JPH0331556B2 - - Google Patents
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- JPH0331556B2 JPH0331556B2 JP4233887A JP4233887A JPH0331556B2 JP H0331556 B2 JPH0331556 B2 JP H0331556B2 JP 4233887 A JP4233887 A JP 4233887A JP 4233887 A JP4233887 A JP 4233887A JP H0331556 B2 JPH0331556 B2 JP H0331556B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
- B23K35/3033—Ni as the principal constituent
- B23K35/304—Ni as the principal constituent with Cr as the next major constituent
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐食用オーステナイト系ステンレス
鋼、高合金の溶接に供せられる高Ni合金溶接ワ
イヤに関わるものである。 〔従来の技術〕 近年、種々の化学プラントや石油・天然ガスの
輸送の分野、あるいは海水利用技術、等におい
て、苛酷化する使用環境に耐える耐食材料が要求
されてきており、これに伴い各種の高耐食オース
テナイト系ステンレス鋼、高合金が開発・適用さ
れつつある。これらの材料を構造材料として適用
する場合、その多くは施工上溶接が必要となる
が、一般に凝固組織のままで使用に供される溶接
部は同組成の母材と比較して耐食性が低い。した
がつて、耐食構造物においては、全体の耐食性を
確保する上で少なくとも母材と同程度以上の耐食
性を有する溶接部の作製が必要となる。この観点
から、最近これら高耐食オーステナイト系ステン
レス鋼や高合金を母材とした溶接や、これら耐食
構造物の補修溶接においてはしばしば、共金系の
溶接材料を用いずに、インコネル625(60Ni−
22Cr−9Mo−3.5Nb、AWS−ERNiCrMo−3)
のような高Cr−高Mo含有の高Ni合金の溶接材料
が用いられている。 しかしながら、インコネル625は、本来、高強
度、耐熱用を目的とした同組成の高Ni合金の溶
接用に発達してきた経緯から、耐食用として有害
元素のCを固定するためにはNbの含有量が必要
以上に多く、このため、溶接時に高温割れが発生
しやすい、室温での機械的特性に関しては強度は
高いものの延性・靭性が低い、等の欠点があり、
耐食構造用溶接材料としては問題が多い、また、
高Ni合金溶接材料としては、従来、特開昭56−
128696号や特開昭58−66994号、特開昭58−82190
号等の公報に開示があるがこれらは主に耐熱用の
溶接金属や高温特性の改善を目的としたものであ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のように従来耐食構造に用いられてきた高
Ni溶接材料は、溶接高温割れや機械的特性の面
で必ずしも十分であるとは言えない。本発明は、
これらの点に鑑みてなされたものであり、耐食性
に優れ、かつ、耐溶接高温割れ性及び機械的特性
に関しても優れた高Ni合金溶接ワイヤを提供す
るものである。 〔問題を解決するための手段・作用〕 本発明者らは、種々の高Ni合金溶接ワイヤを
用いて溶着金属を作製し、それらの諸特性を調べ
た結果、以下の知見を得た。すなわち、従来のイ
ンコネル625相当の高Ni合金溶接材料に対して、
Nb含有させず、C量を0.01wt%以下に低減し、
さらに、Nを添加することによつて、溶接時の高
温割れ感受性が著しく改善されるとともに、機械
的特性面で問題であつた低延性・低靭性も大幅に
改善されることがわかつた。そして、Nの添加に
関しては0.1wt%以上添加することにより、耐溶
接高温割れ性、靭性、延性に悪影響を及ぼすこと
なく強度を改善し、かつ、耐孔食性、耐隙間腐食
