JPH0333375Y2 - - Google Patents

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JPH0333375Y2
JPH0333375Y2 JP1985024129U JP2412985U JPH0333375Y2 JP H0333375 Y2 JPH0333375 Y2 JP H0333375Y2 JP 1985024129 U JP1985024129 U JP 1985024129U JP 2412985 U JP2412985 U JP 2412985U JP H0333375 Y2 JPH0333375 Y2 JP H0333375Y2
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drill
curved surface
chip discharge
width ratio
chip
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、高速高送り穴明け加工を行う際に
用いて好適なドリル、特にドリル素材として超硬
合金を用いる場合に好適なドリルに関する。
〔従来の技術とその問題点〕
最近、穴明け加工の能率向上を図るために、ド
リルを高速回転させて高速穴明け加工を行うこと
が要望されている。そのために、最近ではドリル
素材として超硬合金を用いた超硬ソリツドドリル
が多用されるようになつてきている。
ところが、超硬ソリツドドリルにおいては、素
材である超硬合金の抗折力が低いため、切削抵抗
が増大する高送り穴明け加工を行うと、ドリルが
折損する危険性がある。したがつて、高送り穴明
け加工を行うことができず、穴明け加工の能率向
上にも一定の限界があつた。
そこで、ドリルの心厚を通常のもの(ドリル直
径をDとしたとき、0.1〜0.15D径度)より大きく
し、これによつてドリルの折損を防止することが
考えられる。ところが、このようにすると、切屑
排出溝の断面積が減少するたわ、切屑詰まりが発
生し、結局ドリルが折損する危険性があつた。
〔考案の目的〕
この考案は、上記問題を解決するためになされ
たもので、切屑詰まりが生じることなくドリルの
剛性を向上させてその折損を防止することがで
き、したがつて高送り穴明け加工を行うことがで
きるドリルを提供することを目的とする。
〔考案の構成〕
この考案は、上記の目的を達成するために、ド
リル本体の心厚Wを0.25D〜0.50D(Dはドリルの
直径)に設定するとともに、溝幅比を0.8〜1.3に
設定し、さらに、前記切屑排出溝を画成する壁面
のうち、すくい面を構成する部分をドリル回転方
向に対して凹む凹曲面によつて形成するととも
に、切屑排出溝のヒールから心厚部へ向かう部分
を凸曲面によつて形成したものである。
〔実施例〕
以下、この考案の一実施例について第1図およ
び第2図を参照して説明する。なお、第1図はこ
の考案に係るドリルの要部を示す図であつて、第
2図の矢視拡大図、第2図はその側面図であ
る。
これらの図に示すように、このドリルにおいて
も超硬合金製のドリル本体1の先端部には切刃
2,2が形成されるとともに、これらの切刃2,
2に対応してドリル本体1の外周には、切屑排出
溝3,3が形成されている。このような構成は従
来のと同様になつている。
しかし、このドリルにおいては、ドリル本体1
の剛性、特にねじり剛性を向上させるために、ド
リル本体1の心厚Wを0.25〜0.5D(Dはドリルの
直径)に設定している。なお、心厚テーパを付与
する場合には、ドリルのいずれの箇所における心
厚をも上記の値とする。
ところで、前述もしたように、心厚Wを大きく
すると切屑排出溝3の深さが浅くなつてその断面
積が減少するため、切屑詰まりが発生し易い。
そこで、この考案のドリルにおいては、切屑排
出溝3を画成する壁面のうち、すくい面を構成す
る部分3aはドリル回転方向(第1図の矢印A方
向)に対して凹む凹曲面によつて形成されている
とともに、切屑排出溝3のヒールから心厚部へ向
かう部分3bを切刃2側に向かつて突出する凸曲
面によつて形成している。ここで、溝幅比L2
L1は0.8〜1.3に設定されている。溝幅比L2/L1
0.8を下回ると凸曲面が切刃2に近付きすぎ、切
