JPH0332785Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は発電された電力により蓄電池へ充電す
る場合に過充電されることおよび使用電気部品に
過電圧が負荷されることを防止するためにダミー
抵抗を用いて放電させる波力発電装置に関するも
のである。

（従来の技術） 従来より用いられている波力発電装置は、第８
図で示すように、空気タービン１を筺体２の上方
に配設し、空気タービン１の上部に発電機３を直
結して配置し、空気タービン１の下方には空気出
入口４を設けて弁５を取り付け、空気タービン１
の上方にも空気出入口６を設けて弁７を取り付
け、弁７を取り付けた筺体２の上部に管制器８を
入れるための収容部９とダミー抵抗１０を入れる
ためのダミー抵抗函１１を配設している。

このような波力発電装置では、空気出入口４と
空気出入口５を弁５と弁７との動作により出入り
する空気によつて空気タービン１を回転させ、直
結した発電機３によつて電力を得るようにしてい
る。この発電された電力により蓄電池（図示せ
ず）へ充電させる場合に、過充電および過電圧に
なることを防止するためにダミー抵抗１０として
セメント抵抗を結線し、ダミー抵抗函１１へ入れ
て熱の発生を、筺体２を介して放熱することによ
り余剰電力を消費させていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の波力発電装置では、セメント抵抗を
ダミー抵抗１０として使用し、ダミー抵抗函１１
へ収納させたことにより、ダミー抵抗函１１が必
要となるばかりでなく、防水性を持たせ、しかも
ダミー抵抗函の容積すなわち全表面積によつてダ
ミー抵抗１０の抵抗容量が制限を受けるために、
ダミー抵抗函が小さい場合には抵抗の表面温度が
高くなり、ダミー抵抗函の熱を必要な温度に下げ
るには容積が大きくなりすぎ、さらに、ダミー抵
抗函１１を設けることによつて筺体２の上部構造
が複雑となる等、放電効率の低下および製作費の
上昇等の問題点を生じていた。

本考案の目的は、余剰電力を発熱消費するため
のヒーター型ダミー抵抗を空気流路中に配設する
ことによつて、効率良く電力を消費させるととも
に製作を容易にして、上記問題点を解決した波力
発電装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記問題点を解決するための手段と
して、波力発電装置を構成するにあたり、余剰電
力を発熱消費するためのヒーター型ダミー抵抗を
ダミー抵抗函で覆うことなく空気流路中に配設し
たものである。

（作用） 本考案は上記構成により、余剰電力をヒーター
型ダミー抵抗に流し、これによつて加熱すること
により消費させるとともに、ヒーター型ダミー抵
抗の熱を空気タービンに流入する空気に放熱して
放熱効率を向上させることができ、しかもヒータ
ー型ダミー抵抗の形状および空気流路の配設箇所
に対する自由度が大きくなつて製作性が向上し、
設計・製作を容異にし、製作費を安価にする。

（実施例） 以下、本考案の図示例を説明する。

第１実施例は、第１図および第２図で示すよう
に、軸流型空気タービンを用いた波力発電装置１
２の場合で、空気タービン１３の軸芯を垂直方向
に向け、空気タービン１３に直結した発電機１４
を空気タービン１３の上側に配設して、この発電
機１４を直結した空気タービン１３を筺体１５の
中央部に形成したタービン函１６の中に内蔵し、
このタービン函１６の空気タービン配設位置の上
方と下方にそれぞれ複数個の空気出入口１７，１
８を設けて、空気出入口１７，１８に動作方向の
異なる弁１９，２０を取り付け、弁１９，２０を
取り付けた空気出入口１７，１８を少なくとも１
つずつ対にしてカバーするようにタービン函１８
の外側面にエアダクトを形成する弁カバー２１，
２２を配設し、弁カバー２１の下端部に空気フイ
ルタ２１ａを取り付けて下端を外部に開口し、弁
カバー２２の下端をブイ１５ａ側の空気室１５ｂ
に連通させ、タービン函１６の上端外力に管制器
２３を収容する管制器函２４を設けて、管制器函
２４の側面に電流計窓２５を設けるとともに管制
器函２４の端面に取り付ける蓋体２６側に充電ス
イツチ２７を設け、さらにタービン函１６の上端
の管制器函２４が配設されていない箇所にタービ
ン側の点検窓２８を設ける。これに加えて、ター
ビン函１６の上端部内側にリング型に形成した鉄
クロム系材料からなるヒーター２９を配設し、必
要ならばタービン函１６の下端部内側にリング型
ヒーター３０を設ける。ヒーター２９あるいは３
０とは管制器函２４に収容された管制器２３に配
線（図示せず）で接続し、管制器２３の制御によ
り電流が流される。このヒーター２９あるいは３
０の配設位置は空気タービン１３により仕切られ
たタービン函１６のどの位置に配設しても良く、
また、タービン函１６の空気タービン１３によつ
て仕切られた室の一方のどちら側に配設しても良
く、また両側に配設しても良い。さらに空気ター
ビン１３の空気流入口または空気流出口の直近に
設けても良い。またヒーター２９あるいは３０の
形状は単なるリングでなく、空気の整流板のよう
な形状に形成しても良い。また、ヒーター２９あ
るいは３０は裸線よりもシース管で保護された形
状のものが耐食性を向上させることができてより
望ましい形状となる。

