JPH0331109B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、重量別物品例えば水産物、農産物等
を目的の場所へ搬送して所定の容器に収納する場
合に利用される物品搬送収納装置の改良に関す
る。

〔発明の技術的背景〕

従来のこの種の装置は、第５図に示すように秤
量器などを持つた多段階重量選別装置１により物
品２の重量が測定され、この測定値に基づいて予
め定められた重量別ゲート（図示せず）を開放
し、ここで重量選別された重量別物品２がその開
放ゲートを通つて搬送装置３へ供給されるように
なつている。この搬送装置３は、所定の高さに形
成された基枠４等に支持せられ、例えば物品重量
を４段階に分ける場合には図示する如く４台の無
端状搬送ベルトから成る搬送路３Ａ〜３Ｄが並設
され、各搬送ベルト３Ａ〜３Ｄの下流端は所定の
方向に曲げられている。そして、各搬送路３Ａ〜
３Ｄの下流端の下部側に水槽やバケツト等の容器
５Ａ〜５Ｄが設置され、搬送路３Ａ〜３Ｄによつ
て搬送されてくる重量別物品２が容器５Ａ〜５Ｄ
に順次収納される構成となつている。

〔背景技術の問題点〕

しかし、以上のような装置の場合には次のよう
な問題が生じる。

通常、各搬送路３Ａ〜３Ｄの幅は水槽等容器
５Ａ〜５Ｄの幅よりも狭い。このため、各搬送
路３Ａ〜３Ｄの下流端を図示するように所定方
向に曲げて大形の容器５Ａ〜５Ｄでも設置でき
るような構成をとつている。

しかし、水槽の代りにバケツト等の容器５Ａ
〜５Ｄを設置した場合にはそのバケツトの内容
積が小さいので、作業者が広い範囲にわたつて
頻繁に動き回つてバケツトを交換しかつ持ち運
ぶ必要があり、作業者における労力の負担が大
きい。

また、従来装置は、各搬送路３Ａ〜３Ｄの一
方向のみに容器５Ａ〜５Ｄを設置するものであ
るので、作業者が多いときや作業スペースが小
さい場合には混雑して作業の円滑化が図れず、
さらに作業場所が固定化されて自由度に欠ける
問題がある。

〔発明の目的〕

本発明は以上のような点に着目してなされたも
のであつて、従来と同数の無端状の搬送路で多数
の容器を設置でき、かつ容器の種類に応じて設置
場所を変えて作業が進められ、また、作業環境等
に応じて適宜作業場所を変えて能率より作業がで
きる物品搬送収納装置を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、重量別物品を搬送する複数の無端状
の搬送路の両端部に各搬送路に対応して容器を設
置可能にするとともに、作業環境等に応じて前記
搬送路の物品搬送方向を可変して重量別物品を容
器に収納する物品搬送収納装置である。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例について第１図ないし
第４図を参照して説明する。第１図は装置上面
図、第２図は搬送装置の可変搬送路駆動手段を示
す図、第３図は搬送装置の一方端側正面図、第４
図は第３図の一部切欠き外観斜視図である。

この装置は、多段階重量選別装置１０により物
品重量を、例えば、８段階に分けて搬送し、か
つ、所定の容器に収納する装置である。この多段
階重量選別装置１０により重量選別された重量別
物品（例えば水産物）１１Ａ〜１１Ｄは搬送装置
１２に供給される。

搬送装置１２は、所定の高さを有する基台１３
等に載置され、多段階重量選別装置１０の重量選
別段階数に合せて、４台の無端状の搬送ベルトに
よつて搬送路１２Ａ〜１２Ｄが形成されている。
なお、搬送路１２Ａ〜１２Ｄは、一台の幅広の無
端状コンベアを４つのガイドで仕切るように構成
してもよい。これらの搬送路１２Ａ〜１２Ｄは、
その一端側（第１図右端側）が所定方向に曲げら
れ、あるいは図示されていないが直線状に形成す
るも各搬送路端部の長さを異ならせて各搬送路ご
との占有面積を広くとり、小形から大形までの水
槽やバケツト等の容器１４Ａ〜１４Ｄを設置して
第１の物品収納部を構成している。また、搬送路
１２Ａ〜１２Ｄの他端側（第１図左端側）にはこ
れら搬送路１２Ａ〜１２Ｄの合計幅にほぼ見合う
幅をもつて構成された第２の物品収納部１５が配
置されている。

