JPH0328064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案はＵ字溝等のコンクリート製品の運搬、
あるいは敷設に際し、コンクリート製品の側壁に
埋設せしめたインサートブツシユに挿着せしめ、
コンクリート製品を吊り下げる様にしたコンクリ
ート製品用吊り下げ金具に関するものである。

従来の技術 従来、Ｕ字溝等のコンクリート製品の運搬、あ
るいは現場においてコンクリート製品を敷設する
には、コンクリート製品の側壁に埋設せしめた円
筒状のインサートブツシユに吊り下げ金具を螺着
せしめるか、或いは挿着せしめることのみであつ
た。

しかし、かかる吊り下げ金具にワイヤーを掛止
せしめてかなり重量のあるコンクリート製品を吊
り下げると、インサートブツシユから突出してい
る吊り下げ金具の付け根部分には上下方向に応力
が加わり吊り下げ金具の付け根部分から折曲する
危険性を伴い、作業中の事故の原因となる恐れが
あつた。

又、Ｕ字溝等のコンクリート製品にあつては、
その大きさによつて重量が増減するため、かかる
コンクリート製品の重量を支えるべくインサート
ブツシユの長さをもそれに応じて埋設しなければ
ならなかつた。

したがつて、大きさの異なるコンクリート製品
を運搬あるいは敷設のために移動する時には、そ
れぞれのインサートブツシユの長さに適合した吊
り下げ金具、すなわち吊り下げ金具におけるイン
サートブツシユに挿入せしめる部分の長さをイン
サートブツシユの長さに適合したものと一々取り
替えて挿入しなければならず、それを怠るとコン
クリート製品吊り下げ時に、インサートブツシユ
より吊り下げ金具が離脱し、作業中の事故の原因
となる欠点を有していた。

考案が解決しようとする問題点 本考案はＵ字溝等のコンクリート製品の側壁に
埋設せしめたインサートブツシユに挿着せしめる
吊り下げ金具に丸ナツトを螺着せしめることに
て、コンクリート製品吊り下げ時に吊り下げ金具
の付け根部分に集中する応力による折曲を防止せ
しめると共に、コンクリート製品の大きさによ
り、長さの変わるインサートブツシユに対応出来
る様にしたコンクリート製品用吊り下げ金具を提
供せんとするものである。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段 本考案はかかる点に鑑み、垂直に立ち上がつて
形成されたコンクリート製品の側壁面と開口部端
面を面一に露出して側壁内に埋設したインサート
ブツシユに挿着する吊り下げ金具において、シヤ
フトの一端に抜止め部を形成すると共に、他端か
ら抜止め部間の所定部位に雄螺子を螺刻せしめ、
一方略Ｕ字状に形成せしめて成るシヤツクルの両
端に貫通孔を穿設せしめ、該貫通孔に前記シヤフ
トを貫装せしめると共に、外径をインサートブツ
シユの開口部の径より大径に形成せしめて成るリ
ング状の丸ナツトの内周面に雌螺子を螺刻せし
め、該丸ナツトをシヤフトの雄螺子に螺合せしめ
ることにより構成せしめたコンクリート製品用吊
り下げ金具を提供して上記欠点を解消せんとした
ものである。

作 用 本考案はＵ字溝等のコンクリート製品の側壁に
埋設せしめたインサートブツシユの長さに適合す
る様に吊り下げ金具におけるインサートブツシユ
の挿入部分の長さを、丸ナツトをシヤフトの雄螺
子の間を螺動せしめることにより、長さ調整せし
めるのである。

そして、丸ナツトをインサートブツシユ開口部
端面に当接せしめる様にして吊り下げ金具におけ
るインサートブツシユの挿入部分を挿入せしめる
ことにより挿着せしめ、コンクリート製品を吊り
下げるのである。

かかるコンクリート製品吊り下げ状態時にあつ
ては、インサートブツシユから突出している吊り
下げ金具の付け根部分の上下方向に集中する応力
に対して、丸ナツトが付け根部分からの折曲を防
止するのである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
ると、１は垂直に立ち上がつて形成されたコンク
リート製品２の側壁３内に埋設せしめたインサー
トブツシユ４に挿着せしめる吊り下げ金具の本体
であり、該本体１は硬鋼製より成るシヤフト５、
シヤツクル６、ワツシヤ７、六角ナツト８、丸ナ
ツト９にて構成されている。

シヤフト５は略ボルト状に形成せしめて成り、
シヤフト５の一端にはシヤフト５の径より大径に
形成せしめた抜止め部１０を設けしめ、他端をイ
ンサートブツシユ４に本体１を挿着せしめるため
の挿入部分１１と成さしめ、該挿入部分１１から
抜止め部１０間における所定部位には雄螺子１２
を螺刻せしめている。

シヤツクル６は略Ｕ字状に形成せしめて成り、
両端には貫通孔１３，１３ａを対向する様に穿設
せしめている。

丸ナツト９は外径をインサートブツシユ４の開
口部１４の径より大径に形成せしめたリング状に
成しており、中空部１５の内周面には雌螺子１６
を螺刻せしめ、又外周面の任意の位置には中心に
向かつて小孔１７を穿設せしめている。

そして、本体１はシヤフト５の挿入部分１１か
らリング状のワツシヤ７を抜止め部１０に当接す
る様に挿入せしめ、かかるシヤフト５をシヤツク
ル６の貫通孔１３，１３ａに嵌入せしめ、次にシ
ヤツクル６に当接する様に六角ナツト８をシヤフ
ト５の雄螺子１２に螺着せしめ、更に丸ナツト９
をシヤフト５の雄螺子１２の適宜位置に螺着せし
めることにより組立られる。