性、等の耐食性も改善できることがわかつた。ま
た、さらに強度を向上させるためには、Coの添
加が有効であることもわかつた。 すらわち本発明の主旨は、wt%でC:0.01%以
下、Si:0.2%以下、Mn:0.01〜2.0%、S:0.01
%以下、P:0.01%以下、Cr:18〜25%、Ni:
55〜75%、N:0.1〜0.3%、及びMo、Wのうち
1種または2種を6〜12%含有し、さらに必要に
応じて、Co:0.1〜5%を含有することを特徴と
する高Ni合金溶接ワイヤにある。 次に本発明の成分限定理由について述べる。 まずCは、高Ni溶接金属においては特にCrと
結合しやすく、粒界等に炭化物として析出し、耐
食性や延性・靭性を阻害するとともに、Mo、W
とも結合して耐溶接高温割れ性も低下させる。し
たがつて、Cはできるだけ低減する必要があり、
0.01%を上限とした。 次に、Siについては、多量に含有すると溶接熱
サイクル中に高Cr−高Mo系の金属間化合物であ
るσ相の析出を著しく促進し、その結果、耐食性
や延性・靭性が低下する。したがつて、Siについ
てもできるだけ低減するのが好ましく、0.2%を
上限とした。 Mnは脱酸元素であり、同時にNの固溶も促進
するため0.01%以上含有が必要であるが、一方、
多量に含有すると耐食性等に有害な金属間化合物
の析出も促進するため、2.0%を上限とした。 S、Pはいずれも不可避的不純物元素であり、
両者とも溶接高温割れ感受性を著しく阻害する元
素である。また、多量溶接や補修溶接等の多重熱
サイクル中に粒界脆化も促進する。従つて、両元
素ともできるだけ低減する必要があり、いずれも
上限を0.01%とした。 Crは耐食性を付与する主要元素であり、その
効果を十分ならしめるためには18%以上が必要で
ある。一方、多量に含有するとワイヤの製造性が
著しく低下するとともに、耐食性に有害な金属間
化合物の析出を促す。それらを考慮して上限を25
%とした。 Niはマトリツクスを構成する主要元素である。
耐食性の確保、凝固のまま組織中でのMo、Wの
偏析の低減の観点から少なくとも55%以上の含有
が必要であるが、Cr等合金元素を表記の量含有
するためには75%が上限である。 Mo、Wはいずれもマトリツクスに固溶して、
耐食性、強度を向上させる。その効果を十分なら
しめるためには6%以上必要であるが、一方、12
%を越えて含有すると、耐食性、延性・靭性に有
害な金属間化合物の生成を著しく促進するため、
上限を12%とした。 Nはマトリツクスに固溶して、耐食性、強度を
向上させる。その効果を十分ならしめるためには
0.1%以上必要であるが、一方、0.3%を越えて含
有させるとワイヤの製造性が著しく低下し、ま
た、窒化物等の析出により溶接金属の耐食性も低
下するため、これを上限とした。 また本発明は必要に応じて0.1〜5%のCoを添
加できる。Coは通常Ni合金では不可避的に0.1%
未満含有されるが、0.1%以上添加することによ
り、強度の改善が図られる。他方5%を越えて含
有するとワイヤの製造性が低下する。したがつ
て、上限を5%とした。 上記成分以外の残部及び不可避的不純物として
はFe、Al、等があげられるが、Al含有量は現在
の合金製造技術では0.05%以下である。 なお、本発明溶接ワイヤは、TIG溶接、MIG
溶接、プラズマ溶接、サブマージアーク溶接等の
溶接法に溶接ワイヤとして使用される他、被覆ア
ーク溶接棒の芯線としても使用することができ
る。これらは、高耐食オーステナイト系ステンレ
ス鋼及び高耐食高合金の溶接に適用されるととも
に、それら構造物の補修溶接あるいは肉盛、等に
適用できることは言うまでもない。 〔実施例〕 以下、実施例にて本発明を説明する。 表1に示す5種の高Ni合金溶接ワイヤ(1.6φ)
を作製した。表中、No.1〜3は本発明ワイヤであ
り、No.4、5は比較のための溶接ワイヤで、とく
にNo.4は従来この種の溶接に用られてきたインコ
ネル625相当の溶接ワイヤである。
鋼、高合金の溶接に供せられる高Ni合金溶接ワ
イヤに関わるものである。 〔従来の技術〕 近年、種々の化学プラントや石油・天然ガスの
