JPH0335946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は灯油、Ａ重油、Ｂ重油を燃料とした圧
力噴霧式のオイルバーナノズル、特にボイラー、
温風暖房機、乾燥機に使用する小型オイルバーナ
ノズルに関する。

［従来例］ 従来のオイルバーナノズルは、燃料を噴送する
強制風と撹拌混合させながら燃焼するバーナに取
り付けられたものが多く提案されている。しか
し、この種のバーナノズルは燃料と強制風との混
合が不充分のために良好な混合ガスが得られず、
そのため燃料を能率的に完全燃焼することができ
ない上、燃焼効率の向上を図ることが難しかつ
た。このような問題を解決するため、送風筒の先
端開口部より燃焼筒内に供給されたガスと強制風
とが燃焼筒内において回転体の受止壁で一体受け
止められて周囲に移行した後撹拌羽根により撹拌
混合されて良好な混合ガスになしたものが実公昭
56−50253号公報で知られ、さらに、バーナ内筒
と噴射孔との間に噴射孔から噴射される燃料に旋
回流を与える螺旋状翼を設け、噴射孔の周囲には
霧化媒体に燃料との同方向の旋回流を与えるため
に軸線が所定円の接線方向に向いた複数の霧化媒
体孔を噴射孔と同心円上に設け、前記噴射孔から
外部に向つて螺旋状翼で旋回が与えられた燃料を
喇叭状に噴射し、一方、霧化媒体孔から燃料と同
一方向に旋回する霧化媒体をノズルから離れるに
従つて次第に径が小さくなるように噴射すること
により、噴射孔出口近傍で燃料と霧化媒体とを衝
突させて混合するものが実公昭59−13467号公報
で知られている。

［考案が解決しようとする課題］ 前記従来例では完全燃焼を行うまでに充分な撹
拌を行うことは非常に難しく未だ充分な効果を期
待し難い面がある上、実公昭56−50253号公報の
考案では送風筒および受止壁と撹拌羽根を有する
複雑な構造の回転体を必要とし、実公昭59−
13467号公報の考案では燃料に旋回流を与える特
殊な螺旋状翼を必要とし、構造が複雑であるばか
りでなく、霧化媒体を噴射孔から噴射された燃料
に向って均一に噴射させるために多数の霧化媒体
孔を設けなければならず、しかも霧化媒体に燃料
と同方向の旋回流を与えるために霧化媒体孔を所
定の接線方向に向けて形成することから複雑な穴
あけ加工が必要であり、製作加工上ノズル自体の
小型化を図ることが困難な面があつた。

本考案は上記事情に鑑みて成されたものであ
り、従来必要としていた複雑な空気混合装置を必
要とせずに完全燃焼を可能とし、NOxの発生も
良好に抑制することができる小型の圧力噴霧式オ
イルバーナノズルを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案の構成は中心
に燃料噴出口を有する燃料供給用内管と、前記燃
料噴出口の周囲に液体噴出口を形成する流体供給
用外管と、この外管に連結される流体を所定の割
合で供給する流体供給装置とを具備した圧力噴霧
式オイルバーナノズルにおいて、前記燃料供給用
内管は先端に径小部を形成する基部側内管と、前
記径小部が挿入される先部側内管とで形成し、こ
の先部側内管の外周に前記燃料供給用内管と流体
供給用外管との間に形成する流体流路に沿つて流
体を分流する複数の分流用突起を設け、前記径小
部には先部側内管と径小部との間に形成する燃料
流路を基部側内管の内部の燃料供給路に連通する
複数の孔を設けるとともに、前記先部側内管の先
端中央に小径の燃料噴射口を設け、この燃料噴射
口と前記基部側内管の先端開口部との間に燃料噴
射口側に向つて径小となる円錐状のスワローヘッ
ドを介在させるとともに、前記燃料噴射口の周囲
に前記流体流路と連通する円筒状の流体噴射口を
設けたものである。また本考案は流体供給装置
が、燃料供給量に対して３〜７％の割合で流体を
供給するように設定されたものである。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説
明する。

第１図〜第３図において、１は中心に燃料噴出
口２を有する燃料供給用内管であり、前記燃料噴
出口２の周囲に流体としての高温水蒸気の流体噴
出口３を形成するように流体としての高温水蒸気
の供給用外管４が螺着部５により外装され二重管
構造のバーナノズル６を形成している。燃料供給
用内管１は、先端に径小部７が形成され、径小部
７端が開口８するとともに径小部７の周壁に複数
の孔９を有する基部側内管１Ａと、先端中心に燃
料噴出口２を有しその外周面に流体としての高温
水蒸気を分流するための複数の分流用突起１０を
設けた先部側内管１Ｂとからなり螺子部１１によ
り内管１Ｂが内管１Ａに外装している。また内管
１Ｂの基部側周壁に隆起部１２が形成されてい
る。外管４の基部側には流体としての高温水蒸気
の供給口１３が形成している。１４は内管１Ａの
先端開口部８と燃料噴射口２との間に介装したス
ワローヘッドであり、このスワローヘッドは燃料
噴射口に向うに径小となるように円錐形を成して
いる。第４図において、１５はボイラーであり、
バーナ１６が装着されている。このバーナ１６の
前記燃料供給用内管１には油用電磁弁１７を有す
る燃料供給管１８が連結され、供給口１３にはボ
イラー１５で生成された流体としての高温水蒸気
を燃料供給量に対し３〜７％好ましくは５％前後
の割合で供給する減圧弁１９と電磁弁２０を有す
る流体としての高温水蒸気の供給管２１が連結さ
れている。２２は空気供給用フアンである。した
がつて、燃料は燃料供給用内管１の基部側内管１
Ａ内の燃料供給路２３Ａを通り孔９から径小部７
と先部側内管１Ｂとの間に形成する燃料流路２３
Ｂに流出しスワローヘッド１４を経て燃料噴出口
２から噴出するとともに、流体としての高温水蒸
気は外管４と内管１との間隙部として形成された
流体流路２３を通り複数の分流突起１０により分
流されながら燃料噴出口２の周囲の燃料噴出口３
から噴出する。これにより最高温となるバーナコ
ーン出口から噴出する燃料に高温水蒸気が円周方
向により火炎中心部に向けて吹き込まれ、この混
合によつて燃料は高温水蒸気熱と圧力により微粒
化され体積が増大し、蒸発して空気との接触混合
率が高められ完全燃焼となり、NOxの発生も抑
制される。これにより５〜30％程度の燃料の削減
が可能になり、第５図に示すように従来のものの
場合がNOx発生値がＡ重油で100〜120ppm、灯
油で90〜110ppmであるのに対し本考案ではＡ重
油で60〜75ppm、灯油50〜60ppmとなり、大幅に
抑制される。なお、第３図のように流体としての
高温水蒸気は複数の分流用突起１０によつて絞ら
れるため細かいスチームとなつて良好に噴出す
る。

