JPH0335293B2 - - Google Patents

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JPH0335293B2
JPH0335293B2 JP58150338A JP15033883A JPH0335293B2 JP H0335293 B2 JPH0335293 B2 JP H0335293B2 JP 58150338 A JP58150338 A JP 58150338A JP 15033883 A JP15033883 A JP 15033883A JP H0335293 B2 JPH0335293 B2 JP H0335293B2
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polysaccharide
n9gi
extract
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water
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Masaki Shimizu
Shigehiro Yamamoto
Yasuko Tamura
Takeo Nomura
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は多糖体N9GIの製法に関するものであ
る。 さらに詳しくは、本発明は、メリア・アザジラ
クタ樹皮の熱水抽出物を特定の方法で精製するこ
とを特徴とする多糖体N9GIの製法に関するもの
である。 本発明の製法によつて得られる多糖体は抗腫瘍
剤として有用である。 先行技術 従来メリア・アザジラクタ抽出物が種々な薬理
作用を有することは知られている。即ち、メリ
ア・アザジラクタの樹皮、葉部、花部、果部、枝
部、根皮または樹脂を水または親水性溶媒で抽出
するかあるいは微粉砕して皮膚化粧料を得る方法
(特公昭52−28853、同52−28854および同53−
10125)、上記メリア・アザジラクタ原料を親水性
溶媒および(または)熱水で抽出して抗菌作用、
胃腸・肝臓機能改善作用を有する成分を得る方法
(特公昭53−10124)および上記メリア・アザジラ
クタ原料を疎水性溶媒で抽出して皮膚疾患および
リユウマチの治療に有効な成分を得る方法(特公
昭53−13689)が報告されている。 また、本発明者等は先にメリア・アザジラクタ
樹皮の熱水抽出液にアルコールを加え、生成した
沈澱を採取する(特開昭57−176914)かあるいは
上記熱水抽出液を透析膜で処理し、透析内液から
有効成分を採取する(特開昭57−176915)ことに
より抗腫瘍作用を有する抽出物が得られることを
報告した。 本発明者等はさらに研究を進めた結果、上記精
製抽出物を水に溶解し、該水溶液を分画分子量約
1×103〜1×105乃至1×103〜2×105のゲルろ
過剤〔例えばセフアデツクスG100(商品名、フア
ルマシア社製品)、バイオゲルP−100(商品名、
バイオラツド社製品)等〕を用いてゲルろ過し、
3つに分れる多糖体画分のうち、最初の画分を採
取することにより新規な多糖体N9GIが得られる
ことを知つた。この方法は純度の高い多糖体
N9GIを得る点で優れているが、操作が煩雑なた
め大規模での実施が非常に困難であり、また上記
ゲルろ過剤が機械的強度に欠けているため工業的
実施にはあまり向いていない。 発明の目的 そこで本発明は、工業的な実施に適した多糖体
N9GIの製造法を提供することを目的とする。即
ち本発明は簡便な操作と大規模な実施が可能な装
置を用いて多糖体N9GIを製造する方法を提供す
ることを目的とする。 本発明の目的は以下に記載する方法によつて達
成される。 メリア・アザジラクタ樹皮を熱水で抽出し、該
抽出物をアルコール沈澱法、透析膜法または限外
ろ過法により精製し、得られた抽出精製物にホウ
酸またはその塩を作用させてホウ酸錯化合物を形
成させ、該錯化合物を強塩基性陰イオン交換体に
吸着させ、ホウ酸緩衝液で溶出し、溶出液に陽イ
オン交換樹脂を加え、アルコールを加えた後減圧
濃縮し、濃縮物を凍結乾燥することを特徴とする
下記の物理化学的特性を有する多糖体N9GIの製
法。 (イ) 色と形状 凍結乾燥品は白色または淡黄褐色粉末であ
る。 (ロ) 赤外線吸収スペクトル IRνKBr naxcm-1:3400,2920,1630,1400,
1360,1150,1070,1030,920,840 (ハ) 紫外線吸収スペクトル 水溶液中の測定で吸収極大を示さず未端吸収
のみを示す。 (ニ) 溶解性 水に可溶でメタノール、エタノール、アセト