輸送の分野、あるいは海水利用技術、等におい
て、苛酷化する使用環境に耐える耐食材料が要求
されてきており、これに伴い各種の高耐食オース
テナイト系ステンレス鋼、高合金が開発・適用さ
れつつある。これらの材料を構造材料として適用
する場合、その多くは施工上溶接が必要となる
が、一般に凝固組織のままで使用に供される溶接
部は同組成の母材と比較して耐食性が低い。した
がつて、耐食構造物においては、全体の耐食性を
確保する上で少なくとも母材と同程度以上の耐食
性を有する溶接部の作製が必要となる。この観点
から、最近これら高耐食オーステナイト系ステン
レス鋼や高合金を母材とした溶接や、これら耐食
構造物の補修溶接においてはしばしば、共金系の
溶接材料を用いずに、インコネル625(60Ni−
22Cr−9Mo−3.5Nb、AWS−ERNiCrMo−3)
のような高Cr−高Mo含有の高Ni合金の溶接材料
が用いられている。 しかしながら、インコネル625は、本来、高強
度、耐熱用を目的とした同組成の高Ni合金の溶
接用に発達してきた経緯から、耐食用として有害
元素のCを固定するためにはNbの含有量が必要
以上に多く、このため、溶接時に高温割れが発生
しやすい、室温での機械的特性に関しては強度は
高いものの延性・靭性が低い、等の欠点があり、
耐食構造用溶接材料としては問題が多い、また、
高Ni合金溶接材料としては、従来、特開昭56−
128696号や特開昭58−66994号、特開昭58−82190
号等の公報に開示があるがこれらは主に耐熱用の
溶接金属や高温特性の改善を目的としたものであ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のように従来耐食構造に用いられてきた高
Ni溶接材料は、溶接高温割れや機械的特性の面
で必ずしも十分であるとは言えない。本発明は、
これらの点に鑑みてなされたものであり、耐食性
に優れ、かつ、耐溶接高温割れ性及び機械的特性
に関しても優れた高Ni合金溶接ワイヤを提供す
るものである。 〔問題を解決するための手段・作用〕 本発明者らは、種々の高Ni合金溶接ワイヤを
用いて溶着金属を作製し、それらの諸特性を調べ
た結果、以下の知見を得た。すなわち、従来のイ
ンコネル625相当の高Ni合金溶接材料に対して、
Nb含有させず、C量を0.01wt%以下に低減し、
さらに、Nを添加することによつて、溶接時の高
温割れ感受性が著しく改善されるとともに、機械
的特性面で問題であつた低延性・低靭性も大幅に
改善されることがわかつた。そして、Nの添加に
関しては0.1wt%以上添加することにより、耐溶
接高温割れ性、靭性、延性に悪影響を及ぼすこと
なく強度を改善し、かつ、耐孔食性、耐隙間腐食
性、等の耐食性も改善できることがわかつた。ま
た、さらに強度を向上させるためには、Coの添
加が有効であることもわかつた。 すらわち本発明の主旨は、wt%でC:0.01%以
下、Si:0.2%以下、Mn:0.01〜2.0%、S:0.01
%以下、P:0.01%以下、Cr:18〜25%、Ni:
55〜75%、N:0.1〜0.3%、及びMo、Wのうち
1種または2種を6〜12%含有し、さらに必要に
応じて、Co:0.1〜5%を含有することを特徴と
する高Ni合金溶接ワイヤにある。 次に本発明の成分限定理由について述べる。 まずCは、高Ni溶接金属においては特にCrと
結合しやすく、粒界等に炭化物として析出し、耐
食性や延性・靭性を阻害するとともに、Mo、W
とも結合して耐溶接高温割れ性も低下させる。し
たがつて、Cはできるだけ低減する必要があり、
0.01%を上限とした。 次に、Siについては、多量に含有すると溶接熱
サイクル中に高Cr−高Mo系の金属間化合物であ
るσ相の析出を著しく促進し、その結果、耐食性
や延性・靭性が低下する。したがつて、Siについ
てもできるだけ低減するのが好ましく、0.2%を
上限とした。 Mnは脱酸元素であり、同時にNの固溶も促進
するため0.01%以上含有が必要であるが、一方、
多量に含有すると耐食性等に有害な金属間化合物