さらに、本考案は燃料をスワローヘッド１４に
沿わせて燃料噴出口２から広角に噴射させ、その
燃料に流体流路２３と連通する円筒状の流体噴射
口３から噴射された流体としての高温水蒸気を衝
突させて混合するものであるため、従来のように
燃料に旋回流を与える特殊な部品が不用となり構
造が簡単である上複雑な穴あけ加工を行うことな
くバーナノズルを小型化できる。また突起１０の
数はスチーム量３〜７％に応じて設定すればよ
い。

［考案の効果］ 本考案は中心に燃料噴出口を有する燃料供給用
内管と、前記燃料噴出口の周囲に液体噴出口を形
成する流体供給用外管と、この外管に連結される
流体を所定の割合で供給する流体供給装置とを具
備した圧力噴霧式オイルバーナノズルにおいて、
前記燃料供給用内管は先端に径小部を形成する基
部側内管と、前記径小部が挿入される先部側内管
とで形成し、この先部側内管の外周に前記燃料供
給用内管と流体供給用外管との間に形成する流体
流路に沿つて流体を分流する複数の分流用突起を
設け、前記径小部には先部側内管と径小部との間
に形成する燃料流路を基部側内管の内部の燃料供
給路に連通する複数の孔を設けるとともに、前記
先部側内管の先端中央に小径の燃料噴射口を設
け、この燃料噴出口と前記基部側内管の先端開口
部との間に燃料噴射口側に向つて径小となる円錐
状のスワローヘッドを介在させるとともに、前記
燃料噴射口の周囲に前記流体流路と連通する円筒
状の流体噴射口を設けて構成され、基部側内管内
部の燃料供給路に圧送された燃料を基部側内管の
開口端に設けたスワローヘッドで一旦受け止めた
後、径小部に設けた孔を介して基部側内管外周に
形成する燃料流路内に拡散させて供給し、この燃
料を再びスワローヘッドに沿わせて燃料噴射口か
ら外部に向つて広角に噴射させ、一方水蒸気など
の流体を外管と内管との間隙部に形成する流体流
路と連通する円筒状の流体噴射口から噴出してバ
ーナノズルの外部で燃料に流体を衝突させて混合
させるものであるため、燃料に旋回流を与えるた
めの特殊部品を必要とせず構造が簡単であると共
に、先部側内管、基部側内管及び流体供給用外管
を順次取り付けることにより燃焼噴射孔の周囲に
内管と外管との間隙によつて円筒状の流体噴射口
が形成され、複雑な穴あけ加工を行わないため、
ノズルを小型化でき、かつNOxの発生も良好に
抑制できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す分解斜視図、第
２図は断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面
図、第４図はボイラーに用いた場合の概略説明
図、第５図はNOx発生状態を示すグラフである。 １…燃料供給用内管、１Ａ…基部側内管、１Ｂ
…先部側内管、２…燃料噴出口、３…流体（高温
水蒸気）噴出口、４…流体（高温水蒸気）供給用
外管、９…孔、１０…分流用突起、１４…スワロ
ーヘッド、２３…流体流路、２３Ａ…燃料供給
路、２３Ｂ…燃料流路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中心に燃料噴出口を有する燃料供給用内管
   と、前記燃料噴出口の周囲に液体噴出口を形成
   する流体供給用外管と、この外管に連結される
   流体を所定の割合で供給する流体供給装置とを
   具備した圧力噴霧式オイルバーナノズルにおい
   て、前記燃料供給用内管は先端に径小部を形成
   する基部側内管と、前記径小部が挿入される先
   部側内管とで形成し、この先部側内管の外周に
   前記燃料供給用内管と流体供給用外管との間に
   形成する流体流路に沿つて流体を分流する複数
   の分流用突起を設け、前記径小部には先部側内
   管と径小部との間に形成する燃料流路を基部側
   内管の内部の燃料供給路に連通する複数の孔を
   設けるとともに、前記先部側内管の先端中央に
   小径の燃料噴射口を設け、この燃料噴射口と前
   記基部側内管の先端開口部との間に燃料噴射口
   側に向つて径小となる円錐状のスワローヘッド
   を介在させるとともに、前記燃料噴射口の周囲
   に前記流体流路と連通する円筒状の流体噴射口
   を設けたことを特徴とする圧力噴霧式オイルバ
   ーナノズル。 (2) 流体供給装置が、燃料供給量に対して３〜７
   ％の割合で流体を供給するように設定されたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の圧力噴霧式オイルバーナノズル。