このように構成した波力発電装置１２では、波
の動きによりブイ１５ａの空気室１５ｂを出入す
る空気が、第２図中の矢線で示すように、弁カバ
ー２１，２２とタービン函１６によつて形成され
た空気出路を流れる時に、空気タービン１３に流
入する前または後もしくは前後で、発熱している
ヒーター２９あるいは３０から吸熱して、空気タ
ービン１３およびタービン函１６を出入りする。
これによりヒーター２９あるいは３０は空気によ
る強制対流熱伝達で放熱させられ、電力を効率良
く消費させることができ、過充電や過電圧の負荷
を効果的に防止することができるようになり、使
用電気部品の耐熱強度を低下できるようになり、
より安価な部品を選択できるようになる。ヒータ
ー２９あるいは３０を空気流路中に配設したこと
により、特別なダミー抵抗函を設ける必要がなく
なり、筺体１５の構造が簡単化し、コンパクトに
できる。

また、ヒーター２９あるいは３０により空気タ
ービン１３を出入りする空気に熱を与えるため、
従来装置よりも乾燥した空気を空気タービン１３
に流すことができ、より乾燥した条件で使用する
ことができるようになつて耐食性が向上する。

第２実施例は、第３図および第４図で示すよう
に、慣性型空気タービンを用いた波力発電装置３
１の場合で、空気タービン３２に直結される発電
機３３は断面矩形の筺体３４の外側に配設され、
筺体３４の内側に設けた空気タービン３２の直近
には２つの案内部材３５，３６が配設されて空気
タービン３２へ整流した空気を導入する空気流入
路を形成し、筺体３４の上端部にはフイルタ３７
を設けた開口部を設けて空気を出入させ、筺体３
４の下端部はブイ３８に取り付けて開口部をブイ
３８の空気室３８ａに連通させる。このように形
成した筺体３４の内側最上端部に壁面を沿つて折
り曲げたヒーター３９を取り付ける。

ヒーター３９は、第５図乃至第７図で示すよう
に、壁面に沿つた平面形に形成したステンレス鋼
製保護管４０にケーブル接続部４１を設け、その
ケーブル接続部４１に一端が開口したケーブル保
護管４２を接続して、ケーブル接続部４１におい
てケーブル４３の端子４４の一方をヒーター３９
の端子４５に接続し、ケーブル４３の端子４４の
他方をケーブル保護管４２の開口から出して制御
装置側配線（図示せず）と接続できるようにす
る。

保護管４０の内部にはニクロム線等からなる発
熱体４６を粉末状絶縁体４７で保護管４０との間
を電気的に絶縁して配設する。発熱体４６の端部
をねじを形成した端子４８に接続して保護管４０
と端子４８との間に絶縁性端子固定材４９と絶縁
性保護管端部材５０を配設して保護管付ヒーター
を形成し、端子４８の保護管４０から突出した部
分に座金５１を外嵌し、ナツト５２を螺合したケ
ーブル４３の端子４４を接続できるようにする。

このように構成した波力発電装置３１では、ブ
イ３８の空気室３８ａから筺体３４の外部までの
間を出入する空気が案内部材３５，３６によつて
整流され、空気タービン３２を回転、駆動し、発
電機３３を作動して発電させる。この時筺体３４
の開口部に設けられたフイルタ３７を介して出入
する空気がフイルタ３７の近くに配設されている
ヒーター３９から強制対流熱伝達により吸熱し、
ヒーター３９の電力を消費させる。これにより第
１実施例と同様の効果が上げられる。

（考案の効果） 以上のように本考案は、過剰電力を発熱消費す
るためのヒーター型ダミー抵抗を波力発電装置内
に形成した空気流路中に配設したため、出入する
空気によつて強制空冷されてヒーター型ダミー抵
抗の放熱効率が向上し、電力消費が効果的に行な
われて過充電、および過電圧負荷が効果的に防止
できるとともに、特別なダミー抵抗函を不要に
し、筺体の構造を簡素化して、製作を容易にし、
費用を安価にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による第１実施例の波力発電装
置を示す部分断面斜視図、第２図は本考案による
第１図で示す波力発電装置の作用を説明する縦断
面説明図、第３図は本考案による第２実施例の波
力発電装置を示す部分断面斜視図、第４図は第３
図で示す波力発電装置の作用を説明する縦断面説
明図、第５図は本考案による第２実施例で用いら
れたヒーターを示す平面図、第６図は本考案によ
る第２実施例で用いられたヒーターを示す部分側
面図、第７図は本考案による第２実施例で用いら
れたヒーターを示す部分破断側面図、第８図は従
来の波力発電装置を示す部分断面斜視図。 １２……波力発電装置、１３……空気タービ
ン、１５……筺体、１６……タービン函、１７，
１８……空気出入口、１９，２０……弁、２１，
２２……弁カバー、２９，３０……ヒーター（ダ
ミー抵抗）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 余剰電力を発熱消費するためのヒーター型ダミ
   ー抵抗をダミー抵抗函で覆うことなく空気流路中
   に配設したことを特徴とする波力発電装置。