JPH0331680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は船外機又は船内外機で駆動され重心位
置が比較的船尾に寄つた船舶即ち滑走艇の停止位
置安定装置に関する。

（従来の技術） 一般に第１図示のように船外機ａ等を取付けた
滑走艇ｂの重心Ｇは極めて船尾側にあるのでその
停止時には風により船首が旋回揺動し易く、常に
一定方向に艇を維持することが困難で特に釣をす
る場合に不便である。出願人はこうした不便の解
決手段として、船尾にマストを延長して設けこれ
にスパンカーを張設する考案（実公昭58−20474）
及び船首側の船底に方向板を設けて水の抵抗で位
置を安定させる考案（実公昭58−27916）を提案
したが、いずれもその設置場所が船外であるので
波高が大きいと着脱に時間が掛り転落等の危険が
ある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は短時間に安全に着脱可能な停止位置安
定装置を提供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 本考案に於ては、重心が船尾側にある滑走艇に
於いて、該滑走艇の船首側の艇上に、帆布、合板
その他の平坦部材をその平坦面を該滑走艇の側方
に向けて直立して設けたことを特徴とする。

（作用） 船首側に設けた平坦部材は風を受けて重心の前
方の船首側に大きな回転モーメントを与え、船首
を常に安定的に風下に向けた状態で船位の維持を
図れる。

そして風或は潮流によつて押し流される速度に
等しい逆方向の速度を機関を後進させることによ
り与えれば艇を一定のポイントに常駐させること
が出来る。

（実施例） 本考案の実施例を図面第２図につき説明する
と、符号１は船外機２を取付けた滑走艇、３は該
滑走艇の重心位置を示し、その船首側４に合板製
の平坦部材５をその平坦面５ａを側方に向けて甲
板上の受具６，６上に直立して設ける。該合板の
平坦部材５は例えば蝶番により連結して折畳み自
在に構成することが出来、これを拡げてその端縁
を第４図示のような受具６上の溝７に嵌着し、上
方をロープ８で船首側４のハンドレール９又はフ
エリーダー１０に固定する。１１はドライブユニ
ツトである。

この平坦部材５の着脱作業は艇上で全て行な
え、迅速且つ安全に作業出来、該部材５を設ける
ことで重心位置３から遠い位置に於て風圧を受
け、大きな回転モーメントを得ることが出来るの
で船首を風下に安定して位置させ得る。尚、釣り
等を行なうために船尾側にスパンカーを張り船位
を任意の位置に保持することは多く見られるが、
船首側に平坦部材５を設けてスパンカー機能を与
えることにより重心位置の船尾側にある船舶に極
めて簡単な方法で船位保持の機能をもたせること
が出来る。

該平坦部材５としては折畳み自在のパイプフレ
ームに帆布を張つたもので構成することも可能で
ある。

（考案の効果） このように本考案によるときは平坦面を滑走艇
の側方に向けた平坦部材をその船首側に直立して
設けて艇の方向を安定させるようにしたので、平
坦部材の着脱作業を艇上にて安全迅速に行なえ、
特に波高の大きい場合に有利である。また本考案
が適用される重心位置が船尾に寄つた艇は船外機
或は船内外機駆動によるものであるので、船尾の
最端部に位置するドライブユニツトの側面積が水
中に於て大きな抵抗を発生させており、この抵抗
は船尾側のモーメントを減殺するので比較的小さ
い平坦部材でも大きな船首側のモーメントが得ら
れ風下に船首を向けて艇を安定させることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の側面図、第２図は本考案の実
施例の側面図、第３図はその平面図、第４図は受
具の斜視図である。 １……滑走艇、４……船首側、５……平坦部
材、５ａ……平坦面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 重心が船尾側にある滑走艇に於いて、該滑走艇
   の船首側の艇上に、帆布、合板その他の平坦部材
   をその平坦面を該滑走艇の側方に向けて直立して
   設けたことを特徴とする滑走艇の停止位置安定装
   置。