JPH0330801B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば所要の間隔寸法を隔て対向状
に組付けられた一対の薄板（以下、対板という）
の板面上の多数箇所を測定点として、各測定点に
おける間隔寸法を精密測定するための間隔測定装
置に関するものである。

例えば、TV用電子銃としての被測定物Ｗは、
第１図ないし第３図に模型的に示すように、薄板
Ａと薄板Ｂの間に介置された対板により形成さ
れ、該対板１は、間隔ｄを隔てて対向する２枚の
長方形の薄板２，３により形成されていて、各薄
板２，３は、その長手方向の測定点３箇所４Ａ，
４Ｂ，４Ｃに対応した箇所に大きく孔が開けられ
た別板で裏打ちされている。

ところで、測定点４Ａ，４Ｂ，４Ｃにおける
夫々の間隔寸法ｄは、測定範囲が０〜＋1999μｍ
で選別精度が±2μｍの極めて高い精度が要求さ
れるもので、部品組付後に精密測定により不適製
品を排除する必要がある。ところで、従来は、ダ
イヤルゲージ等を用い手先業で３点の遂次測定を
行なつていた。ところが、このような従来の測定
手段では、手間が大変であるばかりでなく、測定
圧を一定に保つことが困難なために、測定値の確
度が低く、また測定操作自体にもかなりの熟練が
必要であり、その結果、良好な作業性が期待し得
ないという欠点があつた。

本発明は、測定操作を機械化するとともに上記
欠点を解消したものであつて、すなわち、本発明
の目的は、能率良くかつ高精度の多点同時測定を
行ない得るようにした間隔測定装置を提供するこ
とにある。

以下、図示の一実施例に基づいて本発明を説明
する。

すなわち、本発明を実施例に対応する図面を参
照して説明するに、 本発明は、被測定物の複数箇所を測定点とし
て、その各測定点における間隔を測定する間隔測
定装置であつて、 前記複数の測定点のうち２か所の特定測定点４
Ａ，４Ｃを下方から承支するための夫々独立して
設けられた２個の下部側固定当接ピン７，８と、 回動可能に軸支さた下部測定用アームの先端に
設けられ、上昇付勢されて、前記特定測定点４
Ａ，４Ｃとは別の箇所の他の測定点４Ｂに下方か
ら当接するための独立して設けられた下部側可動
当接ピン９と、 夫々独立して回動可能に軸支された複数の上部
測定用アームの各先端に設けられ、前記特定測定
点４Ａ，４Ｃおよび他の測定点４Ｂの上方から当
接するための下降付勢された複数の夫々独立して
設けられた上部側可動当接ピン１５Ａ，１５Ｂ，
１５Ｃと、 前記２か所の特定測定点４Ａ，４Ｃに夫々対応
して独立して設けられ、前記２個の下部側固定当
接ピン７，８とこれに対応する前記２個の上部側
可動当接ピン１５Ａ，１５Ｃとの相対間隔を夫々
独立して検出する検出器と、 前記他の測定点４Ｂに対応して設けられ、前記
下部側可動当接ピン９とこれに対応する前記上部
側可動当接ピン１５Ｂとの相対間隔を独立して検
出する検出器と、 を備えたことを特徴とする間隔測定装置にある。

上記本発明の間隔測定装置により、被測定物Ｗ
の複数箇所の各測定点４Ａ，４Ｂ，４Ｃにおける
厚さ、すなわち間隔を測定するためには、被測定
物Ｗの特定測定点４Ａ，４Ｃを下部側固定当接ピ
ン７，８上に載置させる。この状態で、下部側可
動当接ピン９と、各可動の上部側可動当接ピン１
５Ａ，１５Ｂ，１５Ｃを、上昇又は下降させて、
各測定点４Ａ，４Ｂ，４Ｃの下部と上部に当接さ
せる。これにより、下部側固定当接ピン７，８と
上部側可動当接ピン１５Ａ，１５Ｃとの差を検出
器が検出して特定測定点４Ａ，４Ｃにおける間隔
ｄが検出され、また下部側可動当接ピン９と上部
側可動当接ピン１５Ｂとの差を他の検出器が検出
して他の測定点４Ｂにおける間隔ｄが検出され
る。

