JPH03291231A

JPH03291231A - 貧血改善剤

Info

Publication number: JPH03291231A
Application number: JP2090091A
Authority: JP
Inventors: Tomoko Takasaki; 智子高崎; Yoshio Kajiwara; 梶原　良夫; Katsuaki Kitahata; 北畠　克顕
Original assignee: Asahi Breweries Ltd
Current assignee: Asahi Breweries Ltd
Priority date: 1990-04-06
Filing date: 1990-04-06
Publication date: 1991-12-20

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、ヒトあるいは動物用の医薬品に関し、貧血の
予防、治療に効果を有する貧血改善剤に関する。

（従来の技術）従来、貧血の予防、治療には、構成成分として鉄剤単独
使用の製剤、あるいはこれにビタミン、ウシやブタの肝
臓の加水分解物である臓器製剤およびアミノ酸を添加し
た造血剤が用いられてきた。

一方、ミルクカゼインあるいはカゼインの分解生成物で
あるカゼインホスホペプチド（ＣＰＰ）の摂取がカルシ
ウムや鉄の吸収を促進し、生理機能の維持、骨の強化な
らびに貧血の予防や治療に効果があることがすでに知ら
れている（内藤博：日本農芸化学会、５８年度、講演要
旨集、熊谷卓生二日本産婦人科学会、北日本連合地方部
会、６１年度、講演要旨集）。

しかしながら、多種多様な成分が含まれており、特にビ
タミン、ミネラルが豊富にバランスよく含有されている
酵母については、古くから滋養強壮剤、健胃剤としての
効果は認められているものの、貧血の予防や治療に関す
る具体的な効果については明らかではなく、また、酵母
を利用した貧血改善剤はなかった。一方、貧血の予防あ
るいは治療に用いられている鉄化合物の製剤として種々
の製剤が考案されているが、鉄に起因する食欲不振、悪
心、嘔吐、腹痛、便秘、下痢等の消化器に対する副作用
が臨床上の問題となっていた。

（発明が解決しようとする課題）酵母はその成分中に良質な蛋白質、必須アミノ酸、各種
ビタミン剤、ミネラル等を多く含み、安全性が高いこと
から、従来より健康維持に対する滋養強壮を目的とした
栄養補給、あるいは各種疾！Ａ罹患時の栄養補給、妊産
婦、授乳婦の栄養補給に広く用いられているが、本発明
者らは、酵母にはカゼインの効果を圧倒する貧血症状の
改善作用があることを見出した。

そこで、本発明は酵母を利用し、鉄の利用効率を高め、
鉄による副作用を軽減できる等の貧血改善効果があり、
かつ栄養性の高いヒトあるいは動物用の医薬品を提供す
ることを目的とする。

（課題を解決するための手段）本発明は、酵母と鉄化合物を有効成分として含有するこ
とを特徴とする貧血改善剤であり、鉄化合物としては無
機鉄または有機鉄が好ましい。

酵母としては、ビール酵母、パン酵母、トルラ酵母など
の酵母を用いることができる。

本発明で用いる酵母は生酵母であっても乾燥酵母であっ
てもよいが、製剤上の観点から乾燥酵母の方が望ましい
。

鉄化合物としては、無機鉄としては、水酸化第一鉄、硫
酸第一鉄、有機鉄としては、オロチン酸第−鉄、トレオ
ニン鉄、フマル酸第−鉄、溶性ビロリン酸第二鉄、クエ
ン酸第−鉄ナトリウム等を用いることが出来る。

酵母配合の鉄則の他の成分としては、必要に応じてビタ
ミン類、無機酸分等を含有することが出来る。

酵母の含有量としては、例えば錠剤の場合、−錠中５〜
９５％である。また、鉄の含有量としては、−錠中１　
＝１５０ｍｇ、好ましくは１０〜１ｏｏＩＩ１ｇテある
。

底入１日の投与量としては、本発明による配合剤を食後
１日工〜３回、鉄としてＩＯ”１００ｍｇを全日量で投
与するのが望ましい。

剤型については、錠剤、散剤、カプセル剤等が利用でき
る。

錠剤、カプセル剤等に混和されるものとしては、トラガ
ント、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチンのよう
な結合剤、微品性セルロース、ステアリン酸マグネシウ
ムのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン化デンプ
ン、アルギン酸のような膨化剤等を含有することができ
る。また、他の材料としては、被覆剤として例えばシェ
ラ、り、砂糖を利用することができる。

投与形態は、経口投与が望ましいが、これに限定される
ものではない。

以下、本発明について詳しく説明する。

本発明は、貧血改善効果が既に認められているカゼイン
を対照として、酵母の貧血改善効果を検討し、酵母と鉄
化合物を有効成分として含有し、鉄の利用効率を高めた
貧血改善剤を得て充放したものである。

まず第一に、酵母を配合した鉄則の貧血に対する有効性
を、カゼイン配合の鉄剤を対照として検討した。試験で
は、貧血効果を確認するために生理的な鉄の需要が高ま
る妊娠期のラットを使用した。

すなわち、１０週令に達したウィスター（Ｗｉｓｔａｒ
−にＹ）糸軸ラントを同系の雄と交配させ、プラグのｆ
ｌ認およびスメア中の精子を確認した日を妊娠１日日と
した。妊娠１日日よりクエン酸鉄を鉄化合物として含有
するカゼインおよび酵母試料を自由摂取させた。酵母と
しては日本薬局方乾燥酵母を用い、カゼインとしては日
本タレア■製、商品名ミルクカゼインを用いた。