の析出も促進するため、2.0%を上限とした。 S、Pはいずれも不可避的不純物元素であり、
両者とも溶接高温割れ感受性を著しく阻害する元
素である。また、多量溶接や補修溶接等の多重熱
サイクル中に粒界脆化も促進する。従つて、両元
素ともできるだけ低減する必要があり、いずれも
上限を0.01%とした。 Crは耐食性を付与する主要元素であり、その
効果を十分ならしめるためには18%以上が必要で
ある。一方、多量に含有するとワイヤの製造性が
著しく低下するとともに、耐食性に有害な金属間
化合物の析出を促す。それらを考慮して上限を25
%とした。 Niはマトリツクスを構成する主要元素である。
耐食性の確保、凝固のまま組織中でのMo、Wの
偏析の低減の観点から少なくとも55%以上の含有
が必要であるが、Cr等合金元素を表記の量含有
するためには75%が上限である。 Mo、Wはいずれもマトリツクスに固溶して、
耐食性、強度を向上させる。その効果を十分なら
しめるためには6%以上必要であるが、一方、12
%を越えて含有すると、耐食性、延性・靭性に有
害な金属間化合物の生成を著しく促進するため、
上限を12%とした。 Nはマトリツクスに固溶して、耐食性、強度を
向上させる。その効果を十分ならしめるためには
0.1%以上必要であるが、一方、0.3%を越えて含
有させるとワイヤの製造性が著しく低下し、ま
た、窒化物等の析出により溶接金属の耐食性も低
下するため、これを上限とした。 また本発明は必要に応じて0.1〜5%のCoを添
加できる。Coは通常Ni合金では不可避的に0.1%
未満含有されるが、0.1%以上添加することによ
り、強度の改善が図られる。他方5%を越えて含
有するとワイヤの製造性が低下する。したがつ
て、上限を5%とした。 上記成分以外の残部及び不可避的不純物として
はFe、Al、等があげられるが、Al含有量は現在
の合金製造技術では0.05%以下である。 なお、本発明溶接ワイヤは、TIG溶接、MIG
溶接、プラズマ溶接、サブマージアーク溶接等の
溶接法に溶接ワイヤとして使用される他、被覆ア
ーク溶接棒の芯線としても使用することができ
る。これらは、高耐食オーステナイト系ステンレ
ス鋼及び高耐食高合金の溶接に適用されるととも
に、それら構造物の補修溶接あるいは肉盛、等に
適用できることは言うまでもない。 〔実施例〕 以下、実施例にて本発明を説明する。 表1に示す5種の高Ni合金溶接ワイヤ(1.6φ)
を作製した。表中、No.1〜3は本発明ワイヤであ
り、No.4、5は比較のための溶接ワイヤで、とく
にNo.4は従来この種の溶接に用られてきたインコ
ネル625相当の溶接ワイヤである。
【表】
まずこれらの溶接ワイヤを用いて、2種の代表
的な高耐食材料をTIG溶接にて溶接した。母材と
して用いた2種の高耐食材料の化学成分を表2に
示すが、AはASTM−A240−S31245相当の高耐
食γ系ステンレス鋼であり、Bはインコネル625
(ASME−SB−443)相当の高Ni合金である。な
お、母材はいずれも5mm厚の板であり、溶接開先
形状はY開先(80゜、root face:0.5mm、root間隔
無し)である。
的な高耐食材料をTIG溶接にて溶接した。母材と
して用いた2種の高耐食材料の化学成分を表2に
示すが、AはASTM−A240−S31245相当の高耐
食γ系ステンレス鋼であり、Bはインコネル625
(ASME−SB−443)相当の高Ni合金である。な
お、母材はいずれも5mm厚の板であり、溶接開先
形状はY開先(80゜、root face:0.5mm、root間隔
無し)である。
【表】
また、TIG溶接は、シールドガスとしてArを
使用し、溶接電流150A、電圧15V、溶接速度10
cm/min.にて行つた。 作製した溶接部は、それぞれ耐食性、機械的特
性を調べた。耐食性については、高耐食材料にお
いては特に優れた耐局部的腐食特性が求められる
ことから、耐孔食性及び耐粒界腐食性を調べた。
耐孔食性は、塩化物環境での臨界孔食発生温度
(CPT)を求め評価した。腐食環境としてはJIS
−G0578−1981に定める6%塩化第二鉄+0.05N
塩酸水溶液を用いた。臨界孔食発生温度は、5℃