第４図ないし第８図に示す実施例の測定装置
は、上記被測定物Ｗの対板１の３点を同時に測定
するようにした装置であつて、図示のように、装
置構造体としてのテーブル５の前側（すなわち第
４図下方の操作側）の中央に、アンビル型の測定
台６が固定されていて、同測定台６の中央寄りの
左右２か所には、特定測定点４Ａを測定するため
の左方部側の下部側固定当接ピン７と、特定測定
点４Ｃを測定するための右方下部側の下部側固定
当接ピン８とが圧入固定により立設されると共
に、測定台６の中央箇所とテーブル５の対接箇所
とに連通して、下部側可動当接ピン９が上方に貫
通するための逃孔１０が開けられている。

次に、テーブル５の後方寄りには、左右に整列
して３つの軸受ブラケツト１１Ａ，１１Ｂ，１１
Ｃが立設されていて、各ブラケツト１１Ａ，１１
Ｂ，１１Ｃの上部には、夫々が天秤型に形成され
た左アーム１２Ａ、中アーム１２Ｂ及び右アーム
１２Ｃの枢軸基部が滑合により軸受けされてい
る。

しかして、左アーム１２Ａの前端から中央側に
折込んだ先端部と、中アーム１２Ｂの先端部と、
右アーム１２Ｃの前端から中央側に折込んだ先端
部との各先端部は、細幅に狭められると共に、そ
れらの各先端には、圧入または摺割り圧締（図示
では圧入）により左上部側可動当接ピン１５Ａ、
中上部側可動当接ピン１５Ｂ及び右上側部可動当
接ピン１５Ｃが下向きに固着されている。

また、各アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの前端
寄りの下面には、後述の差動トランスに協働する
コア１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃが懸下され、これに
より作動トランス形変位量測定器が形成されてい
る。

次に、中央のブラケツト１１Ｂの下部には、天
秤型の下部アーム１３が同様に軸受されており、
しかして下部アーム１３の形状は、後端から下向
きに延びて、テーブル５に設けた逃孔を下方に貫
通する垂下腕１３ａと、前端から上下に別れて前
方に延びる短寸の上腕１３ｂ長寸の下腕１３ｃと
が形成されている。

なお、動上腕１３ｂには埋込みにより差動トラ
ンス１４Ｂが取付けられると共に、テーブル５の
逃孔を貫通してテーブル５の下側に潜入した下腕
１３ｃの先端には、下部側可動当接ピン９が圧入
固定により立設されていて、同差動トランス１４
Ｂには、中アーム１２Ｂの降動時においてそのコ
ア１６Ｂが上方から侵入し、また、下部側可動当
接ピン９は、測定台６の逃孔１０内に侵入してい
る。

そのほか、各アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの
後端と、下部アーム１３の垂下腕１３ａの後端に
は、夫々カウンタウエイト１７が調整可能に取付
けられてて、所要の衡差トルクを生じさせるよう
に非平衡に操作セツトされており、すなわち、ア
ーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは、前端を降動させ
る方向に重力付勢され、また下部アーム１３は、
前端を昇動させる方向に重力付勢されている。

次に、テーブル５の前端寄りの左右両側には、
下部アーム上腕１３ｂの両側傍に整列して１対の
Ｌ形ブロツクが固定されると共に、同ブロツク１
８には、左方の差動トランス１４Ａと右方の差動
トランス１４ｃが取付けられていて、左アーム１
２Ａと右アーム１２Ｃの各コア１６Ａ，１６Ｂ，
１６がアーム降動時に侵入するようになつてい
る。

ここで、各アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは、
上述のように前端を降動させる方向の回動習性を
有するが、被測定物Ｗの着脱時には測定台６の上
方をクリヤに保つ必要があることから、テーブル
５下方の左側面に沿つた操作ハンドル１９が設け
られると共に、テーブル５の上面にゲート形のス
トツパフレーム２０が立設されていて、ハンドル
１９を前倒操作した「測定位」の状態（第４図〜
第６図）では、各アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ
の揺動を自由に開放させるが、ハンドル１９を前
押し操作で直立させた「不作動位」の状態（第７
図）では、各アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃがフ
レーム２０の各ストツパ２１に衝合した高位に保
持させるように形成されていて、具体的には、各
アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの下方のテーブル
５面に取付けられた各プランジヤ２２のリフトロ
ツド２３は、戻しバネ２４の弾力により降下付勢
されていて、ハンドル１９が前倒された測定位で
は、ハンドル軸２５のカム２６がロツド２３の下
端を解放することから、ロツド２３が引込んで各
アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃを自由にするが、
ハンドル１９が押立てられた不動作位では、カム
２６がロツド２３を１杯に押上げることから、各
アーム１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは、第７図に図示
の高位に係止される。