試験は第１表に示すＡ−Ｅの実験群で実施した。

第工表飼料は第２表に示す精製飼料を使用した。

第２表妊娠２１日目までの飼料摂取期間中の体重、飼料摂取量
、赤血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度を測
定した。妊娠２１日目に解剖し、血清鉄濃度、総鉄結合
能を測定した。血清鉄濃度は松原法、総鉄結合能はラム
セイ（Ｒａｍｓａｙ）法によって測定した。

第１図および第２図は飼料摂取試験中のラットの飼料摂
取量変化、体重変化を示すグラフである。

Ａは■、Ｂは・、Ｃは口、Ｄは○、Ｅは△で示した。こ
のグラフは各群の供試ラットが群によって異ならずほぼ
一定量の飼料を摂取して順調に成育していることを示し
ている。

第３図は赤血球数、第４図はヘマトクリット値、第５図
はヘモグロビン濃度の経時的変化を示し、第６図は妊＊
２１日日の血清鉄値および総鉄結合能を示すグラフであ
る。各グラフ中のＡは一１Ｂは・、Ｃは口、Ｄは○、Ｅ
は△で示した。

第３図の赤血球数の経時的変化のグラフをみると、鉄含
量２．５ｍｇ／１００ｇ、５．０ｍｇ／１００ｇのいず
れにおいても、カゼイン対照群は妊娠の経過に伴い、赤
血球数が減少し、妊！ｌｆ！、１４日日より有意に貧血
症状が発現しているのに対して、酵母群には、貧血症状
の抑制が見られ、妊娠２１日目においては、カゼイン対
照群に比べて有意に貧血改善効果が認められた。

第４図のへマトクリント値の経時的変化のグラフでは、
鉄含量２．５ｗｇ／ｌＱＱｇ、５．０ｍｇ／１００ｇの
いずれのカゼイン対照群および酵母群も共に妊娠の経過
に伴い、ヘマトクリット値が減少し、有意に貧血症状が
発現しているものの、酵母群はカゼイン対照群に比較し
て、貧血症状の抑制傾向がみられ、妊娠２１日目におい
ては、鉄含量５．０ｍｇ／１００ｇの酵母群が有意な貧
血改善効果を示していることがわかる。

第５図のヘモグロビン濃度の経時的変化のグラフでは、
鉄含量２．５ｍｇ／１００ｇ、５．Ｏｍｇ／１００ｇの
いずれのカゼイン対照群および酵母群も共に妊娠の経過
に伴い、ヘモグロビン濃度が減少し、有意に貧血症状が
発現しているが、酵母群は、カゼイン対照群と比較して
、統計上有意な差は認められなかったものの、明らかな
貧血の改善傾向を示していることがわかる。

第６図の血清鉄を示すグラフをみると、鉄含量２．５ｍ
ｇ／１００ｇ、　５．０ｍｇ／１００ｇのいずれのカゼ
イン対照群および酵母群も共に妊娠することにより、血
清鉄濃度の減少がみられ、非妊娠群に対して有意に貧血
症状が発現しているが、鉄含量５．０ｍｇ／１００ｇの
酵母群はカゼイン対照群と比較して、有意な貧血改善効
果が認められる。又、総鉄結合能においては、鉄含量２
．５ｍｇ／１００ｇ、５．Ｏｍｇ／ｌｏＯｇのいずれの
カゼイン対照群も有意な増加を示し、非妊娠群に比べて
明らかな貧血症状を発現しているのに対して、酵母群は
有意な貧血改善効果が認められる。

すなわち、妊娠による赤血球数、ヘマトクリ。

ト値、ヘモグロビン濃度および血清鉄値の減少ならびに
総鉄結合能の増加に見られる貧血症状の発現乙こ対して
、酵母群はカゼイン対照群と比較して、明らかな貧血改
善効果が認められた。

（実施例）次に本発明の実施例をあげるが、本発明は、これに限定
されるものではない。

実施例１錠剤の製造例乾燥ビール酵母１００ｇ、クエン酸第−鉄１５ｇ、コー
ンスターチ２４ｇ、ステアリン酸マグネシウム１ｇを均
一に混合し、打錠機にて錠剤１０００個を製造した。

実施例２カプセル剤の製造例乾燥パン酵母１００ｇ、硫酸第一鉄１５ｇ、乳糖３０ｇ
、微品性セルロース７０ｇ、ステアリン酸マグネシウム
５ｇを均一に混合し、ゼラチンカプセル３号１０００個
に充填してカプセル剤とした。

（発明の効果）本発明の鉄、酵母を有効成分とする貧血改善剤は、鉄の
利用効率を高め、鉄による副作用を軽減できる等の優れ
た貧血改善効果を有し、さらに酵母自体に蛋白質、ビタ
ミン、ミネラル等の多様な成分を含有していることから
ヒトおよび動物の貧血の予防、治療に極めて有効である
。

特に、妊娠、出産に伴う生理的な鉄の需要が高まる妊婦
、授乳婦の鉄欠乏貧血に対し母子ともに安全に使用でき
、消化器系の副作用が少なく、かつ栄養的にも優れてい
る本発明の貧血改善剤は有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による酵母配合の鉄則と、対照であるカ
ゼイン配合の鉄剤とを飼料として、飼料摂取期間中の摂
取量変化を示すグラフであり、第２図は同様に飼料摂取
期間中の体重変化を示すグラフであり、第３図は飼料摂取期間中の赤血球数変化、第４図は飼料
摂取期間中のヘマトクリア）値変化、第５図は飼料摂取
期間中のヘモグロビン濃度変化、第６図は妊Ｉｊ／ｉ２
１日日の血清鉄値および総鉄結合能を示すグラフである
。各図中、Ａは層、Ｂは・、Ｃは口、Ｄは○、Ｅは△で示
した。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）酵母と鉄化合物を有効成分として含有することを
特徴とする貧血改善剤。
（２）鉄化合物が無機鉄または有機鉄である請求項１記
載の貧血改善剤。