JPH0328973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば、水道管に接続された消火栓
用や空気抜き弁用の分岐管の内面を更生するため
のその分岐管内に嵌合されたスリーブを分岐管の
内面に密着させて取付ける場合等に用いられる装
置に関する。具体的には、長手方向に相対移動自
在な２つの操作杆のうち、一方の操作杆における
他方の操作杆より突出する一端部分に、管内に嵌
合されるスリーブ内に対して挿抜自在で、かつ、
スリーブ軸芯方向から挟圧されることにより拡形
変形する弾性体を保持させ、前記両操作杆の一端
部にそれぞれ、両操作杆の一端部を近接させる方
向での相対移動に伴つて前記弾性体を挾圧する挟
持片を連設し、かつ、前記両操作杆の他端側に、
両操作杆を前記の方向で相対移動させるための駆
動手段を設けてある管内スリーブ拡張装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種の管内スリーブ拡張装置として
は、前記スリーブの長さに相当する長さを備えた
１つの弾性体を持つたものが知られている。これ
は、主として、内面に更生用のライニングホース
が装填された流体輸送管に形成した分岐管接続用
の分岐口に嵌合して、その分岐口に臨む流体輸送
管とライニングホースとの境界に水等の流体が侵
入することによりライニングホースが流体輸送管
から剥離することを防止するようにシールするス
リーブの拡張に用いられるものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記従来の管内スリーブ拡張装
置は、１つの弾性体の変形でスリーブを変形させ
るため、前述した分岐口用のスリーブ、つまり、
流体輸送管の肉厚程度の長さを有する短尺なスリ
ーブであれば、それを確実に拡張できるものの、
前述した分岐管内に嵌合される長尺なスリーブの
場合には、不適であつた。

つまり、長尺なスリーブに合わせて弾性体を長
くすると、挾持片により挾圧しても弾性体を、そ
の全長に亘つて均等に拡径変形させることができ
ず、その結果、スリーブをその全長に亘つて確実
に管内面に密着させて固定できないのである。

本考案の目的は、分岐管等に嵌合する長尺なス
リーブの拡張に好適な管内スリーブ拡張装置を提
供する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による管内スリーブ拡張装置の特微構成
は、前記弾性体を複数個、挟圧方向に並べて設け
るとともに、隣合う弾性体の間に、弾性体よりも
大なる剛性の応力伝達部材を介装してある点にあ
る。そして、それによる作用・効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

両操作杆を相対移動させて挟持片を挟圧作動さ
せた際、その挟圧力が弾性体、応力伝達部材、弾
性体と順に伝わつて隣合う弾性体間に位置する応
力伝達部材が、いわば、それに当接する弾性体に
対する挟持片として作用するため、挟圧方向に並
ぶ複数の弾性体がほぼ均等に挟圧され、ほぼ均等
に変形する。しかも、挟圧方向に並べる弾性体の
数を選定することにより、弾性体群の挟圧方向で
の長さ、つまり、スリーブに拡径変形力を及ぼす
長さを調節できるため、拡径変形すべきスリーブ
の長さに簡単に対応でき。

〔考案の効果〕

したがつて、本考案によれば、管内に嵌合され
る各種長さのスリーブを確実、かつ、均等に管内
面に密着させることができるようになつた。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を示す。

第３図に示すように、水道管１に立上げ接続さ
れ、かつ、その上端部に消火栓２がフランジ接合
された分岐管３内に、第５図に示すように、内面
更生用のスリーブ４を密着嵌合させるための管内
スリーブ拡張装置Ａであつて、これは、第１図、
第２図に示すように、２つの操作杆５Ａ，５Ｂ
と、複数の弾性体６と、一対の挟持片７Ａ，７Ｂ
と、駆動手段８と、応力伝達部材９からなる。前
記スリーブ４は、第２図、第５図、第６図に示す
ように、分岐管３内への嵌挿状態において分岐管
３の上端に載る環状のフランジ４ａを有する。