そのほか、実施例の装置には、制御回路が内蔵
された指示器（図示せず）が付設されていて、各
差動トランス１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃから電気出
力されたコア１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃとの相対変
位の信号を受信して、測定結果の３測定点におけ
る間隔寸法ｄを計数的に表示すると共に、規定値
に対比した判定結果を併せて表示するように形成
されているほか、ハンドル軸２５の操作回動位置
が自動的に検出されて、制御回路は所定の指令信
号を入力されるようになつている。

このように構成された実施例の測定装置を操作
して、被測定物Ｗの対板１の３測定点における各
間隔寸法ｄを測定するには、ハンドル１９を立て
た状態に置いて、第８図に示すように、被測定物
Ｗを下部側固定当接ピン７，８に差込んで、板３
の下面の測定箇所４Ａ，４Ｃが各ピン７，８に載
る状態にして被測定物Ｗを測定台６にセツトさせ
る。

この時、下部側可動当接ピン９は、習性により
上昇して下固側固定当接ピン７，８より突出して
いるので、下部側可動当接ピン９を押下げながら
上述セツト状態にするが、下部側可動当接ピン９
にかかる衡差トルクは極くわずかであることか
ら、ワークＷが浮上がることがなく、従つて被測
定物Ｗがセツトされた状態では、対板１は両下部
側固定当接ピン７，８の２点で測定基準位置が決
まると共に、中央の下部側可動当接ピン９は衡差
トルクに基づく恒測定圧で板３に当接している。

次いでハンドル１９を前倒操作すると、制御回
路に始動信号が指令されるのと併行して、自由状
態になつた各アーム１２Ａ〜１２Ｃが習性により
降下して各上部側可動当接ピン15〜１５ｃの下端
が被測定物Ｗ内に侵入し、最後に、各ピン１５Ａ
〜１５Ｃの下端が板２の上面に当つた位置で止ま
り、この状態では、各ピン１５Ａ〜１５Ｃが衡差
トルクに基づく恒測定圧で板２に当接すると共
に、他方では、各アーム１２Ａ〜１２Ｃのコア１
６Ａ，１６Ｂ，１６が、夫々の差動トランス１４
Ａ〜１４Ｃ内に侵入して、各点の間隔寸法に対応
した測定値信号が差動トランス１４Ａ〜１４Ｃか
ら出力され、これに基づき、該設定値がデジタル
で指示器に表示される。

更に、測定終了後は、ハンドル１９を直立操作
した上で、被測定物Ｗを測定台６から取外せば良
く、直立操作によつて自動的に指示器は作動を停
止する。

このような一連の操作は、極く容易で短時間内
に実施し得るほか、特に熟練の必要がなく、かつ
上記全部のピン７〜９，１５Ａ〜１５Ｃの測定圧
が機械的に恒量化されていることから、精度と確
度に優れた測定作動が得られる。

なお、差動トランスとコアの組合せは、上述構
成と入違い状にアームあるいは不動部に取付ける
ようにしても全く同様な差動が得られるほか、ワ
ーク対板の測定点が多数箇所に亘る場合には、下
部側固定当接ピンを配設させる位置決め用測定
点、すなわち特定測定点を、整列箇所の場合には
適当な２点、２方向配列箇所の場合には適当な３
点に選んだ上で、残余の測定点には下部側可動当
接ピンを配設させれば、同時に多数点の測定作動
が得られる。

以上詳述したように、本発明による間隔測定装
置によれば、１個の被測定物Ｗ中の、少なくとも
３つの測定点の各々の間隔（厚さ）を、各測定点
の上下に対応する上下三対の当接ピンによつて一
度に測定するに当り、そのうちの２つの特定測定
点４Ａ，４Ｃの下部に対応する当接ピンを、下部
側固定当接ピン７，８として、被測定物Ｗを下方
から固定的に承支する構造としたので、この下部
側固定当接ピン７，８とは別に被測定物Ｗを支え
るための支え部材や被測定物Ｗを測定時に固定す
る固定部材が不要となり、構造が簡単となり、ま
た被測定物Ｗの位置決め精度が向上する効果があ
る。