屑排出溝3の断面積が小さくなりすぎるからであ
る。一方、溝幅比L2/L1が1.3を上回ると、凸曲
面が切刃2側でなく外周側を向いてしまい、後述
する切屑の分断性能が劣化するからである。さら
に、溝幅比L2/L1が1.3を上回るとドリル本体1
の回転軸に垂直な断面におけるドリル断面積が小
さくなりすぎて、心厚Wを大きくした効果が失わ
れ、本考案の目的とするドリル本体1の剛性の向
上が達せられずにドリルの折損を招くおそれがあ
る。
また本実施例では、前記凹曲面および凸曲面は
いずれも円弧面とし、両部分3a,3bを滑らか
な凹曲面によつて連結している。
このように、すくい面を構成する壁面部分3a
を凹曲面によつて構成すると、これに対応して切
刃2が凹曲線状になり、切刃2によつて凹湾曲し
た状態の切屑Tが生成される。そして、この切屑
Tは凸曲面をなす壁面部分3bに衝突して小さな
曲率半径をもつてカールせしめられる。このと
き、切屑Tが凹湾曲しているため、平板状をなす
切屑をカールさせた場合に比して、切屑Tに大き
な内部応力が発生する。そして、この内部応力に
よつて切屑Tが細かく分断されるのである。した
がつて、心厚Wを0.25D〜0.50Dとしても切屑詰
まりの発生を防止することができるのである。ま
た、溝幅比L2/L1が通常のものよりも小さいの
でドリル剛性をより一層向上させることができ
る。
また、すくい面を構成する壁面部分3aを凹曲
面によつて形成すると、切刃2の外周部における
ラジアルレーキ角θが正の値となり、切削抵抗を
減少させることができる。ここでは、ラジアルレ
ーキ角θを10゜〜30゜に設定している。
また、第3図は、この考案の他の実施例を示す
ものであつて、この図に示すドリルは、ドリル本
体1に油穴4を設けたものである。
ここで本考案の効果を明らかにすべく、第1図
および第2図に示した実施例において心厚Wを一
定とし、溝幅比L2/L1を適宜変化させた数種の
ドリルを用意してそれぞれ穴明け加工を行い、こ
の加工時に要した切削トルクを測定して切屑詰ま
りの有無を調べた。ただし、この時の加工条件は
以下の通りであり、トルク測定は歪ゲージ式回転
工具動力計によつて測定した。
加工条件: 使用ドリル…直径D 12mm 心厚W 3.36mm(0.28D) すくい角θ 10゜ 材種 M20 (TiNコーテイング) 溝幅比L2/L1 0.8(実施品1) 0.9(実施品2) 1.0(実施品3) 1.1(実施品4) 1.2(実施品5) 1.3(実施品6) 0.7(比較品1) 1.4(比較品2) 被削材…SCM(440) (硬さ;HB300〜350) 穴明け深さ…実施品1〜6 48mm (4×Dの貫通穴加工) 比較品1,2 36mm (3×Dの貫通穴加工) 切削速度…65m/min 切削送り…0.55mm/rev この結果を、溝幅比L2/L1の小さい順に、す
なわち比較品1、実施品1〜6、比較品2の順
に、それぞれ第4図ないし第11図に示す。な
お、各図中に示した数値は、切削加工中の測定ト
ルクの最高値を示すものである。
ただし、第4図および第11図に示した比較品
1および2では、穴明け深さ48mmの貫通穴加工を
しようとしたところ加工途中で切削トルクが急上
昇し、これによつてドリルが折損してしまつて穴
明け不可能となつた。そこで、これら比較品1,
2については穴明け深さ36mmの貫通穴加工とし
た。
これらの図に示した結果より明らかに、比較品
1および2では、実施品1〜6に比べて多大なト
ルクを要することが分かる。また、比較品1では
切削中に切屑詰まりを生じてしまい、一方比較品
2では、切屑が分断されずにつながつたまま折り
畳まれた状態で排出されてしまつた。
これは、比較品1では溝幅比L2/L1が0.8を下
回つているために切屑排出溝の断面積が小さくな
り過ぎ、この結果切屑詰まりを生じて切削トルク
が急上昇したものと考えられる。
また比較品2では、溝幅比L2/L1が1.3を上回
つていて切屑排出溝を画成する壁面のうちヒール
から心厚部へ向かう部分がドリル外周側を向いて
おり、このために切屑が分断されなくなつたもの
と考えられる。さらに、比較品2において切削に
要するトルクが比較品1よりも小さいにも拘わら
ずドリル折損が生じたことについては、明らかに
比較品2のドリルの剛性不足が影響しているもの