前記操作杆５Ａ，５Ｂのうち、一方はロツド状
で、他方は筒状であり、ロツド状操作杆５Ａは、
筒状操作杆５Ｂ内をスライド自在に貫通してい
る。かつ、筒状操作杆５Ｂの端部には、前記分岐
管３の消火栓取付用フランジ３ａにボルト５ａ、
ナツト５ｂを介して固定するためのフランジ５ｃ
が固着されている。

前記弾性体６は、前記スリーブ４内に対して挿
抜自在で、かつ、スリーブ軸芯方向から挟圧され
ることにより拡径変形するものであつて、、前記
ロツド状操作杆５Ａのうち、前記筒状操作杆５Ｂ
よりも突出する一端側部分に、操作杆長手方向に
並べて外装するための操作杆挿通孔を備えたリン
グ状にウレタンから構成されている。

前記挟持片７Ａ，７Ｂは、前記両操作杆５Ａ，
５Ｂの一端部を近接させる方向での相対スライド
に伴つて前記ロツド状操作杆５Ａに保持された前
記弾性体６群を挟圧するように、一方のものがロ
ツド状操作杆５Ａの一端部に螺合装着され、他方
のものが筒状操作杆５Ｂの一端部に固着されたも
のである。なお、前記ロツド状操作杆５Ａの一端
部に装着される側の挟持片７Ａは、前記弾性体６
を挿通してロツド状操作杆５Ｂに代つて保持する
筒部７ａを備えている。

前記駆動手段８は、前記挟持片７Ａ，７Ｂが挟
圧作用するように前記両操作杆５Ａ，５Ｂを相対
スライドさせる手段であつて、前記ロツド状操作
杆５Ａを雄ねじ棒に形成するとともに、このロツ
ド状操作杆５Ａに、筒状操作杆５Ｂの他端にワツ
シヤ８ａを介して当接することにより一端側への
移動が規制されるナツト８ｂを螺合装着し、もつ
て、ナツト８ｂの螺合回転により、ロツド状操作
杆５Ａを筒状操作杆５Ｂに対して他端側に移動さ
せるねじ送り手段である。

前記応力伝達部材９は、隣合う弾性体６，６の
間それぞれに介装された環状のものであつて、弾
性体６よりも大なる剛性を有する。

もつて、管内スリーブで拡張装置Ａは、弾性体
６群をスリーブ４内に挿入位置させた状態で駆動
手段８により両操作杆５Ａ，５Ｂを相対スライド
させて弾性体６を挟圧し、拡径変形させることに
より、その拡径変形する弾性体６でスリーブ４を
外方に押圧してスリーブ４を拡径変形させるよう
に構成されている。かつ、弾性体６の数を選定す
ることにより拡張すべきスリーブ４の長さに対応
すべく構成されている。

次に、前記の如く構成された管内スリーブ拡張
装置Ａを用いて分岐管３を更生する手順を説明す
る。

［１］ 水道管１のうち、前記分岐管３の接続部
の上流側と下流側に位置する止水弁V₁，V₂を
閉じる。

［２］ 分岐管３から消火栓２を取外す。

［３］ 上流側の止水弁V₁を開いて、第４図に
示すように、分岐管３の消火栓取外し跡開口３
Ａから管内水を排出させつつ、前記消火栓取外
し跡開口３Ａから掃除具１０を分岐管３内に挿
入してその分岐管３の内面に堆積している錆や
水垢を掻落す掃除を行う。なお、前記上流側の
止水弁V₁は、掃除に支障を生じない範囲で、
掃除具１０で掻落された錆や水垢を水道管１内
に沈降させずに消火栓取外し跡開口３Ａに運搬
し得る水流を分岐管３内に発生させる開度をも
つて開くのである。

［４］ 上流側に止水弁V₁を閉じ、第１図に示
すように、管内スリーブ拡張装置Ａの弾性体６
群にスリーブ４を外装し、その状態で第２図に
示すように、分岐管３内に挿入したのち、ナツ
ト８ｂを回して拡張し、スリーブ４を分岐管３
に密着嵌合させ、その後、弾性体６による挟圧
を解除して弾性体６を縮径させたのち、管内ス
リーブ拡張装置Ａを分岐管３から抜止す。