また、搬送装置１２には搬送路１２Ａ〜１２Ｄ
全体あるいは各搬送路１２Ａ〜１２Ｄごとに第２
図に示すような可変搬送路駆動手段が設けられて
いる。以下、説明の便宜上、１つの搬送路１２Ａ
だけに着目して可変搬送路駆動手段２０Ａを述べ
る。即ち、この可変搬送路駆動手段２０Ａは、ラ
イン右側の所定個所に設置して人為的な操作によ
り、搬送方向指令信号を発生するライン右側操作
スイツチ２１と、ライン右側の所定個所に例えば
光学的な物品通過検出器２２とを設置して通過す
る重量別物品１１Ａを検出するとともに、その検
出信号を計数して所定数に達したとき搬送方向指
令信号を出力するカウンタ２３との何れか一方ま
たは両方を備え、同様にライン左側にも同様の機
能をもつたライン左側操作スイツチ２４、物品通
過検出器２５、および、カウンタ２６を備えてい
る。さらに、各要素２１，２３，２４，２６の出
力端にはオアゲート２７ａ，２７ｂを介して駆動
制御回路２８が接続され、ここでオア出力の状態
を判断して所要とする回転駆動信号を正逆回転可
能な回転駆動源２９に供給し、主動回転体３０を
所要方向に回転駆動することにより、搬送路１２
Ａの物品搬送方向を可変する構成である。図中、
３１は従動回転体、Ｒは計数禁止端子である。

次に、前記第２の物品収納部１５は、具体的に
は第３図および第４図に示すように、前記搬送路
１２Ａ〜１２Ｄのライン左端側（第１図参照）に
それぞれ物品落し込み用シユート１５１Ａ〜１５
１Ｄが配置されている。これらの物品落し込み用
シユート１５１Ａ〜１５１Ｄは重量別物品１１Ａ
〜１１Ｄが円滑に滑走して落下する傾斜角度を有
する傾斜板１５２，…が底板として張設され、そ
のうち１個おき例えば１５１Ａ，１５１Ｃの傾斜
板１５２…は外部から露見され、かつその傾斜板
１５２…の傾斜角度がシユート１５１Ｂ，１５１
Ｄのそれに比べてやや緩傾斜に形成されていると
ともに、その落し込み下端位置即ちシユート下端
が高位置に設定されている。一方、物品落し込み
用シユート１５１Ｂ，１５１Ｄは、その傾斜板１
５３が傾斜板１５２よりも急傾斜に形成され、か
つそのシユート下端が傾斜板１５２よりも下位に
延在させられている。そして、この傾斜板１５３
の表面側にそれ自体が傾斜板としての底板を有す
るか否かに拘らず重量別物品１１Ｂ，１１Ｄが外
部に投げ出されないように筒状または断面凹状の
ガイド体１５４が波せられ、かつ傾斜板１５３の
下端とほぼ同位置まで下方へ伸びている。１５５
は各シユート１５１Ａ〜１５１Ｄ相互間を結ぶ支
持棒である。

さらに、物品落し込み用シユート１５１Ａ〜１
５１Ｄの下端側に棚装置１５６が設置されてい
る。この棚装置１５６は、例えば８つの棚に区分
され、第３図において左上側２つの棚１５６Ａが
シユート１５１Ａ、左下側２つの棚１５６Ｂがシ
ユート１５１Ｂ、右上側２つの棚１５６Ｃがシユ
ート１５１Ｃ、右下側２つの棚１５６Ｄがシユー
ト１５１Ｄにそれぞれ対応している。従つて、各
シユート１５１Ａ〜１５１Ｄはそれぞれ２つの棚
を所有していることになる。シユート１５１Ａ，
１５１Ｃの下端位置はそれぞれ最上位つまり上側
から１段目の棚上部に位置し、シユート１５１
Ｂ，１５１Ｄの下端位置は上側から３段目の棚上
部に位置している。しかも、上側から１段目およ
び３段目の棚底部は物品が２段目および４段目の
棚に落下する程度の隙間が全体に形成されてい
る。１５７は物品が外部に落下させないための当
て板である。さらに、各棚１５６Ａ〜１５６Ｄに
は物品収納用バケツト１５８，…が載置されてい
る。