ン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、ベ
ンゼンおよびヘキサン等の有機溶媒に不溶であ
る。 (ホ) 呈色反応 フエノール硫酸反応、アンスロン硫酸反応に
陽性でヨウ素の添加により青緑色を呈する。 発明の具体的説明 本発明方法の原料植物であるメリア・アザジラ
クタは学名をメリア・アザジラクタ・リンネ
(Melia azadirachta Linn.)またはアザジラク
タ インデイカ ジヤス(Azadirachta indica
Juss)といい、熱帯地域に自生する高さ10m以上
に達する木本植物である。本発明の方法において
は、メリア・アザジラクタの樹皮を原料として使
用する。該樹皮を熱水で抽出処理する操作は常法
に従つて行なわれる。即ち、細断した樹皮に熱水
を加えるか、あるいは、樹皮に水を加え、その混
合物を加熱沸騰させることによつて実施される。
加熱は沸騰水浴中または直火で行うことができ
る。抽出時間は原料の品質等に従つて適宜決定さ
れるが通常1乃至48時間である。抽出終了後、抽
出混合物をろ過することにより熱水抽出液が得ら
れる。このような熱水抽出に先立つて、該樹皮を
有機溶媒および(または)常温の水で抽出前処理
することにより、不要成分を予め除去しておくこ
とも望ましい。抽出前処理に使用する溶媒として
はメタノール、エタノール、プロパノール、ピリ
ジン、アセトンのような極性有機溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、酢酸エチルのような非極性
有機溶媒があげられる。 かくして得られた熱水抽出液にはなお多量の不
純物が含まれているのでアルコール沈澱法、透析
膜法または限外ろ過法により、該抽出液を精製す
る。アルコール沈澱法で精製する場合には、上記
抽出液にメタノール、エタノール、プロパノール
のようなアルコールを加え、生成した沈澱を常法
により、例えば遠心分離により採取する。透析膜
法により精製する場合は、該抽出液を透析膜に入
れ、水につけて透析し、透析内液を所望により濃
縮乾固するかまたは凍結乾燥して抽出物を得る。
透析膜としては分画分子量50000以下のもの、例
えばスペクトラ・ポア1〜6(商品名、スペクト
ラム・メデイカル・インダストリーズ社製品)、
ビスキング・チユーブ(商品名、ユニオンカーバ
イト社製品)が使用される。あるいは、分画分子
量が5000〜10000程度のホローフアイバー型透析
器を用いてもよい。例えばテルモ株式会社製品の
クリランスTE−15(商品名)、アミコン社のHIP5
(商品名、分画分子量5000)またはHIP10(商品
名、分画分子量10000)を用いることができる。
精製度を上げるために、上記透析膜法とアルコー
ル沈澱法を組み合せることもできる。即ち、上記
透析内液にアルコールを加え、生成する沈澱を採
取することにより精製度の高い多糖体が得られ
る。限外ろ過法で精製する場合は分画分子量約
10000乃至50000の限外ろ過膜を用い、常法に従つ
て加圧下に実施される。ろ過膜は、上記の分画分
子量を有するものであればよく材質等に特に制限
はないが、合成高分子を不織布等にキヤステイン
グしたものが好適に使用される。このようなろ過
膜の例としては東洋曹達工業(株)製品のTSK−UF
膜:TS−10(分画分子量10000)、TS−30(同
30000)、TS−50(同50000)およびアミコン社製
品の限外ろ過膜:YM10(分画分子量10000)、
PM10(同10000)、YM30(同30000)、PM30(同
30000)およびXM50(同50000)が挙げられる。
特にTS−50(東洋曹達工業社製品)が好ましい。
ろ過に際しての加圧は約0.1〜2Kg/cm2が適当で
ある。限外ろ過により熱水抽出液の濃縮と低分子
夾雑物の除去が同時に達成される。濃縮液の濃度
は5〜20mg/ml、好適には10〜15mg/mlである。 前記アルコール沈澱法で得られた沈澱物または
透析膜法において透析内液を乾燥して得られた固
形物は、水に溶かして本発明の精製抽出液とす
る。透析膜法または限外ろ過法における内液はそ
のまま本発明の精製抽出液とする。 この精製抽出液にホウ酸またはその塩を加えて
抽出液の錯化合物を形成させる。この錯化合物は
負の電荷をもつホウ酸錯化合物であり、これを強
塩基性陰イオン交換体によりイオン交換クロマト
グラフイー処理する。例えば、Dowex−1(商品
名、ダウケミカル社製品)ホウ酸塩形を充填した
カラムに吸着させ、ホウ砂または四ホウ酸カリウ
ム溶液のようなホウ酸緩衝液で溶出する。溶出液
に陽イオン交換体、例えばDowex−50(商品名、
