JPH0335395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はエアゾール装置に関する。さらに詳し
くは、商店の陳列棚などにおいてバルブが勝手に
操作されることを防止するためのプロテクタ機構
を備えたエアゾール装置に関する。

［従来の技術］ 従来のエアゾール装置はその流通過程、とくに
露出状態で配列される商店の陳列棚などにおい
て、来客などに勝手にバルブを操作されないよう
に、また誤つてバルブの押ボタンが押されないよ
うに、厳重に包装を行なつて押ボタンを保護して
いる。

［考案が解決しようとする問題点］ 包装を厳重にするだけでは、前記押ボタンの保
護は充分でない。

とくに近時、押ボタン操作を楽にするために、
押ボタンを大きくしたり、テコの原理を利用して
弱い押し力でバルブ操作を行なえるようにしたエ
アゾール装置が試みられているが、そのようなエ
アゾール装置ではバルブが操作されないようにエ
アゾール装置を包装することがきわめて困難であ
る。

本考案は押ボタン操作が楽で、しかも流通過程
などにおける押ボタンの保護が充分であり、さら
に使用中においても充分に保護されるエアゾール
装置を提供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のエアゾール装置は、耐圧性の容器と該
容器の上端中央部に設けられる噴射バルブとを有
するエアゾール装置であつて、 前記容器の上端に固着される円筒状の支持枠
と、 該支持枠から容器の中央部に向つて延びると共
にその途中にヒンジ部を有する連結片と、 該連結片の自由端に接続されると共に前記噴射
バルブのステムに嵌着され、かつ前記連結片側に
噴口を有し、連結片とは反対側に押し部を有する
押ボタンと、 前記支持枠の直径方向に対向する両側から前記
押ボタンより上方まで立ち上がつて、上面を部分
的に覆い、少なくとも前記噴口側および押し部側
にそれぞれ開口部を有する固定プロテクタと、 前記それぞれの開口部を開閉自在に覆うよう
に、それぞれの一端近辺が該一端を軸として回動
するように前記固定プロテクタの上部近辺に支持
された２つの可動プロテクタとを有し、 該２つの可動プロテクタが、いずれか一方をは
ね上げるように開操作するときに他方も同時に反
対向きにはね上がつて開き、一方を閉じるときに
他方も同時に閉じうるように構成されていなる。

そして前述のごとく構成されたエアゾール装置
において、前記２つの可動プロテクタの前記一端
同士がたがいに回転自在に連結されており、それ
ぞれの可動プロテクタの前記一端からいくらか離
れた部位が前記固定プロテクタの上部近辺に回転
自在に、かつ噴口が向いている方向およびその逆
の方向にそれぞれ移動自在に支持されていてもよ
い。

あるいは前記２つの可動プロテクタの一端同士
がたがいに回転自在に、かつ噴口が向いている方
向およびその逆の方向に移動自在に連結されてお
り、それぞれの可動プロテクタの前記一端からい
くらか離れた部位が前記固定プロテクタの上部近
辺にそれぞれ回転自在に支持されていてもよい。

［作用］ 可動プロテクタにより２つの開口部を覆つてい
るときは、外部から勝手に押ボタンを押すことが
できず、とくに流通過程におけるエアゾール装置
を保護することができる。

さらに固定プロテクタが押ボタンよりも高い位
置まで延びているため、可動プロテクタを開いて
いる使用状態であつても押ボタンが保護されてい
る。

可動プロテクタの一方、たとえば噴口とは反対
側の可動プロテクタを指などで押し上げることに
より、押ボタン操作ができるようになり、しかも
噴口の前面側も開けられる。そのため片手で簡単
に噴霧などの操作ができる。

押ボタンはヒンジ部を支点とし、押し部を力点
とし、ステムとの嵌着部を作用点とするテコを構
成しており、そのため押し部の軽い操作でスムー
ズに噴射バルブを操作しうる。

可動プロテクタのそれぞれの一端がたがいに回
転自在に連結されると共に、それらの一端近辺が
それぞれ固定プロテクタの上部近辺に回転自在に
支持されているときは、一方の可動プロテクタを
上下方向に開閉操作すると、その一端も支持点を
中心として上下方向に動く。それにより他方の可
動プロテクタの一端も上下方向に動かされ、その
支持点を中心として開閉操作される。