次に、以上のように構成された装置の作用を説
明する。先ず、各搬送路１２Ａ〜１２Ｄの一端側
に水槽等の容器１４Ａ〜１４Ｄ、他端側の棚装置
１５６の各棚１５６Ａ〜１５６Ｄにバケツト１５
８，…がそれぞれ設置される。一方、可変搬送駆
動手段２０にあつては、全部の搬送路１２Ａ〜１
２Ｄに対して共通に設ける場合と個別に設ける場
合とでは異なるが、仮に全部に設けた場合につい
て述べる。

最初、第１図に示すライン右側で作業を進めた
い場合、ライン右側操作スイツチ２１をオンす
る。この操作スイツチ２１がオンすると、搬送方
向指令信号がオアゲート２７ａを通つて駆動制御
回路２８に入力され、回転駆動源２９が、例え
ば、正回転により搬送路１２２Ａ〜１２Ｄが図示
イ矢印方向に移送せられる。この結果、多段階重
量選別装置１０によつて重量選別された重量別物
品１１Ａ〜１１Ｄはそれぞれ対応する搬送路１２
Ａ〜１２Ｄで搬送されて第１図に示すライン右側
端部に達したところで水槽等の容器１４Ａ〜１４
Ｄに落下される。この容器１４Ａ〜１４Ｄの内部
には例えば塩分および氷等を含んだ水が所定量充
填されており、生鮮魚類がある時間保存できるよ
うになつている。これらの容器１４Ａ〜１４Ｄの
うち１個でも物品が所定量に達すると、別の水槽
等の容器と交換し、必要な作業が進められる。

この作業中にライン右側の作業が混雑した場
合、混雑なしでも作業場所を変えたい場合、ある
いは物品収納用バケツト１５８に収納したい場合
にはライン右側操作スイツチ２１をオフし、ライ
ン左側操作スイツチ２４をオンする。この場合、
ライン左側操作スイツチ２４から搬送方向指令信
号が出てオアゲート２７ｂを通つて駆動制御回路
２８に導入され、よつて回転駆動源２９が例えば
逆回転により搬送路１２Ａ〜１２Ｄを図示ロ矢印
方向に移送する様に動作する。この状態において
多段階重量選別装置１０によつて重量選別された
重量別物品１１Ａ〜１１Ｄがそれぞれ対応する搬
送路１２Ａ〜１２Ｄで搬送されて各搬送路１２Ａ
〜１２Ｄの下流端に到達すると、各シユート１５
１Ａ〜１５１Ｄの傾斜板１５２，…，１５３，…
に落下される。傾斜板１５２，…，１５３，…に
落下された重量別物品１１Ａ〜１１Ｄはそれぞれ
の傾斜板１５２，…，１５３，…を滑走して棚装
置１５６の上側から１段目および３段目のバケツ
ト１５８，…に順次収納されていく。１段目また
は３段目の何れかのバケツト１５８，…，重量別
物品１１Ａ〜１１Ｄが所定量収納されると、作業
員が該当するバケツト１５８を外部に取り出す。
そうすると、１段目と３段目の棚底部に隙間が形
成されているので、各シユート１５１Ａ〜１５１
Ｄから供給された重量別物品１１Ａ〜１１Ｄはそ
の隙間を通つて２段目および４段目の棚に載置さ
れるバケツト１５８，…に収納されていく。そし
て、２段目，４段目のバケツト１５８，…が所定
量に達するところで、１段目，３段目の棚にバケ
ツト１５８，…を載置するものである。２段目，
４段目のバケツト１５８，…に所定量達する前に
１段目，３段目の棚にバケツト１５８，…を載置
してもよい。

なお、水槽等の搬送路１４Ａ〜１４Ｄおよび各
棚１５６Ａ〜１５６Ｄのバケツト１５８に重量別
物品１１Ａ〜１１Ｄを所定数収納するごとに物品
搬送方向を変更したい場合、計数禁止端子Ｒへの
禁止信号を解除する。この結果、所定数を計数す
るごとにカウンタ２３または２６より搬送方向指
令信号が出力された所要の搬送路または全部の搬
送路１２Ａ〜１２Ｄを所要の物品搬送方向に移動
させることができる。

