JPH0329373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は斜樋に係り、扉体の昇降を案内するガ
イド部内に土砂が侵入集積するのを防止するため
の構造に関する。

（考案の背景） 斜樋は法面を掘削せずに設置できる利点があ
り、それだけ施工費を節約できる他、自然な河川
の形状を変更する必要がない等の長所がある。し
かし斜樋には扉体の昇降を案内するガイド部内に
土砂が侵入集積して扉体の昇降が不能となりやす
い難点があり、このため今日まで斜樋はあまり採
用設置されない傾向にあつた。

（考案の概要） 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであつ
て、本考案の目的は、扉体の昇降を案内するガイ
ド部内に土砂が侵入集積するのを防止して、扉体
の昇降を常に円滑に行えるようにした斜樋を提供
することにある。このために本考案は、扉体の左
右両側部を嵌合せしめて該扉体の昇降を案内する
ガイド部の上部に少くともその先端部が上下方向
に揺動自在な揺動部材を取り付け、該揺動部材の
先端部を上記扉体の上面左右両側部に当接せしめ
たものである。このように斜樋を構成することに
より、扉体の昇降ガイド部に土砂等が侵入するの
を揺動部材により確実に防止し、扉体の円滑な昇
降操作を可能としたものである。

（実施例） 以下、図面に沿つて本考案の実施例の説明を行
う。

第１図は河川の横断面図であつて、傾斜した法
面には本考案に係る斜樋１が斜設され、また提防
には該斜樋１に連通する導水管２が埋設されてい
る。

第２図および第３図は、斜樋１の正面図および
Ａ−Ａ断面図であつて、３は扉体であり、該扉体
３は巻上機４の操作により、戸溝５上を滑動して
摺動的に昇降する。また扉体３の上部には排土用
の斜板７が取付けられている。この斜板７は、扉
体３が上昇する際に戸溝５内に堆積する土砂を削
り落とすためのものである。６は戸溝５の下部に
開設された取水口であつて、上記導水管２に連通
している。

戸溝５の下部両側には、扉体３の昇降を案内す
るためのガイド部８，８が設けられており、また
ガイド部８，８の下端部には扉体３の下降限度を
規定するストツパー９，９が突設されている。ガ
イド部８，８は下部８ａ、該下部８ａの両側部か
ら垂直に立ち上る直立部８ｂ，８ｂ、該直立部８
ｂ，８ｂの上端部から内方へ屈折して連設された
上部８ｃ，８ｃから成つており、上記扉体３はそ
の左右両側部を下部８ａ、直立部８ｂ、上部８ｃ
に揺動自在に嵌合してガイド部８に装着される。
９は昇降杆であつて、その下端部は扉体３の上面
に固着された止具１０に取り付けられており、ま
たその上端部は上記巻上機４に連結されている。

１１，１１は揺動部材としての板ばねであつ
て、ボルト１２により上記上部８ｃ，８ｃの上面
上端部に取り付けられている（第４図および第５
図も併せて参照）。板ばね１１は水平部１１ａと、
該水平部１１ａに連設された先端屈折部１１ｂか
ら成つている。水平部１１ａはボルト１２により
上部８ｃに取り付けられており、屈折部１１ｂは
自由端部となつて扉体３上面へ向つて屈折し、そ
の先端部はそのばね力により扉体３上面の左右両
側部に形成されたすべり部１３，１３上に弾接し
ている。板ばね１１，１１、屈折部１１ｂ，１１
ｂは、自身の弾性により上下方向ａ，ｂに自由に
揺動することができる。１３ａ，１３ａはすべり
部１３の両側部に突設された板ばね１１の先端部
のガイド用リブである。１４は上部８ｃと板ばね
１１の間に介設されたスプリングワツシヤであ
る。

本斜樋１は上記のような構成より成り、巻上機
４を操作して扉体３を昇降させることにより取水
口６を開閉するが、その際板ばね１１は上下方向
ａ，ｂにその弾性により自由に揺動できるので、
板ばね１１が扉体３の昇降操作の邪魔になること
はない。また扉体３の昇降を案内するガイド部８
内に第５図破線にて示すように土砂等が侵入する
のは板ばね１１，１１により確実に防止され、円
滑な扉体３の昇降が可能となる。また扉体３自身
も板ばね１１，１１のばね力により戸溝５上面に
押圧されるので、戸溝５上面と扉体３下面のすき
間から、扉体３内に土砂等が侵入するのも併せて
防止できる。

（他の実施例） 第６図および第７図は本考案の他の実施例を示
すものであつて、２０は水平部２０ａと先端屈折
部２０ｂから成る板状揺動部材である。この揺動
部材２０は例えばステンレスなどの重量のある剛
体から成つており、上部８ｃに突設されたボルト
から成る取り付け部材２１に上下方向ａ，ｂに揺
動自在に遊支されており、屈折部２０ｂの先端部
は自身の重みによりすべり部１３上面に当接して
いる。

本実施例も上記第一実施例と同様の作用効果を
有するものであつて、扉体３の昇降操作の際には
揺動部材２０は上下方向に自由に揺動し、またガ
イド部８内に土砂等が侵入するのを防止する。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係る斜樋は、扉体
３の左右両側部を嵌合せしめて該扉体３の昇降を
案内するガイド部８の上部８ｃに少くともその先
端部が上下方向ａ，ｂに揺動自在な揺動部材１１
を取り付け、該揺動部材１１の先端部を上記扉体
３の上面左右両側部に当接せしめているので、ガ
イド部８に土砂等が侵入するのを確実に防止し
て、常に扉体３を円滑に昇降させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は斜樋の側面図、第２図は正面図、第３図はＡ
−Ａ断面図、第４図は要部斜視図、第５図は要部
断面図、第６図および第７図は本考案の他の実施
例の部分斜視図および部分断面図である。 １……斜樋、３……扉体、４……巻上機、８…
…ガイド部、８ｃ……上部、１１，２０……揺動
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 傾斜した法面に斜設されて巻上機により扉体を
   昇降させるようにした斜樋において、上記扉体の
   左右両側部を嵌合せしめて該扉体の昇降を案内す
   るガイド部の上部に少くともその先端部が上下方
   向に揺動自在な揺動部材を取り付け、該揺動部材
   の先端部を上記扉体の上面左右両側部に当接せし
   めて成る斜樋。