［実施例］ つぎに図面を参照しながら本考案のエアゾール
装置を説明する。

第１図は本考案のエアゾール装置の一実施例を
示す要部斜視図、第２図は本考案にかかわる可動
プロテクタの一実施例を示す斜視図、第３図は第
１図に示されるエアゾール装置の縦断面図、第４
図は本考案にかかわる固定プロテクタの一実施例
を示す一部切欠斜視図、第５図および第６図はそ
れぞれ本考案にかかわる可動プロテクタの開閉機
構の一実施例を示す説明図、第７図および第８図
はそれぞれ本考案にかかわる可動プロテクタの開
閉機構の他の実施例を示す要部断面図、および要
部斜視図、第９図および第１０図はそれぞれ本考
案のエアゾール装置の他の実施例を示す正面図お
よび一部切欠平面図、第１１図および第１２図は
それぞれ第９〜１０図に示すエアゾール装置の閉
状態および開状態を示す縦断面図である。

第１〜３図において１は円筒状の耐圧性の容器
である。容器１の上端中央部には、マウンテイン
グキヤツプ２によつて噴射バルブ３が設けられて
おり、噴射バルブ３のステム４が容器１の上端中
央部から突き出ている。

ステム４にはステム４と孔５を介して連通する
噴口６を有する押ボタン７が嵌着されている。押
ボタン７には後方に延びるように、指をかけるた
めの比較的大きい押し部８が一体に設けられてい
る。

容器１の上端にはさらに円環状の支持枠９が固
着されている。支持枠９の側方の上端からは押ボ
タン７よりも高い固定プロテクタ１０が立ち上が
つている。したがつて押ボタン７は上方、噴口６
側（以下、前方という）およびその反対側（以
下、後方という）の三方が開放されている。

固定プロテクタ１０の上方の前側半分と前方の
開放部は、その開放部と実質的に同形状の可動プ
ロテクタ１１によりて覆われており、上方の後側
半分と後方の開放部は、その開放部と実質的に同
形状の可動プロテクタ１２により覆われている。
それぞれの可動プロテクタ１１，１２の固定プロ
テクタ１０の上方と対応する一端１３，１４は、
固定プロテクタ１０に対して、好ましくは70〜
90゜程度水平の軸まわりに回転自在となるように
連結されている。

第２図に示す可動プロテクタ１１，１２のばあ
いはそれぞれの一端１３，１４同士が肉厚が薄く
されたヒンジ部１５でたがいに連結されている。
可動プロテクタ１１，１２の両側面には、前記一
端１３，１４からいくらか離れた部位にピン１６
およびピン１７が突設されている。

一方、前記固定プロテクタ１０の上部内側に
は、第４図に示すようなガイド溝１８がそれぞれ
水平方向に形成されている。ガイド溝１８にはい
くらか幅の狭い挿入溝１９が設けられており、挿
入溝１９は固定プロテクタ１０のたとえば後側の
端面１０ａまで続いている。

前記可動プロテクタ１１，１２のピン１６，１
７をそれぞれ固定プロテクタ１０の両側の挿入溝
１９を通してガイド溝１８内に嵌合することによ
り、第１図に示されるように、可動プロテクタ１
１，１２を固定プロテクタ１０に連結することが
できる。

そのばあいピン１６，１７はガイド溝１８に対
して回転自在であり、かつ前後方向に摺動自在で
ある。

したがつて可動プロテクタ１１，１２の一方、
たとえば後側の可動プロテクタ１２を上方（第５
〜６図の矢印Ａ方向）にはね上げるように回転さ
せ、後側の開放部を開けると、可動プロテクタ１
２の一端１４がピン１６を支点として下方（矢印
Ｂ方向）に動く。それにより前側の可動プロテク
タ１１の一端１３もピン１６を支点として下方に
動く。それにより前側の可動プロテクタ１１が開
いて噴口６が露出される。

なお以上の動作においてピン１６，１７は水平
方向に自由に動くことができるため、可動プロテ
クタ１１，１２はヒンジ部１５を中心としてスム
ーズに折りたたまれる。

なお可動プロテクタ１１，１２をそれぞれ閉じ
た位置および開いた位置に安定状態で保持するた
め、たとえば支持枠９の上端と可動プロテクタ１
１，１２の自由端とをたがいに弾力的に係止させ
たり、あるいはガイド溝１８に幅の狭い部分（図
示されていない）などを形成してピン１６，１７
を弾力的に係止させうるように構成してもよい。
また可動プロテクタ１１，１２の自由端にそれぞ
れ指掛部２０を形成するのが好ましい。

