JPH033219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は木製家具の引出にレールを取付ける装
置に関する。

〔従来の技術〕

木製家具の引出は、引出の横板や底板が引出を
収納する家具の桟に支えられて、桟上を摺動する
ことにより、出し入れするものであるが、引出も
桟も木でできているため摺動部は摩擦抵抗が大き
く、出し入れが円滑に行えなかつた。また、木製
家具では長い間には引出と桟の摺動部が摩耗して
しまうという欠点もあつた。

従来より金属製の机やキヤビネツトの引出には
摺動性をよくするために引出レールの設置が行わ
れていたが、近時高級木製家具にも上記欠点を解
消するため引出レールが使用されるようになつて
きている。

一般に木製家具に使用する引出レールは、引出
の横板に取付ける横板レールと家具の側板に取付
ける側板レールから構成されている。横板レール
は断面が略コ字形で引出の横板に刻設した溝内に
設置し、横板レールに穿設した穴から木ネジを通
して引出の横板に取付けていた。また、側板レー
ルも断面が略コ字形で側板レールに穿設した穴か
ら木ネジを通して家具の側板に取付けていた。側
板レールは横板レールの内側を走行するものであ
る。

引出レールは、引出を勢いよく引出した時でも
引出が抜け落ちないように、横板レールと側板レ
ールとには抜け防止策がなされている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、家具は引出の内部の掃除をしたり、
家具を移動させる時に引出を引き抜くことがあ
る。しかるに従来の引出レールを設置した引出で
は前述の如く、横板レールは引出の横板に、また
側板レールは家具の側板に木ネジで強固に取付け
てあり、しかもこれらのレールは互に抜けないよ
うになつていることから、引出を引き抜く時に
は、引出を家具から少し引出して引出の横板に横
板レールの穴からネジ込んであつた木ネジをドラ
イバーではずさなければならなかつた。また、引
出内の掃除や家具の移動後に引出を家具に戻し、
引出に横板レールを取付ける場合もドライバーで
木ネジを螺入しなければならないものである。

従つて、引出の引き抜き、戻しには必ずドライ
バーが必要となるためドライバーを用意しておか
なければならなかつた。しかも木ネジの螺合、螺
出は手間がかかるものであり、特にドライバーの
ような工具の使用機会の少ない女性にとつては苦
手な作業でもあつた。さらに木ネジは螺合、螺出
を何度も行うとネジ穴が崩れて木ネジがきかなく
なり、レールの取付が不安定になるという不都合
もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、横板レールが側板レールと一体とな
つており、しかも横板レールは単に引出の荷重を
支えるだけであることから、横板にネジで完全に
固定しなくとも横板の溝内で移動しない程度の取
付けで十分であることに着目してなされたもので
ある。

本考案の特徴とするところは、本体には引出の
横板に埋込む埋込部が形成されており、該埋込部
は横板レールを横方に挿入させることができる構
造になつているとともに、埋込部の底面にはバネ
付勢された嵌合突起が設置されている引出レール
取付装置である。

〔実施例〕

引出レール取付装置の本体１には有底筒状の埋
込部２が形成されており該埋込部は横板レールが
横方から挿入できるように両側が削除されてい
る。埋込部２の前面上下部には横長の鍔３が設置
されており、該鍔には埋込部に挿入した横板レー
ルの脱落を防止する脱落防止片４が形成されてい
る。また鍔の一端には横板レールの挿入を所定の
位置で止めるストツパー５が設置されている。埋
込部２の底面はコ字形に切込がなされ舌状片６が
形成されているが、該舌状片はコ字形に切込んで
あることにより弾性が付与されている。舌状片に
は半円の嵌合突起７が形成されている。嵌合突起
７は切込のある方が肉厚となつており、円弧方向
に肉厚が薄くなるような傾斜が付されている。

次に上記構造を有する本考案引出レールの取付
けについて説明する。

先ず、引出の横板８には、略中央に横板レール
９が容易に入ることができる溝１０を刻設すると
ともに、横板８の端部近くに埋込部の外経と略同
一の埋込穴１１を刻設しておく。また、横板レー
ル９には横板レール９を埋込部２の底面と脱落防
止片４間に挿入してストツパー５で止まつた時、
舌状片６の嵌合部７と一致するところに該嵌合部
より少し大きな半円形の嵌合穴１２を穿設してお
く。

横板レールと側板レールから成る引出レール
は、第３図に示すように家具１３の側板１４に側
板レール１５を木ネジ１６で固定する。そして、
引出の横板８には埋込部２を穴１１に、ストツパ
ー５を溝１０の端部になるようにして本体１を設
置しておく。斯様にして引出レールと本体を取付
けた後、横板８の溝１０に横板レールが入るよう
にして引出１６を家具１３内に或る程度進入さ
せ、溝１０内にある横板レールを引き出し、本体
１内の挿入部に挿入させると同時に、嵌合突起７
を横板レールの嵌合穴１２に嵌合させる。この
時、嵌合突起７は挿入方向から徐々に傾斜が高く
なつており、また嵌合突起が形成されている舌状
片６は弾性があるため、嵌合穴１２は嵌合突起に
容易に嵌合するが、嵌合後は抜けにくくなる。

引出を家具から引抜く時、即ち横板レール９を
本体１から取りはずす時、横板レールの嵌合穴１
２から少し突出している嵌合突起７を舌状片のバ
ネ付勢に抗して指先で押し込め、嵌合穴と嵌合突
起の嵌合を解いた後、引出を引くと、きわめて簡
単に引抜くことができる。

〔考案の効果〕

本考案は、横板レールの横板への取付け、取り
はずしをドライバーのような工具を用いずとも行
えるため、引出の引き抜き、戻しの作業がきわめ
て簡単となり、しかも該作業を何度繰返しても、
横板レールの取付が不安定になるようなことがな
いという優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案引出レール取付装置、横板レー
ルおよび引出の横板の斜視図、第２図は本考案引
出レール取付装置を横板に取付けた時の正面図、
第３図は本考案引出レールの取付状態を説明する
斜視図である。 １……引出レール取付装置の本体、２……埋込
部、６……舌状片、７……嵌合突起、９……横板
レール、１２……嵌合穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体には引出の横板に埋込む埋込部が形成され
   ており、該埋込部は横板レールを横方に挿入させ
   ることができる構造になつているとともに、埋込
   部の底面にはバネ付勢された嵌合突起が設置され
   ていることを特徴とする引出レール取付装置。