ダウケミカル社製品)H+形を加えて脱イオンし、
次いでメタノールのようなアルコールを加えてホ
ウ酸をメチルエステルとしてこれを留去し、残留
物を凍結乾燥して所望の多糖体N9GIを得る。 本発明の方法により得られた多糖体N9GIは下
記の物理化学的特性を有する。 (イ) 色と形状 凍結乾燥品は白色粉末又は淡黄褐色粉末であ
る。 (ロ) 赤外線吸収スペクトル IRνKBr naxcm-1:3400,2920,1630,1400,
1360,1150,1070,1030,920,840 (ハ) 紫外線吸収スペクトル 水溶液中の測定で吸収極大を示さず未端吸収
のみを示す。 (ニ) 溶解性 水に可溶でメタノール、エタノール、アセト
ン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、ベ
ンゼンおよびヘキサン等の有機溶媒に不溶であ
る。 (ホ) 呈色反応 フエノール硫酸反応、アンスロン硫酸反応に
陽性でヨウ素の添加により青緑色を呈する。 参考までに、上で得られた多糖体N9GIを分画
分子量約1×103〜2×105乃至1×103〜8×105
のゲルろ過剤を充填したカラムにかけ、蒸留水で
溶離すると多糖体が2つの画分に分画される。最
初に溶出する画分を多糖体N9GIa、後に溶出す
る多糖体をN9GIbとする。上記ゲルろ過剤とし
てはデキストランゲル、ポリアクリルアミドゲ
ル、ポリビニル系のポリマーゲル、多孔性ガラス
ビーズ等が使用される。これらは例えばセフアデ
ツクスG−200、セフアクリルS−300(商品名、
フアルマシア社製品、スエーデン)、バイオゲル
P−300(商品名、バイオラツド社製品、米国)、
トヨパールHW−60(商品名、東洋曹達工業社製
品、日本)等の製品名で市販されている。 多糖体N9GIaおよび多糖体N9GIbの構造およ
び物理化学特性は下記の通りである。 多糖体N9GIa イ) 構 造 α−(1→4)−グルカンの主鎖にアラビノー
スがα−(1→6)結合し、グルコースとアラ
ビノースの構成割合が約5:1の中性多糖体。 ロ) 色と形状 凍結乾燥品は白色粉末である。 ハ) 溶解性 水に可溶で、メタノール、エタノール、アセ
トン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、
ベンゼンおよびヘキサン等の有機溶媒に不溶で
ある。 ニ) 呈色反応 フエノール硫酸反応、アンスロン硫酸反応に
陽性でヨウ素の添加により青緑色を呈する。 ホ) 分子量 セフアデツクスG−200カラムゲルクロマト
グラフイで単一のピークを与え、分子量は約
94000である。 ヘ) 比旋光度 〔α〕25 D:+136.0゜(C=0.5,H2O) ト) 赤外線吸収スペクトル IRνKBr naxcm-1:3400,2930,1620,1410,
1370,1260,1150,1080 チ) 紫外線吸収スペクトル 水溶液中の測定で吸収極大を示さず、末端吸
収のみを示す。 リ) 13C核磁気共鳴スペクトル 重水中で外部基準にTMS(テトラメチルシラ
ン)を使用して測定した100MHz 13C核磁気共
鳴スペクトルは次の通りである。 δppm:62.1,62.7,67.3,72.9,74.8,78.1,
78.7,82.4,85.5,99.2,101.1,108.9 多糖体N9GIb イ) 構 造 α−(1→4)−グルカンを主鎖とし、主鎖中
にβ−(1→3)フコースを含み、分枝として
α−(1→6)アラビノースを有し、グルコー
ス、アラビノースおよびフコースの構成割合が
約5:2:1の中性多糖体。 ロ) 色と形状 凍結乾燥品は白色粉末である。 ハ) 溶解性 水に可溶で、メタノール、エタノール、アセ
トン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、
ベンゼンおよびヘキサン等の有機溶媒に不溶で
ある。 ニ) 呈色反応 フエノール硫酸反応、アンスロン硫酸反応に
陽性でヨウ素の添加により青緑色を呈する。 ホ) 分子量 セフアデツクスG−200カラムゲルクロマト
グラフイで単一のピークを与え、分子量は約
21000である。 ヘ) 比旋光度 〔α〕25 D:+143.7゜(C=0.5,H2O) ト) 赤外線吸収スペクトル IRνKBr naxcm-1:3400,2930,1630,1420,
1260,1080,1020,810 チ) 紫外線吸収スペクトル 水溶液中の測定で吸収極大を示さず、末端吸
収のみを示す。 リ) 13C核磁気共鳴スペクトル 重水中で外部基準にTMS(テトラメチルシラ
ン)を使用して測定した100MHz 13C核磁気共
鳴スペクトルは次の通りである。 δppm:18.2,62.3,62.7,67.4,71.1,72.0,
