JPH0332856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、弁箱の内部を貫通する通水路に連通
した通水管が弁箱に連設された構成の通水口付バ
ルブに関する。

「従来の技術」 従来、この種の通水口付バルブとしては、内部
を通水路が貫通する弁箱と、弁箱内に設けられ、
かつ通水路を開閉する弁体と、弁箱に立設され、
かつ弁体を支持する弁棒と、弁体を挾んで上流側
と下流側に形成された通水管（通水口）とからな
るものが知られている。

ところで、上記従来の構成の通水口付バルブに
おいて、通水管を弁棒と同じ方向、すなわち上方
に設ける場合には、両者が互いに干渉しないよう
にするために、通水管を曲管にしかつ上流側ある
いは下流側に延在させる必要があつた。特に、バ
ルブ径が大きくなると、減速機等を取付ける必要
があるため、減速機等を接触しないように通水管
を長くしなければならない。

「考案が解決しようとする問題点」 このように、上記従来の通水口付バルブにあつ
ては、通水管が曲管でしかも長くせざるを得ない
ため、弁箱を鋳造する際の木型が複雑化するとい
う問題がある。しかも、従来、上記通水管の先端
部に丸フランジを形成しているため、より一層木
型が複雑化し、かつ鋳造時に、丸フランジ部が型
抜きしにくいという問題がある。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、弁箱の製作が容易で、
かつ木型の改造あるいは新規の作成がし易く、安
価に製作できるコンパクトな構造の通水口付バル
ブを提供することにある。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案は、弁箱内
の弁体を挾んで通水路の上流側と下流側に、直線
状の通水口を、弁棒の軸線に直交する方向に形成
すると共に、弁箱に、通水口を囲繞し、かつバル
ブ面間内に収まる肉厚部を形成する一方、肉厚部
の端面にフランジ止着用のねじ孔を形成したもの
である。

「作用」 本考案にあつては、、通水路の上流側と下流側
に、弁棒の軸線に直交する方向に直線状の通水口
を形成し、かつ通水口を囲繞してバルブ面間内に
収まる肉厚部を形成することによつて、通水口が
短くなり、肉厚部の構造が単純化され、木型の製
作、鋳造時の型抜きが容易に行なえる。

「実施例」 以下、第１図ないし第３図に基づいて本考案の
一実施例を説明する。

図中Ａは、本考案の通水口付バルブである。こ
の通水口付バルブＡは横軸形バタフライ弁構造の
ものであり、円筒状の弁箱１と、この弁箱１の軸
方向ほぼ中心に設けられ、かつ弁箱１の内部の通
水路２を開閉する円板状の弁体３と、上記弁箱１
に軸受４を介して回動自在に設けられ、かつ弁体
３を支持し、回動させる弁棒５と、この弁棒５に
連結され、かつ図示しないハンドル車によつて弁
棒５を回動させる減速機６と、この減速機６と上
記弁箱１との間に介装され、かつ上記弁棒５を覆
う接続台７と、上記弁箱１の上部の、上記弁体３
の上流側と下流側の位置にそれぞれ形成された直
線状の通水口８とを主体として構成されている。

上記弁箱１には、上記各通水口８を囲繞し、か
つバルブ面１ａ，１ｂ間内に収まる四角形状の肉
厚部（通水管）９が形成されており、これらの肉
厚部９の上端面には、フランジ止着用のねじ孔９
ａがそれぞれ穿設されている。

上記のように構成された通水口付バルブＡを製
作するに際しては、横軸形のバタフライ弁構造の
ため、減速機６等の接触干渉を考慮することな
く、各通水管９を直線状にかつ短く上方に形成す
ることができるから、鋳物製の弁箱１の木型の改
造あるいは新規の製作が容易で、安価にできる。
また、鋳造時の型抜きも容易で、しかも弁箱１の
流水方向を短くできるから、その分、バルブ収納
用の弁室のスペースを小さくできる。さらに、通
水口８が直線状に形成されているから、塗装（特
に粉体塗装）が行ない易い上に、例えば、上流側
と下流側の通水管９どうしをバイパス管及び開閉
弁で連結してバイパス回路を構成した場合に、通
水口８が短く、複雑でないから、流体が流れる際
の損失が少なく抑制できる。

なお、本考案の通水口付バルブＡは、上記実施
例に限られることなく、本考案の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の変更を加え得ることは勿論であ
る。

例えば、 上記バイパス回路を構成する場合に、通水口
８を水平に、かつ弁棒５を鉛直方向にそれぞれ
位置させた状態で使用してもよい。

フランジレスバルブ等の本体接続フランジの
ない形式のバルブにおいてより有効に適用でき
る。

上記弁箱１を上下逆に設置して、通水口８を
ドレン抜き用に使用してもよい。

上記肉厚部（通水管）９は、四角形状に形成
されているが、相手側は丸フランジを有するバ
ルブ等であつても取付けることが可能である。

上記肉厚部９は、個々に独立して形成されて
いるが、両者を一体に形成してもよい。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案にあつては、弁箱
内の弁体を挾んで通水路の上流側と下流側に、直
線状の通水口を、弁棒の軸線に直交する方向に形
成すると共に、弁箱に、通水口を囲繞し、かつバ
ルブ面間内に収まる肉厚部を形成する一方、肉厚
部の端面にフランジ止着用のねじ孔を形成したも
のであるから、弁箱を鋳物で製作する場合に、木
型の改造あるいは新規の作成及び鋳造時の型抜き
が容易で安価にかつコンパクトに製作でき、塗装
等も行ない易いという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は正面図、第２図は平面図、第３
図は側面図である。 Ａ…通水口付バルブ、１…弁箱、２…通水路、
３…弁体、５…弁棒、８…通水口、９…肉厚部
（通水管）、１ａ，１ｂ…バルブ面、９ａ…ねじ
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部を通水路が貫通する弁箱と、該弁箱内に設
   けられ、かつ上記通水路を開閉する弁体と、該弁
   体を支持する弁棒等で構成されたバルブにおい
   て、上記弁箱内の弁体を挾んで上流側と下流側
   に、直線状の通水口が上記弁棒の軸線に直交する
   方向にそれぞれ形成されると共に、上記弁箱に、
   上記通水口を囲繞し、かつバルブ面間内に収まる
   肉厚部が形成される一方、該肉厚部の端面にフラ
   ンジ止着用ねじ孔が形成されたことを特徴とする
   通水口付バルブ。