へ位置させる。次に、タングプレート
３０，３０Ａをバツクル装置３３へ係合する。

この状態では、子供用ウエビング２６，２６Ａ
はタングプレート３０，３０Ａとプロテクタ３
２，３２Ａとの間が子供乗員２７の左右の両肩部
から腰部へかけて位置してシヨルダウエビングと
して作用し、タングプレート３０，３０Ａとアン
カー金具との間が子供乗員２７の左右の膝の上部
に位置してラツプウエビングとして作用する。

また、ウエビングカバー本体３４，３４Ａはタ
ングプレート３０，３０Ａとプロテクタ３２，３
２Ａの間で子供乗員２７の肩部と腰部との間に位
置している。子供用ウエビング２６，２６Ａが装
着された後、ウエビングカバー本体３４Ａは連結
片４０を子供乗員２７とウエビングカバー本体３
４との間に通し、結合テープ３６，４４を結合す
る。次に連結片４０をウエビングカバー本体３４
で折り返して、ホツクの雌部４２をホツクの雄部
３８に係合する。

ホツクの雌部４２がホツクの雄部３８に係合さ
れると、ウエビングカバー本体３４，３４Ａは連
結が完了する。これによつて、子供用ウエビング
２６，２６Ａはウエビングカバー本体３４，３４
Ａを介して連結状態となる。

この状態で、子供乗員２７が着座姿勢を変えた
場合には、子供用ウエビング２６，２６Ａは子供
乗員２７に追従して多様な方向へ移動される。こ
の際、ウエビングカバー本体３４，３４Ａは連結
状態で子供用ウエビング２６，２６Ａに追従され
るので、子供用ウエビング２６，２６Ａの間隔は
子供乗員２７の肩部と腰部との間で子供乗員２７
の肩幅よりも拡がることがなく、子供乗員２７の
肩部からはずれることはない。また、この際、子
供用ウエビング２６，２６Ａはウエビングカバー
本体３４，３４Ａで覆われているので、子供乗員
２７の上体と摺接することはない。

子供乗員２７のウエビング装着状態を解除する
場合には始めにホツクの雌部４２と結合テープ４
４との間の部分の連結片４０を子供乗員２７の前
方側へ引つ張つて、ホツクの雌部４２と雄部３８
との係合状態を解除する。次に、ウエビングカバ
ー本体３４及び子供用ウエビング２６を子供乗員
２７の前方側へ引つ張つて、結合テープ３６，４
４を互いに離間して結合状態を解除する。

さらに、タングプレート３０，３０Ａとバツク
ル装置３３との係合状態を解除すると、子供用ウ
エビング２６，２６Ａは付勢力で端部が巻取装置
に巻き取られて、上記第１図の状態に戻る。

このように本実施例では、子供乗員２７のウエ
ビング装着状態において、子供用ウエビング２
６，２６Ａが子供乗員２７の肩部からはずれるこ
とがないので、従来用いられていたクリツプ装置
を配設する必要がない。

また、本実施例では、ウエビングカバー本体３
４，３４Ａの下端部を連結片４０で連結しただけ
であつて、子供用ウエビング２６，２６Ａの長手
方向に大きなスペースをとることのないコンパク
トな構造とされている。

さらに、本実施例では、ウエビングカバー本体
３４，３４Ａは互いに他に拘束されるので、子供
用ウエビング２６，２６Ａの長手方向に沿つて位
置がずれることは少なく、装着性が向上される。

なお、本実施例では、分離可能な一対のウエビ
ングカバー本体３４，３４Ａが配設されている
が、これに限らず、第７図乃至第９図に示される
ように一体のウエビングカバー本体４６とするこ
ともできる。この場合には、結合テープ３６，４
４をウエビングカバー本体４６に４組縫合しただ
けなので、部品点数が減少され、コスト安となる
ばかりでなく、前記実施例に比べさらに簡単な構
成となる。

また、本実施例では、対をなして結合される結
合テープ３６，４４、及び対をなして係合される
ホツクの雄部３８、雌部４２が配設されている
が、これに代つて、対をなして結合され、且つ人
為的に容易に結合を解除することができる他の手
段を用いてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案に係るウエビングカ
バーでは、一対のシヨルダウエビングにそれぞれ
装着される一対のウエビングカバー本体が連結手
段で互いに連結可能とされているので、ウエビン
グカバーがクリツプ装置の機能を備えるという優
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウエビングカバーの実施
例が適用された子供拘束装置の斜視図、第２図は
子供乗員がウエビングを装着した状態を示す第１
図の子供拘束装置の正面図、第３図は第１図の要
部を示す斜視図、第４図は第３図の上面図、第５
図は第１図の要部を示す斜視図、第６図は第５図
の上面図、第７図は他の実施例を示す展開図、第
８図は第７図の子供用ウエビングへの装着状態を
示す斜視図、第９図は第８図の上面図である。 ２６，２６Ａ……子供用ウエビング、３４，３
４Ａ……ウエビングカバー本体、３６……結合テ
ープ、３８……ホツクの雄部、４０……連結片、
４２……ホツクの雌部、４４……結合テープ、４
６……ウエビングカバー本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のシヨルダウエビングにそれぞれ装着され
   る一対のウエビングカバー本体が連結手段で互い
   に連結可能とされていることを特徴とするウエビ
   ングカバー。