第５〜６図に示す実施例では可動プロテクタ１
１，１２の一端１３，１４同士をヒンジ結合し、
一端１３，１４近辺に設けたピン１６，１７がガ
イド溝１８内を摺動するように構成されている
が、本考案における可動プロテクタ１１，１２の
固定プロテクタ１０への連結方法はそのようなば
あいに限定されるものではない。

たとえば第７図に示すように可動プロテクタ１
１，１２をその一端１３，１４近辺に設けたピン
１６ａ，１７ａなどで固定プロテクタ１０に枢着
すると共に、前記一端１３，１４同士をピン２１
とガイド２２などにより、たがいに回転自在、お
よび前後方向に移動自在に連結してもよい。

さらにラフな結合でよいばあいには、たとえば
第８図に示すように可動プロテクタ１１，１２の
一端１３，１４同士をたがい違いに係合させても
同じ作用を奏しうる。また第７図の連結構造にお
いて、ピン１６ａ，１７ａにたがいに歯合するピ
ニオン（図示されていない）をそれぞれ固着して
も同じ作用が奏される。

なお本考案のエアゾール装置においては、大き
い押ボタン７を採用すると共に、テコの原理を採
用して容器１の後端近辺でバルブ操作を行なえる
ように構成している。

第３〜４図のエアゾール装置では、支持枠９の
前方の上縁から円錐状のカバー部２３と、そのカ
バー部２３から延設される舌片状の連結片２４が
容器１の中央部に向つて延びるように設けられて
いる。

連結片２４はその途中に折曲げ自在のヒンジ部
２５を有しており、その自由端２４ａは前記押ボ
タン７の前面側に固着されている。

なおカバー部２３のヒンジ部２５と隣接する部
位の下側には、支点作用を確実にするために、た
とえばマウンテイングキヤツプ２と容器１の接続
部２６などに嵌着されうる内部支持枠２７が設け
られている。内部支持枠２７はその後面側が切り
欠かれた円環状を呈している。

前記支持枠９、固定プロテクタ１０、カバー部
２３、内部支持枠２７、連結片２４および押ボタ
ン７はたとえばポリエチレン、ポリプロピレン、
ナイロン、ポリアセタール、スチロールなどの合
成樹脂から一体に成形しうる。しかし押ボタン７
と連結片２４とを、たとえばヒンジ部２５の位置
でたがいに切り離し、全体を２つの部品として構
成し、それらをヒンジ部材などでたがいに回転自
在に連結してもよい。

そのように構成すれば、押ボタン７の操作が固
定プロテクタ１０などによつて邪魔されず、しか
もヒンジ部２５、押し部８およびステム４との嵌
合部をそれぞれ支点、力点および作用点とするテ
コが構成され、軽い力でバルブ操作しうる。

なお可動プロテクタ１１，１２も固定プロテク
タ１０などと同様、たとえばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ナイロン、ポリアセタール、スチロ
ールなどの合成樹脂から製造することができる。

また通常は固定プロテクタは前記内部支持枠２
７で容器１の接続部２６などに固着しうるが、他
の手段で取り付けてもよい。

本考案における固定プロテクタ１０および可動
プロテクタ１１，１２の閉じたときの形状として
は、前記円筒状のものに限られるものではなく、
たとえば第９〜１１図に示すような上部が球面状
に丸みを帯びたものなど、他の形状のものであつ
てもよい。また可動プロテクタの形状を種々変更
しうる。

第９〜１１図の装置においては、前方の可動プ
ロテクタ１１と後方の可動プロテクタ１２の高さ
が異なつている。さらに前方の開口部および可動
プロテクタ１１は噴霧を行ないやすいように、扇
形に形成されており、後方側開放部および可動プ
ロテクタ１２は指の入る幅だけ開くように細長く
構成されている。

上記のごとく構成されるエアゾール装置は、流
通過程などにおいて第３図に実線で示されるよう
に可動プロテクタ１１，１２が下向きに回転さ
れ、容器１の上端が覆われた状態にされている。

使用者がエアゾール装置を使用するときは、可
動プロテクタ１１，１２のうち一方、たとえば後
側の可動プロテクタ１２を第１図の矢印Ａ方向に
ほぼ90゜回転させ、それにより両方の可動プロテ
クタ１１，１２を開けて押し部８と噴口６まわり
を露出させ、その状態で押し部８を押せばよい。