73.2,74.9,78.3,78.9,82.9,83.9,85.6,
99.4,101.2,105.0,109.1 本発明の多糖体N9GIは上記多糖体N9GIaおよ
び多糖体N9GIbの混合物とみることができ、薬
理試験の結果、ザルコーマ180マウス移植腫瘍お
よびメスA固形型マウス移植腫瘍に対して顕著な
阻止作用を有することが確認された。また上記多
糖体N9GIaおよびN9GIbも同様の薬理活性を示
した。 従つて抗腫瘍剤として使用する場合には、本発
明の多糖体N9GIをさらに多糖体N9GIaと多糖体
N9GIbとに分離する必要はなく、両者の混合物
の状態で、即ち、本発明に多糖体N9GIの状態で
使用するのが実際的である。 次に、本発明の多糖体N9GIの試験例を示す。 試験例 1 ザルコーマ180固形ガンに対する効果 (試料調製) リン酸緩衝食塩水(ギブコ社製、リン酸
9.5mMを含む;PBS)に0.5%カルボキシメチル
セルロース(CMC)を懸濁させた溶液に所定濃
度になるように各画分試料を溶解させた。 (ザルコーマ180ガン細胞移植) ICRマウス腹腔中で継代培養したザルコーマ
180ガン細胞を腹水とともにとり出し、生理食塩
水で適当に希釈して細胞数が1.0×108個/mlとな
るように調製した。この懸濁液の0.1mlを4週令、
雄ICRマウス背部皮下に注射器を用いて細胞を移
植した。 (試料投与) ザルコーマ180ガン細胞を移植した6日目より
1日1回連続10日間、上に調製した試料を注射器
を用いて腹腔に0.1ml投与した。1試料1濃度に
つき6匹のマウスを使用した。対照は試料の溶剤
として用いた上記CMC入りPBSを同様に投与し
たものとした。投与量の表示はマウス体重1Kgあ
たりのmg数とした。 (効果判定法) ガン細胞移植後21日目に成長したガン組織を摘
出し、その重量を測定した(1群6匹の平均値)。
この重量と対照のものとの比(T/C)をとつて
効果判定を行なつた。対照のガン組織重量は1.5
〜3.5gであつた。比の値が100〜71%のものを無
効(−)、70〜51%のものをやや有効(+)、50〜
21%のものを有効()、20〜0%のものを著効
()とした。結果を表1に示す。
【表】
【表】 試験例 2 メスA繊維肉腫に対する効果 Balb/Cマウス腹腔中で継代培養したメスA
繊維肉腫(Meth A fibrosarcoma)細胞を腹
水とともにとり出し、生理食塩水で適当に希釈
し、細胞数が1.0×106個/mlとなるように調製し
た。この細胞懸濁液の0.1mlを5週令雄Balb/C
マウス背部皮下に注射器を用いて移植した。一匹
当りの移植細胞数は1.0×105個である。試料は、
試験例1と同様にして調製し、11日目より1日1
回、10日間連続してマウス腹腔内に投与した。判
定は腫瘍細胞移植21日目に腫瘍組織を切り出し、
その重量を測定することによつて行なつた。結果
を表2に示す。
【表】 (注)
比較例A、比較例Bは表1に同じ。
表1および2から明らかなように、本発明の多
糖体N9GIは、ザルコーマ180固形ガンならびに
メスA繊維肉腫に対して強い抑制効果を有してい
る。またその効力は比較例AおよびBに比べて約
5〜6倍強くなつており有効成分の純度が高くな
つていることを示している。 試験例 3 急性毒性 本発明の多糖体N9GIを体重20±1gのICR雄
マウスに投与して急性毒性試験を行なつた結果、
LD50値は、腹腔内投与で600mg/Kg以上であつ
た。 上記の薬理試験の結果からも明らかなように、
本発明の多糖体N9GIは顕著な抗腫瘍性を有し、
毒性は極めて低いので、制癌剤として優れた性質
を有する。定着固形ガンに対して強い抑制効果を
有することから本発明の多糖体は免疫賦活型の抗
腫瘍作用を有すると考えられる。 本発明の多糖体は、各種の癌疾患に対して有効
であり、投与量は、症状、年令、体重などによつ
て異なるが、通常は成人に対して1日100〜2500
mgであり、1〜4回に分けて投与することができ
る。 本発明の多糖体N9GIは任意所要の製剤用担体
または賦形剤を用いて経口または非経口投与用に
製剤化される。 経口投与用の錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤
等は慣用の賦形剤例えば炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、とうもろこしでんぷん、馬鈴薯でん
ぷん、砂糖、ラクトース、タルク、ステアリン酸
マグネシウム、アラビアゴム等を含有していても
よい。経口投与用液体製剤は水性または油性懸濁
液、溶液、シロツプ、エリキシル剤その他であつ