と思われる。
これらの比較品1,2に対して本考案の実施品
1〜6では、排出された切屑は細かく分断されて
おり、しかも十分な断面積が切屑排出溝に確保さ
れているため切屑詰まりが生じることもなかつ
た。この果、切削トルクが軽減されるとともに加
工中全般を通して安定しており、この傾向は特に
溝幅比L2/L1が1.0付近の実施品において顕著で
あつた。
以上の結果より、ドリルの剛性を確保しつつ切
屑詰まりの発生を防止して円滑な穴明け加工を行
うには、ドリルの溝幅比L2/L1を0.8〜1.3に設定
することが極めて有意義であることが確認され
た。
なお、この考案は超硬ソリツドドリルのみなら
ず、ドリル本体を高速度鋼で構成したドリルであ
つても同様な効果が得られる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案のドリルによれ
ば、ドリル本体の心厚Wを0.25D〜0.50D(Dはド
リルの直径)に設定するとともに、溝幅比を0.8
〜1.3に設定し、さらに、前記切屑排出溝を画成
する壁面のうち、すくい面を構成する部分をドリ
ル回転方向に対して凹む凹曲面によつて形成する
とともに、切屑排出溝のヒールから心厚部へ向か
う部分を凸曲面によつて形成した構成であるの
で、ドリル本体の剛性を向上させることができ、
したがつて高送り穴明け加工を行うことができ
る。しかも、切屑を細かく分断することができる
から、心厚を大きくしても切屑詰まりが発生する
のを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの考案の一実施例を示
し、第1図はその要部を示す図であつて、第2図
の矢視拡大図、第2図はその一部省略側面図、
第3図はこの考案の他の実施例を示す第1図と同
様の図である。さらに、第4図ないし第11図は
この考案の効果を実証するものであり、第5図な
いし第10図はそれぞれこの考案の実施品1〜6
によるもの、また第4図および第11図はそれぞ
れ比較品1および2によるものである。 1…ドリル本体、2…切刃、3…切屑排出溝、
3a…すくい面を構成する部分、3b…切刃側を
向く部分。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドリル本体1の先端部に2つの切刃2を形成す
    るとともに、これら2つの切刃2に対応して前記
    ドリル本体1の外周に2つの切屑排出溝3を形成
    してなるドリルにおいて、 前記ドリル本体1の心厚Wを0.25D〜0.50D(D
    はドリルの直径)に設定するとともに、溝幅比
    L2/L1を0.8〜1.3に設定し、 さらに、前記切屑排出溝3を画成する壁面のう
    ち、すくい面を構成する部分3aをドリル回転方
    向Aに対して凹む凹曲面によつて形成するととも
    に、切屑排出溝3のヒールから心厚部へ向かう部
    分3bを凸曲面によつて形成したことを特徴とす
    るドリル。
JP1985024129U 1985-02-21 1985-02-21 Expired JPH0333375Y2 (ja)

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JP1985024129U JPH0333375Y2 (ja) 1985-02-21 1985-02-21

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JP1985024129U JPH0333375Y2 (ja) 1985-02-21 1985-02-21

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JPS61141007U JPS61141007U (ja) 1986-09-01
JPH0333375Y2 true JPH0333375Y2 (ja) 1991-07-16

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JPS61141007U (ja) 1986-09-01

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