インサートブツシユ４は合成樹脂より成り、有
底筒状に形成せしめて基部１８と成し、該基部１
８の外周には抜止め突起１９を形成せしめてお
り、コンクリート製品２の側壁３内にインサート
ブツシユ４の開口部１４の端面を側壁３面と面一
になる様に埋設せしめている。

次に本考案に係るコンクリート製品用吊り下げ
金具の作用について説明すると、 第３図に示す様に、コンクリート製品２の側壁
３面に埋設せしめたインサートブツシユ４の長さ
に適合する様に、丸ナツト９をシヤフト５の雄螺
子１２の間を螺動せしめることにより、本体１の
挿入部分１１の長さを調整せしめるのである。

かかる挿入部分１１の長さ調整にあつては、丸
ナツト９の小孔１７に適宜なる棒体を嵌入し、か
かる棒体を回転せしめることにより、丸ナツト９
がシヤフト５の雄螺子１２の間を螺動する様に成
している。

そして、本体１の挿入部分１１を丸ナツト９と
インサートブツシユ４の開口部１４端面とを当接
せしめる様にして挿入せしめ、シヤツクル６にワ
イヤロープ２０を通してコンクリート製品２を吊
り下げる状態と成すのである。

かかるコンクリート製品２の吊り下げ状態にあ
つては、インサートブツシユ４から突出している
本体１の付け根部分２１の上下方向に集中する応
力に対して、丸ナツト９の外径をインサートブツ
シユ４の開口部１４の径より大径に形成せしめて
いるため、本体１の付け根部分２１からの折曲を
防止すると共に、本体１が上下に傾くことをも防
止するのである。

又、シヤツクル６に穿設した貫通孔１３，１３
ａは単シヤフト５に貫装されているのみなので、
コンクリート製品２の凹部を下向きから上向きと
する反転作業時には、インサートブツシユ４に挿
入したシヤフト５を以つてコンクリート製品２を
反転可能としている。

〔考案の効果〕

要するに本考案は、垂直に立ち上がつて形成さ
れたコンクリート製品２の側壁３面と開口部１４
端面を面一に露出して側壁３内に埋設したインサ
ートブツシユ４に挿着する吊り下げ金具におい
て、シヤフト５の一端に抜止め部１０を形成する
と共に、他端から抜止め部１０間の所定部位に雄
螺子１２を螺刻し、一方略Ｕ字状に形成せしめて
成るシヤツクル６の両端に貫通孔１３，１３ａを
穿設せしめ、該貫通孔１３，１３ａに前記シヤフ
ト５を貫装せしめると共に、外径をインサートブ
ツシユ４の開口部１４の径より大径に形成せしめ
て成るリング状の丸ナツト９の内周面に雌螺子１
６を螺刻せしめ、該丸ナツト９をシヤフトの雄螺
子１２に螺合せしめることにより構成せしめたの
で、コンクリート製品２の側壁３面に埋設せしめ
たインサートブツシユ４の長さに適合する様に、
丸ナツト９をシヤフト５の雄螺子１２の間を螺動
せしめることにより、本体１の挿入部分１１の長
さを調整せしめて本体１の挿入部分１１を丸ナツ
ト９とインサートブツシユ４の開口部１４端面と
を当接せしめる様にして挿入せしめることが出来
るため、従来の様にコンクリート製品２の大きさ
によつて異なるインサートブツシユ４の長さに適
合せしめて吊り下げ金具を取り替えるといつた手
間を省くことが出来るのである。

又、本体１の挿入部分１１は丸ナツト９の螺動
によつてその長さ調節をなしているため、微調整
をも可能とし、完全にインサートブツシユ４の長
さに合致することが出来るのである。

又、コンクリート製品２の吊り下げ状態にあつ
ては、インサートブツシユ４から突出している本
体１の付け根部分２１の上下方向に集中する応力
に対して、丸ナツト９の外径をインサートブツシ
ユ４の開口部１４の径より大径に形成せしめてい
るため、本体１の付け根部分２１からの折曲を防
止すると共に、本体１が上下に傾くことをも防止
し、本体１の強度性を図らしめることが出来、コ
ンクリート製品２の運搬、現場での敷設等におけ
る作業をより一層安全なものとすることが出来る
等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、第１
図は本考案に係るコンクリート製品用吊り下げ金
具の正面図、第２図は同上断面図、第３図は同上
使用状態を示す要部断面図、第４図は同上使用状
態を示す図である。 ２……コンクリート製品、３……側壁、４……
インサートブツシユ、５……シヤフト、６……シ
ヤツクル、９……丸ナツト、１０……抜止め部、
１２……雄螺子、１３，１３ａ……貫通孔、１４
……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直に立ち上がつて形成されたコンクリート製
   品の側壁面と開口部端面を面一に露出して側壁内
   に埋設したインサートブツシユに挿着する吊り下
   げ金具において、シヤフトの一端に抜止め部を形
   成すると共に、他端から抜止め部間の所定部位に
   雄螺子を螺刻し、一方略Ｕ字状に形成して成るシ
   ヤツクルの両端に貫通孔を穿設し、該貫通孔に前
   記シヤフトを貫装すると共に、外径をインサート
   ブツシユの開口部の径より大径に形成して成るリ
   ング状の丸ナツトの内周面に雌螺子を螺刻し、該
   丸ナツトをシヤフトの雄螺子に螺合することによ
   り構成したことを特徴とするコンクリート製品用
   吊り下げ金具。