また、被測定物Ｗは、その２点の特定測定点４
Ａ，４Ｃの下面が下部側固定当接ピン７，８上に
載置されて安定し、この特定測定点４Ａ，４Ｃの
上面と、他の測定面４Ｂの上下面に、予じめ下降
又は上昇付勢されている下部側可動当接ピン９と
上部側可動当接ピン１５Ａ，１５Ｂ，１５Ｃを当
接することにより、各測定点４Ａ，４Ｂ，４Ｃで
の間隔寸法を夫々独立して測定するものであるか
ら、測定時において被測定物Ｗに無理な力が加わ
らず、安定した状態で能率良く、複数の測定点で
精密な間隔寸法ｄの測定を行なわせることが出来
る。

さらに、本発明では、特定測定点４Ａ，４Ｃと
は別の、他の測定点４Ｂの上下に当接する上下部
側の当接ピン９，１５Ｂは双方とも可動であつ
て、検出器によりその相対間隔を検出するもので
あるから、他の測定点４Ｂの下面が、特定測定点
４Ａ，４Ｃの下面が載置される固定の下部側固定
当接ピン７，８の先端を結ぶ直線からずれた位置
に形成している場合でも、上記他の測定点４Ｂで
の被測定物Ｗの間隔寸法ｄすなわち厚さを測定す
ることが出来る。

また、本発明による間隔測定装置によれば、１
個の被測定物Ｗの、２点の特定測定点４Ａ，４Ｃ
と、これとは別のか所の他の測定点４Ｂの、３点
の測定点の間隔ｄを一度に自動的に測定すること
が出来ることから、上記各測定点の間隔のうち、
どの１か所の測定点の間隔にでも不整があれば、
当該被測定物Ｗをただちに不良品と判断すること
ができ、被測定物Ｗの良否の判別を能率よく行な
わせることができる効果がある。この点、各測定
点の間隔を各別の間隔測定装置により測定してい
たのでは、最後に測定した測定点の間隔にのみ不
整があつた場合には、前２回の測定は無駄になり
それだけ被測定物Ｗの良否の判別が遅れるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、被測定物の模型的上面図、第２図
は、同正面図、第３図は、同側面図、第４図は、
本発明の一実施例を示す板間隔測定装置の平面
図、第５図および第６図は、夫々、第４図の−
線および−線における側面図および正面
図、第７図は、第５図の作動図、第８図は、第５
図の矢指における部分拡大断面図である。 ｄ……間隔寸法、１……１対の薄板（対板）、
４Ａ，４Ｃ……特定測定点、４Ｂ……他の測定
点、７，８……下部側固定当接ピン、９……下部
側可動当接ピン、１２Ａ〜１２Ｃ，１３……アー
ム、１４Ａ〜１４Ｃ……差動トランス、１５Ａ〜
１５Ｃ……上部側可動当接ピン、１６Ａ，１６
Ｂ，１６Ｃ……コア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被測定物の複数箇所を測定点として、その各
   測定点における間隔を測定する間隔測定装置であ
   つて、 前記複数の測定点のうち２か所の特定測定点４
   Ａ，４Ｃを下方から承支するための夫々独立して
   設けられた２個の下部側固定当接ピン７，８と、 回動可能に軸支された下部測定用アームの先端
   に設けられ、上昇付勢されて、前記特定測定点４
   Ａ，４Ｃとは別の箇所の他の測定点４Ｂに下方か
   ら当接するための独立して設けられた下部側可動
   当接ピン９と、 夫々独立して回動可能に軸支された複数の上部
   測定用アームの各先端に設けられ、前記特定測定
   点４Ａ，４Ｃおよび他の測定点４Ｂに上方から当
   接するための下降付勢された複数の夫々独立して
   設けられた上部側可動当接ピン１５Ａ，１５Ｂ，
   １５Ｃと、 前記２か所の特定測定点４Ａ，４Ｃに夫々対応
   して独立して設けられ、前記２個の下部側固定当
   接ピン７，８とこれに対応する前記２個の上部側
   可動当接ピン１５Ａ，１５Ｃとの相対間隔を夫々
   独立して検出する検出器と、 前記他の測定点４Ｂに対応して設けられ、前記
   下部側可動当接ピン９とこれに対応する前記上部
   側可動当接ピン１５Ｂとの相対間隔を独立して検
   出する検出器と、 を備えたことを特徴とする間隔測定装置。