［５］ 第５図に示すように、消火栓２を分岐管
３に接続し、両止水弁V₁，V₂を開く。

前記掃除具１０は、ハンドモータ１１で駆動さ
れる回転軸１２の端に取付けたブラシであつて、
前記回転軸１２は、前記分岐管３の消火栓取外し
跡、つまり、フランジ３ａに対して着脱自在で、
その周壁に前記消火栓取外し跡開口３Ａからの排
水を横方向に向けて放出させる放出口１３ａが形
成されたケース１３の底部に、スライドおよび回
転自在に挿通保持されている。もつて、掃除具１
０は、回転しつつ、挿抜方向に移動することによ
り、分岐管３の内面に対して掻落し作用するので
ある。

［別実施例］ 以下、本考案の別実施例を示す。

［１］ 上記実施例では、駆動手段８としてねじ
送り手段を示したが、駆動手段８としては、第
７図に示すように、ロツド状操作杆５Ａの他端
にピストン８Ａを、筒状操作杆５Ｂの他端にシ
リンダ８Ｂをそれぞれ連設して油圧や水圧の流
体圧シリンダ８Ｃを構成し、この流体圧シリン
ダ８Ｃに対する流体圧供給を制御する流体圧供
給装置８Ｄを設けて、流体圧で両操作杆５Ａ，
５Ｂを相対移動させる手段であつても良い。

［２］ 上記実施例では、環状のフランジ４ａ付
きのスリーブ４を示したが、スリーブ４として
は、第８図に示すように、小片状のフランジ４
ｂ付のものや、フランジをもたないものであつ
ても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項の図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の実施例を示し、
第１図はスリーブの分岐管への挿嵌前状態を示す
要部の縦断面図、第２図はスリーブの分岐管への
挿嵌状態を示す要部の縦断面図、第３図は側面
図、第４図は掃除状態を示す要部の縦断面図、第
５図は要部の一部切欠き側面図、第６図はスリー
ブ要部の斜視図である。第７図と第８図は本考案
の別実施例を示す縦断面図とスリーブ要部の斜視
図である。 ５Ａ，５Ｂ……操作杆、４……スリーブ、６…
…弾性体、７Ａ，７Ｂ……挟持片、８……駆動手
段、９……応力伝達部材、８Ｃ……流体圧シリン
ダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 長手方向に相対移動自在な２つの操作杆５
   Ａ，５Ｂのうち、一方の操作杆５Ａにおける他
   方の操作杆５Ｂより突出する一端部分に、管内
   に嵌合されるスリーブ４内に対して挿抜自在
   で、かつ、スリーブ軸芯方向から挟圧されるこ
   とにより拡形変形する弾性体６を保持させ、前
   記両操作杆５Ａ，５Ｂの一端部にそれぞれ、両
   操作杆５Ａ，５Ｂの一端部を近接させる方向で
   の相対移動に伴つて前記弾性体６を挟圧する挟
   持片７Ａ，７Ｂを連設し、かつ、前記両操作杆
   ５Ａ，５Ｂの他端側に、両操作杆５Ａ，５Ｂを
   前記の方向で相対移動させるための駆動手段８
   を設けてある管内スリーブ拡張装置であつて、
   前記弾性体６を複数個、挟圧方向に並べて設け
   るとともに、隣合う弾性体６の間に、弾性体６
   よりも大なる剛性の応力伝達部材９を介装して
   ある管内スリーブ拡張装置。 ２ 前記駆動手段８が、ねじ送り手段である実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の管内スリー
   ブ拡張装置。 ３ 前記駆動手段８が、流体圧シリンダ８Ｃで両
   操作杆５Ａ，５Ｂを相対移動させる手段である
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の管内ス
   リーブ拡張装置。