JPH0335707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の目的 ［産業上の利用分野］ この考案はブロー成形容器に関するものであ
り、詳しくは、液体洗剤その他の液体内容物等を
収納する中型ないし大型の、提手付プラスチツク
ボトル容器に関するものである。

［従来の技術］ 中型ないし大型のプラスチツクボトル容器で
は、持運びや内容物の注出操作を容易にするため
に容器本体に提手をとりつけることがある。従来
のこのような提手付プラスチツクボトル容器に、
容器本体と提手が一体に成形されているものと、
容器本体に別ピースの提手部を取付けているもの
とがある。

しかるに容器本体と提手が一体になつているも
のは、提手が容器本体に対して変位しないから、
その提手の取付け位置は液体内容物の注出の邪魔
にならない位置に限定されることとなり、必ずし
も容器を吊り下げて持ち運ぶのに最適な位置に取
付けることができない。

また容器本体に別工程で製造した別ピースの提
手を取り付けたものは、部品数や製造工程数が多
くなるという問題がある。

一方、第５図に示すように容器本体１０１をブ
ロー成形によつて造る場合は、未硬化の円筒状パ
リソンを金型で挾みパリソンの両端をピンチオフ
して閉じた状態で、パリソンに開けた穴１３から
パリソン内にエアーを吹込み、外側の金型の形状
に沿つてパリソンを膨脹させて容器本体の形状に
成形し、冷却後金型から取り出し、しかる後に金
型に挾まれたバリ部１０３をトリミングしていた
が、このバリ部の有効活用が望まれている。

［考案が解決しようとする問題点］ この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、バリ部を有効活用することができ、
プラスチツク廃棄部分が少なく、一方、提手のた
めの材料が節減できて省資源の要請に合致し、提
手の成形・取付けのための工程を要さず、従つて
コストが安く、提手付プラスチツクボトル容器を
提供することを目的としている。

(ロ) 考案の構成 ［問題を解決するための手段］ この目的に対応して、この考案のブロー成形容
器は、可撓性を有する薄肉部によつて構成される
ヒンジ部を介して容器本体に相対回転変位可能に
連結しており、かつ上端部に中空の握り部を有
し、パリソンが前記容器本体と共通である提手
を、ブロー成形により容器本体と一体に形成し備
え、かつ前記容器本体の内部空間と前記握り部の
内部空間とは遮断されていることを特徴としてい
る。

以下、この考案の詳細を、一実施例を示す図面
について説明する。

第１図及び第２図において、１は容器である。
容器１は容器本体２と、容器本体２と一体に形成
された提手３とを有し、幅Ｗの広幅パリソン１０
からブロー成形によつて成形する。

容器本体２は、容器胴４の上端に、上向きの注
ぎ口部５を有する。注ぎ口部５はキヤツプ６によ
つて密栓される。注ぎ口部５の径Ｗ２はＷより小
さく、容器胴中央部４ａの径Ｗ１はＷより大き
い。容器胴中央部４ａと注ぎ口部５とは、肩部４
ｂによつて接続されており、また肩部４ｂには提
手３が連結している。

提手３は、逆Ｕ字形の形状をなし、注ぎ口部５
を跨いで左右の肩部４ｂで容器本体２と連結して
いる。提手３の上端部及びその近傍は中空の握り
部７となつており、握り部７の下方には、可撓性
を有する薄肉部によつて構成されるヒンジ部８が
あり、このヒンジ部８により提手３おけるヒンジ
部８より上の部分は、容器本体２に対して相対回
転変位可能である。

ヒンジ部８の占める長さは、握り部７の下方の
一部でも全部でもよい。握り部７の断面形状は、
第４図ａに示すものの他第４図ｂ−ｄに示すよう
な種々のものを、また太さも用途に合わせて持ち
やすい太さを、それぞれ選択することができる。

このような提手３を容器本体２と一体にブロー
成形するには、エアー吹込部１２と容器本体２と
提手の中空な握り部７とが、連続した１つの内部
空間１４を形成するように金型を設計しておき、
エアー吹込部１２に設けたエアー吹込穴１３から
エアーを吹込み、成形後エアー吹込部１２をバリ
部１１（第１図）と共に取除けばよい。ヒンジ部
８は成形時に金型に設けられた凸部で押しつぶさ
れて形成される。

第３図に示す容器１ａは広口容器であり、注ぎ
口５の径Ｗ２が大きいため、提手３ａの幅も広
い。提手３ａの上端の握り部７ａの形状は、内側
の幅が上部で狭くなつており、握りの安定性が保
てる形状となつている。

なお、上記実施例では、提手は逆Ｕ字形で注ぎ
口を跨いであるが、注ぎ口が中央でなく一方の側
に片寄つている容器の肩部に、注ぎ口と提手の連
結部位が一直線にあるように、提手を形成するこ
ともできる。

また、上記実施例では提手の形状は逆Ｕ字形と
したが、これに限るものではなく、提手の機能を
発揮し得る任意形状とすることができる。

［作用］ このように構成された容器１，１ａにおいては
提手７を支持して容器を運搬したり、提手を一方
の手で支持し容器の底面を他方の手で支持して提
手をヒンジ８において容器に対して相対回転変位
させて容器を傾け、内容物を注出したりすること
ができる。また容器１，１ａを別の箱等で梱包す
る場合には提手をヒンジ８において回転変位さ
せ、邪魔にならないように傾けておくことができ
る。

(ハ) 考案の効果 この考案のブロー成形容器では、提手が容器本
体に一体に設けられるため、部品数や製造工程数
を増加させることなく提手を設けることができ、
かつ、その提手は容器本体に対してヒンジにより
変位可能であるから、液体内容物の注出に支障を
来たすことなしに、容器の吊下げに最適の位置に
取りつけることができる。しかも特に重要なこと
として、提手は従来トリミングして廃棄されるべ
きバリ部を利用して成形されるものであつて、余
分の材料を必要とせず、材料の廃棄部を少なくし
て、材料の有効活用を可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係わる容器を示
す正面説明図、第２図は第１図に示す容器の側面
図、第３図はこの考案の他の実施例に係わる容器
を示す正面図、第４図ａは握り部の断面形状を示
す図、第４図ｂは握り部の他の断面形状を示す
図、第４図ｃは握り部の更に他の断面形状を示す
図、第４図ｄは握り部の更に他の断面形状を示す
図、及び第５図は従来のボトル容器とバリ部を示
す正面説明図である。 １……容器、２……容器本体、３……提手、４
……容器胴、４ａ……容器胴中央部、４ｂ……肩
部、５……注ぎ口部、６……キヤツプ、７……握
り部、８……ヒンジ、１０……パリソン、１１…
…バリ部、１２……エアー吹込部、１３……エア
ー吹込穴、１４……内部空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性を有する薄肉部によつて構成されるヒン
   ジ部を介して容器本体に相対回転変位可能に連結
   しており、かつ上端部に中空の握り部を有し、パ
   リソンが前記容器本体と共通である提手を、ブロ
   ー成形により容器本体と一体に形成し備え、かつ
   前記容器本体の内部空間と前記握り部の内部空間
   とは遮断されていることを特徴とするブロー成形
   容器。