従つて、以上のような構成によば、各搬送路１
２Ａ〜１２Ｄの物品搬送方向を適宜変更して重量
別物品１１Ａ〜１１Ｄを容器１４Ａ〜１４Ｄまた
は第２の物品収納部１５のバケツト１５８，…に
収納するようにしたので、出荷その他の急ぎの具
合に応じて水槽またはバケツト１５８，…の何れ
かを選択して収納でき、また何れか一方のライン
端が混乱したり、２個所で交互に作業したいよう
な場合に適宜変更できる。従つて、作業者が円滑
かつ能率よく作業を進めることができる。さら
に、少ない搬送路を用いて多数の容器１４Ａ〜１
４Ｄ、バケツト１５８，…を設置でき、スペース
の有効利用を図ることができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるもので
はない。棚装置１５６の段数は各シユート１５１
Ａ〜１５１Ｄごとに２段としたが、それ以上であ
つてもよい。

また、各シユート１５１Ａ〜１５１Ｄは直線状
に形成されているが、任意の方向に曲げてもよい
ものである。また、１段目および３段目の棚底部
に隙間を設けたが、この隙間を設けずに１段目お
よび３段目のバケツト１５８，…が所定量に達し
たとき２段目および４段目のバケツト１５８，…
を直ちに持ち出して交換してもよい。さらに、前
記カウンタ２３，２６の出力をオアゲート２７
ａ，２７ｂから切り離し、物品が容器１４Ａ〜１
４Ｄ、バケツト１５８，…に所定数収納されたこ
とをランプその他の報知手段により作業員に知ら
せるような構成を設けてもよい。また、物品搬送
手段はベルトに限られない。スイツチ２１，２４
およびカウンタ２３，２６のオン信号ではなく、
オン信号およびオフ信号等の変化状態をとられて
搬送方向を変えてもよい。この場合にはライン一
端側で何れの搬送方向にも変更できる。その他、
本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施できる。

〔発明の効果〕

以上詳記したように本発明によれば、少ない数
の無端状の搬送路を用いて多数の容器を種類別に
分けて設置でき、また作業環境に応じて遂次作業
場所を変更して作業を進めることができる物品搬
送収納装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明に係る物品搬送収
納装置の一実施例を説明するためのもので、第１
図は装置の上面図、第２図は可変搬送路駆動手段
の概略構成図、第３図は装置の正面図、第４図は
装置の一部を拡大して示す外観斜視図、第５図は
従来装置の上面図である。 １０……多段階重量選別装置、１１Ａ〜１１Ｄ
……重量別物品、１２Ａ〜１２Ｄ……搬送ベル
ト、１４Ａ〜１４Ｄ……水槽等の容器、１５……
第２の物品収納部、２０……可変搬送駆動手段、
１５１Ａ〜１５１Ｄ……物品落し込み用シユー
ト、１５６……棚装置、１５６Ａ〜１５６Ｄ……
棚、１５８……バケツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続的に送られてくる複数個の物品を所定範
   囲ごとの重量区分に従つて選別し、各重量区分ご
   とに異なる排出口から排出する多段階重量選別装
   置１０と；前記各排出口から排出される物品を受
   け相異なる２方向に搬送することができる搬送路
   を排出口と同数有する搬送装置１２と；前記各搬
   送路の搬送方向をそれぞれ前記相異なる２方向の
   いずれかの方向に制御する可変搬送路駆動手段２
   ０と；前記各搬送路の一方側の端部にそれぞれ配
   置され、一方側に向つて搬送されてくる物品を各
   重量区分ごとに収容する複数個の容器を備えた第
   １の収納部１４と；前記各搬送路の他方側の端部
   にそれぞれ配置され、他方側に向つて搬送されて
   くる物品を各重量区分ごとに収容する複数個の容
   器を備えた第２の収納部１５とを具備し、前記第
   １，第２の収納部の各容器への物品収容状態に応
   じて物品の搬送方向を各搬送路ごとに制御可能と
   したことを特徴とする物品搬送収納装置。