JPH0335644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、双眼実体顕微鏡の透過照明装置に関
するものである。

従来技術 この種従来の透過照明装置は、例えば実公昭41
−5808号公報に記載の如く、コンデンサーレンズ
に関し双眼実体顕微鏡の入射瞳と共役な位置にス
リ硝子を配置し、これを背後から照明して二次光
源として用い、いわばケーラー照明的な照明がで
きるようになつていた。しかし、一般にケーラー
照明においては光源の発する光線強度が方向によ
らず一定でなければ試料を一様に照明することが
できないものであるが、この従来例の如く背後か
ら照明されたスリ硝子から成る光源の場合は方向
によつて著しく大きな光線強度の変化があるた
め、照明ムラが発生してしまうという問題があつ
た。又、スリ硝子の面の粗さを強くすればこの照
明ムラは減少する傾向にあるが、そうした場合今
度は照明効率が悪化し、明るく照明することが困
難になるという問題があつた。又、双眼実体顕微
鏡は入射瞳が二つ存在するため、理想的な照明で
あるケーラー照明を行うには、証明光学系が複雑
になつてしまうという問題があつた。又、双眼実
体顕微鏡の多くは変倍機構を有しているが、変倍
に伴つて入射瞳の位置と径が変化するため、観察
系の入射瞳に光源像を結像させることを原理とす
るケーラー照明が不完全になつてしまうという問
題もあつた。

目 的 本発明は、上記問題点に鑑み、簡単なレンズ構
成で明るくてムラのないケーラー照明が可能な透
過照明装置を提供せんとするものである。又、双
眼実体顕微鏡の入射瞳の移動に合せて調整又は切
換可能にして常に良好なケーラー照明が行えるよ
うにした透過照明装置を提供せんとするものであ
る。

概 要 本発明による透過照明装置は、光源を発しコレ
クターレンズと光源像リレーレンズにより試料面
の視野中心で交差して双眼実体顕微鏡の一対の入
射瞳の各中心に夫々入射せしめられる一対の軸上
主光線上に一対の光源結像レンズを配置し、該光
源結像レンズにより各軸上主光線上に結像された
各光源像を上記光源像リレーレンズにより上記一
対の入射瞳に夫々入射するようにして、簡単な構
成で明るくてムラのないケーラー照明が行われる
ようにしたものである。又、本発明による透過照
明装置は、一対の光源結像レンズを交換可能にす
ることにより光源結像レンズによる光源像の位置
及び大きさを変化させ得るようにして、双眼実体
顕微鏡の変倍による入射瞳の移動及び瞳径の変化
が生じても入射瞳にその大きさに適した光源像が
結像するようにし、常に良好なケーラー照明が行
えるようにしたものである。又、本発明による透
過照明装置は、光源をコレクターレンズの前側焦
点位置に配置してコレクターレンズを出た一対の
軸上主光線が平行光線となるようにすると共に、
一対の光源結像レンズと光源像リレーレンズとの
間の距離を変化させることにより光源結像レンズ
による光源像の結像位置を変化させ得るようにし
て、双眼実体顕微鏡の変倍による入射瞳の移動が
生じても入射瞳に光源像が結像するようにし、常
に正確なケーラー照明が行えるようにしたもので
ある。

実施例 以下、第１図に示した一実施例に基づき本発明
を詳細に説明すれば、１は光源、２はコレクター
レンズ、３，３はコレクターレンズ２の光軸に関
して左右対称な位置にある凸レンズから成る一対
の光源結像レンズ、４はコレクターレンズ２と共
軸の凸レンズから成る光源像リレーレンズであつ
て、これらが順に配置されて透過照明装置の光学
系を構成している。５は光源像リレーレンズ４の
後方に配置されたステージガラスであつて、この
ステージガラス５の表面の試料面と上記光源１と
はコレクターレンズ２と光源像リレーレンズ４に
関し共役の位置にある。６は対物レンズ、７，７
は対物レンズ６の光軸に関して左右対称な位置に
ある一対の第一結像レンズ、８，８は同じく対物
レンズ６の光軸に関して左右対称な位置にある一
対の第二結像レンズ、９，９は第一結像レンズ
７，７と第二結像レンズ８，８との間に夫々配置
された開口絞り、１０，１０は第二結像レンズ
８，８の後方に夫々配置された一対のイメージロ
ーテータープリズム、１１，１１はイメージロー
テータープリズム１０，１０の後方に夫々配置さ
れた一対の接眼レンズであつて、これらが双眼実
体顕微鏡の光学系を構成しており、ステージガラ
ス５の表面の試料の像が対物レンズ６と第一結像
レンズ７，７と第二結像レンズ８，８とイメージ
ローテータープリズム１０，１０とにより正立像
として位置１２，１２に結像せしめられ、接眼レ
ンズ１１，１１により拡大観察されるようになつ
ている。又、１３，１３はこの双眼実体顕微鏡の
入射瞳である。そして、上記一対の光源結像レン
ズ３，３は、一対の軸上主光線ａ，ａ即ち光源１
を出て試料面の視野中心で交差して入射瞳１３，
１３の各中心に夫々入射する光線と光軸が一致し
且つ該光源結像レンズ３，３による一対の光源像
１４，１４（軸上主光線ａ，ａ上に夫々位置す
る）が光源像リレーレンズ４及びステージガラス
５に関し入射瞳１３，１３と共役な位置にあるよ
うに配置されている。又、上記一対の光源像レン
ズ３，３は交換可能となつている。