間隔で管理された腐食環境に24時間浸漬し、孔食
の発生しない最高温度を求め、それを定義した。
また、耐粒界腐食性については、JIS−G0571−
1980に定めるしゆう酸エツチ試験及びJIS−
G0573−1980に定める65%硝酸腐食試験(Heuy
試験)によつて評価した。耐孔食性の評価試験及
び、沸騰硝酸試験の試験片は、いずれも溶接部を
中央に含むよう30×30mmの大きさを採取し、余盛
を削除して元厚(5mmt)のまま用いた。一方、
機械的特性としては、溶接引張試験、溶接金属の
シヤルピー衝撃試験、及び溶接継手の表・裏曲げ
試験から評価した。継手引張試験は、溶接継手か
ら余盛削除した試験片(1号試験片、JIS−
Z3121−1961)を採取し、引張強度を求めた。シ
ヤルピー衝撃試験は、溶接方向に垂直方向からサ
ブサイズシヤルピー試験片(5t×10w×55Lmm)
をを採取、0℃にて試験し吸収エネルギーを求め
た。曲げ試験は、溶接継手から溶接方向に垂直方
向から余盛削除した試験片(5t×30w×250Lmm)
を採取し、溶接部を表または裏からローラ曲げ
(JIS−Z3124−1960、曲げ半径;R=10mm)し、
溶接継手の曲げ延性を評価した。 また、それぞれの溶接ワイヤ成分の溶接高温割
れ感受性をC型ジグ拘束突合せ溶接割れ試験
(JIS−Z3155−1974)により調べた。試験片とし
ては上記溶接継手特性評価に用いたのと同じ2種
の耐食材料を用い、TIG溶接により各溶接ワイヤ
による溶接部の割れを調べた。 表3にそれぞれの腐食試験の結果を示し、表4
に機械試験及び高温割れ試験の結果を示す。
使用し、溶接電流150A、電圧15V、溶接速度10
cm/min.にて行つた。 作製した溶接部は、それぞれ耐食性、機械的特
性を調べた。耐食性については、高耐食材料にお
いては特に優れた耐局部的腐食特性が求められる
ことから、耐孔食性及び耐粒界腐食性を調べた。
耐孔食性は、塩化物環境での臨界孔食発生温度
(CPT)を求め評価した。腐食環境としてはJIS
−G0578−1981に定める6%塩化第二鉄+0.05N
塩酸水溶液を用いた。臨界孔食発生温度は、5℃
間隔で管理された腐食環境に24時間浸漬し、孔食
の発生しない最高温度を求め、それを定義した。
また、耐粒界腐食性については、JIS−G0571−
1980に定めるしゆう酸エツチ試験及びJIS−
G0573−1980に定める65%硝酸腐食試験(Heuy
試験)によつて評価した。耐孔食性の評価試験及
び、沸騰硝酸試験の試験片は、いずれも溶接部を
中央に含むよう30×30mmの大きさを採取し、余盛
を削除して元厚(5mmt)のまま用いた。一方、
機械的特性としては、溶接引張試験、溶接金属の
シヤルピー衝撃試験、及び溶接継手の表・裏曲げ
試験から評価した。継手引張試験は、溶接継手か
ら余盛削除した試験片(1号試験片、JIS−
Z3121−1961)を採取し、引張強度を求めた。シ
ヤルピー衝撃試験は、溶接方向に垂直方向からサ
ブサイズシヤルピー試験片(5t×10w×55Lmm)
をを採取、0℃にて試験し吸収エネルギーを求め
た。曲げ試験は、溶接継手から溶接方向に垂直方
向から余盛削除した試験片(5t×30w×250Lmm)
を採取し、溶接部を表または裏からローラ曲げ
(JIS−Z3124−1960、曲げ半径;R=10mm)し、
溶接継手の曲げ延性を評価した。 また、それぞれの溶接ワイヤ成分の溶接高温割
れ感受性をC型ジグ拘束突合せ溶接割れ試験
(JIS−Z3155−1974)により調べた。試験片とし
ては上記溶接継手特性評価に用いたのと同じ2種
の耐食材料を用い、TIG溶接により各溶接ワイヤ
による溶接部の割れを調べた。 表3にそれぞれの腐食試験の結果を示し、表4
に機械試験及び高温割れ試験の結果を示す。
【表】
以上の実施例からもわかるように、高Ni合金
溶接ワイヤを耐食構造物の溶接に使用する場合、
従来含有されていたNbの含有を無くし、低C化、
高N化することにより、すぐれた耐食性及び機械
的特性、耐溶接高温割れ性を有する溶接部を作製
することが可能であり、さらにCoを添加するこ
とによりこれらの優れた特性を低下させることな