そのばあいステム４の上部など容器１の上端中
央部が固定プロテクタ１０などによつて覆われて
いるが、押し部８を後方に突出させたり、前述の
テコの原理を応用することにより、一層押ボタン
７の操がしやすくなる。

また押し部８を後方に突出させるときは、誤つ
て押される可能性が比較的高いが、そのことは不
使用時に可動プロテクタ１１，１２をそれぞれほ
ぼ90゜回転させて開放部を覆い、容器１の上端を
保護することにより充分に防ぐことができる。

可動プロテクタ１１，１２を透明にするとき
は、使用者が中をのぞくことができ、内部を理解
しやすく誤使用されにくので好ましい。

なお本考案のエアゾール装置は、キヤツプを着
脱自在に設ける従来の保護方法に比してキヤツプ
をなくしたり、、開閉操作がめんどうであるとい
つた欠点がない。しかし必要であれば可動プロテ
クタ１１，１２を固定プロテクタ１０の上端に着
脱自在に取りつけるように構成してもよい。その
ばあいは使用者はエアゾール装置を購入したの
ち、可動プロテクタを廃棄して使用してもよい。

［考案の効果］ 本考案のエアゾール装置は、流通過程などにお
いて押ボタンが勝手に押されないように保護され
る。しかも片手で簡単に噴射バルブの開閉操作を
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のエアゾール装置の一実施例を
示す要部斜視図、第２図は本考案にかかわる可動
プロテクタの一実施例を示す斜視図、第３図は第
１図に示されるエアゾール装置の縦断面図、第４
図は本考案にかかわる固定プロテクタの一実施例
を示す一部切欠斜視図、第５図および第６図はそ
れぞれ本考案にかかわる可動プロテクタの開閉機
構の一実施例を示す説明図、第７図および第８図
はそれぞれ本考案にかかわる可動プロテクタの開
閉機構の他の実施例を示す要部断面図および要部
斜視図、第９図および第１０図はそれぞれ本考案
のエアゾール装置の他の実施例を示す正面図およ
び一部切欠平面図、第１１図および第１２図はそ
れぞれ第９〜１０図に示すエアゾール装置の閉状
態および開状態を示す縦断面図である。 図面の主要符号、１：容器、３：噴射バルブ、
７：押ボタン、９：支持枠、１０：固定プロテク
タ、１１，１２：可動プロテクタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 耐圧性の容器と該容器の上端中央部に設けら
   れる噴射バルブとを有するエアゾール装置であ
   つて、 前記容器の上端外周に固着される円筒状の支
   持枠と、 該支持枠から容器の中央部に向つて延びると
   共にその途中にヒンジ部を有する連結片と、 該連結片の自由端に接続されると共に前記噴
   射バルブのステムに嵌着され、かつ前記連結片
   側に噴口を有し、連結片とは反対側に押し部を
   有する押ボタンと、 前記支持枠の直径方向に対向する両側から前
   記押ボタンより上方まで立ち上がつて、上面を
   部分的に覆い、少なくとも前記噴口側および押
   し部側にそれぞれ開口部を有する固定プロテク
   タと、 前記それぞれの開口部を開閉自在に覆うよう
   に、それぞれの一端近辺が該一端を軸として回
   動するように前記固定プロテクタの上部近辺に
   支持された２つの可動プロテクタとを有し、 該２つの可動プロテクタが、いずれか一方を
   はね上げるように開操作するときに他方も同時
   に逆向きにはね上がつて開き、一方を閉じると
   きに他方も同時に閉じうるように構成されてな
   るエアゾール装置。 ２ 前記２つの可動プロテクタの前記一端同士が
   たがいに回転自在に連結されており、それぞれ
   の可動プロテクタの前記一端からいくらか離れ
   た部位が前記固定プロテクタの上部近辺に回転
   自在に、かつ噴口が向いている方向およびその
   逆の方向にそれぞれ移動自在に支持されてなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のエアゾー
   ル装置。 ３ 前記２つの可動プロテクタの一端同士がたが
   いに回転自在に、かつ噴口が向いている方向お
   よびその逆の方向に移動自在に連結されてお
   り、それぞれの可動プロテクタの前記一端から
   いくらか離れた部位が前記固定プロテクタの上
   部近辺にそれぞれ回転自在に支持されてなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のエアゾール
   装置。