本発明による透過照明装置は上述の如く構成さ
れているから、光源１を発した照明光束はコレク
ターレンズ２によりほゞ平行な光束となり、この
光束の一部が光源結像レンズ３，３により光源像
１４，１４として結像せしめられ、更にこの光源
像１４，１４が光源像リレーレンズ４により入射
瞳１３，１３に光源像１５，１５として結像せし
められる。従つて、本発明による透過照明装置に
よる照明はケーラー照明となるので、明るくてム
ラのない照明が可能となる。又、本発明による透
過照明装置は上述の如くレンズ構成が簡単であ
る。

又、双眼実体顕微鏡の変倍に伴つて入射瞳１
３，１３の位置及び径が変化するが、その場合は
光源結像レンズ３，３を交換して変化した入射瞳
１３，１３の共役な位置に該入射瞳１３，１３に
合つた大きさの光源像１４，１４が夫々結像する
ようにすれば良い。従つて、双眼実体顕微鏡の変
倍が行われても、常に良好なケーラー照明を行う
ことが出来る。尚、光源結像レンズ３，３を交換
する代りに、該レンズ３，３を二群構成とし且つ
その間隔を可変とすることにより焦点距離が変え
られるようにしても良い。

第２図は第二の実施例の光学系を示しており、
これは基本構成は第一の実施例と同じであるが、
光源１の位置をコレクターレンズ２の前側焦点位
置と一致させると共に、一対の光源結像レンズ
３，３と光源像リレーレンズ４との間の距離を調
整可能にしたものである。ただし、光源像リレー
レンズ４は二群構成となつている。従つて、軸上
主光線ａ，ａは光源結像レンズ３，３と光源像リ
レーレンズ４との間で平行となるので、その間の
距離を変更しても光源１と試料面との間の共役関
係は維持される。従つて、双眼実体顕微鏡の変倍
によつて入射瞳１３，１３の位置が移動した時
（但し、この時軸上主光線ａ，ａに変化はない。）、
光源結像レンズ３，３と光源像リレーレンズ４と
の間の距離を調整して光源像１４，１４の位置を
軸上主光線ａ，ａ上で移動させ、変化した入射瞳
１３，１３の位置に光源像を結像させることがで
き、これにより常に正確なケーラー照明を行うこ
とが可能となる。

第３図は第三の実施例の光学系を示しており、
これは上記第一の実施例において光源結像レンズ
３，３を凹レンズの光源結像レンズ３′，３、に
置き替えたものであり、該光源結像レンズ３′，
３′により結像される虚像１４′，１４′は光源像
リレーレンズ４及びステージガラス５に関し入射
瞳１３，１３と夫々共役な位置にある。従つて、
光源結像レンズ３′，３′と光源結像リレーレンズ
４との間の間隔が短くなるので、全長のコンパク
ト化が可能である。

尚、上記各実施例において、コレクターレンズ
２と光源結像レンズとの間に拡散性の弱いスリ硝
子又はその表面を沸化水などで処理した拡散板を
配置すれば、双眼実体顕微鏡の変倍等により入射
瞳が移動してケーラー照明が不完全になつても照
明ムラが生じにくゝなる。

発明の効果 上述の如く、本発明による透過照明装置は、簡
単なレンズ構成で明るくてムラのないケーラー照
明が可能であり、また双眼実体顕微鏡の変倍によ
る入射瞳の移動が生じても常に良好なケーラー照
明が可能であるという極めて重要な利点を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による透過照明装置の一実施例
の光学系を示す図、第２図及び第３図は夫々第二
及び第三の実施例の光学系を示す図である。 １……光源、２……コレクターレンズ、３……
光源結像レンズ、４……光源像リレーレンズ、５
……ステージガラス、１３……入射瞳、１４……
光源像。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光源と、コレクターレンズと、該コレクター
   レンズの光軸に関して左右対称な位置にある一対
   の光源結像レンズと、前記コレクターレンズと共
   軸の光源像リレーレンズとを順に配置して成り、
   前記光源は前記コレクターレンズと前記光源像リ
   レーレンズに関し試料面と共役な位置にあり、前
   記一対の光源結像レンズは、前記光源を発し試料
   面の視野中心で交差して双眼実体顕微鏡の一対の
   入射瞳の各中心に夫々入射する一対の光線と光軸
   が夫々一致し、且つ該一対の光源結像レンズによ
   る光源像が前記光源像リレーレンズに関し該一対
   の入射瞳と夫々共役な位置にあるように配置され
   た、双眼実体顕微鏡の透過照明装置。 ２ 一対の光源結像レンズを交換可能にしたこと
   を特徴とする特許請求の範囲１に記載の透過照明
   装置。 ３ 光源をコレクターレンズの前側焦点位置に配
   置すると共に、一対の光源結像レンズと光源像リ
   レーレンズとの間の距離を調整可能にしたことを
   特徴とする特許請求の範囲１に記載の透過照明装
   置。