くさらに高強度の溶接金属を得ることができる。
溶接ワイヤを耐食構造物の溶接に使用する場合、
従来含有されていたNbの含有を無くし、低C化、
高N化することにより、すぐれた耐食性及び機械
的特性、耐溶接高温割れ性を有する溶接部を作製
することが可能であり、さらにCoを添加するこ
とによりこれらの優れた特性を低下させることな
くさらに高強度の溶接金属を得ることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 wt%で C:0.01%以下 Si:0.2%以下 Mn:0.01〜2.0% S:0.01%以下 P:0.01%以下 Cr:18〜25% Ni:55〜75% N:0.1〜0.3% 及びMo、Wのうち1種または2種を6〜12%
含有することを特徴とする高Ni合金溶接ワイヤ。 2 wt%で C:0.01%以下 Si:0.2%以下 Mn:0.01〜2.0% S:0.01%以下 P:0.01%以下 Cr:18〜25% Ni:55〜75% Co:0.1〜5% N:0.1〜0.3% 及びMo、Wのうち1種または2種を6〜12%
含有することを特徴とする高Ni合金溶接ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233887A JPS63212091A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高Ni合金溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233887A JPS63212091A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高Ni合金溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63212091A JPS63212091A (ja) | 1988-09-05 |
JPH0331556B2 true JPH0331556B2 (ja) | 1991-05-07 |
Family
ID=12633227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4233887A Granted JPS63212091A (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 高Ni合金溶接ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63212091A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100696396B1 (ko) | 2004-10-14 | 2007-03-20 | 주식회사 이오테크닉스 | 레이저 가공 장치 |
US8168306B2 (en) | 2007-09-18 | 2012-05-01 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Weld metal compositions for joining steel structures in the oil and gas industry |
CN102019517B (zh) * | 2010-12-10 | 2012-11-21 | 哈尔滨威尔焊接有限责任公司 | 一种提高热处理后抗拉强度的不锈钢埋弧焊焊丝 |
-
1987
- 1987-02-25 JP JP4233887A patent/JPS63212091A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63212091A (ja) | 1988-09-05 |
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---|---|---|---|
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