てもよい。 注射用製剤は溶液または懸濁液の形態であり、
懸濁化剤、安定剤または分散剤のような処方剤を
含んでいてもよく、滅菌蒸留水、精油たとえばピ
ーナツツ油、とうもろこし油あるいは非水溶媒、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等を含有していてもよい。 直腸内投与のためには坐剤用組成物の形で提供
され、周知の製剤担体たとえばポリエチレングリ
コール、ラノリン、ココナツツ油等を含有してい
てもよい。 次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 1 (1) メリア・アザジラクタ樹皮乾燥品50gをベン
ゼン(500ml×3)およびメタノール(500ml×
3)を用いて室温で24時間抽出前処理し、得ら
れた抽出残渣を熱水200mlで3回抽出処理した。
得られた抽出液を合し、ロータリーエバポレー
ターで濃縮乾固し、1960.5mgの粉末を得た。 (2) 上記(1)で得られた粉末1000mgを水200mlに溶
解し、得られた水溶液に純エタノールを撹拌し
ながら室温で徐々に加え、水溶液中のエタノー
ル濃度が80%になつたときに添加をやめ、生成
した沈澱を遠心分離により採取し、594.5mgの
褐色粉末を得た。 (3) 上記(1)で得られた粉末500mgを水50mlにとか
し、この水溶液をスペクトラ ポア6(分画分
子量50000)に入れ、水に対して透析した。透
析内液をロータリーエバポレーターを用いて濃
縮乾固して褐色の粉末310mgを得た。 (4) 上記(2)または(3)で得られた粉末100mgを200ml
の蒸留水に溶かし0.001Mとなるようにホウ酸
塩を加えた後、Dowex−1×を充填したカ
ラムに注いだ。このとき使用するDowex−1
×カラムは200〜400メツシユ、0.85cm2×3.5
cmのカラムで、1NHClで洗い次に0.1M四ホウ
酸ナトリウムでCl-がほとんど陰性になるまで
洗い、さらに水で洗つて過剰のNa2B4O7を除
き最後に溶出剤(ホウ砂水溶液)で洗つたもの
である。 次いで流速1ml/minでホウ砂水溶液により
溶出した。溶出液についてフエノール硫酸法に
より糖の定量を行ない、糖画分を集め、適当に
減圧濃縮後Dowex−50W×(H+形)でバツ
チ法により脱イオンを行なつた。さらに減圧濃
縮し、残留物にメタノールを加え、減圧濃縮を
くり返しホウ酸をホウ酸メチルとして留去し、
残留物を凍結乾燥すると所望の多糖体
N9GI31.5mgが得られた。 発明の具体的効果 上に詳述したように、本発明によれば多糖体
N9GIの工業的製造法が提供される。 多糖体N9GIは試験例で示したように、ザルコ
ーマ180移植ガンおよびメスA繊維肉腫に対して
強い抑制活性を示し、毒性は非常に低いので抗腫
瘍剤として有用である。本発明によればかかる多
糖体N9GIを工業的に有利に製造する方法が提供
される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メリア・アザジラクタ樹皮を熱水で抽出し、
    該抽出物をアルコール沈澱法、透析膜法または限
    外ろ過法により精製し、得られた抽出精製物にホ
    ウ酸またはその塩を作用させてホウ酸錯化合物を
    形成させ、該錯化合物を強塩基性陰イオン交換体
    に吸着させ、ホウ酸緩衝液で溶出し、溶出液に陽
    イオン交換樹脂を加え、アルコールを加えた後減
    圧濃縮し、濃縮物を凍結乾燥することを特徴とす
    る下記の物理化学的特性を有する多糖体N9GIの
    製法。 (イ) 色と形状 凍結乾燥品は白色または淡黄褐色粉末であ
    る。 (ロ) 赤外線吸収スペクトル IRνKBr naxcm-1:3400,2920,1630,1400,
    1360,1150,1070,1030,920,840 (ハ) 紫外線吸収スペクトル 水溶液中の測定で吸収極大を示さず未端吸収
    のみを示す。 (ニ) 溶解性 水に可溶でメタノール、エタノール、アセト
    ン、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、ベ
    ンゼンおよびヘキサン等の有機溶媒に不溶であ
    る。 (ホ) 呈色反応 フエノール硫酸反応、アンスロン硫酸反応に
    陽性でヨウ素の添加により青緑色を呈する。
JP58150338A 1983-08-19 1983-08-19 多糖体ν9giの製法 Granted JPS6042328A (ja)

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